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ファンの間でも「幻のVF」として記憶に留まっていた「VF-4 ライトニングIII」が、ダイキャスト素材使用の変形可動フィギュアHI-METAL Rで商品化!しかも第一次星間大戦の後日談、ミンメイの新たな旅立ちを描いたOVA『超時空要塞マクロス Flash Back 2012』版のカラーリングでは初めての塗装済み完成品となる。
3月23日の店頭発売前に、『マクロス』シリーズにおけるこのVFの功績も交えてレビューしよう。
※画像は試作品を撮影したものです。実際の商品とは異なる場合があります。


パッケージ
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製品は天神英貴氏による幻想的な描き下ろしパッケージが目印。HI-METAL RシリーズでのVF系列機では、2017年11月に発売された「VF-2SS バルキリーII +SAP(シルビー・ジーナ機)」以来の新規造形アイテムとなる。
さらに『マクロス』史における「VF-4の特殊性」を、時系列順に改めてみよう。
※西暦は現実世界のものです。また一部記述は簡略化しています。

【1983年】
TV版最終話で一条輝が手に取った模型として登場。TVでの登場はこれのみだが、放映終了後のアニメ誌では「VF-X-4」の名称で「VF-1の後継機」「ゼントラーディの技術を投入」「スーパーバルキリーに匹敵する性能」などの設定が公開され、河森正治氏によるガウォーク形態のイメージイラスト(バトロイドへの変形は鋭意改良中という注釈付)も掲載されていた。

【1984年】
映画『愛・おぼえていますか』公開。しかしVF-X-4は未登場。

【1987年】
OVA『Flash Back 2012』発売。今回のアイテムはこの作品に登場したVF-4である。
VF-X-4から大きくデザインは変わったが、「あのVF-1後継機に一条輝が乗る」新作映像はファンを大いに湧かせた。ただしファイター形態のみの登場で、映像内で変形や戦闘はしない。

【1990年代】
1992年発売のPCエンジンソフト「超時空要塞マクロス 永遠のラヴソング」を皮切りに、VF-4(VF-X-4)は暫定的なデザインでゲーム媒体への登場を重ねる。そして1997年のプレイステーション用ソフト「MACROSS DIGITAL MISSION VF-X」でのVF-4Gにて、ついに河森正治氏によるVF-4の三段変形シークエンスと各形態デザインが正式に決定した。

このように初出から三段変形システムの完成までに14年もの歳月を要している唯一無二のVF、それがVF-4だ。この経緯を踏まえた上で、三形態それぞれの商品仕様を紹介していこう。変形をより詳細に紹介した動画も一緒にどうぞ。



VF-4 ライトニングIII ファイター形態
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まず特徴的なのが、胴体と左右のエンジンナセルからなる三胴構造だ。黒地にスカルマークの入った垂直尾翼は、設定どおり少し内側に傾斜している。

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キャノピー部分とパイロットフィギュアは取り外しが可能。商品情報初出時は劇場版準拠のパイロットスーツの彩色だったが、最終製品版でのヘルメットの色は『Flash Back 2012』準拠の白にアップデートされている。機体各部の統合軍マークやレスキューアローなどのマーキング類もプリントで細部まで再現され、エアインテークパーツは開閉2種付属する。
標準武装である大型ビーム砲は、別パーツ構成にすることで銃口のせり出しを立体的に再現。エンジンナセルに取り付けられている、機体と一体化した長距離ミサイルは取り外しが可能だ。

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ランディングパーツとディスプレイ用ジョイントがそれぞれ付属し、駐機状態と飛行時を選んで飾れる。「魂STAGE ACT.5 for Mechanics」型の台座とアームが各1個付属するので、パッケージを開けてすぐ飛行状態で飾れるのもポイントだ。
本編映像には登場しなかったが、バルキリーには欠かせないガンポッドもボーナスパーツとして付属する。ガンポッドをファイター形態に懸架、そのまま魂STAGEを取り付けられるマウントパーツはHI-METAL Rオリジナルのものである。

