公表すべきか否かで多少迷ったが、年頭に意識したように、アングラーとしてニュートラルな立場で居るならばやはりコレは皆さんにお見せしたい。

快適な釣りを標榜するならば看過する訳にはいかない。

 

せめてブログ上で・・・。

 

と言うわけで以下の内容をご覧あれ。

 

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ブリーデンフロロ発売から数週間過ぎた頃、一人のユーザーからブリーデンへクレームの連絡があった。

内容は「ラインの表面のコートが剥がれる。コレでは二度と購入できない」

と言うような内容で、僕も驚いて社長にお願いをしてご本人へ使用状況等を直接聞き取りすべく、電話を入れてみた

 

 

「3.11ポンドラインを購入し、ナイトメバリングをしていたらどうもラインの様子がおかしい事に気付きました」

「チエックしてみると表面が白濁している・・・」

「不審に思ってその部分を指でこすってみると表面の白濁が粉状になって剥がれるし、さらにこするとラインの上にダマ状になってしまった・・・」

「思い当たるのはウイードの中からメバルを引きずり出したのでそのせいでしょうか」

 

「以前、キープキャスティングのレスの中で、『ワゴンセールの安いフロロを買ったら、表面コートが粉のように剥がれて使い物にならなかった』と言う内容があったのでそれも思い出してショックを受けてます」

 

 

 

ざっとこのような内容であり、僕もテストでさんざん使い、上記のような経験は無く快適に使えていたのでコレには飛び上がるほど驚いた。

数あるプロトタイプの中から、強度、細さ、しなやかさにおいて文句無く平均値を上回るものだったし、総合でも及第点を上げられるラインだった。

最上級プロトに比べて「耐久性」には若干劣るものの、その分「強度=細さ」の点においては申し分のないナンバーワンプロトラインであり、何より僕が一番に求めた「コストパフォーマンスに優れる」と言う点ではこれ以上のラインは無いと思って決定に至ったから愕然としてしまった。

 

 

自身で気付かない弱点が「ある条件下」で発覚したのかと・・・。

 

 

 

 

しかも驚いたことに岡山の釣友である「ライド君」からも同じ内容で報告があった。

 

で早速「痛んだライン」を回収し厳密な検査をしてもらった・・・。

ほぼ一ヶ月近くかかって答えが出たのが以下の内容。

 

内部資料で多岐に亘るので全てをお見せできないが、問題の部分をご覧あれ。

 

2

かなり拡大してあるが、なるほどダマ状になっている

白濁はこの写真では解らないが、白濁部分を指でこすって集めるとダマになるようだ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

で、検査の結論から言うとラインそのものには全く傷等の欠陥は見当たらず、この白濁やダマは元来製品の表面に存在するものではなく、後から付着したものだと言うことだった。

 

 

次の写真はダマ部分を拡大したもの。

1

太い柱状の物がフロロラインであり、その周りに何やら薄っぺらいリボン状の物が絡み付いている

 

 

 

 

 

 

 

 

このリボンの正体はなんと「ライン用コート剤」だ。

もちろん製品に最初からコートしてある物ではなく、アングラーが任意で後から吹き付ける種類のもので、釣具店で販売しているスプレー式のもである。

 

元来ラインの滑りを良くしたり、表面をコートすることで根擦れから守る事を目的に作られているものなのだけど、こう言う結果になるようでは本末転倒だ。

 

そこでこの結果を持って件のアングラー氏とライド君に尋ねてみると、やはりコート剤を使用されていた。

 

 

 

 

 

色んな誤解の無いように改めて技術者から聞いた話を要約してみる。

 

「フロロライン製品で最初から表面に違う素材をコートしてある物はほとんどありません」

「色着きの物はフロロ素材のポリフッ化ビニルデンに顔料などを混ぜて作りますので強度は下がるものの、やはり表面が剥げるという事は物理的に考えにくいです」

「高級フロロの中には違う素材を「コア」に配して強度を高めたものはありますが、基本的に外側は単一のモノ素材ですからどんなフロロも表面だけが剥がれる様な事はあり得ません」

「PEのような繊維の集まった素材ならコート剤の効果も出やすいのですが、フロロなどは表面滑度が高いですからフッ素樹脂などを吹き付けても定着性は非常に低いということになります」

「実験室に於いても一定以上の熱を加えない限り完全な定着は見られませんでした」

「いずれにしても検体のフロロラインそのものは傷一つ無く、完全な状態でした」

 

 

と言うものだった・・・。

技術者さんによると、仮にコートスプレーを使う場合でも厚く吹くほどこの現象が置きやすいだろうと言う事だ。

僕自身はコート剤発売の初期の頃に使って以来、ナイロンやフロロに関しては飛距離等(プロトロッドの飛距離テストでのグランド実計測にて)に格別なメリットは得られなかったので、現在はPEライン以外には全く使っていないので件の症状を見たことが無いのは当然だということだ。

 

 

 

 

 

Kさん、ライド君、ラインを送っていただくなど原因究明にご協力頂き有難うございました。

もしも真剣な問い合わせも無く、「このライン駄目じゃん」と烙印を押されたと考えたらかなりぞっとします^^;

お二人の真摯な姿勢に救われました。感謝です。