2010年12月16日

君を忘れて 変わっていく僕を許して

一年ぶりのエントリー。皆様お久しぶりです。


久しぶりに、昔の自分が書いたブログを読んでいました。いえ、昔の自分などではなく、自分ですね。
だけど、なんとなく外から傍観してしまっている自分もいます。上からではなく、むしろうらやましいなって。私、ちゃんと必死だったって。


素敵な文章など書けなくなってしまいました。大人になってしまいました。ほら、今だって、ある事だけをつらつらっと書いてるだけだ。


これから多分数日のうちに、ちょっとえげつない事を書きますのでその点ご勘弁ください。mixiにもtwitterにも暴露できない話です。だけどここは本当に私を、昔のあの姿から変化を経て知っている人しか、知らないから。ここならいいよね?



ではでは、今夜はこの辺で。

皆さん流星群見ました?私はかぜでおうおう言ってました。(苦笑)

tamaki108 at 00:07|PermalinkComments(3)TrackBack(0)

2007年12月22日

ランチ

やっとおうちでネットができるようになったのよーるんるん♪イーモバイルって、新しいケータイの会社ができたって騒いでた時あったよね。あれのカードをヨドバシカメラでなんと1円で買いまして、今パソコンに差し込んでカタカタやっとります。
いやーすごいね。人間はすごいよ、やっぱり。ネットっと1ギガあれば十分っていうけど、これ最大3.6メガ出るもん。こんなちっこいカード1枚でだよ?回線なしで電波が空気中を飛び交ってるなんて想像もできん。
でもついつい遊んじゃう。「私何やりたかったんだっけ?」って不謹慎に思う時がある。「レポートを学校や図書館が閉まる年末年始に書くため」っていう全うな動機があるにもかかわらず、こんなぐうたらをやっちゃうんだよ。だめだめ。

なーんか口調が今日はおばさんちっくな気が自分でしてます、玉季・20歳・嫁入りだいぶ前です。たぶん、今日お稽古日だったせいもあるんだと思います。
諸人
写真のカバンは、この前あったお稽古場の忘年会で私が1等を当てて頂いたもので、先生のおさがりです。おさがりって言っちゃいけないな、綺麗なままだし何せすごい高級品だもん。当ててしまったんです、内弟子の最年少の身で。あんまり高級で似合わなそうなので、パパにプレゼントしようかなと密かに考えてもいます。でもせっかく先生に頂いたものだから、宝物にするか大事に使うかで、自分の側にとどめた方がいいよなーとも思う。難しいなー。
今日こそ風邪気味だったものの、私の先生は今年も一年お元気で何より。稽古の時はやっぱり厳しいけど、なんだか最近先生は以前に増してすごく優しい。内弟子の仕事に私が慣れてきたってのもあるだろうけど。でも、そんな先生の優しさに触れるたびに、もし先生に万が一のことがあったら自分はしっかりしなきゃいけないし、その時にできるだけ後悔しないようにたくさん勉強しなきゃとか、ちょっぴり自覚したりする。先生の弟子になって本当にちょっとしか経たないけど、若い者なりにそんな瞬間もあるのだ。

話は変わるけど、さっき自分の過去の投稿を読んでて。
本当に、私は苦しかったんだな。他力にも自力にも、苦しんでもがいて、よく逃げ出さなかったなと。こんなこともあったし、その後大学に落ちて結局のぶには会えないまま上京して。で、電話で一回話したんだよな。引っ越しをした直後だった。
当時住んでた1Rの部屋は、4番目に見た物件。何もめどを立てないで上京して即入居だったから、とりあえず大手の物件屋に入って、まず2ヵ所見た。花小金井の物件は、目の前が畑っていうのどかな立地だったからすごく魅かれたけど、結局部屋の雰囲気が暗くてやめたんだった。私が部屋を選ぶうえで一番重要視するのが「雰囲気」「温度感」。収納とか、キッチンの広さとか、向きとか、それをまとめるのがこの2点。結局すむことに決めた部屋も、ロフトに上った第一印象が「冬あったかく暮らせそう」。まあ気温の面で実際どうだったかとか、鬱になると帰りたくなくて駅前のミスドで自習したことは別として、結構明るい雰囲気で1年間暮らせたよ。私の勘は間違ってなかったみたい。
なのに気に入った部屋をなぜ出ることになったかというと。芸大の試験がすべて終わり安心した頃に、部屋のドアにいたずらをされたからだ。最初はなぜかおばさんがはくようなパンツ(しかも泥がついた拾ってきたようなやつ)がドアポストに突っ込まれてた。並びの部屋の人が落として、届けてくれた人が間違ったのかなーとか私はのんきに思った。でも決定的だったのは、その次。液体洗剤が朝っぱらにドアノブにひっかけられたのは、さすがに気持ち悪かった。母は私以上にビビって、不動産屋に掛け合って引っ越しを決めた。合格が決まって入学手続きもあった中での引っ越し、あのころの母の行動力には今でも感服。
私密かに思うんだけど、あの犯人は隣の部屋にいた男性だったんじゃないかなあ。挨拶を数回しかしたことがなく、顔もはっきり覚えていない隣人を犯人呼ばわりするなんて私も相当だ。でも、液体洗剤のにおいと隣から漂う洗濯物のにおいが一緒だったこと、洗剤がかけたてで、その前後と思われるときに隣の人の笑い声がドアの前でしたこと、何となく「証拠」は自分でつかんでた。まあ今では証拠も推測と同じことだけど。ロックフェスのTシャツとか、たまに聞こえるSUM41とか、親近感をちょっと感じてたのに、なんか残念だな。おいおい、推測だよ。(苦笑)
お洗濯今はそのアパートのあった所から電車で15分くらいの町にいる。家賃は5000円上がって、収納が増え、キッチンが独立して広くなった。前の家よりちょっと寒いけど、畳をごろごろしながら悠々と生活している。この部屋にいて一番好きなのは、晴れた日に洗濯をして、それが終わった瞬間。白ーい溜息をついてしまう。こういう時、自分で丁寧に淹れたコーヒーを飲むと最高なんだろうなー!

