2006年06月10日

ペトリューシュカ  

Metの天井 6月1日(木)午後8時から、NYCのメトロポリタン・オペラ・ハウス(Met)で、アメリカン・バレエ・シアター(ABT)の舞台を観ました。

(写真は、Metの天井のシャンデリア)

 今回は、ALL-STAR STRAVINSKYと銘打たれたもので、演目は以下のとおり。音楽は全てストラヴィンスキーです。

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    アポロ: デイヴィッド・ホールバーグ    
    テレプシコーラ: ヴェロニカ・パールト

◆Jeu de Cartes ( A Poker Game in Three Deels ) (振付:ジョン・グランコ)
    ジョーカー: カルロス・ロペス
    ハートのクイーン: イリーナ・ドヴォルヴェンコ

 ペトリューシュカ (振付:フォーキン)
    バレリーナ: サラ・レーン (シオマラ・レイエスの代役)
    ペトリューシュカ: ヘルマン・コルネホ
    ムーア人: アイザック・ステイパス


 正直、今回は、なかなか楽しめないだろうと覚悟して行ったんです なぜなら、ストラヴィンスキーの音楽が、とっても苦手だから。
 でも、こないだの海賊(こちら参照)で発見した、ヘルマン・コルネホ君のペトリューシュカも観られることだし、もしかしたら、ストラヴィンスキーが苦手っていうのも、思い過ごしかもしれないし・・・と思ってたんですが・・・

 想像以上につらかったです

 目的のペトリューシュカに行き着く前に、ちゃぶだいがちゃーんな気分になっちまって・・・



 正直に言っちゃうと、ストラヴィンスキーの音楽って、基本的に拍子が取り難いし、踊りが乗りにくいんですよ
 そりゃ、プロだから、ダンサー達はちゃんと踊ってますわよ。 
 でもね、観客の方も気分良く観るためには、拍子とまではいかなくても音楽に乗る必要があるわけで、それができないのに、盛り上がれってのは無理な話で・・・
 特に、大衆的な分りやすい音楽が好きな私レベルの人間からすれば、不協和音がわんさか出てくるのは、それだけでもう腰が引けちゃうので、乗る乗らないのレベルまで行き着かないことが多い

 私、ちょびっとだけどバレエ・オタクなので、バランシンがストラヴィンスキーを父のように慕っていて、彼がいなけりゃバランシンの創造性に火がつかなかったこと、そして、アポロが彼らの初の共同作業であって、20世紀の抽象主義バレエにとって極めて重要なポジションにある作品だってことも、知識としては知ってマスワ。

 それに、実は、ABTったら、去年の秋公演でもアポロを上演してるし(こちら参照)、過去には日本公演の演目にも選んでるし、しかもいずれも名だたるスターが踊っているので、ABTとしては思い入れのある演目なんだと思います。 

 でも、正直、しばらく観たくないなぁ。
 私の感覚では、アポロは、振付も古臭いものでしかなく、それがストラヴィンスキーの音楽に重なると、巨大肩パット付きのボディコン服のような、違和感のある時代遅れなものにしか感じられないのであります。
 また、そういう服が目新しく感じられるようになったら、観に行こうか・・・

 2番目のトランプのポーカーを題材にした演目は、今期、ABTプルミエで、振付も衣装もとっても可愛らしい作品でした。
 でも、いかんせん、乗りにくいストラヴィンスキーなために、客席も盛り上がらず・・・  ジェームズ・ロビンの音楽だったら、もっと楽しいでしょうに、なんて詮無い事を考えてしまいました
 良かったのは、イリーナ・ドヴォルヴェンコを観られたこと。 
 彼女、相変わらず、技術がしっかりしてて安定感があって、スタイルも華奢で顔も可愛くて、本当に素敵です
 
 さて、最後のペトリューシュカ(*)。
 この中には楽しくなる音やメロディも入っているから、普段だったらまあ聴ける部類だし、何と言ってもこれがお目当てだったずなのに・・・
 既に2曲も不協和音バリバリのストラヴィンスキーを聴かせられていると、完全に食傷気味だったんですよね あぁ。
 どう考えてもプログラミング間違ってるだろ・・・。
 ストラヴィンスキーの音楽じゃない作品の後にペトリューシュカだったら、もう少し気分良く観れたんだけどな〜
 
 でも、ヘルマン・コルネホ(「エルマン」と表記する場合も多いみたいです。どっちが母国の発音に近いんだろうか・・・)は、期待通りの技術力の高さでした。 人形への早変わりも見事でしたし。 
 欲を言えば、もう少し、ペトリューシュカの哀しみが出てれば良かったかかな。 でも、それはムーア人をやったアイザック・ステイパス(コールド所属)があまり凶暴に見えなかったので、ちょっと掛け合いが弱くなったせいもあるような気もしますが。

 また、コールドながら、急遽、プリンシパルであるシオマラ・レイエスの代役をつとめたサラ・レーンも、すごかった。 
 手なんか、本当に終始、操り人形そのままでしたよ 
 代役のチャンスを、気合いと技術で、しっかり物にしてた感じでした。 
 隣の席に座っていたバレエ・オタクのおばちゃんも、最初は心配していたみたいだけど(サラは2作目にも出ていたので、連続で出て大丈夫なのかしら?って感じだった)、終わりには

 ブラボー 正確にはブラバー だけど。
 
 なんて言ってて、ちょっと笑いました。
(日本でも時折、話題になりますよね、ブラボー、ブラビー、ブラバー、ブラベーの使い分け。)

 あ、日本人ダンサーの加治屋百合子さんも、出演されてました。海賊のときも、コールドの中では目立つ役をもらっていたのですけど、今回も相応に目立つ役でした。彼女、いつも可愛らしくて、そして踊りやマイムが正確なので見てて不安なことがないです。 日本人として、とても誇らしい〜〜のであります。

* ペトリューシュカと「のだめカンタービレ」

のだめカンタービレ (9)

 のだめをお手元にお持ちの皆様、9巻(特に31ページ以下)をご覧下さい。 のだめが初めて出たピアノコンクールの本選で、失敗しちゃう悲しい曲です。 これ、このバレエの音楽が基になっています。 ストーリーも若干描かれてあるので、ご参考になさって下さい。



takurere1025 at 11:01│Comments(0)TrackBack(0)バレエ・ダンス・舞台 

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