2007年08月09日

本音で語るNOKA チョコレート  

NOKAの看板 とうとうこのお店に触れる時がきました・・・。 ふう〜(書き始めから疲れている。理由はおいおい分かって頂けるかと・・・。)

 このお店とその商品に関するコメントは非常に難しいので、もう半年以上延ばしていたんですが。

 ノカです。

 NOKAです。

 NOKAチョコレートです。

 ご存じない方は、お手数ですが公式サイトを見るか(英語版はこちら、日本語版はこちら)、もしくは「NOKA チョコレート」で検索をかけ、このショップが東京ミッドタウンに支店を持つこと、そして何よりその値段が数ある高級チョコレートの中でも飛びぬけて高額であることを確認して頂けますでしょうか。 
 ちなみに、この店のチョコレートの食べ方に関するAll Aboutの記事はこちら

 ・・・OKでしょうか?

 では元気に始めましょー、ファイト、オーーーッ

NOKA内部 7月31日(火)の夜7時半から、NOKAの新しいフラッグシップショップでのテイスティング・パーティーに行って来ました。
 それまでもNOKAに触れる機会は何度かあったのですが、このパーティーをきっかけに、こりゃ書かないとな〜と思った次第です。

 この新しいショップは、NOKAにとって、誕生地であるプレーノ、話題になった東京ミッドタウンに次いで、3店目の直営店です。 場所はダラスの新しい開発地であるヴィクトリー・パーク(the Victory Park )にあります。 隣はWホテルです(Wホテルについてはいずれまた。アメニティがBlissで結構好きなの)。

 さて、今回のパーティーのゲストは私達夫婦を合わせても17人の小さな規模。 そのうち日本人は16人、日本人以外は1人(この方の同行者は日本人の奥様)。 言ってしまえば、日本人しかいなかったのですよ。 
 今年6月13日のこの店のオープニングパーティーのときは、日本人だけでなく米人もたくさん招待されていますから、今回のテイスティング・パーティーが日本人限定だったのかもしれません(オープニング・パーティーの写真はダラスモーニングニュースのこちら。なお、このパーティーは隣にあるハイセンスな花屋Bella Floraとの共同開催です)。 
 東京ミッドタウンに支店を出している以上、ダラスの日本人は最重要顧客の1類型でしょうから、戦略としてこれも「アリ」なんでしょうね。


 日本でどこまでNOKAの情報を得られるか分からないので、まず、最初に確認しておきたいことがあります。 



 NOKAは老舗ではありません。


 言ってみれば業界に殴り込みをかけた新参者であり、

 いろんな意味で挑戦者なんです(もちろん現在も挑戦中)。


 そして、挑戦の1つの結果として、マーケティングとキャンペーンに大成功し、極めて零細企業でありながら、夢のようなブランド構築を遂げつつあります。



 NOKAを作ったのは、ノアとカトリーナという若いご夫妻です。 両者のお姿はオープニングパーティーの時の写真のNo.10をご覧下さい。 NOKAの名前の由来はお2人の名前です。 「KANO(カノ)は音がイマイチだったのでNOKA(ノカ)にしたんだ〜」というのは、ノア氏の弁。 「日本人は面白いね。『の〜か』って呼ぶんだよ」っていうのもノア氏の弁。 うちの旦那が、「それは"O"の上に横棒引っ張ってるからだよ」って説明したんだけど、通じたんだろうか。

 ご主人のノアさんは今年30か31才、カトリーナは今年34か35才の姉さん女房です。 ね、若いでしょ?
 「でも、彼らはチョコレート職人だから、職歴は長いんじゃないの?」と思ったあなた。 するどい。
 でも、違います。 彼らはいずれも前職は会計士で、趣味が高じてチョコレート屋さんを開店したのです。 しかも、彼らはカナダ人で、ダラスに来たのは約4年前、NOKAを開店させたのは約3年前という、本当にいろんな意味で新参者(←語感が悪いですがご容赦下さい)。