そうそう、欲しいんですコーヒーメーカー。近々フェリシモ(最近お気に入り!haco.でよく服を買います)でゲットするつもり♪そして、京ちゃん風に「コーヒーでも飲んでいきませんか?」って口説くつもり♪♪(笑)

tamaki108 at 23:44|PermalinkComments(2)TrackBack(0) live | dance

2007年12月13日

月面のブランコは揺れる

昨日後期の公開試験が終わって、今日学校に行ったらば日舞部屋に誰もいないどころか鍵が開いてない!!みんながっつり休んでんだなー。
公開試験での「越後獅子」はなんと晒を3人で振った。埃と先生方の音なきざわめきで、能ホールが満たされるのが分かった。でも頑張ったよ。これだけのうつ状態で、振ったことない晒を毎日のようにできんできんと稽古した自分は結構偉かった!普段自分を褒めるなんて行為滅多にしないのだから、今回ばかりはちょっとほめてやろーっと。いいよね?

最近うつ状態の拍車をかける出来事が一つ。「喜びたい組」が解散寸前になった。原因は私。
ある夜、先輩の家にみんなで泊まることになった。珍しいメンバーも加わって。
夜中の4時。3時だったかもしれない。人の話し声で目が覚めた。私は聞いてはいけない内容で、私はそれを体を海老の形に丸めたままで、息を殺して聞いていた。あんまり鼓動が早くて、始発まであと1時間はあるのにもうそこから眠れなくなった。眠れないどころか、私は先輩の部屋を出て、大通りを地下鉄目指して歩いた。止めに来る人の優しさも振り払った。そのくらい、私の心は乱れたのだ。
別にただの秘密の話なら心は乱れない。でも、自分がその輪の中にいるべきではないと悟ったとき、もう自分から出て行くしかなかった。後日「何か誤解してるよ」って言われたけど、なかなか弁解する余裕もなくって、その日は学校を休んだ。私が学校を休むのは珍しい。でも誰もそれに気づかなかったらしい。誰もが、私の再起と向上を願ってるはずだ。

いつも思う。頑張らなきゃ。大人にならなきゃ。綺麗にならなきゃ。自分を磨かなきゃ。思いやりを持たなきゃ。
客観的に見て「そこまでしなくていいだろう」って思うくらいの私のもがきよう。私は人にそこまで求めたことはない。頑張るなんていうのは嫌いだ。
何でそこまでするかって、私にはトラウマがあるからだ。好きな人と、想い合っていたさなかでの別れ。そして訪れない再会、切れた縁。あの時私のこと本当に好きだったのか、愛してるって本当だったのか、今となっては分からない、なんて所まできている。その位、最近の私の心はすさんで、乱れて、薄っぺらくなってしまった。トラウマからの憂鬱は扇形に広がっていく。
でもそれを完全に修復できる薬はもうない。自分の前向きな気持ちを除いては。日々の小さな喜びや幸せ、ごはんが美味しいねーとか友達と話したとか、そういうことを少しずつ積み上げて、そのエネルギーに変換する。それしかないんだと思う。ぐちぐち言っても仕方ない。頑張っても叶わないことを目にすることが多くて、最近はそう思う、思うようにしている。
Qさんのページを読んでて、ルナさんの前向きな明るい性格がものすごく眩しく思えた。何かにつけないと前を向けなくなったのはいつからだろう。自然に笑って、自然に泣くことができなくなったのはいつからだろう。きっと戻らないんだと思う。だからそれを自分で解決する、それが大人と言うものだろう。

年末年始見たい映画。「ジャーマン+雨」「かぞくのひけつ」「グミ・チョコレート・パイン」「人のセックスを笑うな」こんな感じ。漢字が少ない。(?)いつも映画館から持って帰るフライヤー見れば、もっと見たいのあるけど思いつくのはこれくらい。
今「グミ・チョコ」の配役をちら見して、峯田さんの役ばれしてしまった!!私っていっつも本とか最後の方我慢できずに先に読んじゃうんだよなー。悪い癖です。
歌舞伎の知識なくても、映画好きはやっぱりやめられません。踊りと関係なさげな活動は何が何でもやっぱり継続中です。邪魔せんといて!!(笑)

年末年始といえばお正月三が日は浅草の仲見世でバイトすることになっちゃった。実家には成人式向けて帰るため。おっとその前にクリスマスだよ。クリスマス一緒に過ごしたことある男の人と言えば、特にはパパだけ。(笑)結局のぶとはイブどころかクリスマスも電話のデート(それできただけで幸せと思いなさい!)。イルミネーションを誰かと手を繋いで歩いてみたいもんだ。が、今年も絶望的。(泣)

夢の中ではどんな奇跡も叶うことだってあるのになー。愚行だって分かっててもちょっとのぶに関する話を。
夢に久しぶりに完全な本人が出てきた。完全なのは初めてかもしれない!って思ったけど、思い返せばこのときも結構鮮明だったから、訂正。
スーツ着てて背が5センチは高くてすごいかっこいい(のぶがかっこ悪いと言いたいわけではない)。でも顔は本人。背が高いってやっぱり違うのか、まええや。
「のぶ背ぇ伸びた?」
「ううん、別にぃ」
手を繋いで歩く。ずっと前に忘れてしまった行為。
「玉季胸丸くなったね」
「そー?」
丸くなったってどんな表現よ。(笑)まああなたと付き合ってた頃よりはワンサイズ大きいかもな。
きちんと組んで繋いだ手が、過去の記憶どおりにあったかい。夢じゃないみたいに、リアルなあたたかさだった。
でもその後に目が覚めて、ここは私のアパートなんだなと思ったから、やっぱり夢だったんだけどね。

皆さんはきらびやかな行事をお過ごしくださいね☆

tamaki108 at 19:05|PermalinkComments(4)TrackBack(0) live | movie

2007年12月02日

ゼンマイ仕掛けのロックンロール・フィーバー

日付が変わる前に家に帰って、テレビとビデオのスイッチを入れる。チャンネルを6チャンに合わせ、着替えとメイク落としをしながら12時半になるのを待った。
昨夜の私は、この番組で救われた。筑紫哲也NEWS23、銀杏BOYZのTV初生出演。なんか信者めいてて大げさかもしれないけど、その時の私の中途半端な落ち込み方が未だかつてないものだったから。

