2009年12月31日

今年のバレエを振り返る2009 

今年のバレエの中で1番楽しかったのは、これであります。

2009年12月8日(火)午後7時、東京文化会館
マリインスキー・バレエの「イワンと仔馬」(全2幕)

今年、ボリショイ・バレエの芸術監督からABT常任振付家に鞍替えしたラトマンスキーの新作です(ラトマンスキー移籍に関するノーボスチ・ロシア通信社の記事はこちら)。

この日は、ゲルギエフが指揮をするということで、通常の料金よりちょっぴりお高くなっております旦那のクライアントに招待して頂いたので、とってもラッキーだった)。めっちゃくちゃ混んでいて、しかも通常よりずっと男性率が高かったので、明らかにゲルギエフ効果ですわね。

音 楽 : ロジオン・シチェドリン
振 付 : アレクセイ・ラトマンスキー
台 本 : マクシム・イサーエフ
音楽監督 : ワレリー・ゲルギエフ
装置・衣装 : マクシム・イサーエフ

指 揮 : ワレリー・ゲルギエフ
管弦楽 : マリインスキー歌劇場管弦楽団

【出演】
姫 君 : アリーナ・ソーモワ
イワン/皇子 : レオニード・サラファーノフ

仔 馬 : グレゴーリー・ポポフ
侍 従 : イスロム・バイムラードフ
皇 帝 : アンドレイ・イワーノフ

父 親 : ロマン・スクリプキン
雌馬/海の女王 : エカテリーナ・コンダウーロワ
大きな馬達 : アンドレイ・エルマコフ、カミーリ・ヤングラゾフ
ダニーロ : イワン・シートニコフ
ガウリーロ : コンスタンチン・スヴェレフ

 
ラトマンスキーの作品を鑑賞するのは、昨年のボリショイの「明るい小川」(こちら参照)、NHKで放送された「ボルト」に次いで3作品目になります。評価がうなぎのぼりのラトマンスキーですが、私はラトマンスキーの良さが今一つよく分からないでいたのでした。

ところが、今回、ラトマンスキーは、この作品において、

●子供の学芸会チックな要素をベースにしながら
●松竹新喜劇な振付・演出を豊富に取り入れ
●ディズニーな場面構成をスパイス的に盛り込んだ上で
●古典バレエファンも満足させるある一定のお行儀の良さまで昇華させる

という離れ業を成し遂げていました。

かな〜り、衝撃的で大満足。

そして、遅ればせながらワタクシもようやく、「ラトマンスキーって才能あるんだな〜」と心底思った次第であります。特に、海の場面の美しさは、今思い出しても感動的というか・・・本当にもう1回観たい。 あぁ、ラトマンスキーとABTのコラボを観たいなあ。。。

ダンサーでは、サラファーノフはまだ少年っぽい姿態なので、イワン役にとってもはまっていましたし、技術的にもバランスの取れた素晴らしいダンサーでしたわ。楽しくて可愛くて、思わずかばってあげたくなったり応援したくなるイワンでした。今、人気急上昇中、というのが良く分かります。

仔馬は、登場する場面の多くでイワンと並んで踊るのですが、今回仔馬を演じたポポフは、体型がサラファーノフとよく似ていたので、2人が踊るととっても良いコンピに見えました。ただ、ポポフは、ジャンプの高さについては、サラファーノフの上を行くこともありましたが、その他の点では、サラファーノフの隣で踊るとアラが目立つこともあり、実力が違うので仕方ないと言われればそれまでだけど、ちょっと可哀相だなと感じました。

姫君役の、アリーナ・ソーモワは、とっても素晴らしかった!ロシアのダンサーは、ものすごく上半身の訓練をされるそうで、柔らかい肩とよく回る肩甲骨を持っていることが多いですが、その中でも彼女は秀逸。稼働域が広く、柔らく、しなやかに動く長い腕は、まるで背中の真ん中から動いているようで、しかもあまりに優雅に美しく動くから、まるで背骨から羽が生えているように見えました。何度も錯覚(幻覚?)を覚えた感覚に見舞われたほどでしたよ。私は、(ブログを読んでくださっている皆さんよくご存知のように)白鳥の湖が好きではありませんが、彼女の白鳥は観たいなあ、と心底思いましたね。

最後に、日本人(しかもテレビのバラエティを見る人間)に限定される感想だと思いますが。

あのね、この物語、ハッピーエンドになる前に、「熱湯が入った大釜にイワンが入ると、仔馬の魔法によって死にもせず、逆にハンサムな王子になる。それを見た王様が勇んで熱湯に入るんだけど、こちらは魔法なしなので、そのまま熱湯で死んでしまう」という場面があるんです。

このとき、ラトマンスキーが舞台に上げたのが、熱湯が入っているように見えるよう加工した、透明な大きな箱。

これが・・・バラエティ番組の罰ゲームに登場する「熱湯風呂」にしか見えない!

もう、観客みんな笑いをこらえるのに必死ですよ(笑)。そりゃ、ロシアの方は知らないから、どうしようもないんだけどさ。

子供の頃からテレビで刷り込まれた「熱湯風呂」の印象は根深いものがあってデスね、王様のリアクションが物足りなくてしょうがなかったわ。は〜。


takurere1025 at 10:11│Comments(0)バレエ・ダンス・舞台 

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