ゆめにっき
2010年06月06日
2010,6,5
実家の居間にいた。バナナを食べていたわたしの歯にアボガド並みに硬い種に当たった。
ガリッ。「っ!!痛っ!」
母はそんなわたしを見ながら冷静にこう言った。「あなたは注意力が足りないのよ」。
少し切ない気持ちになりながら「バナナにはこんなに強靭な種があったのか」ということをここでわたしは始めて知る。
「その種、捨てないでね?」と言う母に「どうするの?」とわたしは聞き返す。
「植えるに決まってるでしょ?」・・・当然のことのように言う。
ぽかーん。そんなわたしを気にもとめずに母はその種をちょいっと摘みあげて台所の奥へと進んで行った。
そして突然床板をはがし始める母。ばりばりっ、ずばずばっ。
わたしはすぐそばのソファーに座っていた姉を見たが何も気にした様子はなく、ただ雑誌を読んでいるだけだった。
母はその種を丁寧に植え、何事も無かったかのようにいつもこなしている家事へと戻っていった。
不思議に思っていたのはわたしだけだったのだ。
翌日、母が剥がした床からは綺麗なつぼみが生えていた。
ガリッ。「っ!!痛っ!」
母はそんなわたしを見ながら冷静にこう言った。「あなたは注意力が足りないのよ」。
少し切ない気持ちになりながら「バナナにはこんなに強靭な種があったのか」ということをここでわたしは始めて知る。
「その種、捨てないでね?」と言う母に「どうするの?」とわたしは聞き返す。
「植えるに決まってるでしょ?」・・・当然のことのように言う。
ぽかーん。そんなわたしを気にもとめずに母はその種をちょいっと摘みあげて台所の奥へと進んで行った。
そして突然床板をはがし始める母。ばりばりっ、ずばずばっ。
わたしはすぐそばのソファーに座っていた姉を見たが何も気にした様子はなく、ただ雑誌を読んでいるだけだった。
母はその種を丁寧に植え、何事も無かったかのようにいつもこなしている家事へと戻っていった。
不思議に思っていたのはわたしだけだったのだ。
翌日、母が剥がした床からは綺麗なつぼみが生えていた。
2008年06月19日
2007年04月08日
2007年03月30日
2007年01月27日
2006年12月22日
2006,12,22
朝のテレビの星占いで変なことを言われた。
「てんびん座のあなたの今日の運勢は最悪・・・落下注意の一日になりそうだわ!
学校へ行く途中に赤い女の子を見かけたら気をつけなさい!バッドアイテムは崖。ラッキーアイテムは・・・」
それどんな占いだよ!?と、突込みを入れたい気持ちを抑えつつ
時間に余裕がないので大急ぎで学校へ行く準備をして家をでた。
自転車に跨りいつもの通学コースをきゅっきゅっきゅっきゅとペダルを鳴らしながら進んでゆく。
いつもは占いなど信じないわたしだけれどこの日に限ってなぜか今朝の占いの内容が気になっていた。
うーん・・・落下注意に赤い女の子に崖って妙に具体的だなぁ・・・。
そんなことを考えながらまたペダルをきゅっきゅっきゅと踏みつづけた。
わたしの学校は長い長い坂道の上に建っている。
今、わたしはその坂道の手前にいる。
時計と睨めっこして時間を確認。
ああ、これは全力で駆け上がらないと遅刻だなぁ・・・。
うんざりとした気持ちで坂道を上りはじめた。
坂の中腹に差し掛かったころだろうか。
わたしの前に坂を上へと走ってゆく真っ赤な女の子の姿が見えてきた。
ある程度まで近づくと赤い着物を着ている5,6歳くらいの女の子だということがわかった。
下駄をカラコロと鳴らす不気味な音が聞こえてくる。
なにか嫌な予感がした。
今の時代に着物に下駄という姿。さらに今朝の占い・・・。
占いを信じるわけではないけどできるだけ彼女を視界にいれないように、距離を置くようにした。
けれどもある程度近づいてからはわたしがいくら離れようとしても彼女との距離は変わらなかった。
一定距離前を走る彼女。それを追うかたちになるわたし・・・。
一定距離だと思っていた。
けれどもじつはその差は少しずつ縮まっていた。
10m、9m、8m、7m、6m・・・。
5mくらいまでに近づくと嫌な予感はさらに膨らんでいった。
とにかくその女の子から離れたかったのでわたしはガードレールの切れ目から車道へ移った。
するとどうだろう・・・彼女も車道へ移るではないか・・・。
わたしはまた歩道へ、彼女も歩道へ、わたしが、彼女が・・・。
こんなやり取りを何回も繰り返した。
けれど、わたしの走りを邪魔するかのように彼女はわたしの走る方向へふらりと移る。
そのやり取りが何度目になったころだろう。
わたしは車道を走っていた。そして、やはり彼女も車道を走っていた。
もういい加減無駄な気がしていたけれど嫌な予感が消え去らないのでまたガードレールの切れ目から歩道へともど・・・
ひゅーーーーーーーーーーーー。
・・・もどれなかった。
ひゅーーーーーーーーーーーー。
落下するわたし。
ひゅーーーーーーーーーーーー。
ガードレールの内側にはなにもなかった。
ひゅーーーーーーーーーーーー。
崖崩れでもおきたかのようなぼろぼろになったコンクリートの横を落ちてゆく。
ひゅーーーーーーーーーーーー。
こんな状況なのになぜか冷静なわたし。
ひゅーーーーーーーーーーーー。
あっ・・・占い、あたっちゃったなぁ・・・。
落下しながら上を見上げるとそこにはこちらを見ながらニンマリと笑う彼女の姿があった。
「てんびん座のあなたの今日の運勢は最悪・・・落下注意の一日になりそうだわ!
