2007年11月

 27〜28日にかけて、台風23号が石垣島に接近しました。
フィリピンまで西に進んでいたこの台風23号。何を思ったか、急に正反対に向きを変え、東へ進んで沖縄の南海上に接近するという変な動きをしました。

 勢力が小さく、石垣島に直撃のコースではないため高をくくっていた私。
しかし、天気は大荒れになりました。
特に、大雨がすごかったです。
ドバッと大量に降るのではなく、ある程度の量が一日中降り続くという感じでした。
11月に観測した24時間雨量としては、アメダス観測地点10カ所中7カ所で記録を更新したそうです。石垣島北部伊原間では、24時間雨量が195ミリとなり、1982年11月6日以来四半世紀ぶりの記録更新だったそうです。

 雨は適度な量なら、農作物にとって決して悪いものではありません。
ただ、畑に入って仕事ができなくなるだけです。
でも、強風は困りました。大きな台風ではないと高をくくっていましたが、意外と強い風が吹いたのです。
風速20メートルくらいはあったかもしれません。

 私は運悪く、10月にパッションフルーツの苗を植えたばかりでした。
というより、11月にまさか台風は来ないだろう!と10月まで待って、植えたのです。パッションフルーツはつる性の果樹です。
したがって、風にはとても弱いのです。私の場合、ビニルハウスなどの施設内ではなく露地栽培なので余計にです。
案の定、先の新芽が折れているもの、葉がボロボロに破れている被害がでました。
なんでこんな時期に台風が!と怒りたくても仕方ありません。

 せめてもの救いは、パッションフルーツがとても再生力の強いこと。折れても、新芽を出して、また伸びてくれるのです。植物ってすごいです。

 秋といえば、秋晴れや真っ赤な夕日を思い出します。
しかし、ここのところ、石垣島はずっと天気が悪い。
確かに、冬に向けて大陸の高気圧が大きく発達し、ここ八重山諸島が天候の不安定な「気圧のへり」とやらにかかることが多くなります。
しかし、この悪天候続きは異常です。からっと晴れた日を見たのはいったいいつなんでしょう?

 例年、この時期強くなる沖縄独特の季節風「ミーニシ」は、今年はまだそれほど強く吹いていません。
12月ともなれば、弱い台風並みの強烈な北風が吹きます。いくら最高気温が20℃前後とはいえ、あの強烈な北風では体感気温はぐっと下がります。
ただ、気が滅入るような曇天と、シトシト降り続くこのところの雨はやる気をそぎます。畑へも行く気がなくなってしまうのです。

 気象情報をみると、台風23号が沖縄の南に向っています。
フィリピンに向かっていたものがUターンして東に進路を変え沖縄の南海上に向かうというのです。
進路予想では、沖縄を直撃しないようですが、あくまで予想。
今は、植えたばかりのパッションフルーツやパイナップルが畑にあるので心配です。
この台風の余波で先島諸島近海は大荒れだとか。

 この時期でも、八重山諸島への観光客は結構います。
この悪天候と、台風の余波による大荒れの海。せっかく来たのに、もう二度と来たくない!と思われないことを願います。

 

 全国各地に色々な新聞社があります。
全国紙のようなメジャーなもの、地域色豊かな地方紙など。沖縄県には琉球新報社と沖縄タイムス社という2つの大きな新聞社があります。
さらに、石垣島にはそれよりも地方色の濃い、「八重山毎日新聞」と「八重山日報」の2紙があります。
私は八重山毎日新聞をとっています。

 新聞は全部で10面。
1面は八重山地方関係のトップ記事。2面が全国の記事。3面は八重山地域の文化関係の記事。4面が全国スポーツ記事。5面がテレビ番組欄。6面がラジオ、離島航路の時刻表。7面が投稿記事、航空機時刻表、8面が八重山のスポーツ記事、9面が八重山の社会記事、10面が広告、もしくはイベントの写真面です。
分りますよね。ほとんどが八重山関係の記事です。
全国の経済関係や世界の記事、株価などの情報はこの新聞では得られません。