昨日、私はちょっとだけおしゃれしたつもりで出掛けた。普段ゴムでまとめるか下ろすかしてる髪を隠しピンでボブ風にして、ピンクのハイネックに黒のカットソーワンピースを合わせた。足元は普段通りのスニーカーだったけど。本当に、ちょっとだけのおしゃれ。
でも先輩達に妙にウケが良くて。「玉季今日可愛い」「デートにでも行くのか」と。(苦笑)そしていつもお化粧ばっちりな先輩方にそれこそばっちりな化粧をされた。デートじゃないと言うに。

確かにね。確かに、若干気になる子がいたの。いつも「玉季玉季」って頭やら手やら叩いてくる子。単に自分にちょっかい出してくれるから気になる、それだけの事で、私もその程度で気を持っちゃうんだけど。
何かあるかな、って少し足元軽い気分になってた。のぶと付き合うあの時、それ以上の「ときめき」が味わえるんじゃないかって。

さすがに恥ずかしくてティッシュで少しアイシャドーを拭ってしまったけど、飲み会は無事に始まって無事に終わった。一部の男の子は顔を赤くしながらいつもより冗舌であったし、お酒がなぜか20歳過ぎて弱くなった私ものんびりな口調でそれに応えた。私は酔いが外見には出ないけど、話し方が幾分かゆっくりになるんだ。

帰り際。不忍改札で思い思いにお別れ。
例の彼は何だか元気がない。酔ってるのもあるかもしれない。
「可愛い女の子でもいたの」
明るく話し掛ける。彼は黙ってる。
「アドレス交換したん?」
彼が子供のように首を振っていた。
そっか。

失恋とか、そこまでなくてもがっかりした事とか、今までに手が足りない程にしている。慣れっこだから全然平気。両想いで別れた事の方が何万倍か大変だ。
それより私が悲しいのは。
お化粧して「これならモテる」とまで言われ、前に進む勇気だって持ちかけて、かわいく振る舞ってみて。でもそんな事力足らずの私がやってみたって、誰が魅かれるどころか気付くものでもなくて。
ああ、私って頑張ろうと思ってもそこで止まってんだね。振り向いても、前を向いても、転んでばかりいるよ。増えるのは擦り傷。

12時半を少し過ぎた頃。パンツ一枚の峯田さんがアコギを構えて語りはじめた。変なタイミングで出るタイトル。でも彼の声はすんなり届く。耳に、心に。声の質とか歌の中身とか、理由は分からない。
バンドが入る。坊主になった村井君(大ウケしたけど/笑)が壊れそうにドラムセットを叩き、震えてるのにあびちゃんのベースは確かで、ニット帽のチン君はカクカクしてる。そこにかぶる、峯田さんの断末魔の叫び。決して調和の取れた、万人向けのサウンドではない。そして間奏に入って峯田さんがキャスター達のテーブルに立つ。そこで番組は終わった。自主規制したとも思える打ち切り方。やっぱりな、この人達は民放向けやないな。(笑)
なんていうか。TVの枠を思い切りはみ出たんだ。映像そのものとしても、空間や空気も、銀杏BOYZが持つ哲学みたいなものも。
私は万歳三唱をしたかった。ていうかした。一人部屋で。誰かがロックを美化したのは一体いつからか。でもありのままを鳴らすミュージシャンはいるんだ。レーベルやプロモーションが小さくても彼らは生きていける。だって銀杏だって売れてるし。売れるからいいなんて事一生言いたくないけど、例外はある。そしてその売れ行きを支持する「透明な」ファンの姿。メンバー一人一人を寵愛より尊敬して、ライブがあれば共に倒れ歌って。私もそうだし、銀杏BOYZの、歌だけじゃない「生き方」を理解するファンがたくさんいる。

ああまた話が脱線した。(汗)思いもよらず銀杏を賛美するような文になっちまったよ。
でもまぁ自分の小さな出来事も織り交ぜて書けて良かった。(自己)満足!・・・(事故)満足?

日払いの9時間労働帰りに渋谷で「眠り姫」見て結構疲れてきて、終電まであと3本です、という中これを書き終えるとこです。偶然日本画の友達にユーロスペースで会ってびっくりでした。
皆さんはどんな冬の夜をお過ごしでしょうか。

元気に生きてこーか毎日を。私は20歳の前半でそう思う。


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2007年11月22日

傷つきやすい 柔らかい私達

学校来て3限に遅れて出席。日舞部屋でうたた寝して起きたらば、出ようとしてた5限の終了時間だった。
朝6時に起きて学校に行こう!と意気込んでた前期の私はどこへやら。浪人生活で最も嫌ってた大学生スタイルを歩みつつある、玉季・20歳・カメラ小僧です。
欝です。うーつー。うーつや太鼓の音もぉ澄みわたぁり♪(ここだけしっかり越後獅子です)
こういうとき、黙って隣にいて、手を握ってくれたりだとか抱きしめてるとかしてくれる「恋人」なる存在がいれば楽なんだろうね。ていうかその為にいるんだろうけど。まあ当然そんな人は影も形も私の近くにいるはずなく。
となれば頼るべきものは友達。でも、泰ちゃんはすぐには出てこれない遠方での実家暮らしだし、体の弱い京ちゃんは風邪をひいて、今夜喜びたい組で行くはずだった酉の市探検も中止になった。他の邦楽科の友達はなんとなーくそういう相手とは違うし、皆もう帰っただろうし。もう学校の外の友達となってしまえばもっと遠慮してしまう。いま、能の別科(芸大には短大みたいなコースがあります)の友達に今メールしてみたんだけど、普段仕事とかで忙しいからなぁ。

私って甘え方へたなんだろうなって思う。のぶとうまくいかなかった理由はきっとそこにもある。「一度どうしようもない位我儘を言って困らせてくれ」と彼に言わせたくらいだから。でも「甘えたくない」というより「甘えるのがへた」なんだから、にっちもさっちも。
それに、何かと私にどうにか彼氏を作ろう!と思ってくださる人たちがいるんだけど、余計悲しくてね。折角なのにその気になれなくて。そう思えば思うほど、逆に場は盛り上がっていくみたい。ドラマみたいだなーって話の中心にいながらたまにぼんやり思ったりする。
なにより、自分の気持ちを伝えないことには、たとえ可能であっても次の恋愛に進む気もない。まずは手紙を送らなきゃ。

なんか暗いなー楽しくて明るい話を!

