September 16, 2017

三十三間堂とワンダーウーマンの共通点

1000体にもおよぶちょっと小振りの仏像がズラーーッと並ぶ前にちょっとサイズでかめの仏像が28体。で、その中央には巨像がデーンと鎮座。圧巻。
さながら雑魚キャラ、中ボス、ラスボス、といった感じでわかりやすい。
1000体の仏像の一体一体がハイクオリティなことと、たくさんいすぎだろ!っていう過剰な感じで、眺めているうちに笑えてきてしまう。
このクオリティとこの数じゃなきゃこの感動は得られない。意味がない。

京都観光。三十三間堂。

お次は伏見稲荷大社。
これも過剰なまでに並ぶ朱い鳥居の中を歩いていく。この世とあの世をつなぐトンネルを通っているかのようなあやうい気分になってくる。
これも、過剰な数の鳥居でなければ意味がない。

一日のシメは映画を観ることに。
遠征先で映画を観るのが好きなのだ。
映画が終わったら非現実から現実に戻ってくるわけだけど、外に出たら知らない街で、まだちょっとだけ非現実から抜け出せてない奇妙な感じが好きだ。

「ワンダーウーマン」を観る。
メチャメチャ強い女性が生身の身体でドイツ軍と戦う。過剰なまでのCG技術とストーリー展開に、些細なことは置いといて映画全体の大ボケ感にのっかって楽しんじゃおうって気持ちになる。
この映画にしても、過剰な資金と技術を投入したからこそ得られる興奮なのだ。

三十三間堂と伏見稲荷大社とワンダーウーマン。
僕の中では完全につながっていた。

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tanakakanji77 at 12:25|Permalink

September 13, 2017

メンドクサイことを最大限

数えてみたら10年目だった。
ひょんなキッカケで出演することになり、そのまま10年連続で参加しているイベント。

もともとは仲間うちのバーベキュー大会だったのに、いつの間にやらガチの音響屋とガチの舞台屋を呼んでガチのインディーズ野外イベントとなっていたという「せーばなる」。
今年で32年目という、フジロックよりも長い歴史があるのだ。

何がキッカケとなって、そしてそれがまさか10年も続くことになるとは想像だにしなかった。
てか、この年になると10年なんてあっという間。

一年に一度しか会わない人達だけど、いや、だからこそ、愛おしく思う。
誰に頼まれたわけでもない、誰のためでもない、自分たちが最大限楽しむために、メンドクサイことを最大限やる。
その姿に教えられることがたくさんある。

そんな週末でした。

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tanakakanji77 at 09:44|Permalink

September 08, 2017

曇天の街 後編

ライブが終わったのは深夜2時をまわっていた。
終電もとっくに終わっている。さて朝までどうやって過ごそうか。調べてみると徒歩30分程度の所に24時間営業のスーパー銭湯があるのがわかり、そこでひとっ風呂あびて仮眠室で朝まで寝ることにした。

ライブハウスを出て、機材をかついで暗い国道ぞいを歩く。
深夜とは言え、街が暗い。街灯が少ないのだ。疲れ切った身体で知らない街の暗い道を歩くことほど心細いことはない。
昼間から感じているそこはかとない不穏な空気感は続いていて、しかしふと見上げると星がたくさん出ていてとても綺麗で、なんだかアニメの「日本むかし話」の少し不吉なお話の中にいるのではないかという気になってくる。

車の通りもほとんどなく、営業しているお店も皆無の国道ぞいをひたすら歩く。15分ほど歩いたところで急激に空腹を感じて、ラーメンでも食いてえなあと思ってふと見ると少し先に「ラーメン」と書かれた看板がある。
そのタイミングの良さにおとぎ話感をより強く感じるが、何はともあれお店に行ってみる。

外から覗いてみると店内は大盛況。
ここまで歩く間に誰とも会わなかったというのにこのラーメン屋にはこんなに人がいるのか。不思議な気持ちになりつつも入ろうとするが、店内のようすをよくよく観察してみるとお客さんはいい塩梅にできあがった酔っ払いばかり。
どうやらラーメン屋というよりは「ラーメンも食べられる居酒屋」といったニュアンスの方が強い店のようだ。
純粋にラーメンだけ食べてサッと退散したかったのでなんだか気後れしてしまい、入店をやめることにした。

ふたたび国道ぞいを歩く。
スーパー銭湯に着くまでにコンビニくらいあるだろうから、そこで食べる物を買おう。
などと軽く考えていたが、コンビニなんて見当たらない。駅前にあったセブンイレブン以来、コンビニを見かけない。
あれが最後のチャンスだったかと悔やみ、それならさっきのラーメン屋に入っておくべきだったと思った時、目の前に「ラーメン」と書かれた暖簾のさがったお店が。
これまたタイミング良すぎる感はあるものの、今度こそチャンスを逃すわけにはいかない。

