July 09, 2014

アルバム全曲解説ふたたび


ドブロク「Do the EMO!!!!」、予想以上の好評を頂いてます。
ってことで、アルバム全曲解説を再掲載。
アルバムを聴きながら読んでもらえれば、曲のより深いところまでもぐっていけるんじゃないかと、そう思います。



1.【ぐろーばる!!】

子供の頃に「将来の夢は?」と聞かれた時、できるだけ大きな夢を語らないと「子供らしくない!」と思われるから、全然興味ないのに、宇宙飛行士とか野球選手とか答えて、大人を満足させていた。
そんな曲です。(どんな曲だ)

最小は最大であり、最大は最小であるというのが、僕の根本的な信念です。
とても質素な茶室が、宇宙全体を表現しているという。その発想に強い憧れを持ちつづけています。


冒頭とラストで出てくる「マル!サンカク!シカク!」に意味はないです。
意味をつけることもできますが、本当は意味なんてないです。
意味のないことの迫力とか説得力を信頼しています。

ちなみにタイトルは、大好きな漫画「よつばと!」に敬意を表してつけられました。歌詞カードのフォントも同じく。



2.【ファンタジスタ・インダハウス】

「インダハウス」というのは、「家にいる」という意味ではなく、「〜の登場だ」というヒップホップ用語であると知って作った曲。
その意味を知ったにもかかわらず、曲中では「家にいる」ニュアンスを匂わせています。

「本当に旅が上手な人というのは、海外旅行をしなくたって、近所をぐるりとひと周り散歩するだけで、何かを発見して新しい自分になれる」と、誰かが言っていたのが深く印象に残っていて、自分なりに歌詞に落とし込んでみました。

歌詞カードのフォントは手塚治虫「ブラックジャック」をパクりました。もとい、インスパイアを受けました。



3.【ピミツ】

ダビーで気ダルい曲調が、夏の夜にピッタリです。
サウンドクリエイター山崎さんによるポップな音が良い意味でドブロクらしくなくて、気に入ってます。

一人称を「オレ」にしました。「俺」でも「おれ」でもなく、カタカナで「オレ」。
少年時代に読んでいた漫画は、一人称が大体「オレ」だった。
この曲には「オレ」がしっくりくる。



4.【Do the EMOん】

福島県の友達が海辺でヒザを抱えて座っている画が、頭の中で明確にあります。
フザケたタイトルとは裏腹に、かなりシリアスでかなりマジなメッセージソングです。

「原発反対!」とか、「頑張って生きていこうぜ!」とは歌いません。
僕にはそれがやっぱりダサいと思えてしまう。(そういう直接的な表現をする人をディスるわけではないです。)
もっと違う角度から今の時代と向き合いたいということです。

「ファンタジスタ・インダハウス」に引き続き、ゲストミュージシャン、カナコの鍵盤が曲に躍動感を与えています。
今までのドブロクにはなかった表情が出せたと思います。



5.【ひとりぼっちやあらへんで!!】

素朴で人懐っこい曲。

「ひとりきりだと少し寂しい 大勢いると騒がしい 二人くらいがちょうどいい それがあなたならとてもいい」という歌詞が始めにあって、それをどんどん肉付けしました。

終盤で出てくるミーカチントのサックスが、いい具合にノーテンキで救いがあります。「ぐろーばる!!」でのブッとんだサックスソロとはまた違う表情でグッド。

歌詞カードのフォントは、TV番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」から。



6.【なぎのしおさい】

箸休め的なニュアンスで。
ゲストミュージシャンや、陣中見舞いに来てくれた人など、レコーディング現場にいた人に朗読してもらって、それをコラージュしました。
ひとりひとりのキャラクターがよく出ていて、聴くたびにレコーディングの空間を思い出せるのがいいなと思っています。
やたら低い声は、レーベルの佐藤君です。イイ声!