 最初の店舗はダラス郊外にある日本人も多く住むプレーノ市のごく普通のショッピングモールの中にあるのですが、キッチンはこのプレーノのお店にあるだけだそうです。
 そのためか、今現在あつかっているチョコレートは、たった2つの形だけ。

 “張船腑魁  
 ビンテージ・コレクションと呼ばれています。
 カカオ豆の産地により4種類あります。
 板チョコといっても、大きさは、私の親指の爪よりちょっと大きいくらい。
 アメリカでの値段は、最小の箱で4枚入り16ドル(1枚あたり4ドル)。

◆.肇螢絅 (アメリカでは「トラッフルtruffle 」)
 グラン・クリュ・コレクションと呼ばれています。
 「グラン・クリュ」というのは、ワイン用ブドウの公式等級の最上級。
 ,汎韻犬カカオ豆の産地により4種類あります。
 大きさは私の薬指の先(第一関節まで)くらい。
 アメリカでの値段は、最小の箱で2個入り17.50ドル(1個あたり8.75ドル)。

NOKA これが△離肇螢絅奸淵肇薀奪侫襦砲任后 写真は実物よりも一回り大きいです。

 日本でも宣伝されているように、高級デパートの部類に入るニーマン・マーカス にも置かれていますが、日持ちのしないトリュフは扱われておらず、板チョコしか買えません。 

 そんなわけで、チョコ専門店でいろんな種類のトリュフやデコレートされたチョコレートを時たま味見させてもらいながら購入することが多いアメリカのチョコレートラバーズの心を、広くNOKAが捉えているかと問われれば、少なくとも現時点では、その答えはNOとしか言いようがありません。。。
 実際、お店がお客で混み合っているのって、私は見たことないですし(一度、珍しく人がいるな〜と思ったら、報道関係者が取材に来ていただけだった・・・)。 

 しかも、そもそも、実際のところ・・・言いにくいけど、ダラスに暮らす米人でNOKAのことを知らない人は、想像よりもずっと多いま、3年しかたってないし、調査対象は男性が多かったし・・・

 他方、ダラスに住む日本人で、NOKAのことを知らない人はあんまりいないと思う。 だけど、それは、「美味しいチョコがあるよ!」ではなく、「すごく高いチョコがあ るんだよ!」という触れ込みで知った人の方が多いんじゃないだろうか。
 もしくは、今年始めの日経新聞の「アメリカで1番美味しいチョコ レート」として紹介された記事とか、「六本木のミッドタウンに支店を出したすごい高級チョコレート屋がダラスにあるんだって?!」という話を、日本にいる家族・友人経由で知ったとか。
 ちなみに、以前、とあるチャリティオークションがダラスであったんだけど、NOKAの60ドル分のギフトカードに入札していたのも米人ではなく殆ど日本人でした(結果はきちんと確認してないけど55ドルほどで日本人の方が落札されたようです)。

 とはいえ、日本人・米人を問わず食べ物に興味のある人はきっちり情報を押さえてるし、地元マスコミもNOKAの動向は漏らさず報道しています。

 そんな状態において。 
 
 ちょっとした事件がネットの世界で起こります。

 時は、昨年2006年の師走のことであります。





 DallasFood.Org というサイトで、ハンドルネームScott氏なる人物が、痛烈なNOKA批判の記事を掲載したんです。 
 しかも10回もの連載。 
 第1回はこちら(記事の最後で2回〜10回にも飛べるようになっています)。 
 
 Scott氏は、プロのジャーナリストではなく一般人で、しかも、「NOKA、許すまじ!」という気持ちが強いので、この記事の中には明らかに言い過ぎの部分がある。
 たとえば、NOKA、なんかんずく表立ってチョコレート職人として対応しているカトリーナの内心を、金の亡者であるかのように推測したり、「さびれた ショッピングモールにある2店の美容院に挟まれた小さな店で、世界一高いチョコレートが作られてるなんて誰が思う?」とか、「NOKAの箱のフタは開けにくいぞ〜」とか、それって関係ないんじゃ あ・・・って苦笑しちゃうようなことを書いたりする。