 しかし、今や全国の、世界のニュースはテレビやインターネットで知ることができます。
むしろ、本州から移住した私にとっては、この新聞の八重山地域色豊かな情報の方が面白いのです。
面白いと感じる点はたくさんありますが、そのひとつに新聞広告があります。

 新聞の8、9面の下の部分に広告が掲載されます。
例えば、本日の8面に載っていた広告。
「八重山地区泡盛同好会の集い  日時、場所、会費
        会長賞にはヤギ3頭他、豪華景品準備してあります」 と。
そういえば、以前、「石垣島の子年生まれの集い」の広告も出ていました。
春ごろに多いのは、「○○家一門集まれ  集合場所 ○○家墓前にて」という広告まで出ます。

 こんな広告、八重山の地方紙だからこそ出せるのでしょう。だからこそ、私には新鮮に思えるのです。

 前回書きましたように、パイナップルのお客さんのお誘いで神奈川県の箱根へ行ってきました。
出不精の私には初めての箱根。

 第一印象は、やはり、「紅葉がきれい!」でした。
沖縄は常緑樹がほとんどですので、紅葉はありません。
私は故郷岐阜を離れて約12年。秋には帰省したことはありませんで、同じくらい紅葉を見たことがありませんでした。
テレビでは何度も観ますが、やはり、生は違います。
小さな画面ではなく、眼前いっぱいに広がる紅葉は、やはり感動します。

 実は、寒い!とはあまり感じなかったです。石垣島を発つ時も、数日悪天候続きで、かなり冷え込んでいましたから。
ただ、あの気持ちがピッと引き締まるような朝方の寒さは、「これぞ、本州の寒さだなあ」と実感しました。
とても素敵な2日間を経験しました。

 石垣島へ昨日戻りました。
飛行機から降りた時の観光客の言葉が印象的でした。
「なんだ、石垣島って普通に涼しいじゃん。」と。
そうなんです。別に、年中夏のように暑いわけではないのです。
今朝の新聞には、石垣島に初冬を知らせるフヨウの花が咲いたと載っていました。そろそろ、最低気温が20℃を切る日が続くでしょう。
石垣島も冬まっしぐらです。

 実は、結構出不精な私。
現在、石垣島に住んでいますが、島外に出るにしても場所は決まっています。
まず、岐阜の実家。夏と冬に2回ほど帰省します。
次は以前住んでいた南大東島。といっても、昨年、島を離れてから6年ぶりに訪問してから今年で2回目になります。
最後は与那国島。これは、釣り好きの父が行くときに同行します。
それ以外は、石垣島を出ることはめったにありません。旅行など考えたこともないのです。

 果物を育て、販売するなかで色々な人たちと出会い、知り合いました。その中に東京のYさんという方がいます。
Yさんは、以前、東南アジアに住んでいらしたことがあって、私の栽培したパッションフルーツを食べて懐かしいということで知り合いとなりました。
Yさんは女性ですが、さっぱりとした性格で、男ばかりの兄弟の私にとっては姉御のような存在で、わたしを大変可愛がってくださいます。

 そのYさんのお誘いを受けて、明日から箱根へ行くことになりました。
ギターやパーカッションなどの演奏を聴きながら、ボジョレー・ヌーボーを楽しもうという優雅な会に誘っていただいたのです。
そういえば、Yさんには、3年ほど前、福島県の有機稲作農家が自作したロッジでの「ドブロクの会」にも連れて行ってもらいました。あのドブロクの味は忘れられません。

 箱根へ行くのは初めてです。楽しみですが、一番は、Yさんや私のフルーツを購入してくださるメンバーに直接出会い、お話ができることでしょうか。

 今年も約2カ月を切りました。
暦の上では晩秋です。石垣島も紅葉は見られませんが、道端のススキが穂を出し、なんとなく秋らしくなってきました。

 しかし、11月といってもさすが石垣島。
まだまだ、最高気温27℃前後、最低気温23度前後もあります。でも、今年は例年に比べて涼しい気がします。確かに、このところ曇雨天の悪天候が続いたせいもあるかもしれません。
しかし、本日は晴れのよい天候でしたが、特に朝晩が妙に涼しいなあと感じます。
夕方、日が沈むまでパイナップル畑にいましたが、午後5時過ぎくらいから寒いくらいに気温が下がりました。
そういえば、ラジオで昨日の那覇の最低気温が19℃と、今年初めて20℃を切ったそうです。沖縄では、20℃を切ると、寒くなったなあと実感します。

