「尺メバル」「メガメバル」

メバリングの隆盛と共に、今ではさして珍しくもなく専門誌に釣果写真として掲載されるが、山陰や茨木や伊豆なのど闇磯はさておき、明かり着きの堤防で狙って釣るとなるとこれはもう、交通事故か宝くじに当たるような確率に等しい。

特に瀬戸内(広島、山口を中心として)となるとメバルのメッカであるにもかかわらず、堤防からの釣りで尺が釣れるという確率は40年前から非常に低い。



当時から延べ竿によるメバルクラブに所属していた私ですら、瀬戸内の尺などという大メバルは、遊漁船からの胴突きでは一船で数匹釣れるものの、陸からはさっぱりであったし、事実クラブの30年に及ぶ尺アップメバル釣果はクラブ公式記録最大魚37.5cmを筆頭に90%以上が山陰側であり、記録に残されているものだけを見ても、瀬戸内側の尺は当時事務長をされていた先輩が周防大島で釣ったものが唯一だった。



さほど瀬戸内で陸から尺メバルを釣るのは困難であるし、いわば狙って釣れる代物ではなかった。

決して釣れないものではないが、釣ってくる釣り人はたいてい決まっている。


ひとつは、私のような釣技はさほどでも無いが「メバルを釣るためなら金も時間も距離もいとわない」という、狂熱的で、半ばモンスターのごとくアイデンティティが自己肥大した人間(笑)

もしくは求道的に、知識と技術をとことん磨き、現場検証を重ねてきっちりと獲物を追い込んで行く「猟師的」「技術屋的」な本格派釣り師の二種だろう。

まあ、後者の方が圧倒的によく釣るのだが(爆)



もしくはのんびりまったりやっていて宝くじを見事引き当てる幸運者もいるが、これは再現性に乏しい。








さておき、3年ほど前に一旦冷めたメガメバルを釣るという思いが、違う形で今私に再燃している。

冷めた原因は前述したように山陰側で闇磯の釣りを余儀なくされるからであり、それは私の中では「市内河川や港湾部でのシーバスフィッシング」と、波飛沫飛び散る荒磯で展開される「ヒラスズキゲーム」との比較のように、全く違うゲームだからだ。




とてもじゃあないが、私の弱い精神力では一人っきりの闇磯は辛い(爆)
私のメバリングはやはり「瀬戸内の灯り付きの堤防の釣り」だ。

静かで風光明媚な瀬戸内の漁村で、一箇所に腰を据えたまま、刻々と変わる海況を読み、メバルの動向を読み、数釣れる中でより大型を出していくことに喜びを感じたり、あるいはペンシルなどのトップゲームを初めとしたハードルアーでルアーフィッシングの醍醐味を味わい尽くしたい。




しかしこの三年で状況が少しづつ変わって見えてきた。

自らプロデュースしたロングロッド(PEスペシャル)もきっかけになっているのだが、大型が釣れ難くなった瀬戸内だからこそ見えてきた大型を獲るための方法論だ。





昔から通いなれた安芸灘の島々である程度構築はできていた。


ウルトラフィネスによるボトムやミッドレンジでのゼロ釣法。

プラグによるサブサーフェスのナチュラルドリフト

激流でのボトムジギング

東京湾や新潟で確信を得たminimaru50によるビッグメバルパターン





そして友人たちが案内してくれた岡山や愛媛での新たな展開で「狙って釣る瀬戸内尺」がにわかに現実味を帯び、その後の釣行に大いなる結果をもたらせてくれた。


ペンシルやminimaruシャローによるサーフェスやサブサーフェスのぷかぷかドリフト

ヘビージグヘッドによるボトムワインド

ダートジグヘッドによるブレーキングワインド 










そして今年もメバルのトップシーズンに突入。
冒頭で語ったように、今の私は瀬戸内尺を追求している。

もちろんエリア抜きでは語れない部分もあるが、やることをキチッとやらなければ捕れない魚だ。
準備は十分にできている。あとは実戦に移すだけ。


長くなったが、昨夜の釣行を振り返る・・・。








◆今季初の瀬戸内メガ

満を持して入ったポイント。
釣り人は地元の同年輩のメバラー一人だけ。

挨拶を交わし、並んで始めたのは良いが、この方準備をしていると「あっ」と声を上げてゴソゴソし始めた。
聞いてみると購入したワームをすべて自宅に置き忘れたと(笑)



