増築をされるお客様と打合中。隣の部屋だとおもう。聞き覚えのある音律が流れていた。
耳を傾けた私はその曲が【My way】とわかった。管楽器特有の延びる優しい音質は心地よく感じた。
外出していたご主人も打合せに参加し話しは進み、一時間ほど経った位だろうか…音は曲の転調部を必死に吹いていた。私はどんな人が演奏しているのかが気になり奥様に聞いてみた。
すると返ってきた答えは意外だった。それは施主の娘さんに教わる55歳を迎える男性だった。養護学校の教員をしているそうだ。
もう少し質問してみようと思った私は「趣味で練習を?」と聞くと奥さまはこう教えてくれた。
「娘様の結婚式で奥様のピアノに合わせて演奏するみたいですよ。
だから娘さんには内緒で練習してるんですって。初めは全くだったのに、今はずいぶんと吹けるようになったんですよ…」って。それを聞いた私は何故か泣いた。式を想像し勝手に感動して施主の前で泣いてしまった。増築の話からそれたが音楽の話しで盛り上がった。
施主ご夫婦も音楽がきっかけで一緒になったそうだ。
娘さん幸せですね。失敗しても泣いても頑張ってちゃんと完奏して下さい、お父さん。応援してます。