そうそう、最近ディスクユニオン(御用達)で初回限定版「アメリ」のDVDを2400円弱でゲットしたんだ♪新宿本館の映画フロアーだったので、ジャン・ピエール・ジュネコーナーに一緒に並んでた「ロング・エンゲージメント」も衝動買い。
ジャン・ピエール・ジュネの作品はこの2本とあと「デリカテッセン」を見てる。何でいいかって言うと、映像もそうだけど表現の仕方が素敵だから。「くすっ」「ほろっ」「ほっ」「はぁ」とかっていう、大げさではないけど随所に「感動」があるんだよね。せりふだとか、人物のエピソードを紹介するところとか、カメラワークだったりとか。それにCGの使い方がうまいし、くどくない。有意義な使い方って言えると思う。
で、今回買った2本のDVDのメイキングを見てて、彼が「絵コンテ」を作るって知った。絵コンテって普通はアニメとかで作られる、漫画と脚本の一体化みたいなやつだけど、それを実写で使ってるのは初めて見た。映像とお話をリンクさせて、入念に準備をしてから撮影に挑む。作品を見た後「あれは何だったの?」ってまるで魔法にかかったみたいな気分になるのは、そうした丁寧な仕事が行われてるからかもって、すごく納得。

映画といえば、私映画館にもこのごろよく行く。たいてい1000円で見れる水曜日、三味線のレッスンが終わってから行くことが多い。私の好きな映画はレイトショーでやるときも多いんだけど、なんら気にせず。よく行く映画館は、渋谷・ユーロスペース。ヨーロッパの作品や、日本のミニシアター系を多く上演してる。ただ水曜日が1000円にならないから、この前会員になって1200円で見れるようにした。あまりに沢山来てるんだ、ここ。(笑)「めがね」公開記念のリバイバルとしてやってた「バーバー吉野」、売春にはまっていく主婦のちょっと暗い話「M」、最高に笑えるけど深刻なドキュメンタリー「童貞。をプロデュース」、突然眠ってしまう男のフランス映画「ナルコ」、などなど。2ヶ月でこんだけ見てんだもん。(笑)
まあね、逃避のためにってのもあるよそりゃ。(苦笑)でも実際落ち着く。一人で渋谷に出て、ポケットに手を突っ込んでスクランブルを抜けて、坂を上って、チケットを買って、暗闇の中で、たまに持ってくスタバのタンブラーでラテ飲みながら、ぼんやり光ってる所を見上げる。人には「暗い」「おたく」だの時々からかわれるけど、踊りの稽古とその周辺の人間関係しか知らないよりは断然ましだと思ってる。何より、一人でいられる方法を知ってるから十分だと思う。

あと、愛器「賢三」で写真を撮るのも好き。とか言いつつ全然ブログにアップしてないけど、家にネットを引いていないのと、記録メディアがSDなののせいでなかなかなんです。
名前を何で「賢三」にしたかって言うと。来年映画化もされる大槻ケンヂの小説「グミ・チョコレート・パイン」に感銘を受けたからだ。皆さんもご存知のように、銀杏の峯田さんも歌詞に使うくらいの小説だ。
私と「グミ・チョコ」の主人公・賢三はよく似ている。マニアックな映画とロックに浸り、自分には何か出来るはずだとプライドを持ちながらも、結局は劣等感の塊。それでも、最後には少しでいいから夢を1つかなえられますように。そして、その日まで「写真」というカテゴリーの中で一緒に頑張ろうぜ、今はじゃじゃ馬だけどな、って気持ちを込めて、「賢三」と名づけた。lottoのエナメルバッグが「のぶ子」って女の子だから、ちょうどいい(?)しね。
いい風景に出会うと、賢三のレンズカバーを外してスイッチを入れる。少しレンズを調節して、あとは賢三の力に任せてシャッターを適当に切る。まだまだ初心者。歴の長いカメラマンかと思われ、この前上野公園でおじいちゃんにナンパされたこともあるけど、本当にまだまだだ。いつか梅佳代さんみたいな写真をとりたいなーなんて思って、知り合いに時たま非難されながらも、少しずつ作品を増やしています。実は写真に関係した仕事に就けんもんかななんて考えてますが、恥ずかしいのでひそかに書いておきますね。ホンとひそかにですよー!ほらほら文章でサンドイッチしたもんね。(笑)

あ、昨日銀杏BOYZの新曲「光」の発売!!皆さん忘れずにCDショップに行こうねー。しっかし今回もジャケットの女の子可愛いね。(はあと)私、前回のシングル「あいどんわなだい」のジャケ写、あまりに可愛くて待ち受けにしてる♪
さて、そろそろ現実に戻ろうかな。お稽古しなきゃ。勉強会まであと1ヶ月切ってる。晒かっこよく振りたいもんね!

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2007年11月09日

スピカ

最近とことん訪問者数が減ったな。コメント0の日にち更新中。いまや世の中は、ブログよりmixiなんかね。ネット環境が整ったら、ちゃんと写真が載ってて、皆さんのもとにも書き込みする楽しいブログにしますね!

近頃日舞部屋内の運気がまちまちでね。まあ平均したら普通ってことになるんだろうけど、恋人がいて幸せな人と、私みたいにそうでない人がいる。そんな中、「そうでない人」が集まって「喜び組」ならぬ「喜びたい組」が発足した。条件は、恋人はいないほうが好ましく、最近なんとなくついてないなーって人。そして、喜びたい組の集まりで作る料理は失敗が許されず、しかもおいしくなければならない。幸せになるにはそれなりに厳しさも必要。(※しかしその厳しさに果たして筋の通った意味があるのかは不明)

事の起こりは、先月末の学内演奏会の帰り。プロントに偶然集まった、若干アンニュイなメンバー。(4年生2人と1年生全員の計5人)照明もそこそこな地下のテーブルで、盛り上がってるのか盛り下がってるのか何ともいえない空気の中でも関係ない、結構いい時間が過ぎていた。「この5人は合う」。踊りの話をしようと思えば延々とでき、完璧な盛り上がりは見せず、人生について少し深めに話し合う、そんな感じが。

