評価の定まっていない現代の写真、写真家、写真集について 最新の情報を提供していくインターネットマガジン
アメリカの写真集100冊が日本にやってくるイベント『10×10 American Photobooks』に、私もこの度オンラインの選者として写真集を10冊紹介させて頂きました。

私の選定理由は......
選定にあたっては「アメリカ生まれ、もしくは長期においてアメリカに暮らしていること」と「1987年以降に出版された写真集」との指定があったので、まずはアメリカ人写真家を思いつく限り紙に列記した。その中から記憶を頼りに印象に残っている写真集を思いつく限り挙げた。その後主観的な判断に基づいて、個人的に紹介したいと思う写真集、アメリカらしい写真集だと思われるものに絞り、最終的に10冊を残した。注意した点は出版年に偏りが出ないことと、1987年以降の意味合いを考えて選んだ。

Upon being informed that my selection should cover photographers “who were born or lived in America for a certain period of time” and published photobooks “after 1987,” I wrote down the names of photographers who first came to mind. Then I tried to recite from memory as many book titles as I could from my listed photographers. Finally, I narrowed my list down to ten titles based on my subjective perspective of books that I think deserve to be featured because they reflect an “American-ness.” In addition, I tried to pick books from different years and address the meaning of post-1987 in this selection.





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1.William Eggleston. Democratic Forest.
(New York: Doubleday, 1989).

『THE DEMOCRATIC FOREST』の"Democratic"という言葉は、この写真集のなかで独特な響きを未だ保持している。それはこの中で展開されているアメリカ南部の穏やかな風景写真が、あまりにもその言葉の意味とかけ離れていると感じてしまうことにあるのかもしれない。つまり「この写真集の一体どこがどう"Democratic"なのか?」である......(続きを読む)





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2.Merry Alpern. Dirty Windows.
(Zürich: Scalo, 1995).

1993年から94年のニューヨークの冬は当時観測史上2番目に寒い年だった。メリー・アルパーンはある日友人のノーマンから興味深いことを教えてもらう。彼の家のロフトにある換気口から、向いのビルに入ったメンズクラブのトイレの窓が見えるという。ある日メリーは彼の家にお邪魔して、その真意を確かめた......(続きを読む)




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3.Jim Goldberg. Raised by Wolves.
(Zürich: Scalo, 1995).

マグナムの正会員でもある写真家・ジム・ゴールドバーグは、自らが撮った写真とテキストを付するスタイルで知られている。1995年に写真集として発表されたこの『Raised by Wolves』も同様の手法を踏襲している......(続きを読む)




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4.Mark Morrisroe. Mark Morrisroe.
(Santa Fe; Twin Palms, 1999).

1989年にHIVの合併症によって30歳という若さで亡くなったマーク・モリスロー。本書は彼の死後から10年経って初めて出版された包括的な写真集である。1976年から89年までの写真で構成されている......(続きを読む)




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アメリカの小説家エドガー・アラン・ポー(1809-1849)に「群衆の人」という短編小説がある。1840年に発表されたこの小説は、病み上がりのとある男が、ロンドンのホテルにあるコーヒーハウスの出窓から思索にふけってぼーっと外の通りを歩く群衆の波を眺めていたところ、突然視界に現れた一人の怪しい男に目を奪われたことから話が始まる......(続きを読む)





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(London: Longer Moon Farther, 2003).

この写真集は体操選手としてオリンピックを目指す12歳のコートニーのライフスタイルに密着した、パーソナルドキュメンタリーである......(さらに詳しく読む)





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7.Christian Patterson. Sound Affects.
(Cologne: Edition Kaune, Sudendorf, 2008).

ニューヨーク・ブルックリン在住の写真家・クリスチャン・パターソンは2002年に一旦ブルックリンを離れ、テネシー州メンフィスに移住している。メンフィスはあのウィリアム・エグルストンの生地であり、ロックンロールとブルースの発祥の地でもある。パターソンはこの場所で写真と音楽を強く結びつけるような写真シリーズを2005年に完成させた......(続きを読む)




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8.Lee Friedlander. America by Car.
(San Francisco: Fraenkel Gallery, 2010). 

15年以上の歳月を費やしてアメリカ全土50州をレンタカーでロードトリップしながら撮影したリー・フリードランダーによる近作......(続きを読む)



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9.James Welling. Glass House.
(Bologna: Damiani, 2011).

ジェームズ・ウェリングはこれまでに、白黒写真、カラー写真、あるいはカメラを用いないフォトグラムなど幅広い手法や技法で写真の持つ可能性を押し広げてきた写真家兼アーティストである......(続きを読む)




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『Redheaded Peckerwood』は実際にアメリカで起きた「スタークウェザー=フューゲイト事件」と呼ばれる殺人事件を土台に作り上げた、クリスチャン・パターソンの2冊目の写真集である。パターソンは2005年から2010年にかけて、スタークウェザーとカリルが通ったルートおよそ500マイルを実際に移動しながらかつて事件の起きた場所を訪れ、関係者に取材を重ね、フィールドワークをした......(もっと詳しく読む)



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東方輝
Akira Higashikata

書籍の買取・販売を行うオンライン古書店「2手舎」のオーナー。写真集、美術書、アートブック等を中心に、関連する様々なジャンルを扱っている。また国内書籍だけではなく中国、台湾や東南アジアの独創的な書籍にも着目し、日本で紹介・販売も行っている。2011年には現代写真に関する情報源として、ウェブマガジン「写真の鉛筆 The Pencil of Photograph」を運営している。

Akira Higashikata is the owner of Nitesha, an online secondhand bookshop based in Tokyo that buys and sells rare and used books. Nitesha specializes in art and photography books and actively promotes titles related to the above genres from both domestic and international artists and publishers. Since 2011, the shop has published the online magazine The Pencil of Photograph, which is a resource for current information on contemporary photography.


 

 

 

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