(草刈りをする消防隊員)
2014.8.31本日の表現:go beyond the call of duty / go viral
今日は、ちょっとしたfeel-good news(気分が良くなるニュース)をお届けします。イギリスのMetro紙に報じられた、米国テキサス州で起きた出来事です。
The family of a heart attack victim have praised the local fire brigade after they went beyond the call of duty with a simple act of kindness.(草刈りの作業中に心臓発作で倒れた男性の家族は、親切心から責任以上の仕事を果たした地元の消防隊を、称賛した。)
義務や責任以上のことをすることを、go beyond the call of dutyといいます。一語でいえば、overdeliver(要求以上のことを[=over]やり遂げる[=deliver])です。消防隊員たちは何をしたのか?
Before returning to the station, the crew took turns mowing the front and back garden and a neighbour took a photo of the firefighters in action, which has since gone viral.(署に戻る前に隊員たちは、交代で前庭と裏庭の草刈りをした。近所の人がその姿を写真に収め、その写真は急速にネットで広まった)
インターネットと写真と動画の時代。go viralをニュースで見ない日はありません。viralはvirus(ウィルス)の形容詞形で、急速に広まることを意味します。ウィルスのように急速に、というだけで、否定的なニュアンスはありません。男性の義理の息子は言いました。
‘It just speaks to their character. They say honour is doing the right thing when nobody’s looking. They were very honourable.’(これは端的に彼らの人格を語るというものだ。誰も見ていない時に正しい行いをすることを、人は名誉と呼ぶ。彼らはその名誉にとても値する。)
隊員たちは、庭で倒れる男性の姿から感じるものがあったのかもしれません。残念ながら男性は亡くなりましたが、きっと天国で彼らに感謝しているでしょう。
カテゴリ:ニュースソース > Metro
本日の表現:la-la land / publicist wife / un-see
(Eric Bana)
2014.8.20本日の表現:la-la land / publicist wife / un-see
今日は、ハリウッド俳優Eric Banaが、自身主演の最新作Deliver Us From Evilについて語ったインタビュー記事から、英語表現をお届けします。(イギリスのタブロイド紙Metroより)
ハリウッド俳優ながら、住まいは今もメルボルンで、普段はニュースのヘッドラインを騒がすこともない、オーストラリア出身の素朴な俳優。これを記事では、la-la landの住人ではなく、publicist wifeがいる、と表現しています。la-la landとは、特に、映画・テレビ産業の関連で「ロサンゼルス」または「ハリウッド」を指す言葉。そのまま日本語で「ラーラーランド」とも。映画との連想で、現実離れした世界、夢の国、陶酔境・恍惚などの意にも、使われます。「ラーラー」というと、お気楽で安易な響きが日本語にも通じる気がしましたが、実はロサンゼルスの二度読み(la-la = Los Angeles, Los Angeles)です。publicist wifeとは、(自分の)「広報担当が妻」ということです。これは見方にもよりますが、有名ではあるが家庭的で素朴な彼の一面を表している、とも言えるでしょう。ちなみに、publicist in a publisherといえば、「出版社の広報担当」です。
さて本作は、Ralph SarchieというNYPD(ニューヨーク市警本部 = New York Police Department)の警官による、ホラーの実体験に基づいています。ある時、映画撮影の合間に、Sarchieが実際に所有する悪魔祓いの映像を、何の前触れもなく、突然、監督から見せられたそうです。その時の衝撃をBanaはこのように表現しています。
I just can’t un-see what I just saw.
独特な言い回しをしていますね。「今のは、見なかったことにしたくてもできない」という意味合いです。つまり、脳裏に焼き付いて離れない、ということです。
I think there’s no doubt that a lot of it (= the otherwordly) is about what frequency you choose to tune into. The question is, does the frequency choose you or do you choose the frequency?
空想的な世界の大半は、自分がどの周波数を選ぶかということ。問題は、周波数があなたを選ぶのか、あなたが周波数を選ぶのか。
そんな言い方されたら「そんな世界もあるのかもしれない」と思えてきました。真夏の夜に、ちょっと寒気が走りました。
本日の表現:crop top
(London Collectionsにて。Stuart C. Wilson/Getty Imagesより)
2014.8.19本日の表現:crop top
イギリスの朝刊紙Metroに、最近の流行ファッションについて面白い記事がありました。
その流行ファッションとは、ずばりcrop top(クロップトップ)です。女性用上着として昔からあるのでは、と思った方。実はいま、crop topの「男性用」が流行り始めているというのです。何でも、米国オハイオ州のラッパーがこれを着て、流行らせたのだとか。
発祥はともあれ、このcrop topという表現を英語的に見てみると、まずtopはそのまま「上着」または「上半分」という意味です。これに対して、cropはどうか?日本人の多くは、cropというとまず「作物」の名詞を思い浮かべると思います。それはなぜなら、中学高校の英語でそう習うからです。しかし、ここでは作物ではなく「切る」または「刈る」という動詞の意味合いで使われていると考えるのが適切でしょう。crop topはcropped top(切り取られた上着)とも言われることを考えれば、動詞的な意味合いは、なお明らかです。crop topの語義は、OALD辞書で以下のように説明されています。
crop top: a woman’s informal piece of clothing for the upper body, cut short to leave the stomach bare(腹の部分が露出するように短くカットした、女性用のカジュアル上着)
語義上でも、cropに対応するcut shortが使われているのが見て取れますね。語源を探れば、cropは元々「植物の穂(先端)」を意味していました。これが「作物」そのもの、そして「その穂を刈り取る」になり、最終的に「服を短く切る」まで意味するようになりました。他にも現在は「写真をトリミングする」や「髪を短く刈り込む」でも使われますから、なかなか多様な使われ方をするものです。
このまま進めば、もしかしたら近い将来、crop topの辞書の語義からwomanという言葉はなくなるかもしれませんね。