学校へ行く途中に赤い女の子を見かけたら気をつけなさい!バッドアイテムは崖。ラッキーアイテムは・・・」
それどんな占いだよ!?と、突込みを入れたい気持ちを抑えつつ
時間に余裕がないので大急ぎで学校へ行く準備をして家をでた。
自転車に跨りいつもの通学コースをきゅっきゅっきゅっきゅとペダルを鳴らしながら進んでゆく。
いつもは占いなど信じないわたしだけれどこの日に限ってなぜか今朝の占いの内容が気になっていた。
うーん・・・落下注意に赤い女の子に崖って妙に具体的だなぁ・・・。
そんなことを考えながらまたペダルをきゅっきゅっきゅと踏みつづけた。
わたしの学校は長い長い坂道の上に建っている。
今、わたしはその坂道の手前にいる。
時計と睨めっこして時間を確認。
ああ、これは全力で駆け上がらないと遅刻だなぁ・・・。
うんざりとした気持ちで坂道を上りはじめた。
坂の中腹に差し掛かったころだろうか。
わたしの前に坂を上へと走ってゆく真っ赤な女の子の姿が見えてきた。
ある程度まで近づくと赤い着物を着ている5,6歳くらいの女の子だということがわかった。
下駄をカラコロと鳴らす不気味な音が聞こえてくる。
なにか嫌な予感がした。
今の時代に着物に下駄という姿。さらに今朝の占い・・・。
占いを信じるわけではないけどできるだけ彼女を視界にいれないように、距離を置くようにした。
けれどもある程度近づいてからはわたしがいくら離れようとしても彼女との距離は変わらなかった。
一定距離前を走る彼女。それを追うかたちになるわたし・・・。
一定距離だと思っていた。
けれどもじつはその差は少しずつ縮まっていた。
10m、9m、8m、7m、6m・・・。
5mくらいまでに近づくと嫌な予感はさらに膨らんでいった。
とにかくその女の子から離れたかったのでわたしはガードレールの切れ目から車道へ移った。
するとどうだろう・・・彼女も車道へ移るではないか・・・。
わたしはまた歩道へ、彼女も歩道へ、わたしが、彼女が・・・。
こんなやり取りを何回も繰り返した。
けれど、わたしの走りを邪魔するかのように彼女はわたしの走る方向へふらりと移る。
そのやり取りが何度目になったころだろう。
わたしは車道を走っていた。そして、やはり彼女も車道を走っていた。
もういい加減無駄な気がしていたけれど嫌な予感が消え去らないのでまたガードレールの切れ目から歩道へともど・・・
ひゅーーーーーーーーーーーー。
・・・もどれなかった。
ひゅーーーーーーーーーーーー。
落下するわたし。
ひゅーーーーーーーーーーーー。
ガードレールの内側にはなにもなかった。
ひゅーーーーーーーーーーーー。
崖崩れでもおきたかのようなぼろぼろになったコンクリートの横を落ちてゆく。
ひゅーーーーーーーーーーーー。
こんな状況なのになぜか冷静なわたし。
ひゅーーーーーーーーーーーー。
あっ・・・占い、あたっちゃったなぁ・・・。
落下しながら上を見上げるとそこにはこちらを見ながらニンマリと笑う彼女の姿があった。
2006年12月16日
2006年11月22日
2006,11,20
ぐるぐるぐる。
ぐるぐるまわる。目がまわる。
ここ数日間、何も食べていない。
冷蔵庫の中身はからっぽ。
お金は一円もない。
サイフを無くしたから。キャッシュカードもその中に。
ケイタイも無くした。サイフとケイタイの入ったカバンごと無くしたから。
ずきずきずき。
ずきずき痛む。頭が痛む。
精神と肉体へのダブルショック。
それがこの頭痛の原因かしら?