 それでも、このScott氏の記事、並々ならぬ知識に加え(普通のチョコレート・ラバーズどころじゃない、完全にオタクの域だね)、執念をもって行った調査によって成り立っていて、妙に説得力がある部分があるのも確か。
 しかも、その執念の原動力というのが、チョコレートに対する愛にあって、「チョコレート・オタクをなめるなよ! 何も知らない消費者を欺いて暴利をむさぼりやがって!!」という、ある種の正義感に基づくことがにじみ出てる。

 その執念の調査にどんなに自腹でお金をかけているかは、記事中の写真を見れば明らか。 NOKAチョコだけでも数百ドル分。 皮肉なことだけど、NOKAチョコ関係者以外で、最もNOKAチョコを食べた人なんじゃないだろうか?

 私はこれを見つけた当初、NOKAのことは存在を聞いてはいたものの、食べたことも無いしお店に行ったこともなかったので、



 
 NOKAってお店ってば、



時代の寵児か、稀代の詐欺師か







 って感じね〜と、文字通り傍観していたのです(良く考えたら上の両者は両立するんだけど、その突っ込みは無しってことで)。

 結論として「あなたやあなたの贈り物の受取人が、金持ちで、バカで、見栄っ張りなら、NOKAに行けばいい。」と断じたScott氏の記事は、案の定、ネットの世界で反響を巻き起こします。例えば、こちらこちら
 年が明けた今年1月には、ダラスモーニングニュースもこの騒動に言及(こちら)。 ただしこっちはビジネスのカテゴリーで、ネット上での批評に企業はどう対応すべきか、みたいな話。 (とはいえ、Scott氏の言い分をコンパクトにまとめた上できっちりと紹介しているあたりに、記者の内心の賛同の意図が見えると思うのは、私の斜め目線のせい?)


 長くなるので、今回はこのあたりで。 妙に疲れて目がしょぼしょぼだし
 NOKAシリーズ、何回か続きます。 ・・・というか、書き始めた以上、続けないとダメでしょう・・・(それが分かっていたから、始めるのがイヤだった・・・。うう)。
  
 先に防御戦はっちゃいますが、私はNOKA批判派ではありません。
 NOKAには、確実に、時代の寵児というかコロンブスの卵な側面があるからです。

 とはいえ、私もチョコレート・ラバーズのはしくれ、NOKAのトラッフルも板チョコも経験した今となっては、このチョコレートに関して一家言もつに至っております。
 フレンドリーに接してくれたノア&カトリーナにも、チョコやおつまみをサーブしてくれたステファニーにも好印象を持っているし、招待状をくれたケンリーには感謝もしてる。
 だけど、それでも、上の騒動を知ってて、しかも、自分の感覚でいろんなことを確認した以上は、それらを無視して単に「食べました。美味しかったです」だけな記事は書けないんです。ごめんなさい(←対NOKAの皆様)。

 それは、私が愛する日本の方々が何らかの思い違いをして、その結果無駄なお金の使い方をすることを予防したいからです。

 お洋服が好きな方が、皆、新進アーティストの、前衛的で斬新な、笑っちゃうくらい高い服が好きなわけじゃないでしょう? 全員、黒が好きなわけじゃないでしょう?
 コンサバな服や、パステルカラーの服が好きな方も、多いはずですよ。
 そんな方が、斬新で真っ黒なお洋服を、「老舗のクチュールメゾンがプレタラインで出してる定番服」と誤解して、高いお金を出して買ってしまったとしたら? そして、それが情報の偏在によるものだとしたら? そりゃ本人の責任かもしれませんけど、やっぱり気の毒じゃないですか。
 
 NOKAは、アバンギャルドで真っ黒な新進アーティストのお洋服よりも、もしかするともっと特殊かもしれません。。。

 ちなみに、Scott氏の記事、私の英語力では読みにくい箇所もずいぶんありましたが、美味しいチョコレート情報(ダラスのお勧め店も含む!)が満載で、それだけでも価値があります。

