相続

2013年05月23日

遺言書の検認手続き(3)~豆知識編~

さて、次は遺言書の検認をめぐる豆知識を箇条書きでご紹介したいと思います。

・遺言書の検認を定めた民法1004条について
形式的・外観的に遺言書らしきものはすべて検認の対象になると解されている。
明らかに遺言書の要件を満たしていないものであっても、紙の切れっ端に書かれたものであっても、民法1004条によりすべて検認すべきものと解される。

・検認手続きには、必ずしも相続人全員が立ち会わなくても良い。
だから、一部の相続人が「わしはそんな遺言など認めん!!」と拒否しても、検認手続は可能。

・検認をしたからといって、無効な遺言書が有効となるわけではない。
したがって、検認を受けていない遺言書だから無効というわけでもない。
遺言書の有効無効は、裁判で争うことである。

・検認済みの遺言書であっても、相続登記に使用できない場合がある。
疑義がある場合、検認調書謄本添付が要求される場合がある。
さらに、検認調書謄本を添付しても、相続人全員からのの異議なき旨の証明書(印鑑証明書付)が要求される場合もある。

・封筒に署名押印があるが遺言書本体に署名押印がない遺言書
→発見者が裁判所外で開封していた状態で検認した遺言書が無効とされた事例あり。
(東京高判H18.10.25判時1955.41)


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2013年05月13日

遺言書の検認手続き(2)

では、遺言の検認は実際どのような流れで手続きされるのでしょうか。

まず、遺言書の検認申立書を、家庭裁判所に提出します。
提出先は、遺言者の最終の住所地を管轄する家庭裁判所です。

添付書類は、以下のとおりです。

1.遺言者の出生から死亡までの戸籍(除籍、改正原戸籍)謄本一式
2.遺言者の住民票除票または戸籍附票
3.相続人全員の戸籍謄本
(相続人が既に死亡している場合や、直系尊属が相続人の場合などは、取得する書類が増えることがありますので注意が必要です。)
4.収入印紙800円
5.連絡用郵券(裁判所に個別確認)

申し立て後、通常は1~2週間で相続人全員に検認期日の呼び出し状が郵送されます。
相続人は、通知に書かれた期日に家裁に出向き、検認に立ち会います。
検認の結果は、検認調書に記載されます。

検認後、検認に立ち会わなかった相続人等には、後日家裁から検認済みの通知が送られます。

検認手続きがされた遺言書は、検認証明書が付され、登記手続や金融機関の相続手続き等に使えることになります(ただし例外がありますので、その点は次回に)。

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2013年05月09日

遺言書の検認手続き(1)

さて。遺言が見つかった場合。
それが自筆証書遺言だったら、家庭裁判所で検認手続き をとらなければなりません。

検認は、遺言の存在を相続人に知らせ、遺言書の形状・状態を確認・保全し紛失や改竄を防止するための家庭裁 判所での手続きです。

ちなみに遺言書にはいくつか種類がありますが、主な形式は2つ。自筆証書遺言と公正証書遺言です。

公正証書遺言は公証人と証人2名立ち会いのもと、作成された遺言です。遺言書の控えは公証役場で永久に保管されます。

自筆証書遺言は、本人が手書きで書いた遺言のこと。
公正証書遺言以外の全ての遺言は、被相続人の死後、速やかに検認されなければならないとされています。
自筆証書遺言の要件を満たしていなくても。
チラシの裏に書かれたものでも。
開封してしまった遺言書(封印された遺言書は、原則検認の時まで開封してはいけない)も。
それが遺言書であれば、本来は、全て検認手続きをふまなければならないのです。

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2013年05月07日

「#7119」をご存知ですか?&相続、まず最初になにをすべきか

GW中、身内の思わぬ病気とケガで
「救急車!」ととっさに思った出来事が2度ありました。
まったく肝の冷えた連休でした。

2度の出来事のうち、一方は実際に救急車を呼んだのですが
もう片方の時は「うわっどうしよう!?でも救急車呼ぶほどではないかも!?でも軽くみて後で何かあったらどうしよう!!」
という状態でした。

そこで思い出したのが#7119。
東京消防庁救急相談センターの番号です。
急な病気やケガをした場合に、「救急車を呼んだほうがいいのかな?」、「今すぐ病院に行ったほうがいいのかな?」など迷った際の相談窓口です。

初めて電話したのですが、驚くほど問診と指示が確実!!
看護師さんが電話で対応して下さり、とても心強かったです。
夜間や休日など、病院を探して右往左往している間に時間だけが経ってしまうのは本当に危険。
移動している間や、一人が病院探しで一人が#7119で応急手当の指示を仰ぐという使い方も可能です。
特に小さいお子さんがいらっしゃる方は、携帯に登録しておかれてはいかがでしょうか。
(※緊急性が高い場合は迷わず119しましょうね!)

さて。

相続についての2回目は、「相続、まず最初に何をすべきか?」です。

何をすべきでしょうか。
親族で話し合いでしょうか。戸籍収集でしょうか。

まず最初にすることは、「遺言書探し」です。
遺産相続では、被相続人の意思が最優先されます。

故人の机の引出しやお仏壇、誰かに預けていることもあるかもしれません。
公正証書遺言を作成していた場合には、日本公証人連合会の検索システムで検索できます。
(ただし平成元年以降作成の公証証書遺言に限ります。)

遺言書が見つかったら、遺言に従って相続手続きを進めます。

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2013年05月01日

相続登記の必要書類

仕事上、相続について聞かれることが多いので、これから何回かに分けて書くことにします。

今日はまず、不動産の相続登記の必要書類について。

一般的に、不動産を相続し、名義を変更するためには、下記の書類が必要になります。

1.被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本、改正原戸籍謄本)

2.被相続人の住民票除票又は戸籍の附票

3.相続人全員の戸籍謄本

4.不動産を相続する人の住民票

5.遺産分割協議書+印鑑証明書

6.固定資産の評価証明書

以上は典型的な相続登記の必要書類ですので、
もちろんケースによって他の書類が必要になってきます。

こういった書類の収集は、我々司法書士の得意とするところ。
相続手続きでお悩みの方は、ぜひ司法書士にご相談ください!

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