10月から厚生年金保険料が値上がりする。給与から自動的に天引されるので、気がつかない人がいるかもしれないが、平成29年まで毎年0.354%ずつ上がっていくのだ(労使折半なので本人は0.177%。月収36万円の場合は年間約650円の負担増に)。そこで今回は、経済ジャーナリストの荻原博子さんに「払った年金を取り戻す方法」を紹介してもらった。

「厚生年金には高齢になってもらえるだけではなく、被保険者が死亡したときに妻や子がもらえる《遺族厚生年金》があります。お父さんが亡くなった場合、妻と18歳以下の子供が2人いると、収入にもよりますが、月額約15万円が支給されます。また、病気やケガを負ったら《障害年金》がもらえます。たとえば、最近増えているうつ病でも障害年金を受給できるケースが増えています」

障害年金は、初診日から1年6カ月たったら申請することができるという。厚生年金加入者だけではなく、国民年金の加入者にも該当する。ともに受け取るには次の要件を満たしていることが前提だ。

仝彊となった病気で医師にかかった初診日に、年金に加入していること。
⊂祿嫁定日にまだ一定の障害状態であること。
初診日の前々月までに(国民年金の場合は)滞納期間が3分の1未満であること。

原則として保健所の窓口でもらえる用紙に記入し、書類をそろえれば自分で申請できるという。該当する場合は、障害の重さ(厚生年金の場合1級から3級まで)に応じて補償される。配偶者や子がいる場合はその分の加算も。ケガした場合も認められることがあるそうだ。月収30万円のサラリーマンの父親が大ケガをして障害1級と認定されたら、妻と子供が1人のケースでおよそ年額205万円が受給できる。

「ケガや病気で働けなくなったら、まず雇用保険から出る傷病手当金の申請を。支給が切れても治癒しない場合、障害年金を検討することになります。年金をしっかり納めていると、いざというとき経済的に助かることを忘れずに。経済的困窮などで国民年金を払っていない人も、免除申請をしておけば受給資格が得られるので手続きをしましょう」