亡くなった母が、生前大好きで、毎月18日と決めて、96歳まで通い続けた観音様です。小さい頃には、よく連れてきてもらったのですが、母が高齢になってからは、お供でついて行くことが多くなりました。大学生の頃には、国際劇場近くの文房具店の息子の、右門くんといつもつるんでいたので、彼の家によくお邪魔しました。土地っ子しか知らないような、おいしい食堂や喫茶店を教えてもらいましたが、どぶ板踏んで、よそ様の縁先を抜けて行くようなルートを通ってゆくので、一人では二度と辿りつけないのでした。
今日、浅草に来たのは、鳥の世界の大先輩のTさんのお世話で、来月に浅草で講演をさせていただく事になったので、その打ち合わせがあったからです。うちの奥さまと、やはり講演を依頼されている千葉のS兄ぃもいっしょです。TさんとS兄ぃは、中学高校の先輩後輩なので、なかなか面白い関係を見せて頂きました。
地元にお住まいのTさんに案内されて入ったのは、有名な肉の老舗、ちんやでした。前を通ったことは何度もありますが、お店の中には、はじめて入りました。古風な作りの建物内のそこここに、明治時代の錦絵が飾られていて、静かな落ち着いた雰囲気です。お店の方も和服をきちんと着付けて、丁寧な対応で、好感度大です。言うまでもなく、ご馳走して頂いたすき焼きは、肉もザクも割下も、今まで食べてきた中で、最高のものでした。明治13年から受け継がれてきた伝統の味を、十分に楽しませて頂いたのです。
さて、昔から不思議に思っていたのが、ちんや と言う店の名前です。今夜、S兄ぃに教わって、長年の疑問が解決しました。
ちん は、犬の狆のことで、江戸時代には、大名や武家の奥方や、芸者さんなどの間で愛玩されていた、狆などのペットを商ったり、獣医さんの仕事をするお店だったのだそうです。いわばお江戸のペットショップです。それが明治維新後、商売代えをして、牛鍋屋を始めたとき、かっての看板を引き継いだということなのだそうです。
漢字で、狆屋と書いてくれればすぐわかるのに…。でも、江戸時代にも、ペットショップがあって、飼育の相談や、病気の治療を引き受けていたなんて、時代は変わっても、人間のやることは変わらないものですね。































