2008年12月28日

今年のバレエを振り返る7〜新国立劇場「アラジン」

 新国立劇場バレエ団は、日本では珍しくシーズン制をとっています。
 今年のシーズンは11月のアラジン(世界初演)で幕開けです。

 振り付けは、デヴィッド・ビントレー。 2010年シーズンからこのバレエ団の芸術監督に就任することが決まっています。

アラジン 私は新国立劇場バレエ団については、土曜日のシーズンチケットを購入しています。 シーズンチケットには特典もありますが、欠点もあります。

 私の購入したシーズンチケットの最大の欠点は、土曜日の公演が何回かある場合、どの土曜日のどの時間の公演にするのか、勝手に劇場側に決められてしまうこと。
 それでも一応、シーズンを通して、全てのメインダンサーの舞台が観られるように心配りがなされているようです。 

 しかし、逆に言うと、当然、こちらが別に興味のないダンサーの公演が組み込まれてしまうわけで、そういう公演のときは、正直、テンション下がります。 

 実は、今回の「アラジン」がそうだったりする(笑)。

【日時・場所】
2008年11月22日(土)2時〜
新国立劇場オペラパレス

【キャスト】
アラジン : 芳賀 望
プリンセス : 湯川麻美子
魔術師 : マイレン・トレウバエフ
ランプの精ジーン : 吉本泰久
アラジンの母 : 難波美保
サルタン : イルギス・ガムーリン

オニキスとパール : 高橋有里、さいとう美穂、寺田亜沙子、
              江本 拓、グリゴリー・バリノフ、佐々木淳史
ゴールドとシルバー : 川村真樹、丸尾孝子、貝川鉄夫、市川 透
サファイア : 西山裕子
ルビー : 遠藤睦子、冨川祐樹
エメラルド : 寺島ひろみ、寺島まゆみ、中村 誠
ダイヤモンド : 西川貴子


 なんのかんの言って国立劇場。 しかも、世界初演。
 ってことで、舞台美術も衣装も、とても素晴らしかったです。

 世界初演は言うまでもなく「初演」に見られがちな、群舞の乱れもなく、宝石たちの踊りはいずれも完璧に近い出来。
 
 しかし、どうも煮え切らない印象なのが・・・主役2人です。 アラジンとプリンセス。

 プリンセス役の湯川さんに関しては、私の好みじゃないってことに尽きるので、これは文句たれる対象にはならず(彼女の踊りは、日本人ダンサーらしく、しとやかでたおやかです)。

 問題は、アラジンの芳賀望君だな。
 このバレエにおけるアラジン役っていうのは、自堕落だけど明るくてお調子者な若者、っていう感じなんですよね。
 これは、芳賀さんの個性とは相反するんじゃないだろか。
 個性に反する役を無理にやるとき、特にお調子者じゃない人間が無理して明るく振舞うとき、どういうことが起こるか。
 それはね、顔に、いつも、微妙な「暗さ」が現れちゃうんですよ。
 これは・・・見ていて、正直、痛い。

 芳賀さんは、悩みがあったり、陰鬱だったり、性悪だったり、影があったり、少し「暗さ」がある役の方が個性に合ってると思う。
 正直言っちゃえば、神経質っぽい(しかも陽性ではなく確実に陰性の神経質さ)と言うか、ネクラ(・・・もしかして死語?)というか、そういう雰囲気がどうしても感じられる方なので。

 古典バレエの王子様は、心に悩みを抱えている人が多いですから、これは大丈夫。  ロミオも大丈夫でしょ。 
 演技力を勉強すれば、オネーギンもいける。
 同じく、演技力が前提になるけど、「マノン」のレスコーなんか、「小心者で性悪」っていう新しいレスコー像を作り上げられるような気がするぞ。
 そっちの方向で頑張ってみるのはどうだろうか???

 といっても、役を決めるのは劇場側でしょうから、ダンサーにはいかんともし難いんだと思いますけどね

takurere1025 at 21:36│Comments(0)バレエ・ダンス・舞台 

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