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「W杯が決まって最初の試合だったので気持ちよかったのですが、試合内容も素晴らしかった。

最初のファウルでイエローカードを出したんです。ところがそれ以降はファウルを取る場面も少なくて、試合終了までわずか12回です。両チームで12回は、私の中でも最少なんですよ。


最初がイエローカードは厳しいかなと思ったけど、それがメッセージとして選手に伝わったと思います。レフェリー冥利につきる試合でした。」(エスパルス20周年記念誌より引用)




上川徹さんは後にこう語りました。



2006年4月。


日本平スタジアムにて清水エスパルスとガンバ大阪が対戦しました。


エスパルスは、ひょーどーと怪我を抱えた矢島がゴールするも、逆転されて2-3でガンバに敗れましたが、この試合を担当したのが、上川主審でした。


開始早々の矢島へのファールに対してイエローカードを出し、試合の基準を作り、その後は、本人も言うようにレフェリー冥利につきるフェアな試合が展開されました。


おそらく、上川徹さんにとってベストゲームの1つであろうこの試合だと思います。




さらにタイムスリップをして…



そのさらに9年前の1997年8月


同じく日本平スタジアムで柏レイソルと対戦しました。



この試合も上川徹さんが担当しましたが


そこで「エジウソン事件」が勃発します。


この試合、筆者は観に行っていないどころか、産まれてもいませんが←

この試合で、エジウソンという柏のFWが接触で痛がっていたのにも関わらず、攻撃の場面で起き上がってゴールを決めました。

これに加え、オフサイドがあったのでは?という清水サポーターの怒りが収まらず、審判控え室のガラスが割られるなど、荒れに荒れ、深夜まで審判団が足止めされるほど騒ぎとなったそうです。



前代未聞の事件が起きたこの試合の後、上川さんは、しばらく日本平で笛を吹かなかったらしく、


「あの試合の頃はまだ若かったし、オドオドしているところがあったかもしれないですね。そういうように見られたら、選手は絶対にそこに付け込んでくる。経験を積むことで、最初の握手の場面から主審のプレゼンス(存在感)を示すことができるようになれるかもしれません。」


当時をこう振り返ります。


それから9年経ち、


同じく日本平のピッチで、完璧にコントロールして素晴らしい試合(なおエスパルスは負けているが)を魅せた上川徹さん。


その後、ドイツW杯でも3位決定戦を担当するなど活躍して、世界の舞台で輝きました。



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9年後の清水エスパルスはどうなっているのでしょうか?



9年後のヴィッセル神戸はどうなっているのでしょうか?



そして、



9年後の柿沼主審はどうなっているのでしょうか?





2018年11月24日に日本平で行われた清水エスパルス対ヴィッセル神戸。


色々ありすぎて、頭も整理しきれず、ブログでも何から書こうか迷い、書きかけの文章もありましたが、

今回は短く、端的に書いて終わろうと思います。




Jリーグ史上前代未聞の荒れ試合となった、



このことは事実です。



しかし、



そんな試合を経験したからこそ、サポーター、選手、スタッフ、審判団、Jリーグ、それぞれの立場の人間が


その過去を、未来の目的のためにどう意味づけて活かしていくか?繋げていくか?


これが、重要なことだと思います。



まだJ1リーグでの経験が浅かった柿沼主審。

1997年の上川徹さんと立ち位置は似ていますね。

普段はこのブログで審判ネタも書いており、今回も途中まで細かく書いていましたが、

ほかの記事やツイートで山ほど見かけたので載せるのはやめておきます。



ただひとつ、柿沼主審に言いたいことがあります。


それは、



「9年後、上川さんと同じように、W杯レフリーとして日本平に戻ってきて、最高の試合を選手たちと作って欲しい」


これだけです。


今回の試合でしばらくは担当できる試合が制限されるかもしれません。しかし、いつかは上川さんのように成長して戻ってきて欲しい、こう勝手に願っています。




最高の試合を選手たちと作って欲しい……



そう、試合というのは審判だけでなく、選手はもちろん、スタッフや関係者、サポーターが1つとなって作り上げるものです。


お互いがリスペクトの精神をもち

フェアプレーを行う


審判員の両腕にはそれらの願いを込めたワッペンが付けられています。


確かに、今回の試合を審判だけの責任にするのは簡単です。


コントロール不足、選手を守らなかった、公正なジャッジが出来ていなかった…


審判への批判材料は山ほどあります。



「全部アンタだよ!!!!!」


こう言って終わらせることも容易にできます。


意見書を出し、あくまで審判員のコントロール不足と、相手の挑発が原因で試合が荒れたと主張し、自分達は何も悪くない、


こう言って終わらせることもできます。




しかし、


他者に責任を押し付けているだけで、


自分達のチームは、クラブは、強くなることができるのでしょうか(反語




前に話題となったアドラー心理学の中で、

「課題の分離」

という考え方があります。


まずは「これは誰の課題なのか?」を考えましょう。そして課題の分離をしましょう。どこまでが自分の課題で、どこからが他者の課題なのか、冷静に線引きするのです。(嫌われる勇気より引用)





荒れに荒れた試合展開になりながらも、


引退するひょーどーや急逝した久米GMのために一丸となってゴールを目指し、勝点1を掴んだエスパルス。


直後のセレモニーでは、左伴社長、ヨンソン監督、竹内キャプテンは冷静に挨拶をしてくれました。


そして、ひょーどーの引退セレモニーも、試合内容と切り離し、しっかりと行うことができました。


試合後のインタビューでは、執念のゴールを決めたキーパー六反が(個人としては)自分自身がしっかりとしたプレーをしていれば、河井(陽介)や(立田)悠悟が怪我をせずに済んだと思う。自分にとっては死んでも忘れないような、戒めの試合になる。」こう語りました。




エスパルスの社長や監督、選手たちは、難しい試合が終わった直後から「課題の分離」をし、気持ちを整理していたのです。


そして、残り1試合に向けて、来季へ向けて前に進もうとする姿勢を示してくれていました。



確かに、神戸戦を思い出すと、込み上げてくる感情があると思いますし、柿沼主審やウェリントンやポドルスキの追加処分が決まるまで納得しきれない部分もあると思います。河井と立田、橋本の容態が心配な部分もあります。

(ちなみに、清水のスタッフが叩きつけたポールがフィールドに入ったことについては、試合中、試合球以外のボール、その他の物、または動物が競技のフィールドに入った場合、主審は:プレーが妨害されなかった場合、プレーを続けさせ、できるだけ早い機会にそ れを排除させなければならない。という競技規則を考えると重い罰則は受けないと思っています)




しかし、クラブとして、既に前を向いて進もうとしているのです。




我々サポーターも、それを信じて、応援し続けていくしかない、こう思います。




9年後、さらにその先の未来へ……


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最後に神戸戦で撮ったアイスタグラムな映え写真を載っけておしまい。


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ではまた。