Vocabulary Building Blog

はじめまして、管理人です。 このブログは、英語の初心者から上級者まで、 英語に興味のあるすべての方のために書かれています。 英語力向上のため避けて通れないのは、語彙力の増強(Vocabulary Building)。 しかし、その過程は単調な作業や苦痛な営みになりがちです。 本ブログでは、初心者の方に「オモシロイ!」と思ってもらえる英語から、 上級者の方に「なるほど」と思ってもらえる英語まで、幅広く取り扱っています。 心がけているのは、(読み物として)読んで楽しいことと、 表面的な説明ではなく英語を根本から解説することです。 英語の楽しさと奥深さを実感していただき、 皆さまの英語力向上にお役立ていただければ幸いです。

カテゴリ: 辞書

夜明け

2014/8/1
本日の表現:朝の表現


アップが、夜ですみません(笑)。今日は、朝の表現を取り上げてみたいと思います。8月に入り、夏至(the summer solstice)が近づくにつれ、日がさらに伸びていき、夜明けは早くなっています。


夜明けは英語で、dawndaybreaksunriseなどといいます。これらはみな「夜明け」という「名詞」表現ですが、では「夜が明ける」を英語でいうと、どうなるのでしょうか?

Day breaks.

The sun rises.

これだけです。名詞を分解して、動詞に三単現のsを付けるだけです。「夜が明ける」という日本語に引きずられて、×Night breaks.などというのは、もちろん間違いです。


さらに、dawnを動詞として使うこともできます。ただしその場合は、物理的に夜が明けるという意味ではなく「(夜が明けるように)初めて何かに気がつく、物事を理解し始める」という意味なります。OALD(英英辞典)より、以下の例文を挙げます。


Suddenly it dawned on me that they couldn’t possibly have met before.(彼らがそれ以前に会えたわけがないと、私はハッと気づいた。)…何だかとっても意味深な例文です。(笑)

それでは、「朝から虫の居所(機嫌)が悪い」ことは、英語で何というでしょうか?


get up on the wrong side of the bedです。この表現は、ベッドの左側から起きると、その日は縁起が悪いという迷信から、来ています。ちなみに、born on the wrong side of the tracksは「下層階級に生まれる」を意味します。これは、tracks(鉄道)を境に、片方が裕福で、もう片方が貧乏な地区といわれたことに由来します。


しかし「朝から体調が悪い」ことを「朝の病気」と置き換えてmorning sicknessとしては、いけません。なぜなら、morning sicknessは「妊婦のつわり」を意味するからです。ですから、男性は体調不良でも、間違ってもI have morning sickness.と言わないようにしましょう(不可算扱いのため、通常はaを付けず)。ちなみに、“morning” sicknessと呼ばれる所以は、つわりは朝に起こることが多いから、と言われています。

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30 pipe dream
(アヘンを吸う昔の中国人)

2014/7/30本日の表現:pipe dream

そのまま訳すと「パイプの夢」。これは一体、何のことでしょう?

これは、日本語で「夢物語」のことです。では、なぜパイプの夢が、夢物語の意味になるのでしょうか?

答えは、歴史にあります。実はpipeは、昔アヘンを吸引する際に用いられたパイプ、キセルのことを指しています。世界史を勉強した人なら、19世紀に清(今の中国)とイギリスの間でアヘン戦争が起きたことは、ご存じでしょう。アヘンは、過去に鎮痛剤や睡眠剤として医療で用いられたことはありますが、麻薬であり中毒性があります。過度の服用は、幻覚症状を引き起こします。

つまり、パイプを使ってアヘンを燻らし、中毒症状になったような人が語る言葉ですから、pipe dreamといえば「非現実的な考え」「世迷い言」「夢物語」を意味するようになった、ということです。(一応付記しますが、昔の中国人も、アヘンの被害者です。)

最後に、pipe dreamを使った例文を挙げましょう。

例文:
- I think that his plan to become a professional athlete is
a pipe dream and that he should stay in school.(私は、プロのアスリートになるという彼の計画は非現実的であり、学校に残るべきだと思う。)wiktionary.orgより。

ちなみに、アヘン(opium)はケシ(poppyの実から生成され、アヘン戦争は、the Opium Warといいます。
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コンセッション
2014/7/29
本日の表現:Concession


「コンセッション」。おととい、妻と映画館へ『マレフィセント』を見に行った際に、売店の前で見た言葉です。一瞬「えっ?」と思いましたが、concedeの名詞形の"concession"。これをそのまま日本語のカタカナ語に置き換えた言葉です。concedeは「譲歩する」や「譲渡する」などを意味する英語です。なぜ、映画館内、売店入口のこんな場所で、この表現が使われているのでしょうか?
 

それは、concessionが「映画館の経営会社が、館内で売店を独占的に営業する権利を別会社に与える」ことを意味するからです。利用者からすれば、どこの会社が売店を経営していようが、あまり関係ないことだとは思いますが、元々、英語でそういう表現なのです。

では、OALD先生に、実際の英語の使われ方を聞いてみましょう。OALDとは、The Oxford Advanced Learner’s Dictionaryの略で、広く日本でも使用されている、英英辞典です。私の電子辞書にもありますし、オンラインでの利用も可能ですね。そのサイトはこちら。

http://www.oxfordlearnersdictionaries.com/


サイト上部の空欄に、concessionと入力すると、concessionの意味がたくさん出てきます。今回の意味は、5番目です。


5 [countable] the right to sell something in a particular place;
the place where you sell it, sometimes an area which is part of a larger building or store
- the
burger concessions at the stadium
- They went to the
concession stand to get a hot dog.


スタジアムの「バーガー・コンセッション」に、ホットドッグの「コンセッション・スタンド(売店)」ですから、やはり元々英語でそのように使われている、ということです。ちなみに、販売の権利を与えられた別会社のことを、concessionaireといいます。主に、イギリス英語で使われます。
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