ここ2年で目立ったご質問に対して少し整理してみます。



A.ストレンジやユーズマウスにPEラインやポリエステルは使えますか? 

質問の意図というか次元が分からないので答えるのも難しいのですが、基本で答えるなら、糸の種類が限定されるロッドなどまず存在しません。どこの銘柄のどのロッドも基本はどんな糸でも使えます。ただ、ガイドの種類やセッティングで使い勝手が良いか悪いかの世界であり、道具あしらいが達者になればなんでもありです(笑)

そして厳密なことを言うならば、作り手(テスター)の意図で反響感度にこだわったロッドなどはPEラインなりフロロよりも伸びの低いポリエステルなりの使用を前提に、 超高弾性素材のブランクスにガイドセッティング(取り付け位置)やグリップ周りなどもより反響感度を得やすい設計のロッドが存在するのは確かです。

しかしそういったテイストのロッドでフロロカーボンラインが使えないのかというとそれは否です。
そこにはただフロロカーボンラインが前述したラインより伸びる性質を持っているがために多少反響感度の伝達が鈍くなるだけで「合わない」という性質のもではありません。

そしてストレンジやユーズマウスについて特性を述べるならば、この二本のロッドは元来「抜け当たり(ティップに掛かる負荷の変化)」を捉えやすいように設計されましたので、 PEやポリエステルなどの質量が軽いラインよりも重いフロロカーボンラインの方がより性質が活きるということです。


そしてどんなテイストの竿も使い方次第です。
例えば超高弾性のいわゆるパッツンと呼ばれるロッドはシチュエーション次第では魚のバイトに対して弾かれ気味になることもありますが、たとえばこれに伸びるナイロンやフロロを合わせると弾かれ率はグッと低くなりますし、ドラグをユルユルにすることでも緩和は出来るのです。


必要なのは「どの竿にどのライン」という考え方ではなく、ライン選択はリグ(種類やウエイト)やシチュエーション(水深などの環境)に合わせる方がずっと大事ということです。




A.メタルマル28はどんな竿で投げれば良いのですか?

これは投げ方次第です。

たとえば軽いジグヘッドを投げる時のような剣道の正眼の構えからスタートするオーバーヘッドキャストのいわゆる「ルアー投げ」ですと、これはアジメバロッドは当然の事、強めのエギングロッドですら厳しいでしょう。下手をすればロッド破損につながります。エギの投げ方が必ず垂らしをとって投げるのはエギの重量が30gも40gもあるからです。


しかし適切な垂らしをとって、ロッドを後方に寝かせた状態からスタートするサーフキャスティング的な投げ方やエギ投げでしたら83ディープやエレクトロですらキャストは可能です。ただしこれはロッドに表記されているルアーウエイト表記の範囲を超えていますので、それが理由で破損した場合は自己責任であることを理解しておきましょう。


さて、以上を踏まえた上で現状僕がメタルマル28を使用しているロッドは、パワークラスでいうなら一番下が85PEスペシャルであり、順に93PEスペシャル、エギングロッドの90ワイドレンジやBG72などですが、ここで理解していただきたいのは竿の強さもですが重要なのはレングスの問題です。



下記に使用ラインの限界(太さ)に関して色んな竿の写真が貼り付けてありますが、たとえばヒラマサ用の磯竿などは全長が5.4m(約18フィート)もありますから投げる仕掛けのウエイトを竿全体の曲がりで受け止めることが出来ますので実質100gもの仕掛けをフルキャストすることが出来ます。


もちろんこの事はロッドブランクの性質(弾性率)も関係してくるのですが、たとえば同じ弾性の二本のPEスペシャルでも、85よりも長い93の方が圧倒的に重いものが投げやすくなります。したがって僕がメタルマル28gをキャストするロッドは狙う魚の種類にもよりますが、概ねシーバスやマダイや真ゴチやライトハタゲームなどの際には93PEスペシャルですし、それ以上のサイズのシイラをはじめとした青物や大型ロックフィッシュの場合は専用ロッドか9フィート台の強めのエギングロッドです。




ロッドのキャストウエイトを超える重いリグを投げる場合の一番の注意点は

竿のどの部分を曲げて投げるのか。いかにティップに負担をかけない投げ方をするのか」

に尽きます。


竿自体は曲がってしまえばバット部が仕事しますので案外強いものなのです。

たとえば下記の写真はTE68ユーズマウスの吊り下げ強度テストの一場面ですが、2.5kgのウエイトを掛けた場合の曲がっている部分を参考してください。

(注:様々な釣り場面を想定した丈夫なロッドではありますが、あくまでテストの画像であり、使用時のロッド破損を保証するものではありませんのでご注意ください)

IMG_0330




 





















要はキャスト時もリフト時も我々アングラーがロッドのどの部分に仕事させるかが非常に大事であり、その事が理解できない限り自身でキャストウエイトを判断する事は不可能です。

「ロッドを立てて魚を寄せないでください」
「90度以上の角度をつけないでください」
「竿を立てて取り込まないでください」

昨今は高弾性ロッドにこんな表記がよくしてありますが、要はティップを曲げるなという事なのであり、それはキャストにおいても全く同じ事がいえるのです。




A.PEスペシャルに1号PEを使用しても大丈夫でしょうか?

三つの要点があります。

一つは、ラインがいくら強くてもドラグが適正ならロッドに負担はかかりません。
一つは、ドラグを締めていてもフックやリングの強度がロッド強度を越えなければロッドより先にリグが壊れます。
一つは、小径ガイドですので、メインラインが太くなるとリーダーとの結束部が大きくなりますので、ショートリーダーにしてノット部をガイドに通さないなどの工夫が必要です。



以上を踏まえれば1号程度なら大丈夫ですし、大物狙いの際には僕も1号を使用する事は多々あります。







ここでPEスペシャルに関して少し写真で説明をいたします。

上から順に、93PEスペシャル(9.3フィート)、メガバスF4−60X(6フィート)、ポセイドンスロージャーカー4oz(約6フィート)、がまかつ磯竿ヒラマサ(約18フィート)です。
IMG_0331



























弾性率や肉厚など様々ですから一概に比べる事は出来ませんが、少なくともペスペのバットの太さは見ていただけるでしょう。この辺がロングロッドの利点であり、メバルロッドでありながらかなりのウエイトもキャスト出来でブリクラスの大物まで対処できるのです。





次に同じ並び順でティップ部を比べてみます。

IMG_0332


















そんなに大きな差がないのに驚きませんか?


ちなみにバスロッドのF4は通常フロロ20ポンド程度を使いますし、ジギングロッドのスロージャーカーはPE3号、磯竿に至ってはレングスが18フィートもありますからバットは凄く太く、メインラインはPE4号が使用可能でハリスがマックス10号(約40ポンド)まで使用できるようになっています。




リグウエイト、キャストウエイト、ラインキャパ、などを考える際に、ティップ径とレングスとバット径の関係や、使うリグの強度などの全体的なバランスや理屈を十分理解する必要があります。



最終的に道具を使うのは我々アングラー自身ですから、メーカーの一つの補償範囲であるスペック表記とは別に道具の本質を理解し、自分の釣りにどう反映させるかの参考にしていただければ幸いです。






最後になりますが、これらの記述は一人の釣り人「加来匠」として書いておりますので、メーカー表記を超える使用をなさる場合はメーカーへ責任へ転化するような事だけは無いようにくれぐれもお願いいたします。