歌詞カードのフォントはオリジナル。新境地。気に入ってます。




7.【ワーワーワールド】

二年前、父方のおばさんが亡くなった時に作った曲。
おばさんのお葬式で、小学生や中学生の孫達がみんなで牧師夫人であるおばさんに教えてもらったという賛美歌を歌っていました。
それを聴いて、おばさんは死んでしまったけど確かにそこにおばさんの魂はいると感じました。

世界中のすべての人に、その命をキラキラ輝かせて生きる権利があるし、それを阻むことは誰にもできない。もしもそれを阻むような奴がいるのならば、絶対に許してはいけない。

この歌が、人のために生きたおばさんに届けばいいなと思います。


タイトルは、昔のファミコンソフト「コナミ ワイワイワールド」を文字りました。コナミのスターキャラが勢ぞろいの、テンションあがるソフトでした。



8.【チキチキ!16ビート大作戦!】

知りたいことなんてそんなにあるわけじゃないし、守りたいものなんてたくさんあるわけじゃない。
本当は。
でも気づけばいらない情報や知識にがんじがらめで、YesかNoかシンプルな答えすら見えなくなっている。
ぜい肉をそぎ落としたいもんです。

ちなみに「季節と季節の隙間ひとりはさがったまんま」の「はさがった」って、どうやら方言らしいと初めて知りました。
「はさまった」ってことなんですが、「はさがった」の方が言葉のノリは良いのでOK。

歌詞カードのフォントは、これまたダウンタウンの「ガキの使い」のコーナータイトルから拝借。



9.【OLD MUSIC,NEW MUSIC】

ちょうど一年前、バスに乗っている時に、大好きなバンドbloodthirsty butchersの吉村さんが亡くなったというニュースを知りました。
どうにかこの感情をセンチメンタル過剰になることなく歌にしたいと思いました。
偉大な先人が残したものを引き継ぎつつ、それでも世界は今生きている僕らのものであるのだから、強い意志で音楽を鳴らさなきゃいけない。

歌詞の中に、bloodthirsty butchersの曲タイトルをいくつか散りばめました。歌うたびに初心に戻れます。

「チキチキ!」に続いて、ハブヒロシのパーカッションが冴えまくってます。陽気な音で、妙なセンチメンタルを吹っ飛ばしてくれました。





10.【DAYS】

二年前の秋、大阪心斎橋HOKAGEというライブハウスでのライブの日、出番時間まで街をフラフラ歩いていた時に浮かんできたフレーズ。
「エモーショナルが響く日々 その街角」。

歌詞の中に街の名前がいくつか出てきます。
新宿、心斎橋、札幌、浦添。
これらは「例えば」の話であって、これが横浜でも梅田でも仙台でも越谷でも構わないのです。

全国の街をライブしてまわっている僕ら。
それぞれの街で違う音楽が鳴っていて、違う響き方をする。
それぞれ違う人間が暮らしていて、違う方言をしゃべっていて、違う空気を吸っている。
違うドラマがある。
ひとつひとつの街のことを、少しずつでも心に刻みつけておきたいなと思ってます。

宮下広輔によるペダルスチールギターが、浮遊感と同時にキワキワ感を演出してくれています。「ピミツ」の演奏とはまた違うアプローチで、かなりグッド!



11.【MY STORY】

とてもシンプルな曲を、いたってシンプルに。
シンプルなことを、シンプルな言葉で。
シンプルすぎて忘れちゃうから、こうやって曲として残しておかなくちゃいけない。

きのうと今日と明日がつながっているという事。
それは、空と大地と海がつながっているという事。
僕の個人的なストーリーが、明日にはあなたにとってのストーリーになっているかも知れない。



12.【もっと夜にもぐる】

1stアルバム「ロックを鳴らすそのあやうさよ」に収録されている「夜にもぐる」のアレンジを変えて、さらに曲後半にもう少し付け足したもの。

今回のアルバムを通して「ブルース」という言葉が何度か出てきます。
これは音楽ジャンルとしての「ブルース」ではなく、「憂鬱」の方のブルース。
僕の中では「心の傷」という解釈をしてます。

歳を重ねるごとに、ブルースは増えていく。ブルースは加速していく。
「男はつらいよ」の観方が変わってきたのは、僕の中のブルースのせいかも知れない。

ブルースとの付き合い方がこれまた難しい。
割とポジティブにとらえるのがいいだろうと思っています。

ネガティブにブルースと向き合っちゃうと、ブルースに飲み込まれてしまう。
ブルースに飲み込まれて悲しいことになってしまった人を何人も知っている。
それじゃあいけない。

泣き笑いでもいいから、ブルースを笑ってやる。
それには想像力が必要であると思います。

そしてそれをエクスプロージョンさせるのが音楽の役目だと思っています。


要所要所で出てくる、安西哲哉によるコーラスは絶品。
歌が一気に底上げされる。
そう、まさにエクスプロージョン。



tanakakanji77 at 13:56│

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