京ちゃんの家で鍋をしたときは面白かった。広い京ちゃん邸で、まずメンバーの2人が真昼間の2時から築地に買出しに行き仕込みを始め、9時に4人がそろって乾杯。(どんだけ準備して待ってんの/笑)私の持ってきたノラ・ジョーンズは若干ムードを上げたけど、ソニック・ユースと「パリ・ジュテーム」が期待はずれになり、ゆるゆると日付が変わった。そういえば、4年生の先輩が私に「諭した」のもこの夜だったな。

一通り恋愛話を終え、曇った窓ガラスに誰が描いたか、相合傘がひとつ。そしてもうひとつ、その先輩が書いてくれた相合傘の右には、私の名前が。隣には「だれか」と書いた。
相合傘が4つになって、東京の夜景に溶けた。

つきぢ
その後築地市場に出かけて、全員放心状態でマグロ丼を食べた。誰も何も言わないで、ただ黙々と平らげた。この集まりらしい、夜の明け方だったな。

そもそも幸せってなんだろう?
お金があって、いい服を着て、おいしいものを食べて、きらきら光るものやたくさんの人に囲まれて、誰もが自分を知っていて。そんなことではきっとなくて、同じ空気を好みその緩みも許せる相手が、そばにいることじゃないかな。
幸せでない人生は辛い。でも、「辛」さに一本付け足せば「幸」せになるじゃないか。幸せになる、というか、幸せにする。そしてそれは、案外そばにあって気づかない、椎名林檎の「幸福論」まんまにはなってしまうけど、でもそういうことだと思う結局。
私の大好きな映画「アメリ」のキャッチコピーも「幸せになる。」だった。アメリが自分の世界を抜け出して、その抜け出すきっかけは彼女の小さな勇気だった。決心することや勇気を出すことは、自分の未知の領域であるから容易ではないかもしれない。でも、それにかかるエネルギーは意外に少しだったりする。今まで開けなかったドアのノブを回すだけで、素敵な出会いが待ってるんだ。
幸せは、小さな勇気から。それは見えない。でも、ミルフィーユみたいに重なって、きっと目の前に現れるはずだ。

はーでも、私の方はまだまだ頑張らない事には神様もご褒美をくれませんことよ。ホホホホ。

tamaki108 at 18:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0) live | skool

2007年11月07日

SECRET GIRL'S VIOLENT JOKE

竜巻発生。詳細は後ほど。なによ藪からぼうに、と思った方、どうもすみません。

はー稽古疲れたじぇ。今、後期の課題である長唄「越後獅子」をやってます。まあどういう踊りかって言うと、越後(新潟)の大道芸人が頭に獅子頭をつけて、お腹につけた太鼓をたたきながら踊ってアクロバットして、全長が3m弱ある布を新体操みたいに振る踊り。(説明めちゃくちゃっぽいけどそんな踊りなんだよ実際/笑)私は体が小さいので割と小回りもきくし、体育は苦手だけどじゃんじゃん踊るのは得意なので、「越後獅子」は超張り切ってるよ♪でも晒し振りは難しいなー。たぶん公開試験の時私のパートになる確率高いけど、あれは床に着かないで振るものらしくて。しかも私、肩に腱鞘炎を持ったまま(単に病院に定期的に行かないから)だから時たま痛いんだ。節約して試験の前に直すべし。

話変わるけど、大学に教えにいらっしゃってる先生のお母様が先週亡くなられた。流派の幹部でいらっしゃったから、来週改めて本葬が行われることになった。
考えてみたら私は着て行く物が揃ってない。黒いスーツもなければ、フォーマルもないし、黒紋付の着物はあるけど小物はない。着物だったら帯と小物とぞうりを買えばいいんだろうけど、万が一雨が降ったら大変。しかも学生だから洋服のほうがいいんだろうかな。これから新宿に行って見繕ってくるところ。母にしぶしぶ「今月はこんな理由で出費が・・・」って電話したけど「いいけど今月はお姉ちゃんにも多く送ってるから・・・」とな。なんかがっかり。
20代に入ったからこれから結婚式もお呼ばれされるんだろうけど、このご時世。変な話だが、「慶」より「弔」のが多いんでねーの?って思う。喪服って重要だな。早いうちに着物のほうもそろえなきゃ。皆さんも冠婚葬祭の備えはお早めに。

んで、散々道をそれたのでそろそろ竜巻の解析。

最近私は携帯を持って以来初めてメルアドを変えた。かなり業務用の、素っ気無いのに。(笑)
それは、先週京ちゃんちで飲み会をしたときに、4年生の先輩(♂)に言われたことがきっかけだった。
「玉季ちゃんはもう十分頑張ったよ。そんだけやってだめなら、もう縁がなかったんだって思うしかない。もし縁があるなら、二人はまた10年後に会うかもしれない。でもそれはあまり確信がないし、むしろ期待してはいけない。縁がなかったんだよ、今は」
ショックだという以前に、私の心の大きな部分がえぐれてなくなった。えぐれただけじゃなくて、なくなったんだ。俗に言う「ふっ切れた」なんて言葉に近かったんだ、それは。

一昨日だったな。1年生3人であるリサイタルを見てた時。地元の友達からメールが来た。のぶの住所を知りたがってた私に、分かったかどうか聞いてきたんだった。
「ううん、分かんない」
私はそう返事をした。
「ならあんまり関係ないだろうけど、のぶ先生最近彼女と別れたって聞いたよ」

最近彼女と別れた。
彼女?彼女。
のぶには彼女がいた。私と離れた後に。私ではない、誰か別の女の人。

あくまでも噂。でも火のない所に煙は立たぬ。
京ちゃんが連れてきた友達とは話す気になれず、帰って異常に酒が飲みたくなったがペリエでごまかし(?)、翌日は学校で「玉季ちゃん今日テンションが異常高い」と言われ、みんなでご飯を食べるときには放心することが多く、今に至る。

「縁がない」と諭した4年生の先輩にうっかりしゃべってしまったとき、先輩は「そんなんあっても何も変わらんよ」って相手にしてくれなかった。京ちゃんと泰ちゃんはそれなりにショックを一緒に受けてくれたけど。
そうなのだ。所詮、他人から見れば私たちは「別れた」かつての恋人同士。どんな理由があるにせよ、付き合いを断ったことに変わりはないし、それしか表目には出ないから。ここでは「離れた」と私が表記するのにもそんな訳があってのこと。