 例年なら、11月いっぱいまではまだ寒いなあと感じることはなかったと思います。
さすがに、12月に入ると、ミーニシ(沖縄独特の大陸からの強い季節風)が強まり、体感温度がかなり低く感じられるようになりますが。
今年の場合、ミーニシはまだそれほど強くないのに、とにかくなにか肌寒い感じがするのです。
私の生活も、3月から続いていた水のシャワーもさすがに冷たくなり、ボイラーをたくようになりました。かけ布団もタオルケットでは朝方寒くて起きてしまうようになりました。

 やはり、いくら石垣島といえども11月。もうすぐ、冬なんですね。
風邪をひかないように注意しなければなりません。

 今朝の地元新聞紙に次のような記事が載っていました。
「ウミガメ 今年は357頭が上陸 市内18カ所で、131頭の産卵確認」と。

 記事によると、今年、石垣島ウミガメ研究会によって島内の浜21カ所で357頭のウミガメ(3種類)の上陸を確認し、このうち18カ所で131頭が産卵したのを確認したそうです。上陸したウミガメはアオオミガメ、アカウミガメ、タイマイの3種類だとか。
同研究会は92年からウミガメの産卵シーズンとなる4月上旬から9月下旬にかけ、毎日のように浜に出向き、上陸(産卵)頭数を調査しているとのこと。
すごいですよね。

 初めて知ったのですが、上陸したウミガメすべてが産卵するわけではないのですね。上陸の約30%しか産卵しないのですね。
どうやら、最近は浜への車両の乗り入れや浜でのキャンプやビーチパーティーが増え、光を嫌うウミガメにとって安心して産卵できる場所が減ってきているとのこと。
特に、レジャー車両の浜への侵入によって産卵場所が踏み固められて子カメが砂からはい出これなくなってしまったり、車両のわだちが障害となって子カメが海に戻れないケースが問題のようです。
確かに、砂浜に車両の進入の自粛を呼びかける看板を見るようになりました。

 私は石垣島に住んで約7年になりますが、ウミガメの産卵は見たことがありません。ただ、できるだけそっとしておいてあげた方がいいのかもしれませんね。
 

 少し前に、石垣島の秋は「芸能の秋」だと書きました。
11月に入っても、まだまだ芸能やお祭りが続きます。

 3日には、春に国の重要無形民俗文化財に指定されたばかりの、小浜島で行われる「結願祭」が開催されました。
五穀豊穣と島民の無病息災を祈願するこの祭り。「ザー(神庭)」と呼ばれる御
瘹(うたき)前の庭で北集落と南集落が交互に芸能を奉納するそうです。
「ザーマワリ」という行列に始まり、五穀豊穣の神が作物の種子などを授ける様子を演じた「シュンギン」や農民の姿をユームラスに描く「作方狂言」や「プーピキ」「カシカケ」と呼ばれる女性の踊りなど数々の芸能が奉納され、見守る人たちから盛んな拍手を受けたそうです。

 同じく、西表島では500年以上の伝統を誇る重要無形民俗文化財「節祭(シチ)」が祖納、干立、船浮の集落で行われました。この祭りも、五穀豊穣と地域住民の健康、地域の繁栄を祈り感謝するものです。
この祭りでも様々な芸能が行われ、舟子が船を押し出す舟浮かべの儀式に始まり、船頭や舟子の行列、顔を黒い布で覆った女性を先頭にした「アンガー行列」、舟を漕ぐユークイの儀式、一番狂言、巻き踊りなどが行われたそうです。

 一方、ここ石垣島では、市制60周年の石垣島祭りが開催されました。
創作エイサーの発表や展示即売、各種コンサートが行われ、50団体2500人が市内を大パレードしました。そして、370発の花火でフィナーレを迎えたそうです。

 実は、私は与那国島に行っていましたのでこのいずれの祭りも見ていません。
すべて地元新聞で記事を読んだのですが、本当にすばらしい祭りの数々だったそうです。来年はぜひ、見たいものです。

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