2007年04月06日

むちむち後マジンガー、時々フレッシュ光線!

モーツアルト/プレイビル 3月30日(金)、腰痛はまだ完全には治ってなかったけど、バレエは捨て置けないっ
 ってことで行ってきましたのは、ダウンタウンにあるマジェスティックシアターで行われたテキサスバレエ団の公演。 
 演目は以下の通り。

 ’鯆擦慮弌‖2幕
 音楽:チャイコフスキー
 振付:プティパ&イワノフ
◆.璽鵐張 璽里硫嶌廚蠅茲螢僉Ε鼻Ε疋
 音楽:エドヴァルド・ヘルステッド
 振付:ブルノンヴィル
 モーツァルト・レクイエム(世界初演)
 音楽:モーツァルト
 振付:ベン・スティーブンソン


 テキサスバレエ団は、フォートワースとダラスの2つの都市で公演するのですが、フォートワースのバス・パフォーマンス・ホールが本拠地扱いのようで、見たところお客さんの入りも、ダラスよりフォートワースの方が格段に良い。
 ところが、今回の公演はダラスの劇場だけなのです。 メインのが世界初演なのに、客席が寂しいってのはマズイ

 そこでテキサスバレエ団が取った戦法が、格安チケットの電話営業

 以前書いたとおり(こちら)、私達夫婦は「ダラス」でテキサスバレエ団のくるみ割り〜を観ているのですが、チケットをネットで取る際に電話番号を記入しているのですよね。
 くるみ割り〜が終わった後、年が明けないうちに(=翌年のカレンダーも手元に無いうちに)、記入した旦那の携帯に電話がかかってきました。 曰く、


3月30日〜4月1日、ダラスでモーツァルト〜という公演をするのだけど、くるみ割り〜を観てくれたあなた方には、オーケストラシートを特別に10ドル/1枚にする。 買ってくれないか?



 えらいですよ。

 ダラスでもフィラデルフィアでも、オケやバレエの営業は普通にあるのですけど(郵送&メールでの案内はもちろん電話も多い)、今回何がえらいって、代金を太っ腹に値引きしているのが、えらい。

 こんなに安い値段で見せてもらえるんだったら、仮にくるみ割り〜以外に興味が無かったとしても「じゃ、ちょっと行ってみようか」って気になると思う。
 さらに心ある人ならば、それじゃお返しに、来月の「不思議の国のアリス」(4月27日〜29日)は、ちゃんと自分で買って見に行かなくちゃ!と思うじゃありませんか。

 日本のバレエ団やオーケストラ、そしてとりわけオペラの関係者も、「客が来ない。チケットの単価を上げるしかない」と単純に発想するよりも、もっと営業努力をすべきだと思う。 「私達、クラシックですもの」などとお高くとまってちゃ、先細る一方です

 以下、バレエの感想なので興味の無い方は華麗にスルー

  崘鯆察彗2幕

 コールドのダンサー達がいつもの人達よりも、一回り肉付きが良い人たちが多かった。 むっちむちな印象。  4羽の白鳥は左から2番目の子が明らかに足を引っ張ってる。 この日はコールドのセカンドクラスが出ていたのは明らか。 

 オデットは若いダンサー(Carolyn Judson)が踊ったのですが、これが初々しくて良かった。 もちろん技術的にはまだまだなんだけど、演技力の高いダンサーで、こんなに可愛いらしいオデットは久しぶりに見ました。

 考えてみれば、数あるバレエの中で最高峰の演技と技術が必要とされるオデット/オディールは、そのバレエ団を代表するプリンシパル(必然的にベテラン)が踊ることが多いんですよね。 
 そうすると、わざとじゃないにしても何となく「ベテラン感」が漂っちゃって、2幕の踊りなんか「また来たわね、新たな王子が。 でも、どうせあなたもダメなんでしょう〜?」みたいなスレた感じがするっていうか(笑)。
 そんなふうに演技しているわけじゃないけど、ベテランになればなるほど、この悲劇な演目を踊り過ぎているせいか、最初から諦め感がそこはかとなく漂ってしまうダンサーが多いような。。。

