フロロラインとポリエステルラインに関するご質問を頂きました。
これに似たようなご質問はここ数年いくつかいただいていたので、今回はブログ上でお返事を致します。



まずは、島根にお住まいのSさんからのメールです。



レオンさん、こんにちは。
いつも楽しくブログを読ませてもらってます。

スーパーメモリアルの記事にて、真鯛の件を記事にしていただき、ありがとうございました。
自分自身の釣果も、記憶に残るモノではありますが、憧れのアングラーさんの、ブログにアップしていただいた事がより、記念になりました(^^)



さて、今回メールさせていただいたのは、アジングに関してお聞きしたいことがあったからです。
ジグ単の釣りにおいて、フロロラインとポリエステルラインの比較を、自分なりにしてきました。
これは、単純に興味本位です。
 
ちなみに自分が最初に、アジングを始めた時は9フィートチューブラのメバルロッドにPE0.3に、マリアのエアロシンカー 2.5gのスプリットショットで、長めにリーダーを取った極小ジグヘッドみたいな感じで、釣ってました。
 
活性高い時期ならボコボコですが、ずっとやってると風で絡んだり、バイトが小さくて取りきれなかったりと、結局はジグ単が釣りやすいと思い始め、それに伴い、流行りの高弾性系のアジングロッドを購入し、ラインもフロロやポリエステルに変更したのですが、最初は、ポリエステルスゲー!!みたいな感想だったんですね。
 
ポリエステル0.3号に、ジグヘッド1グラムで、飛距離は出るわ、バイトは明確だわ。。
最初は感動的でしたが、しばらく使うと?なところも見えてきたんです。
 
まず、疲れる。。
バイトはわかるけど乗らなかったり、乗せた後のやり取りも、暴れる魚をいなせず(ドラグ緩めでロッドにうまく荷重をのせれず、ロッドが仕事していない感じ)
 
場所によっては、風で上手くジグヘッドをボトムにおくれず、結局重いジグヘッドになっちゃう。
等々。



んで、今度はフロロ2lbに巻き変えてみると、飛距離は少し劣りますし、バイトの出方も、コン!とか、ヌッ。。とか、フッとか、いろいろですが、しっかり乗せれるし、乗せてからもロッドに荷重をかけれるので、やり取りも自然でやりやすく、フロロの方が良いかも!っと思い始めました。
 
ちょうどその頃から、レオンさんの、ブログを廻覧するようになり、ロッドを作る時にフロロを使うことを前提に設計すると言う考え方を聞き、大手メーカーのロッドにも、テスターのそのような考えが反映されているのかと、疑問と言うか興味でてきたのです。


ちなみに現在使っているロッドは●●というロッドなんですが、明らかにフロロの方が相性いい気がするんですね。
しかし、●●使用者のブログ見させてもらうと、ポリエステル使ってる方が多い気がするんです。カタログ上も、推奨lbや、PE号数書いてありますが、推奨ライン等は書いてありません。

68ストレンジを使われてる方でも、ポリエステル合わせてる方がおられますが、どうにもいまいち、フロロの良さが広まっていない気がします。
 

レオンさんは、ポリエステル系ラインについて、どのような感想をお持ちですか?
また大手メーカーのロッドの場合、やはりいろんなラインで使ってもらう用な設計なのでしょうか?
 
レオンさんの考えを聞かせてもらえるとうれしいです。よろしくお願いいたします。




すでにメーカーテスターの顔も持つ僕の立場ではなかなかストレートに返事をしにくいテーマではあります。
が、しかし、僕とて基本は釣り師でありますし、釣りや釣具制作が職業ではありませんので、ここは恐れずに一人の釣り師として感想を述べようと思います。


まずポリエステルの釣り糸は昨今開発されたものではありません。
フロロライン(ポリフッ化ビニルデン)の登場(1971年)と同じくらい古くから存在するラインですが、僕にとってはポリエステルラインはホンテンロンという銘柄が馴染み深いですね。
そしてその特性からして僕らのように古い釣り人には「ハリス専用」というイメージは否めません。