ずきずきずき、どうしたらいいのかが全く思いつかない…。
これからどうしよう。
どうしよう。どうしよう。どうしよう。
ふらふらふら。
ふらふら歩く。道を歩く。
目の前に見えるコンビニが…オアシスに見える。
思考ふらふら歩みもふらふら…。
あぁ…だんだん意識が遠のいてきた……。
気がつくと公園のベンチに座っていた。
手には空のプリンの容器とプラスチックのスプーンが。
頭はもう痛くない。
気分が晴れやかになっている。
そして冷静になったわたしの結論。
「これは盗品だろ…常識的に考えて……。」
あーもうやっちゃった。やっちゃった!
どうしようどうしようどうしよう!
あーーーーうーーーーーあーーー・ー・あああっーーー!!
そうだ!こんなもの捨ててしまえばばれっこないだろ!
えーと、ゴミ箱ゴミ箱…
ベンチの近くにゴミ箱があったのでそこへ捨てることにした。
というか捨てた。
だが、その瞬間に数人のおまわりさんに囲まれてしまった!
きゃあああああーーーーー!
万引きの現行(?)犯として捕まると思っていたわたし。
だけどおまわりさんたちは全く別の件で聞き込みに来たのであった。
どうやら今朝、この近所で絞殺された女性の遺体がみつかったらしい。
その件についての聞き込みで、誰か怪しい人物を見かけなかったかと尋ねられた。
わたしはほっと胸をなでおろした。
…そこで、ゴミ箱の中で鈍く光る針金が視界に入った。
警官A「○○さん、もしかしてこれって凶器では?」
警官B「むむっ、確かに害者の首にあった跡と当てはまるな!」
警官C「となると…このゴミ箱のそばにいた君が怪しいな、ちょっと署まで来てもらおうか」
わたし「えっ、ちょっとまってくださいよ。わ、わたしそんもなのしりませんよ!」
警官C「いいから来なさい!」
わたし「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」
こうして、わたしはそのまま容疑者として連衡されることになってしまったのであった。
ぐるぐるまわる。目がまわる。
ここ数日間、何も食べていない。
冷蔵庫の中身はからっぽ。
お金は一円もない。
サイフを無くしたから。キャッシュカードもその中に。
ケイタイも無くした。サイフとケイタイの入ったカバンごと無くしたから。
ずきずきずき。
ずきずき痛む。頭が痛む。
精神と肉体へのダブルショック。
それがこの頭痛の原因かしら?
ずきずきずき、どうしたらいいのかが全く思いつかない…。
これからどうしよう。
どうしよう。どうしよう。どうしよう。
ふらふらふら。
ふらふら歩く。道を歩く。
目の前に見えるコンビニが…オアシスに見える。
思考ふらふら歩みもふらふら…。
あぁ…だんだん意識が遠のいてきた……。
気がつくと公園のベンチに座っていた。
手には空のプリンの容器とプラスチックのスプーンが。
頭はもう痛くない。
気分が晴れやかになっている。
そして冷静になったわたしの結論。
「これは盗品だろ…常識的に考えて……。」
あーもうやっちゃった。やっちゃった!
どうしようどうしようどうしよう!
あーーーーうーーーーーあーーー・ー・あああっーーー!!
そうだ!こんなもの捨ててしまえばばれっこないだろ!
えーと、ゴミ箱ゴミ箱…
ベンチの近くにゴミ箱があったのでそこへ捨てることにした。
というか捨てた。
だが、その瞬間に数人のおまわりさんに囲まれてしまった!
きゃあああああーーーーー!
万引きの現行(?)犯として捕まると思っていたわたし。
だけどおまわりさんたちは全く別の件で聞き込みに来たのであった。
どうやら今朝、この近所で絞殺された女性の遺体がみつかったらしい。
その件についての聞き込みで、誰か怪しい人物を見かけなかったかと尋ねられた。
わたしはほっと胸をなでおろした。
…そこで、ゴミ箱の中で鈍く光る針金が視界に入った。
警官A「○○さん、もしかしてこれって凶器では?」
警官B「むむっ、確かに害者の首にあった跡と当てはまるな!」
警官C「となると…このゴミ箱のそばにいた君が怪しいな、ちょっと署まで来てもらおうか」
わたし「えっ、ちょっとまってくださいよ。わ、わたしそんもなのしりませんよ!」
警官C「いいから来なさい!」
わたし「工エエェェ(´д`)ェェエエ工」
こうして、わたしはそのまま容疑者として連衡されることになってしまったのであった。