 それに比べて、今回の若いダンサーはですね、「絶望の淵にいたけど・・・でも、この人が助けてくれるに違いないわ」っていう、無垢な希望を持っている感じが直球で感じられて、非常に良かったです。 王子と出会っておびえるシーンも、初めてハンサムな男の子を見たときにドギマギする感じすら出ていて、とても可愛い。
 彼女の技術では、白鳥を全幕通すのはまだ無理でしょうけど、このフレッシュさは本当に印象的で、機会があったら若手の踊る白鳥をもっと観てみたい、と思いました。


◆_嶌廚蠅離僉Ε鼻Ε疋

 これはイタリアの田舎の若い恋人たちの踊りです。

ルーニー 男性ダンサーは、以前くるみ割り〜でフリッツを踊ったロニー君(Lonnie Weeks)でした。 彼は今テキサスバレエ団で売り出している若手の筆頭株です。

 ←バレエ団のサイトの履歴からお借りした写真はこちら。

 顔のあどけなさから分かるように、まだ少年のような細い体型なので、とにかくジャンプが軽い。 ジャンプに比べると回転技は少し見劣りするけど、この年齢にしては演技力が極めて高い。 しかも、手足がすらりと長く、完全な王子様体型に育つことが一目瞭然なのです。 
 これからもずっとテキサスバレエ団に在籍してくれるかは不明ですが、楽しみな逸材だと思います。

 私の横に座っていた、でっぷり太ったおばさま2人組みも、彼がとても気に入ったようで、「誰かしら?あら、ロニーっていうのね。素敵だわぁ、うふふ〜」「まぁ! 彼、今年がファーストシーズンですって〜」みたいな感じで話していて、私は思わず



逃げてロニー!! (でもどこへ?) 



って思っちゃいました・・・。

貫禄マダム そんな彼とペアを組んだのは、ベテランダンサーのグリフィス。

 若いダンサーをペアで躍らせる場合、ベテランと組まされることが多いのですが(2人とも若いと1人が1回ミスっただけで総崩れになる可能性がある)、このグリフィスとの組み合わせは絵的に無理があったのではないかと・・・。

 グリフィスは、シワも無いし、舞台上では写真に比べて若々しくて可愛らしいので、顔だけだとロニーと並んでも変じゃないんですけど・・・手も足も、そして腰も首も、はるかに彼より太くて、がっちりし過ぎているんです・・・。

 とはいえ、2人とも演技力が高いので、初々しい恋人たちの雰囲気は充分出ていましたが。
 はにかむようなしぐさや、まぶしそうに相手を見つめる目線なんか、くすぐったくなるほど(笑)。 あんまりくすぐったくて、こっ恥ずかしいので、「この年齢って、恋に恋してるだけなのよね〜」、なんてオバサン臭いこと考えちゃいました。


 モーツアルト・レクイエム
 
 これは大人数の男性ダンサーによって踊られるコンテンポラリーです。

アンドレ メインを務めたのは、Lucas Priolo だったけど、やっぱり、私はアンドレ(写真)が好き。
 男性ダンサーばかりに囲まれると、背がいかに低いかがいつもよりずっと分かってしまうけど、踊りだすとやっぱり良いダンサーだなあと思います。
 旦那も大好きで「背は低いけど、案外、体はがっしりしてるよ」と。 まぁ、豆タンク系ってことです。

 許せなかったのは、男性ダンサーの中に明らかに、ダンサーには不要な筋トレを行っている人が1人いたこと。
 弱いところを強化するとか、いろんな目的でダンサーも筋トレをすることはあるんだけど(むしろダンサーの寿命が延びてる現在では必要不可欠な面も)、この人は、明らかにボディビルダーのような体を求めて筋トレをしている。
 大胸筋をはじめ、腕や肩の筋肉がいかにも、なんです。 ダンサーの筋肉というのは、きっちりストレッチされた長くしなやかな筋肉。 ボディビルダーのような筋肉は、踊る上では逆に邪魔になるはずなんですよ。
 今まで見たことのないダンサーだったので、コールドの人なんでしょうけど、プロ意識に欠ける事、この上なし。 