私が浪人生活にずっと一人で考えては勝手にじたばたしてた思想がある。
「この人には大切な人がいてさ。彼氏がいて。彼女がいて。親がいて。先生がいて。親友がいて。同級生がいて。兄弟がいて。
私がその『大切な人』を超えて、この人の『一番』になることができないんだろうな」
両親とも分かり合えず、友達とも距離を置いて、幸せそうなカップルを近くにして、そしてのぶと空気すら共有できず。私は東京のコンクリートをスニーカーでテンポよく踏みしめながら、何度となくそんなことを考えた。大学に入って、楽しさと充実感にあふれ、一度は顔を隠していたけど、ここ数日の出来事でそれが再び私の心に戻ってきてしまった。いま、浪人のときに感じていたのと同じ、不穏さを胸に感じているのだ。私はコンプレックスの特大の塊。
好きな人に、大好きな人に会うことさえできなくて、それには「大学合格」と「成人」しかないと思ってた。だけど、それを手に入れてみたって叶わなかった。彼は私じゃない「大切な人」と一緒にいたからだ。もしかしたら、何かの拍子にチラッと私を思い出すこともあったのかもしれない。でもそのとき心の真ん中を占めてるのは私じゃなかった。少なくともその時は、心の真ん中で私を忘れていたのだ。

悔しい。何で結婚しなかったの?私に結婚しようって言っといて果たせなかった分、その人とは結婚する、それくらい頑張らなきゃいけなかったんだよ。
分かってるの?ねえ、のぶ。何で呼びかけても返事がないんだろうね。

でもね、それでもね。誰が何て言ったって愛情が変わることはないよ。仮にのぶがひどい人だとしても、その愛情が歪んだ物であっても。のぶの事を、どうやって守れるだろうって、まだ心の中で考えるんだ。
とりあえず手紙を送る。別に期待してるわけじゃない。本当だよ。
だって、今後もうこの気持ちを、私の体の一番奥の奥に閉じ込めて、当分の間頑丈に鍵をかけておこうって思うんだもん。至って真面目に。

トラックバックを送信されて迷惑な思いをされた方、どうぞお許しください。今まで読んでくれた方に、とりあえずご報告しておこうと思いました。心境の変化が、あったということで。

あ、もう7過ぎた!服買うの明日にすっかー。(笑)

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2007年10月31日

ソドシラソ

空っぽ、とはよく言ったものだ。お腹が空いて、やる気もあんまりなし、そして今まで守り続けた気持ちとの別れを感じている私の中身そのものである。

友達が6時まで稽古をするというので待っている間にこれを書く。だからたぶん途中で投稿することになると思う。なんだか無性にケンタッキーが食べたくて、誘ってみたら6時まで待てと。
今日は三味線のレッスン以外に学校でなーんもしなかったな。レッスン終わって、日舞部屋で寝て、とうとう稽古もサボってしまった。
でも最近そんなこともよくある。そんなこと、というより、そんな感じといったところかな。空気と時間の間をよく一人でさまよっている。忙しい時間を過ごした後は、なおさらそうなる。この前二十歳の誕生日を迎えたので、そういう日の夜は一人でビールやら甘いチューハイを飲む。

今まで私の中にあったのぶの存在と、今のそれとが少し違ってきている。
のぶの評判は悪い。とくにいろんな恋愛を経験した年の離れた人には。そういう人たちは、のぶと私の間にあった出来事をごく要所だけ聞きだした後、私を思ってこういうのだ。
「それはあんたと付き合ってる間に女がいたとしか思えない。遊ばれただけだと思っていい」
私の中で変わらないのは、その言葉に対抗心を抱くこと。だけど、私の中で変わってきたのは、その対抗心をどうにかしようとエナジーを燃やさないこと。
もうなんか、私が思い出すのぶのその髪の毛や優しい言葉に指を触れないでおこうと思うのだ。辛いから。それにもう何も動かないから。

大学にいけば応えてくれる。それがだめなら二十歳の誕生日。でものぶは何も答えないし、電話に出ない。そろそろ疲れてきた。
私がこんなにも死にそうな思いをしてまで振り絞るのに、彼は何も反応してくれない。いや、私の気持ちも知らないんだろう。以前の私からすると、ここまで冷酷になるなんてなんかちょっとすごい。

前を向いて、大好きな加瀬亮みたいな男性を探そうと思えばそれもできないことはない。でもそれをするわけでもない。過去を振り返ることも飽きてきたし。となればそこで足踏みする。何にもならない。よく人にとがめられる。
でもそれしかないと思う。それしかできないんだもん。もしかすると最善策なのかもしれない。今こうしてる間にも、三味線の稽古を終えた友達は時間の経過と共に校門に向かってる。黙って突っ立ってたって、時計は進むのだ。

「時間は常に進むものでしょ」ってのぶは言った。あ、いかんまた思い出した。

昨日から時計をして出かけるのはやめたけど、ふとした瞬間のぶの顔が今までになくはっきり思い出せる。恥ずかしそうに笑ってくれる。
矛盾極まりないサイクルが、私の中で繰り返される。

まあ、私が今一番しなきゃいけないことはまだまだたくさんあるんだけどね。

tamaki108 at 18:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0) love | live

2007年10月22日

モルヒネ

コウ君、はみぃちゃん、レスせずじゃんじゃん更新してしまってごめんよ。
コウ君、私も負けずに今度VOLA.AND THE ORIENTAL MACHINEポリシックススパルタローカルズの対バンライブ行って来ました!ハヤシはすごい馬鹿っぽかったけど、アヒトは思ったよりかっこよかったなー。
はみぃちゃん、お久しぶり!お陰様で現在元気に芸大生やってます。感情とブログの起伏は激しいけど懲りずに読んでくれたら嬉しいです。(笑)

さて。安穏な日々を送る私でありますが、つい1ヶ月前までは大変だった。芸祭と、邦楽アンサンブルと、2つの大きな行事が間無く行われ、まさに駆け抜けて性春でごわした!(笑)もう体ガッタガタだったよー。(泣)

