消費者金融やカード会社に対する過払い金返還請求について、期限があるのか、という質問をされることが良くあります。これに対しては、原則として完済から10年で時効にかかるのでそれまでに請求する必要がある、ただし、必ず10年間は大丈夫とは言い切れないので注意が必要、というのが基本的な回答になります。

すなわち、基本的には、過払い金返還請求権の時効は、各取引の完済から10年です。
ただ、
・途中でいったん完済していると一連の取引とは認められないこともある(分断計算)
という点はよく問題になります。

例えば、平成元年に借り始めて平成27年に完済したキャッシングの取引があったとします。
一見すると、時効は平成37年に到来しそうです。
しかし、平成19年にも一度完済していて、平成21年から再度借り入れていたらどうでしょうか?
平成19年までの取引で発生した過払い金については、平成29年(の、完済から10年が経過した日)に到来する、と判断されてしまう場合もあります。
 これが、「分断計算」と呼ばれるもので、基本契約が異なると分断が原則、例外的に一連にもなりうる、というのが判例の立場ですが、基本契約が同じでも下級審判例だと空白期間の長さやカードの切替の有無その他の事情で分断としているケースもあるので、注意が必要です。

その他、何らかの事情で貸し付けが停止された場合にそれ以後は各返済から10年で個別に時効になるという主張がされる場合もあります。これについては、貸付停止と言う事実だけで個別進行説をとるということにはならないと思われますが、ケースによっては争点になりうるので注意が必要です。

いずれにせよ、過払い金返還請求は早めに行ったほうが時効のリスクを避けられる可能性が高いと言えます。10年経つ直前だと、取引履歴を取り寄せている間に期間が経過してしまう恐れもあり(その場合に、受任通知の「催告」文言で時効が6ヶ月間伸びるという説が有力ですが、争われることもあるので、念のため、履歴取り寄せにかかる期間の分も余裕をもってご依頼いただく方が良いです)、早めにご相談頂ければ、と思います。

なお、残高がある段階からの介入の場合は信用情報(いわゆるブラック)の問題が生じえますが、その点については、ご相談の際に詳しくご説明します。
*その業者について完済していてその他物販や保証等も含めて一切取引がないなら信用情報の問題は生じません。

当事務所では、過払いや債務整理については、相談だけなら無料ですので、まずは、お電話か、電子メールでご予約の上、ご相談ください。
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