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また、ファイター形態時にはカバーパーツを取り付けることで脚の基部をフラットに隠せる(画像左側が取り付け前、右側が取り付け後)。
ファイターは『Flash Back 2012』で唯一登場した形態だけに、今回の商品化においても元デザインが持つ機能美やシャープさは特にこだわって再現している。この機体裏側もそのひとつだ。


VF-4 ライトニングIII ガウォーク形態
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それではここからが貴重な「VF-4の変形シークエンス再現」となる。独特な変形ギミックを製品で実現したのはもちろんだが、パーツ同士が嵌まる際の心地よい固さ、変形後のホールド力など「マスプロダクト面での完成度の高さ」を追求するために、今までに魂ブランドから発売された『マクロス』トイシリーズのノウハウが生かされている。レビューを読んだ後は、実物を手にとって確かめて頂きたい。

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まずエンジンナセルの上側が腕、下側が脚となる構造に注目。ひざ裏にはシャッターが内蔵され、大型ビーム砲を180度回転させるとひじが露出する。肩部パーツを開き、手首と足首を展開する。

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ガウォーク形態が完成!丸みを帯びた太ももが露出することで、洗練されたデザインの中に艶やかさも感じさせる。別途付属する大きめの手首パーツと差し替えれば更にプロポーションが良くなり、ガンポッドも持たせられる。バトロイド形態時と同じディスプレイ用ジョイント&魂STAGEも使用可能だ。

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ちなみに、このアングルになんとなく覚えのある方も居るかも……?
前述の「河森正治氏によるVF-X-4ガウォーク形態イラスト」をイメージして撮影してみたものだ。もちろんデザインは大きく異なっているが、TV版からのファンの方々は、幻の「VF-1後継機」を追いかけたあの頃に格別の想いがあるのではないだろうか。


VF-4 ライトニングIII バトロイド形態
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そして、VF-4で最も希少価値があるのがこのバトロイド形態だろう。アニメ映像では登場したことのないこの形態が、アクションフィギュアとなって躍動の時を迎える。

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なんと言ってもVF-1から異なる最大の特徴は、水平を保ったまま胸に格納されるコクピットブロックだ。画像のように胴体部は3ブロックに分割され、太ももの付け根がパイロットの真下まで大きくムーヴする。
※胴体部変形説明のために、上画像は腕を変形前に戻しています。

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大きく後ろに伸びた流線型の頭部を引き出し、前部エアインテークと背中のラムウィングノズルを下へと折り込む。ファイター・ガウォーク時ではフラットになっていた箇所に様々なスライドギミックが仕込まれており、トイ的な楽しさも満載だ。

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薄くスマートなファイター形態からボリューム感のあるバトロイド形態へと、”変身”するかのようなダイナミックな変わりざまもVF-4の大きな魅力だ。このデザインの妙を手の中で直に体感できるのが本アイテムの凄さだろう。

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ガンポッドを持たせれば、VF-4で戦う一条輝の勇姿が目の前に展開する。
ここで冒頭の「1997年にVF-4の変形機構が完成したこと」と、「1994年に『マクロスプラス』『マクロス7』が制作されたこと」を思い出して頂きたい。VF-4の変形機構はYF-19やVF-19の発表後に完成されているため、VF-1とYF-19を繋ぐVF進化の過程を体現する機体であることが、機首の処理など変形機構の端々から感じられることだろう。

『超時空要塞マクロス』は1982年(昭和57年)に放映開始し、主役機であるVF-1はロボットアニメ界における名機として今もなお輝きを放っている。その後継機であるVF-4は玩具化や映像化の機会には恵まれなかったものの、見事に蘇り昭和から平成へと『マクロス』シリーズの光を繋いだ。また「HI-METAL R」で変形を立体的に体感することで、21世紀の主役機であるVF-25やVF-31にも通じるアイデアが残されているのも感じられる。VF-4はVF開発史のミッシングリンクを埋める重要な機体、ひいては『マクロス』シリーズの影の功労者と言っても過言では無い。


西暦2012年は今や過去となり、平成も終焉を告げようとしている。だがVF-4は『Flash Back 2012』で観たように、新時代の幕開けを告げるために我々の前に再び現れる。その日=2019年3月23日はもう間もなくだ。



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