 今度、あんなマジンガーZな体型で出てきたら、ちゃぶ台ひっくり返してやるっ

 ちなみに、この演目は、ロニー君は出ていません。 いかにも成人ダンサー向けの作品なので、今の線の細い彼には全く無理。
 が、彼、舞台の袖からずーーーーっと観ていました。 私の席がちょうど舞台袖が見える位置だったので、しっかり見つけちゃいました。 出番が終わったからメイクも落として若者っぽいTシャツに着替えていましたが、熱心に観ている姿はさすが若手のホープという感じでしたよ。
 隣のおばさま2人組が見つけませんように・・・と思わず祈っちゃったのは何故だろう(笑)。


takurere1025 at 05:27│Comments(6)バレエ・ダンス・舞台 

この記事へのコメント

1. Posted by mararet   2007年04月06日 06:43
腰、大丈夫ですか?
バレエ、オーケストラと芸術的な御夫婦でうらやましいです。
私はバレエは1度しか見たことがないので、ぜひ機会を見つけて見に行きたいです。
「不思議の国のアリス」なんていう演目もあるのですね。初めて聞きました。楽しそうですね。
2. Posted by kmy   2007年04月06日 14:23
タイトル見て爆笑〜!フレッシュ光線て。とてもバレエの話が書かれてるとは思えないですよ!
バレエは一回も見たことない私ですが、Koharuさんのいつもながらスルドくかつおもしろい観察力に参りましたー。ロニー君が悪いおばさんにつかまりませんように。
3. Posted by kurousa   2007年04月06日 16:42
本日のタイトルは・・・バレエなのにマジンガー?
と思ったら
とても分かり易いタイトルでございました(笑
ロニー大丈夫かなあ。逃げられたかなぁ
ロニーの安否も気になるのですが
レクイエムがマジンガーで、どう表現されているのか
すごく気になりまするー
4. Posted by Koharu   2007年04月07日 03:35
5 margaretさま、「芸術的な夫婦」ってのは大誤解ですよっ
うちの旦那は元々完全なスポーツ観戦派なので、いつもこういうコメントを頂いたときに「ちゃんと皆さんにオレのことが誤解されないように返信を書くこと」って主張しています(笑)。

不思議の国のアリスは、古典的なバレエではなくて私も観たことがないんですけど、とても楽しいバレエみたいですよ。
バレエ団によっていろんなバージョンがあるから一概には言えませんが、「ミュージカルみたいに気楽に見られる」という説も。
子供さんにも人気みたいです(そのせいか、この演目に限っては土曜日のマチネのチケットが非常に売れています)。
古典バレエの王子役のタイツが恥ずかしい!っ方もこれなら大丈夫かもしれません(笑)。
5. Posted by Koharu   2007年04月07日 03:46
5 kmyさま、いやいやフレッシュ光線ビシバシの公演でしたよ。
まぶしぃ〜〜〜みたいな(笑)。

ここ10年くらいでダンサーの寿命がぐ〜んと伸びたんですよ。 昔は考えられなかったけど、今では40歳を超えても現役(しかも世界トップクラス)で踊り続けているダンサーが何人もいるんです。
すると、どうしても若い主役ってのが少なくなってくるんですよね。
舞台に近い席で見ると、シワの多い顔で少年少女の役を踊っているわけです 

もちろん演技力が高いから、遠めで観ると問題ないことも多いんですが、今回本当に若いダンサーが踊るのを観て、「本物の若さってキラキラしてるんだ〜」って思いました(笑)。 
また、いくらダンサーの体が細いとはいえ、本物の若さ故の体の華奢さっていうのは別物だなあと思ったり。
いろいろ勉強になった公演でしたよ〜
6. Posted by Koharu   2007年04月07日 03:54
5 kurousaさま、マジンガー、分かって下さって嬉しいです(笑)。
マジンガーが出てきたとき(←私の中ではすっかり固有名詞化。笑)、本当に驚いたわ!!! マジで軍人が出てきたのかと思ったの。
「この人、跳べるのっ」って激しく心配したんだけど、一応、跳んでました。
でも、あそこまで逆三角形な体だと普通のダンサーの中に入ると目だって仕方が無く、端役のくせに目障りでございました
本当にあんな体型のダンサーって見たことが無くて、彼女がボディビル体型が好きなのかしら?、実家の方針でどうしても軍隊経験をしなくちゃいけなくて帰ってきたばかりなのかしら?・・・などと色んなことを考えちゃいましたよ、公演中なのに(笑)。

それにしても、今秋帰国する身としては、ロニー君の行く末を見守れないのが残念デス。

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