ガルプミノー1インチの予備ボトルがあったので一瓶差し上げる。




潮は干潮から返し始めたばかり。
先ずはストレンジ+イグジスト2004+0.6号13フロロ+たけちゃん1.2g+ミノー1インチで様子を見る。

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まあ、足元のウィードのそばでお約束的にレギュラーの赤。





少し沖目のミッドレンジをリトリーブで探ると、これまたお約束のブルーのレギュラー。
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まあね、こんなもんだよ普通。
となりのご同輩も同様のサイズを藻キワでポツポツ。


そこですぐにタックルを85PEスペシャル+セルテート2004HG+PE0.5号+尺ヘッドD4g+パワーベイトミノー2インチ(プロト)に持ち替える。


岡山のポイントで恐ろしく強かったボトムワインドだよ。
これで沖のブレイクのボトムを探ってみる。

推定飛距離は60m。
推定水深は12m。




ビシッビシッビシッっと三回強めのジャークを入れ、テンションフォールで再着底させると・・・。

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やはり・・・。
いきなり25センチ近いブルーの良型。




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このワームは形状から見て分かるように、完全にワインドダートを意識したもの。
ガルプミノー1インチと同じ形状のサイズアップであり、液の要らないパワーベイト素材だ。

この夜はこれが爆発した。





のっけから確信を得た。
ボトムだ。

堤防に立って見た範囲でもメバルの姿はほとんど見えない。
足元のウィードには茶がポツポツと見える程度。

試しに50cmレンジを83ディープに結んだ(この日は83はプラグメインで)ジェイドで探って見るが反応はない。
居ればこのプラグなら一発で食ってくるはず。

さらにミニマルノーマルを投入してさらに深いレンジを通してみるが、これも反応がない。



隣のご同輩は3匹釣ったあと全くヒットが訪れない。







そこでまたフルキャストのボトムワインドに戻すと・・・。
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またも良型・・・。

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さらに・・・。

ゾーンが遠いんだよ。
フロロタックルでは厳しい・・・。










このサイズを4匹取り込んだところで潮流に変化が起きて流れの方向が変わり、ボトムでバイトはあるものの乗らない。

ピンと来てタックルをストレンジに持ち替え、JHをタケチャン1.2gから2.3g+ミノー1インチに付け変えてフルキャストし、流れに乗せてラインを送り込みボトムを取る。

そしてチョンチョンのショートダートからボトムドリフト・・・。






驚いたね。
モソッと来たので直感的に大型だとは理解できたけど、まさかいきなり出るとは思ってはいなかった。

掛けた瞬間にボトムで横走りし始めたので、これは尋常なサイズではないと。
ラインは3ポンド強あるからさほど心配でないが、とは言っても滅多に来ないメガサイズだし、飲まれていたらヤバイ。


ストレンジがバットまで絞り込まれたので急いでドラグを弛めて走りに備える。
ボトムは砂底のようなので手前のゴロタ&ウィードだけ気をつければ走らせても何ら問題はない。

ドラグをジリジリ鳴らしながらブレイクの深い方へゴンゴン突っ込んでいったが、バットまで入るとストレンジの粘りのあるしなやかさが生きてくる。

しばらくしたら観念して浮いてきたのでそのままフェリー乗り場の滑りまで誘導し、海面との落差2m程をスプールに手を添えて持ち上げて抜いたが、運悪く切れはしまいかとヒヤヒヤものだった。



デカい。
いったなと思った。

地合いでもあろうから、アイフォンでさっと撮影してストリンガーに吊るし(他はその場でリリースしていた)、後でゆっくり撮影することにした。
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今季初の瀬戸内尺だ。
心の中でガッツポーズ(笑)



(休憩時に撮影)
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隣のご同輩はこのポイントの常連で、こんなサイズは初めて見たとおっしゃる。
彼はフロロ1号で、少しアドバイスして距離を出すためにキャロを組んで差し上げたがどうにも飛ばない。