実際、僕自身現在でもホンテロンはケンサキゲームのエダスなどに使用しています。
フロロより張りが強くて伸びない素材ですから、バーチカルな深場の釣りのエダスとしては仕掛け絡みを防ぐのに重宝しています(この場合は直進性が必要ですので5号程度を使います)

しかし同じく仕掛け用の糸としてもフロロの摩擦に対する強さや光の屈折率が水に近くて魚から見えにくいところから糸の存在にナーバスなグレやチヌのフカセ師もハリスはフロロ100%であり、ポリエステルを選ぶことはゼロと言って良いですし、囮を弱らせず泳がせることが必要で細糸必須の鮎の友釣りや、「獲る事」に意義を見出すバストーナメントの世界は特に使える素材は徹底研究されますが、それでもポリエステルがメインライン(道糸)として採用される事は昔から今日に至るまで有りませんでした。


したがって、ポリエステルがルアー用メインラインとして発売されたときには正直驚きを隠せませんでした。

それでも何かが有るかと、発売当時早速購入して実戦投入しましたが、やはりポリエステルはポリエステル。伸び率がフロロより低い分確かに感度に優れていると感じましたが、問題は急激なショックに非常に弱いところと、耐摩耗性や水や紫外線による退行劣化です。

根魚釣りに欠かせない根擦れ強度も低く、また緩めた状態からポンっと引っ張ると簡単に切れてしまう瞬間張力の低さが目立ちます。
したがって、ジグヘッドなどへの「直結」はさらにショック切れを増長させますので、使用時にはフロロやナイロンなりのショックリーダーが必要であり、またドラグもフロロライン使用時よりもずっと下の設定が必要なラインでもあると感じましたね。



まずは強度面のことを書いていますが、総合的に僕の釣りには不向きでしたので一定期間理解できるまで使用してからは結局フロロに戻しました。

メバルにしろアジにしろ、通常の喰い方をするときにはポリエステルの感度の良さは確かにメリット(アタリが明確で気持ち良い)はありましたが、大型がボトムで居食いの状態でバイトし、瞬間的に掛けにいかないと掛からないような場面ではまず使えません。

ラインを張らず緩めずの状態で集中しているところから、一瞬の居合いのような急激なフッキングをするとリーダーを組んでいても切れてしまいます。つい先日の40アジは全くそういう喰い方をしましたし、メバルでも尺クラスのメバルが水面直下を流れるアミを居食いの形で捕食しているときも、一瞬で掛けにいかなければフックアップしないのです。

この二つのケースに共通なのはラインに瞬時の負担をかけるフッキングでないと取れない点です。
特に大型のメバルは顎が固く、手首のコックでだけではフックは貫通せず、フックポイントが骨にあたって止まったままでゲイブが開いたり折れたりしますので、多くの友人メガハンター達はアタリがあったらごく一瞬送って緩めて深く銜えさせ、瞬間的にビシッとラインを張るような大合せをしています。

アジにしても通常の活性なら手首のコックどころか唇が薄い分リールハンドル半回転で刺さってくれますが、上記のようにビシッと即座に大合せをしなければいけない場面というのは必ずあるのです。それも大型の場合に特にその傾向が強くなります。




こういう理由で今の僕は全くポリエステルを使うことはありません。
実際僕の周りの長年ルアーフィッシングに親しんでいるエキスパート連中で、ライトゲームのメインラインにポリエステルを推奨するアングラーを見ることはまず有りません。おそらく僕とお同じ結論に至っているのではないかと思われます。

もちろん製糸技術が向上し、もっと伸びないフロロラインやもっとショック切れしないポリエステルラインが登場すれば話は別ですが・・・。





次に感度面の話ですが、これはロッドのタイプと相性と共通項があります。
ONの引っ張り信号(反響感度)に対する感度は、ポリエステルや高弾性薄作りの張りの強いロッドは確かに素晴らしいと思います。

