さて、最近「アイドル版コミケ」を謳っていたイベントがありましたが、コミックマーケットとは、全く関係のないイベントですので、誤解のないようにお願いします。当該イベント主催者には「コミケ」の名称を使わないよう申し入れました。comiket.co.jp/Trademark_J.ht…
【Twitter@comiketofficial】

「コミケ」という言葉を宣伝文句に使っていたアイドル系イベントに、
コミケット側が「コミケの名称を使わないように」
申し入れたというお話。

「コミケ」「コミケット」「コミックマーケット」(及びこれらの英語表記)は、
有限会社コミケットの登録商標なのですが、
マンガやアニメなどで「コミケ」という言葉が使われる場合には、
コミケ側はこのような対応はとりません。
そのままずばり「コミックマーケット」を使う場合でも、
事前に相談があればまず許可しているようです。
(実際最近は、「コミックマーケット90」と回数まで入れた、
 「小林さんちのメイドラゴン」の例も有り)
なのでコミケはこの手の問題に寛容だと思っている人もいるでしょうし、
今回の件を意外に思う人もいるでしょうから、
ちょっと解説などを。

(以下「続きを読む」内で)
さて、なぜコミケが今回はダメ出したのかというと、
もちろん「コミケと関係あると勘違いされると困るから」なのですが、
それとは別に商標法の制度上の問題があるからだと思われます。
結論だけ先に言うと、
イベントの名称にコミケが使われる可能性があったから」
になるかと。

商標権と言うのは、
特許庁に登録した商標にのみ発生する権利ですが、
登録の際その商標を使用する商品や役務を指定する必要があり、
その指定商品・役務の範囲内においてのみ独占排他的な権利が認められます。
つまり、指定した役務が「即売会」「イベント」のようになっていた場合、
他者が「コミケ」を使用してもコミケ側が差し止められるのは、
即売会やイベントなどに使われた時のみで、
マンガなどのフィクションの中で使われても、
その権利が無いということになるのです。
まあ商標権以前の問題で、
「勝手に既存のイベントの名前使うなよ」
というのは一般常識の範囲内だとは思いますし、
別の法律に触れる可能性も出て来るので、
使う場合に普通は許可をとりますが。

さて次に、
その登録した商標が指定した役務の範囲内で他者に使用された場合、
商標権を得た個人・団体がちゃんと警告を発するなどの措置を全くとっていないと、
特許庁側で「不使用取消審判」というものが行われることになります。
そこで「事実上商標として使用されていない」と判断されれば、
登録が取り消されてしまうことがあるのです。

つまり、今回のようなケースで警告を発していないと
「不使用取消審判」に進んでしまう恐れがあった訳です。
もちろん一度や二度見逃しただけではまずなりませんし、
きちんと使用していると証明すれば取り消されることもないのですが、
普段から「きちんと使用している実績」を作っておくのは、
商標を維持するうえで大事なんですね。
登録しただけで安心してほったらかしていると、
権利を失ってしまう恐れがある制度なんですから。
(ちなみに10年ごとに登録更新も必要で、しないと権利が消滅します)


......まあコミケットに取材して聞いたわけではないので、
今回の件はあくまで「勘違いされると困るからというだけ」
という可能性も大ですが(マテ