予定は未定

日常で気になった事や興味が湧いた事をつらつらと書いていこうと思います。

タグ:マスコミ

ETV特集ETV特集「原爆と沈黙~長崎浦上の受難~」

NHKEテレの番組だが、構成に疑問を感じる。

うちの祖父は被爆者だった。
不幸中の幸いで、致命傷になるような被害は受けず、また父も祖母のお腹の中にいたので、被爆2世3世という事態にもならずにすんだ。
働き盛りで被爆した祖父は俺が2歳の時に70代で亡くなった。
当時の医療水準や平均寿命を考慮すると、少なくとも他人様並みの時間は過ごせたと思う。
被爆が無ければもう2年3年くらい生きてくれたんじゃないかという思いはあるが。

そこを踏まえるとやはり番組に疑問を感じる。
まず、「原爆の語り部」については、長崎県は熱心に取り組んだ。
しかし、高齢化によって、語るだけの体力が持たない事など負担が大きいという事でもう10年ほど前に語り部制度は終了した。任意で語り部として活動する人も「今年の夏で最後」というローカルニュースを何人ものケースで見た。
まだ番組が放送されてないのか、今日気付かないうちに放送されたかわからないので出演した人の年齢はわからない。
ひとつ言えるのは、昭和20年に生まれた父より年上でなければならない。もう71歳で、タモリと同い年である。幼稚園児あたりから記憶が残ってると仮定してプラス5歳。わけもわからず被爆した年齢でもう76歳になるわけだ。
それより年上で今まで特に語り部としての活動をしていなかった人の証言がどこまで正確かわからない。
しかもわざわざ被差別部落などのバイアスがかかっていて、本当に原爆についてのためになる話が引き出せるとは思えない。

近頃は原爆に限らず戦争体験を高齢者が話すという企画が多い。
中学生の時、「身近な人から戦争体験を聞いてまとめる」という課題が出たのを覚えている。
祖父母は皮肉にも被爆した祖父が一番長生きで、皆既に故人。
あまりにアテがないので小学校で可愛がってもらっていた年配の先生にお願いしたわけだが、
「体験て言ってもなー。子供だったから大した話はないけどそれでもいいのかあ?」との事だった。
お元気なら80代になっていらっしゃる年代だ。それでも「子供の証言」なのだ。
裁判でも子供の証言は信憑性が疑われるではないか。
どの時代でも年寄りと中年と若者と子供が変わらず存在し、見た目は変わらない。
20年前の中年と今の中年が並べば似たような腹の出方をしているだろう。

本当に原爆に対して意味のある証言が引き出せるのか。また、それが必要ならば被爆者の方々が精力的に活動されていた時期になぜやらなかったのか。

被爆者と言えばみんな黙ると見越したような態度は、被爆者の孫として、長崎県で育った者として気分が悪い。
また、原爆資料館に似た名称の民間施設が偏った展示をしていると先ごろ問題になったばかりだ。
今や「被爆者」という言葉はビジネスの要素の一つとして扱われている。まさに死人に口なし。好き放題だ。

NHKも原爆資料館へのアクセスでも放送した方がマシなんじゃないのか?

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タレント・ニュースキャスターの小林麻央さんが34歳の若さでお亡くなりになりました。
まだまだ若いし、特に幼い子供さんを残してお亡くなりになる事は、
前向きなブログや強い意志を持った小林さんでも心残りだったのではと察しています。

闘病生活についてご自身のブログで病状や心境を発信し続けておられました。
それだけでも病身の方からの情報は充分だったと思います。
しかし、ワイドショー記者や週刊誌の記者は、
ご家族の意向を無視して自宅にも病院にも張り込んでいました。
さながら犯罪者を追い詰めるかの如くです。
その取材活動で我々視聴者に有益となる情報があったでしょうか。
ご家族やご本人にプラスになる事はあったでしょうか。
何もなかったと思います。

芸能界の中でも梨園というより複雑な世界の家ではあるものの、
余命幾許も無い家族を見守るだけでも涙があふれるものなのに、
不必要な監視の目での重圧を加え続けた事をマスコミ各社はどう考えているのでしょう。
私生活を見世物にするのは報道の倫理が著しく欠けている、いや、進歩していない証拠だと思います。

例えば、麻薬や性犯罪で芸能人が逮捕された場合、
出演作品からの削除や作品そのものを封じ込め、処分が決まった時点で風化していきます。
下手すると芸能界復帰のアシストに回っています。
仮の話ではありますが、もし誰かを晒し続けて見世物にするのならば、
病気で弱った人ではなく、犯罪者となった人物を追う方がまだ意味はあるのではないでしょうか。
(もちろん、それも良い事ではありませんが)

小林さんの若くしての死は、がんは年齢に関係ないという事を広く知らしめた事にあると思います。
知識では知っているし身近な知人にも若くしてがんを患う人がいても、
自分が検診に行くかと言えばなかなか行ってないですよね。
仕事の都合で行けないという事もあると思います。
そこに大きな警鐘を鳴らしたのではないでしょうか。

また、ポジティブなブログの内容も、抑うつ状態になる事もあるがん患者の気持ちのあり方に、
わかりやすい一つの例として使命感を持って発信されていたのでしょう。

ご家族では特にお姉さんの小林麻耶さんのメンタル面が心配です。
兄弟姉妹で年の差が近くても、妹や弟に先立たれるのは先に生まれたものとしてはやりきれない気持ちで、本心から代わってあげたいと思うものです。私も下に一人いますので想像するだけで辛く感じます。

どうか安らかに。
また、ご家族が今後少しずつでも健康と明るさを取り戻して行かれることをお祈り申し上げます。
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