元記事:顧客経験を個別にデザインする「One to One」設計のススメ:マーケティング - CNET Japanより
  • 近年の技術的な進歩により、すべてのユーザーに等しく同じ画面をみせるのではなく、ユーザーごとに個別最適化したウェブサイトを安価に提供することが可能になった。
  • そもそもサイトのターゲットユーザーや利用シナリオを考えることがユーザー中心設計の第一ステップであり、それらが練りこまれないままOne to Oneを実現しようとするのは早計。
  • しかし、ユーザー中心の設計手法をさらに推し進めるステップにあるウェブマスターは個別最適化を検討すべき。

One to Oneなサイトデザインを考える上で、まず第一に行なうべきことはユーザーを知る手法を確立することである。ユーザーを知るといっても、色々な方法がある。例えば会員登録時にアンケートという形で「年齢」「性別」「都道府県」「家族構成」などを知ることは出来る。「購買履歴」からどんなカテゴリの商品を買っているのかが分かる。「PV履歴」からはどんなカテゴリに興味があるのかが分かる。別に会員ログインしていなくても、IPアドレスから住所などはある程度推定できるだろうし、SERPからランディングしてきた際には、検索キーワードから興味を持っているものは推定することが出来る。

そのように知った情報から、次のステップとして何を提示するかがポイントになってくる。データ・マイニングを行い、レコメンドエンジンを使って類似するユーザー属性の傾向から購買に繋がるであろう商品をレコメンドするのも有効だろう。しかし。このようなレコメンドを行なうにはシステム導入のコストも発生するし、充分なサンプル数が必要になり直ぐには難しい。しかし、もっと単純なことも可能だ。例えば、ログインしていないユーザーに対してはログインを促したり、会員登録するメリットを訴えかけて、ログインしているユーザーには別のコンテンツを提示するなどといったことは直ぐにでも出来る。

他にも時間帯によって出すコンテンツを変えるのも有効だろう。確かに精確ではないが、日中は女性・主婦層のユーザーが多く、深夜帯になれば男性・独身層のユーザーが多い傾向は一般的にあるだろう。それに併せて昼はダイエット系やコスメ系、ファッション系のコンテンツを、夜はPC関連やアダルト系のコンテンツを出すとCTRが高くなるだろう。この手法はテレビCMも同じで見ているユーザーを精確に把握していなくても傾向からCMコンテンツは変わっている。

他にも購買履歴などからは簡単に商品レコメンドが出来る。例えば何度も同じ商品を買っているユーザーにはその商品に簡単にアクセスできるようにするのは有効だし、コミックの途中巻まで買ったユーザーに続きや最新巻を有効だろう。これはレコメンド・エンジンといった大層なものは必要ないが、有効性はかなり高いと思われる。

しかし、このような「One to One」なサイトをデザインする中で注意しなければならないのは、サイトの中のコンテンツをユーザーに合わせて変更するのは良いのですが、サイトの構成やサイトのレイアウトをユーザーに合わせて変更するのは危険です。なぜなら、ユーザーに合わせて変更するといっても、それはあくまでも運営側の都合であり、ユーザーが明示的に求めていないからです。ユーザーが知らないところで勝手にサイトのレイアウトが変わったり、構成が変わると逆にユーザーは混乱します。特にナビゲーション部分などは決して変更しないことが重要です。