芸祭は、でっかい台風が来て開催が危ぶまれたんだ。前日まで邦楽アンサンブル(俗に「浦島」と言っていた)の稽古をしてて(ってこの時点で芸祭前日の学生をいじめてるよね)、先生たちがパニックを起こしてキレまくる中、学生は3時に学校から帰るよう命じられた。散々だよなー。とにかく私達は、各々監禁された家の中でひたすらてるてる坊主を作るしかなかったよ。
でもそんな嵐が吹き荒れる夜中に、日舞のメーリスには強風の代わりに愛に溢れたやり取りが行きかっていた。どんなに今まで時間が無くても、自分の出し物が不安でも、誰もが明日の青空を願った。ケータイがひっきりなしにメールの到着を知らせ、私はそのたびに一通一通に保護をかけた。今でも残してあるよ。

天は味方した。午前中の出し物は中止になって、1年生の出るはずだった神輿ももちろん中止になったけど、お昼から予定されていた日舞の自主演奏会は予定通り幕を開けたんだ。私は朝9時には日舞部屋に入り、慣れない化粧をして、学校中にポスターを貼った。
しかし、台風の影響で全体の客足自体が少なくて、自主演の会場には5人しかお客さんが来ないまま1時になってしまった。後見である私は勿論、早朝から頭をセットして綺麗に身支度した先輩達は皆うなだれていた。私は電源を切る寸前に、日本画の子達に招待メールを送った。「時間があったら見に来てね!」って。
1曲目が始まると、少しずつ人が増えた。その中に、Tシャツやポロシャツを着たラフな一団もいた。日本画の子達、見に来てくれたんだ。連日徹夜の制作で、正面で爆睡する子もいたよ。でも全然構わないんだ。私も精一杯後見を努めたよ。「吉野山」の後見をしてて、屏風裏でなんだかジーンとしてしまった。
それが終わって、院生の「二人三番叟」があって、夕方から奏楽堂(芸大はめちゃくちゃ立派なホールを持ってる)で邦楽科大演奏会。いよいよ自分の出番!1年生と3年生で、「新ひとつとや」という曲を踊った。でっかいホールで踊るのって久しぶり。アドレナリン出るよぅ。
「新ひとつとや」の稽古も思えば時間のないものだった。先生のお宅に行ってお稽古した日もあったんだ。あの日は散々で、全員で道に迷い、終わり次第地下鉄に乗って学校に行き、浦島の稽古をし、卒業生の公演の稽古に立ちあうという日で、気がついたら12時間フル回転していた。色んな事がリンクして次々に思い出される。
OMOIDE IN MY HEADな一日が終わった。でもまだ芸祭はこれから。先輩たちは明日の野外ステージの公演に向け、誰かの家でオールしに行った。半端ない。

芸祭2日目。朝9時登校。中止になったお神輿パレードが、だいぶ規模縮小だけど行われることになった。合計で100mあんのかなー。場所が狭いからけが人が出ないか心配。
今年の日本画・邦楽のコンセプトは「古事記」。神輿は「八岐大蛇退治」をかたどった物だ。全体のデザインとしては他の科と比べたら奇抜だったりしないけど、何といってもそのディティールに驚かされる。大蛇の口の中、スサノオの表情、鱗一枚一枚に押された刻印。細かい手仕事が得意な日本画らしい作品になった。私も鱗を作ったり胴体にラメを塗ったり、あと炊き出しもしたりしてたから、ちょっとではあるけど製作に関わることが出来た。感慨深さも尚一層だったよ。
参加しない子の股引をこっそり拝借し、汚れてもいい白足袋に楽屋履きをはいて、キャミソールの上に自分で縫った鳳凰柄の法被を羽織って位置についた。団長がモヒカンになってた。Tシャツ隊長の女の子はベリーショートを明るい茶色に染めてた。そして女の子はみんな真っ赤なネイルをしている。皆気合入ってんなー。
私は前方で蛇の可動部の棒を取ってたんだけど、引き回しはもう大変だった。そのスピードもさることながら、水と酒が混ざったやつを周りがかけるかける。(笑)ついには股引が脱げて半ケツになっちゃってそれをサンバ部にいるお囃子の先輩(♂)に見られ、びしょびしょになってケータイまで落としちゃったよ。
でもあんなにぴょんぴょん飛び跳ねて盛り上がったの、何年ぶりだろう。(ってお前はおばあさんか)高校時代に謳歌できなかった青春を、今リアルに感じてるって思った。
びしょびしょのまま、12時になったので日舞部屋に帰った。キャミを脱いだらブラまで色が変わってた。足袋はこんなに汚れたの踊り始めて以来だ!ってくらい汚れたので捨てた。
のんびりはしてられない。夜は「づーま(仮)」が控えている。
この際公表しちゃうけど、「づーま(仮)」とは私の所属する日本舞踊専攻がちょっと面白いことをやってるいわばサークル名、またはその作品自体を指します。去年は学外に出てこんな風にかっこよくやってみたり、芸祭には4年前から出演してて(去年はこんな感じ)定客もついてきました。遊郭・吉原のコンセプトは毎年変えず、ストーリーや選曲、振り付けはすべて自分たちで。
私は今年入学したてなので勿論初めてのづーま。見たことはあっても、制作・出演については未経験。そんな中で私はスケジュールを立てて音を編集するという大事な事務作業を任された。ほかの出し物の練習と並行してづーまを作る日々。なかなか創作っぽい動きが出来ず振りもつながらない、そうやって先輩たちに迷惑をかけたりもした。先輩たちもまた、なかなか進まない作業にとても苦心していた。
最後の練習をして、衣装に着替える頃には日が暮れ始める。夏の6時半は私たちを待ち構えていたように闇をちゃんと用意してくれた。日本酒でお清めをして、白い仮面をつけて、日舞部屋を出る。あとは舞台に立って、力の限りに動くだけだ。
椎名林檎の音楽が大音響で流れる。今回は「さくらん」のサウンドトラックを全編に使った。少し「唄ひ手冥利」の曲も使った。スーパーカー、ナンバガ、ROVO.など持って来た曲の中で、先輩たちに選んでもらえたのが林檎の曲だった。音楽好きの私の、数少ない腕の見せ所だって思いたかったから、正直嬉しかった。
転ぶシーンもイマイチうまくいかなかったし、体力は消耗するし、ちぐはぐな踊り方を何箇所もした。でも、先輩たちが必死こいて引っ張ってきた物語の中で、11人一緒に、きつい照明に照らされて、私は確かに気持ちよかった。だから「病み付き」って言うんだろう。先輩たちが厳しい状況下でも「やりたい」って言ってた意味がわかる。
4年後、自分が4年生になったときのづーまのイメージが、実は最近頭の中で少しずつ膨らんでいる。少し気の早い話かもしれない。でもきっとすぐだ。イメージを早く考えて、いかにしてそれをかっこよく、見る人皆がストレートに楽しめるようにするか、それを4年かけて考えていきたいんだ。
先日山の手の中で同級生の泰ちゃん(♂)にそれをチラッと話した。そんなのがあるんだって踊りマニア(?)の泰ちゃんは驚いてた。そして「いいねそれ」って言ってくれた。あんたと作るんだよ、覚悟しときな。(笑)