しかし、単純に反響感度の良さが釣果につながるとは全く思いません。
ロッドもラインも反響感度(反発)が高すぎるということは、魚の方からしても感度に優れているということです。

特に張りの強いロッドは顕著です。魚も違和感を感じてすぐに口を離します。
これは延べ竿に餌で「さぐり釣り」をすればすぐに解ります。
反発の強い穂先では、アタリを聞きに行ったときに活き餌でさえ離してしまうことは普通にあります。そしてそれは大型の魚ほど慎重で顕著になるから魚釣りは難しくも面白いわけです。



しかしOFFの信号しか出ないような喰い方をするときはどうでしょう。

ロッドであれば張りの強すぎるロッドでは極軽リグのテンションを感じることや居食いや抜けアタリを捉えるのは非常に困難ですし、ラインもフロロの「重さ」が無いと抜けの微妙な変化などを捉えることが困難になります。






感度・・・。

ラインにしろロッドにしろ、ターゲットとその釣り方において自ずから選択肢は分かれます。
バーチカルに深場を釣るジギングや、遠投が必要な釣りではもうPEラインしか考えられません。
トラウトのような、ほぼ巻きの釣りに徹して、かつ強いフッキングが必要な釣りでは未だに伸びのあるナイロンが一番ベストです。

そして私がやっているようなショートレンジのソルトライトゲームにおいてはやはり未だにフロロラインが一番ベストだと考えます。

ただしこれも一定以上の経験が必要で、フロロを完全に理解して使い込んで居なければ理解してもらえる話ではありません。前述もしたように、私たちがフロロを推奨している一番大きな理由は「重さ」なのです。ラインが重いからこそ引っ張り方向のアタリが出ないときでも変化を捉えることが出来るのです。

そしてロッドは、そのラインの重さを利用できる繊細なティップが必要であり、それは今はやりの高反発系ロッドでは非対称となるのです。


反響感度に優れているというのは良い事ですし魅力的ではありますが、その分デメリットも増大するということを理解した上で使うことが必要でしょう。


「硬い竿に伸びない糸」
ただでさえリグが軽すぎて難しいライトゲームにおいて、アタリが分かりやすい(ただしONの入力だけ)という点で人気があるようですが、僕の認識は全く逆で、硬い竿には伸びる糸、柔らかい竿には伸びない糸、というのが「獲るため」の原則的な組み合わせだと思っています。







Sさん、これが僕の個人的感想です。
もちろんどんなラインでもロッドでも釣りは成立しますし、楽しみ方は人それぞれと言うことは踏まえているつもりです。

僕は僕で、自分の釣りを究極的に追求しているだけであり、当然ポリエステルをとことん追求して推奨している方も居られるはずですので、ポリエステルの正しい使い方に関してはそちらの関連の方に聞かれたらよりはっきりするでしょう。



ともあれ、僕自身は10年以上前に高弾性高反発系ロッド(ウエダ・TFLやイントルゥーダーなど)もアジングやメバリングに実戦投入しましたので高弾性ロッドの楽しさは十分承知しておりますが、ライトゲームのスタンダードとは思わないだけです。

ラインもポリエステルこそ使いませんでしたが、ナイロンやPEなども何度も何度も使った上でフロロ主体の釣りになり、ロッドのテイストも軽量ジグヘッド使用に特化した、それまでのトラウトテイストメバルロッド(俗に言うベナンベナン)から、一定の張りのあるカーボンソリッドティップ(自身プロデュースしたTR74や68)がベストであると結論したわけです。

(プラグゲームなどの場合はこの限りにあらず、柔らかめの竿に伸びるナイロンラインの方がフックの絡みも良くバレにくいことを付け加えておきます)



そしてそこにはメバル用とかアジ用とかの区別はありません。
あるのは使うリグの種類とウエイトに見合った竿の調子があるのみです。