Vocabulary Building Blog

はじめまして、管理人です。 このブログは、英語の初心者から上級者まで、 英語に興味のあるすべての方のために書かれています。 英語力向上のため避けて通れないのは、語彙力の増強(Vocabulary Building)。 しかし、その過程は単調な作業や苦痛な営みになりがちです。 本ブログでは、初心者の方に「オモシロイ!」と思ってもらえる英語から、 上級者の方に「なるほど」と思ってもらえる英語まで、幅広く取り扱っています。 心がけているのは、(読み物として)読んで楽しいことと、 表面的な説明ではなく英語を根本から解説することです。 英語の楽しさと奥深さを実感していただき、 皆さまの英語力向上にお役立ていただければ幸いです。

2014年07月

Gaza Strip (BBC News)
(ガザ地区、BBC Newsより)
Stars and Stripes
(星条旗)

 

2014/7/31本日の表現:Gaza Strip & Stars and Stripes

今日は、語源から言葉を考えてみたいと思います。題名に挙げたGaza Stripはパレスチナの「ガザ地区」、Stars and Stripesは「星条旗」です。

ガザ地区といえば、ここのところその名前をニュースで聞かない日はないほど、現在、イスラエルとパレスチナの間で激しい戦闘が繰り広げられている場所です。

そして星条旗は、左上に青地に白の星()、全体に赤と白の縞模様をあしらった、言わずと知れたアメリカの国旗です。星は現在の州の数(50)、縞の横線は独立当時の13州を表しています。

ここまでは、よく知られていることでしょう。では、これらの英語に使われている、StripStripesが同じ語源を有することに関してはどうでしょうか?

実は、「革ひも」を意味する、古いドイツ語(中期低地ドイツ語)strippeから来ています。革ひもという言葉からピンときた人もいるでしょう。strapストラップ)も同じ語源です。

それでは、これらの言葉の根底にある、共通の意味合いは何でしょうか?

それが「細く(狭く)、長い」ということ、つまり細長いことです。

ガザ地区は、写真で見ればわかるように、細長い形をしていますね。だから、Gaza Stripというのです。星条旗は、縞の横線の一本一本が細長いから、Stars and Stripesです。革ひもは細長いから、strapです。

OALD
(英英辞典)における、それぞれの語の定義は以下の通りです。

strip -
a long narrow area of land, sea, etc.
stripe -
a long narrow line of colour, that is a different colour from the areas next to it.
strap -
a strip of leather, fabric, or other material that is used to...

語義においても、上記の説明が裏付けされましたね。

今後は、ガザ地区のGaza Stripという英語を教える際、次のような例文を使うのはいかがでしょう?

Gaza is a strip of land. That's why it's called the Gaza Strip.(ガザ地区は、細長い形をしている。だから、Gaza Stripと呼ばれる

以上、本日のテーマはGaza StripとStars and Stripesでした。

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30 pipe dream
(アヘンを吸う昔の中国人)

2014/7/30本日の表現:pipe dream

そのまま訳すと「パイプの夢」。これは一体、何のことでしょう?

これは、日本語で「夢物語」のことです。では、なぜパイプの夢が、夢物語の意味になるのでしょうか?

答えは、歴史にあります。実はpipeは、昔アヘンを吸引する際に用いられたパイプ、キセルのことを指しています。世界史を勉強した人なら、19世紀に清(今の中国)とイギリスの間でアヘン戦争が起きたことは、ご存じでしょう。アヘンは、過去に鎮痛剤や睡眠剤として医療で用いられたことはありますが、麻薬であり中毒性があります。過度の服用は、幻覚症状を引き起こします。

つまり、パイプを使ってアヘンを燻らし、中毒症状になったような人が語る言葉ですから、pipe dreamといえば「非現実的な考え」「世迷い言」「夢物語」を意味するようになった、ということです。(一応付記しますが、昔の中国人も、アヘンの被害者です。)

最後に、pipe dreamを使った例文を挙げましょう。

例文:
- I think that his plan to become a professional athlete is
a pipe dream and that he should stay in school.(私は、プロのアスリートになるという彼の計画は非現実的であり、学校に残るべきだと思う。)wiktionary.orgより。

ちなみに、アヘン(opium)はケシ(poppyの実から生成され、アヘン戦争は、the Opium Warといいます。
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コンセッション
2014/7/29
本日の表現:Concession


「コンセッション」。おととい、妻と映画館へ『マレフィセント』を見に行った際に、売店の前で見た言葉です。一瞬「えっ?」と思いましたが、concedeの名詞形の"concession"。これをそのまま日本語のカタカナ語に置き換えた言葉です。concedeは「譲歩する」や「譲渡する」などを意味する英語です。なぜ、映画館内、売店入口のこんな場所で、この表現が使われているのでしょうか?
 

それは、concessionが「映画館の経営会社が、館内で売店を独占的に営業する権利を別会社に与える」ことを意味するからです。利用者からすれば、どこの会社が売店を経営していようが、あまり関係ないことだとは思いますが、元々、英語でそういう表現なのです。

では、OALD先生に、実際の英語の使われ方を聞いてみましょう。OALDとは、The Oxford Advanced Learner’s Dictionaryの略で、広く日本でも使用されている、英英辞典です。私の電子辞書にもありますし、オンラインでの利用も可能ですね。そのサイトはこちら。

http://www.oxfordlearnersdictionaries.com/


サイト上部の空欄に、concessionと入力すると、concessionの意味がたくさん出てきます。今回の意味は、5番目です。


5 [countable] the right to sell something in a particular place;
the place where you sell it, sometimes an area which is part of a larger building or store
- the
burger concessions at the stadium
- They went to the
concession stand to get a hot dog.


スタジアムの「バーガー・コンセッション」に、ホットドッグの「コンセッション・スタンド(売店)」ですから、やはり元々英語でそのように使われている、ということです。ちなみに、販売の権利を与えられた別会社のことを、concessionaireといいます。主に、イギリス英語で使われます。
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