ちょっと疲れてきたけど3日目の話が残ってた。
3日目は神輿とセットで作って引き回しの時に来た法被のコンテストに出た。いわば「ハピコレ」だ。正直1年生はこれに一番燃えていた(らしい?)。ヤマタノオロチ伝説を歌舞伎風に仕立てて、最後の総踊りだけはなぜかスーパーカーを使うというとんちんかんな舞台を作ってみた。
私はおとりの姫。姫ってガラでもないが、体が小さいし3人のキャラ的にそうなったんだから仕方ない。同級生の京ちゃん(彼女は大蛇役)に髪を結ってもらって化粧をしたらあんみつ姫になった。(笑)でも仕方ない。
結局パフォーマンス・デザイン共に金賞を頂いた。結構いい額の賞金と、シャンパンをもらった。法被隊長のちゃまちゃんを胴上げ。私より小さな身体で、彼女は連日寝ないで頑張ってたんだ。
1日目に出来なかったパレードをやりながら、会場から学校まで神輿を運ぶ。泰ちゃんと京ちゃんが神輿のてっぺんに上った。引き回しをしている間、私は一眼レフで皆を撮った。ラメを塗った白蛇の神輿とみんなの嬉しそうな顔が、まだ暑い夕日に照らされてそれはそれは綺麗だった。

芸祭が終わって、学校の中は燃えカスだらけだった。散らかって、皆疲れて、ぐでんぐでん。でも、皆嬉しそうな顔で家路につく。本当に、晴れ晴れとした嬉しそうな顔で。
来年はどんな芸祭になるか、もうカウントダウンが始まってるんだと思うと、もういても立ってもいられない。リオのカーニバルかいなって、そう思うくらい芸祭は凄い。

私はいろんな人と一緒に生きている。でも結局私が力を出さないことには、その意味もなくなってしまう。だから、一人でもきちんと歩けなきゃいけないんだ。皆がいることに、何度も感謝しながら。

のぶに手紙を書いた。どこに送ったらいいかわからないけど。自分の気持ちをほとんど言葉に出来たように思う。胸の張れるくらいの魅力はなくとも、気持ちの強さでのぶを振り向かせてみたい。ここまで来て、彼が何も答えてくれないのは悔しい。なんとしても、彼の手元に届けたい。届いて、読んでもらえるだけでもいい。伝えていない気持ちが沢山あるから。

もうすぐ図書館は閉館です。来週は先輩たちの学内演奏会です。黒紋付そろそろ出さなきゃー。

tamaki108 at 19:50|PermalinkComments(0)TrackBack(0) skool | dance

2007年09月26日

茜さす 帰路照らされど・・・

芸祭の事やらコウ君とはみぃちゃんへのレス、後回しにさせていただけますか?すみません。

今日、友達と国道沿いのレストランで待ち合わせしてる時だった。帰宅ラッシュの軽い渋滞の中に目を凝らした自分が悪かった。
帰宅途中ののぶに出くわしてしまった。

シルバーのラクティス、覚えのあるナンバー。メガネをかけた不細工な私はそれだけで恐くなって、看板に身を隠した。横目に見た運転者は少し前かがみにハンドルを握ってて、鮮やかな青のラガーシャツかポロシャツを着てた。今日は仕事のはずなのに何でネクタイじゃないのかイマイチ分からないけど。助手席には相変わらずイルカのぬいぐるみがぶら下げてあった。そして確かに、そこは無人だった。
断言しておく。夢でも何でもない。今日の夕方、午後6時の出来事。

一瞬道を横切って呼び止めようと思った。でもそれと同時に友達が来て、そんな余裕も勇気もなくなった。
したらどうなってたんだろ、あんな繋がった車の列の中で。

折角のバイキングも喉を通らない。「バイキング」より「ビュッフェ」と言うのがふさわしい、時間無制限の美味しいイタリアンだったのにね。私は自分の笑い声と烏龍茶でひたすらその憂欝を流し込み、友達の「次の恋だよ」という励ましを聞いていた。そう、分かってはいる。自他共に何度肝に銘じてあげたか知らない。

十五夜の月を眺めながら思う。どうしてのぶばかりなんだろう、と。ここ数日もずっと心の中に響くのは、「のぶ」と呼ぶ私の声だった。

のぶの優しい所が好きだった。「キスして」と言えばためらいなくしてくれる所とか。でもそんな理由でのぶの事を忘れられないんじゃない。
のぶからの連絡が途絶えてもう1年以上経つ。ひどい人だ、理由も言い訳もなしになかなか呼び掛けに応えない。それでもやめない私がいつまでもここにいる。
のぶのその存在さえあれば。のぶの存在そのものを私は愛してしまっている。だからどうにもできないんだ。
「じゃあ新しい女がいて玉季を忘れたのぶの存在を愛せるか」と言われれば。困難だけど不可能じゃない。綺麗ごと言うみたいだろうけど。分からない事より何倍も楽ちんさ。

ただ、ボーダーの服も着るんだという事(笑)以外に分かるのは。少し痩せたみたいだけど、のぶが元気そうだという事。憂欝な胸騒ぎの中で、少し安心感も覚えた。何だ、あのほっぺの丸みも髪型も、3年前ののぶと変わらないじゃん。心の中で呼び続けた私の声を誰かが聞いていたとしたら、それはまたお節介な事をしたよね。

明日、東京に戻る。東京に足りない物は何一つないし不自由もしない。
ただ、またのぶと遠ざかる事を除いてはね。


tamaki108 at 00:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0) love