 次回に続きます。
 


takurere1025 at 05:12│Comments(4) ダラス生活 | 本音で語るシリーズ

この記事へのコメント

1. Posted by darari   2007年08月14日 00:39
AMEDEIもよーく似た戦略ですよね、違いは本社がPlanoじゃなくてイタリアにあることか(東京にだけ出店があったり、チョコに関する謳いようとか)。

需要と供給があってプライシングが成り立っているので、味の違いが解る日本人の方々が対価を支払って楽しむ高額チョコ需要を嗅ぎ付けたこのファウンダー二人のビジネスセンス、すごいですよね。
私も似たような商売しているもので、文句は言えませんし(笑)、あやかって私も高級品から売れる日本市場をターゲットになにか一山当てたいもんです。

とりあえずチョコレート食べられないので、NOKAは無関係っちゃぁ無関係ですけど・・・。
2. Posted by Koharu   2007年08月14日 14:13
5 darariさま、ダラリさまがチョコを食べれたのなら、NOKAの板チョコと、スコット氏によりNOKAが使用しているクーベルチュールだと断言されたフランスのBonnatの板チョコとの試食会を開きたいところでした。

そう、↑の一文で分かって頂けたかと思うんですが、NOKAの商売を評価するポイントの1つとして、「彼らは原料からチョコレートを作る業者ではない」ということが挙げられるんです。

AMEDEI等はカカオ豆などの原材料を集めて、全くゼロの状態からチョコレートを製造する、れっきとした「チョコレート製造業者」なんですが、NOKAはあくまでチョコレート職人のお店なのですよ〜(ここは皆が誤解するポイント)。 つまり、どこかのクーベルチュールを使用して、チョコ菓子を作るだけの会社なのです。

それにもかかわらず、テンパリングして小分け型詰めしただけのタブレット(板チョコ)を主力製品として、売り出したことが「目からウロコ」なわけです。
こういうタブレットというのは、今までチョコレート製造業者が、自ら製造したチョコレートを、チョコレート職人だけでなく、一般消費者にも味見させようとして売っていたものですからね(なので、皆さんがNOKAを「チョコレート職人」ではなく「チョコ製造業者」であると誤解するわけです)。

なので、AMEDEIが日本を主要顧客の1つにすえている点は共通点ですが、AMEDEIはカカオ豆等の原材料からチョコレートを作っている業者である、という点で、NOKAとは全く異なるわけです。
そのうち、おいおい書いていきます。うう。
3. Posted by ハヤシくん   2007年08月14日 22:10
私はあんまりチョコには思い入れがないヒトなので全く分からんのですが、でもNOKAのチョコ、美味しかったです。高いけど、まあ色々とあれやこれや、理由はあるんだろう、と。まあPlanoベースの会社ということでなんとなく地元意識も手伝ってか(ノアさんも感じ良かったし)、今日本で上手いこと商売していけるかもしれないけど後々どうなっていくんだろうとか、心配&興味はありますねぇー。koharuさんが書いてた新聞記事も、そのうち読もうと思って長いこと取ってあったのですが、だいぶ前に捨ててしまいました(そういうパターン多し)。
4. Posted by Koharu   2007年08月15日 10:01
5 ハヤシくん、NOKAのようなシングルカカオの板チョコは、赤ワインと一緒に飲むとたまらなく美味しい、ということをこのテイスティング・パーティーで確認いたしました。
あれは美味かった。
NOKAがどこのクーベルチュール(製菓用チョコレート)を使っていようが、あれは美味かったっす。

ノアさんは、本当に感じの良い方ですよね。(女性にとっても「もてる」ってお話を違うところから聞きました。笑)。

プレーノの方はもちろん、ダラスに住む者として、地元意識はありますね。 私はNOKA批判派ではないけど、書く以上は、公平の見地からネガティブなことも書かなくてはいけないわけで、随分、長いこと悩みました。
そして、旦那からは「つらそうだから、書くのやめれば?」とまで言われ

ただ、日本の友人のために、書かないわけにはいかんのであります。

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