ガラリと木製のガラス戸を開けて店内に入ると、これまた大盛況。
誰ともすれ違うことのなかった暗い道を歩いていた時間と、店内の賑やかさのギャップに少しクラクラする。
酔っ払いの声が飛び交い、ラーメン屋というよりは「ラーメンも食べられる居酒屋」というさっきの店と似たグルーヴが漂う。
この雰囲気の中で酒も飲まずにラーメンだけをすすることにやはり気後れを感じるが、しょうがない、カウンターのみの店内を見回して椅子に座ろうとするも、空いた席がない。

「ごめんねーー!満席なんだよー!」ハチマキしたおやっさんと、小太りのおかみさんにカウンター越しに声をかけられる。
「席が空くまで待つ」という選択肢が与えられなかったため、あきらめて店を出た。

振り返ってガラス戸の向こうの店内を見る。
カウンターにズラリと並んで座る男達の背中。
お尻のあたりにシッポが見えたのは気のせいか。
ハチマキのおやっさんとおかみさんの顔がキツネとタヌキに見えたのは気のせいか。
腹のへりすぎか。

三度、国道ぞいを歩くと、ようやくスーパー銭湯の灯りが見えた。
風呂に入って朝になって目が覚めたら草っ原で寝ていた なんてことはないだろうな?(了)

tanakakanji77 at 16:08|Permalink

September 07, 2017

曇天の街

秋晴れ。
昼下がりの電車の窓の外を流れる山々や田園風景はとても美しくのどかに見えた。日本は美しい国であるなあとのんきに思えるそんな景色。
しかし、目的地である足利に降り立ったとたんに空は曇り始めて何やら不穏な空気がたちこめた。無機質に建つ背の低い灰色のビルを眺めて、初めての土地でのこの空気感に心をざわつかせながら、とりあえずは森高千里の歌で有名な渡良瀬川へ向かう。

この土手の向こうが川だろうなと思われる地点、小さな広場で老婆が花壇の手入れをしている。
腰を丸めて鎌を片手に黙々と雑草を刈り取る老婆。何でもない光景のはずだが、曇り空とあいまって少しだけ不吉な気配を感じる。
その広場の奥にはところどころ青いペンキが剥がれた鉄製の階段が見える。
あの階段を登ればショートカットできるのになと思いつつも、この小さな広場は老婆の私有地であろうと思われたので、そのまま通り過ぎて正規の道で土手を登ろうとしたその時、老婆が声をかけてきた。

「川行くの?この階段から行けば近いよ」と、鎌で階段を示す。
老婆の声は思ったより高く、好意的なものに感じられたが、鎌が鈍く光ったような気がして逆に好意的な声さえも不気味に思えた。
「え、あ、マジすか。ありがとうございます、それじゃあ…」ハッキリしない声でもごもご答えて、広場の中に入って行く。
鎌で階段を示しながら無表情で立っている老婆。その横を通り過ぎ際に振り上げた鎌をそのまま首のあたりに振り下ろされるイメージが浮かぶ。
緊張しつつ、老婆の横を通り過ぎる。

鎌が振り下ろされることはなく、僕は無事に青い階段にたどり着いた。振り向くと老婆はまた雑草を刈る作業に戻っている。
自分の小心っぷりにあきれつつ階段を登って渡良瀬川とご対面したのであった。
(つづく)

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tanakakanji77 at 13:43|Permalink

September 02, 2017

リンクすることがら

暗いライブハウスで黙々と文庫本を読む男。ミュージシャンの田中雅紀。
「何読んでんの?」と聞くと、「ちょうど読み終わったとこなんで、差し上げます。この事件のことを広めるのが本を読んだ者の役目だと思うので」と言いながら渡されたのは清水潔 著「殺人犯はそこにいる」という、幼女連続殺人事件いわゆる足利事件を題材にしたノンフィクション。
読み終わった本をその場で誰かにあげるという発想が斬新で感動。

それからちょいちょい時間を見つけて読み進めて、きのうの大阪からの帰り道(青春18切符で鈍行列車)で読み終わった。

で、今日僕はライブするために、件の事件があった土地である足利へ向かう。その偶然と言うか因果と言うか、そんなもんを噛みしめながら、電車内で読むのは一旦読むのを中断してた本。神保哲生「PC遠隔操作事件」。これも冤罪事件のノンフィクションだ。

こういうリンクの仕方することって、たまにある。
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tanakakanji77 at 15:09|Permalink

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