お気の毒だがロッドも巻きの釣り用の非常に柔らかいロッドなので4gワインドもままならなく、ほとんど釣れない。




そしてこの一匹を最後に、何をやってもボトムでの反応が一切途絶え、変わって水面で頻繁にライズが始まった。

けっして大きなサイズのライズではないが、瀬戸内の春らしいメバルライズだ。



でボトムタックルは一旦置き、83ディープ+13フロロ0.8号(シーバス対策でもある)のセットにあれこれサーフェスプラグを結んでトップの釣りを楽しもうとすると、これがまた妙ちきりんでナンバーワン実績のプラティやメバペンに見向きもしない。

ポップRにも反応しないし、リッジ35Fのポンプリトリーブ&ステイでもアタックがない。


片っ端からローテをかけていると実に興味深いことが起きた。
なんとメガ用にチューン(スイッシャーのペラを外し、ベリーとリアに3gのシンカーを追加してペンシルに改造)したベビートーピード(6.3cm)にだけヒットが続出。

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リッジ35Fの倍ほどもあるシルエットで、メバペンよりもずっと大きいのだが、何故これにだけアタックしてくるのか未だによく分からない。


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ともあれ20〜23が小気味よく当たってくる。

4〜5匹連発させたところで見に来た隣のご同輩は、ペンシル自体見るのが初めてで驚いておられたが、ちなみにこの時間帯JHの彼には全くのノーバイト。

そりゃあそうだ、メバルは完全に水面しか見ていなかった。




しかし時間とともにこのパターンも終息していく。
どのレンジで何をやってもカスリもせず。

休憩しろって言うことだよ。





1時間以上の長目の休憩後、ボトムワインドタックルを手にチェック。
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小さいがボトムに魚が戻ってきたようだ。
どうやらここのメバルは一帯を回遊しているらしい。





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釣れる。
ザクザクと釣れ始める。

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やっているとサイズもどんどん上がって来た。
活性も高く、この時点では5gを結んでいるのにこの個体なんかはJHごと丸呑みだ。




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そしてまた流れの角度が変わった段階で68ストレンジでまたもや泣き尺をキャッチ。


完全にハマっている。
掴めていることが無性に嬉しかった。










そしてさらなる僥倖が訪れた。


ストレンジで届く範囲から魚がディープ側に移動した感じがあり、それまでの経緯から大型が差し込んでくるライン(船道)が読めていた僕は執拗にそのコースを攻めていたが、テンションフォール後の着底からさらにジャークを掛けようとロッドを振り上げた瞬間、根掛かりのようにロッドが止まった。

ロッドを振り上げるためにわずかにティップを下げた瞬間に食ってきてたのだ。



ドシン!と楽に尺超えを連想させる重みに体がすぐに反応した。

ロッドは85PE。ラインはヨツアミサーフPE0.5号。リーダーはフロロ1.75号。
アジングアカデミーlesson2で82シーバスを捕った時そのままだ(笑)

怖いことは何もない。
有無を言わさずセルテート2004HGで強引に巻き上げる。
PEラインがガイドをこすってキュルキュルと鳴る。

85PEspecialが綺麗な弧を描いている。
気持ちよさに恍惚となる。



獲物はあっという間に浮いてきた。
そう言うタックルセッティングだから(爆)







出た。
瀬戸内ブルーの自己記録更新だ。
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アフターから充分に回復して餌もしっかり食っている、素晴らしく綺麗な個体だった。



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セルフ撮影なのがつくづく惜しい(笑)





もういい。
今晩は腹一杯だ。

時間はまだたっぷりある。
これ以上が出るかもしれないが、もういい。

一人で乾杯せねばならないし、これ以上は次に取っておきたい(爆)







ともあれ、どんどんリリースする僕を横目で見ていたご同輩が魚を欲しいとおっしゃるので、その後23〜24を4匹ほどと、足元の影に格好の獲物を見つけたので指さして「アレでもいいですか?」と聞くと「アレがいい!」とおっしゃるので・・・。



83ディープ+13フロロ0.8号タックルにminimaru65を結び、影を通すと・・・。
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はい、一発でお仕事終了!
取材もこれくらい簡単に済めば良いのにな(爆)


PEスペシャルなどタックルを揃えるので釣り方を教えてくれと雇われ、再会をお約束してお別れしたが、とても素直に喜んで頂けたので甲斐が有りました^^