谷口高司:タマシギ♂のいきいき日記

鳥と自然と善福寺池…僕だっていろいろ考えているんだぃとこっそり思ってる絵描きの日記

2008年08月

コニシキソウ (トウダイグサ科)

e6390aca.jpg
∞りつこ∞


踏み固められた地面に、張り付くように生えるきたならしい感じの小さな一年草ですが、名前は立派な「小錦草」です。
例によって北米原産の帰化植物です。同じ仲間のニシキソウに比べて小さいのでこの名がついたので、小錦八十吉氏とは関係ありません。

コニシキソウが属すトウダイグサ科は、あまりなじみはないと思いますが、世界に7000種もあって、中でもユーフォルビア属は1500種もある大グループです。サボテンそっくりの鑑賞用の多肉植物や、クリスマスでおなじみのポインセチアなども仲間です。

図鑑によっては、コニシキソウも同属にいれらていれます。花の構造が同じものを一つの属にまとめてあるという分類の基準は解りますが、素人の私には、こんなに外見が違うものがいっしょでいいのかという疑問がわいてきます。でも、この仲間には花以外に共通する性質があって、ちぎったり傷をつけたりすると、毒のある白い汁が出てくるのです。

フユサンゴ (ナス科)

24473b3a.jpg


青梅街道端の、今は使われてない駐車場の隅に、きれいな実をつけた植物がありました。小さな白い花も付いています。ナス科には違いないのですが、その場では何だか判りませんでした。
帰って調べてみたら、園芸植物のフユサンゴと判りました。南米原産だそうです。きれいな実は猛毒で、絶対口に入れるな!とも書いてあります。
でも、こんなところにわざわざ植える人もいないでしょうから、鳥が種を運んだのかもしれません。そうだとしたら、毒は何のためだったのでしょうか?

声の出るスターブロマイド・長嶋茂雄

21107780.jpg
b3894a2b.jpg


昨日の東京ドーム外野席の柱に、往年の名選手達の背番号を書いたユニフォーム形の看板が掛けられていました。永久欠番選手、王・金田・川上・黒沢・沢村そして長嶋茂雄です。

小さい頃、父に連れられて行った映画館で、川上哲治選手の2000本安打のニュースを見たのを覚えています。「川上哲治物語」なんて映画もありましたっけ。バッテリーを組んでいた吉原捕手の戦死の報に、川上が泣き崩れるシーンがあったと思います。復員してきたら、それまで俳優が演じていた川上が、いきなり本人になってしまったので、たにぱん少年、すっかりまごついてしまったものでした。

巨人の長嶋が登場したのが小学生の時でした。それまでの英雄川上は人気者から野球の神さまに祭り上げられ、銭湯の下駄箱も16番ではなく、3番が奪い合いの対象に変わったのでした。
私はその頃からヘソが曲がっていたので、長嶋より川上や広岡が好きでした。川上が表舞台を去ると、もう巨人に関心が薄れ、逆に巨人をやっつけてくれる金田のいる国鉄スワローズを贔屓にするようになったのです。ウオーミングアップの時、二塁ベースから投げ始めると言われた剛速球に、ワクワクしたものでした。

ところが、なんとその金田が巨人に金で引き抜かれてしまったのですから、世の中というか、大人の世界が信じられなくなったのも無理はないでしょう。それでも、金田を失い更に弱小度をましたスワローズを、見捨てることなく応援し続けてこんにちに至っているのです。

だから、うちにこんなモノがあったのが不思議でしょうがないのです。

声の出るスター・ブロマイド
「写真の中からあなたに呼びかける、このブロマイドが、勉強疲れに、また楽しいときも、淋しいときも、そして苦しいときにも、あなたに励ましと、努力への力のかてとなることを願っております。」

はがき大のソノシートに、うら若い長嶋の写真とサインが印刷してあり、裏にこんな昔懐かしいような文章が書いてあります。今ではありえない事ですが、長嶋の自宅住所まで載っています。

巨人グッズを自分から買う訳がないので、だれかにもらったのか、弟のものが紛れ込んだのか、今となっては謎のままでしょう。

東京ドーム

862c87d3.jpg


Sちゃまから「息子と行くはずだったのに宿題が終わらないので、代わりに行ってよ」とのお誘いがあり、喜んで巨人・中日戦を観にいくことになりました。
Sちゃまは東京っ子なのにバリバリの広島ファン、私は由緒正しいスワローズファンなので、アンチのふたり、一緒に中日を応援することにしました。ペナントレースが終わった時点で、巨人より上にいる、というのがスワローズのあるべき姿ですから…。

Sちゃまのチケットは、三塁側の奥の内野で、バッテリーを真横から見られる、なかなか良い席でした。ただ、まわり中巨人ファンなので、大声で中日の応援をするわけにはいきません。

野球観戦は久しぶりです。まだウチにいたガトームソンが、楽天相手にノーヒットノーランをやってのけた交流戦が最後ですから、2年ぶりになります。あの晩の神宮球場全体がかたずを飲む様だった雰囲気は、一生忘れないでしょう。
上の息子が小さい頃は、よく神宮へいっしょに連れて行ったものです。おかげで彼は今でもスワローズを応援してくれています。

ドームもずいぶん久しぶりです。出来たての頃、近所の肉屋さんから頂いたチケットで、日ハム・オリックス戦を見に来て以来です。西崎と星野が先発でした。今スワローズの高田が日ハムの監督で、さかんにヤジられていたのを覚えています。

さて、試合のほうは、4点のリードだったのに、岩瀬のいない中日が逆転サヨナラ負けという情けない結果と相成りました。スワローズも虎に食われました。

ま、こんな日もあるさ。Sちゃまよ…



アブラゼミ

319ec34b.jpg


ここ三日ほど、気温が下がってセミの声が静かです。うるさいと文句を言っていたのに、聞こえなくなると淋しく思えるのは、往く夏を惜しむ気持ちからでしょうか。

先日訪ねた大阪では、クマゼミの圧倒的な声量に、アブラゼミは影が薄い印象でしたが、東京ではまだまだアブラゼミの天下です。いずれ温暖化が進行すれば、クマゼミが天下を奪うのでしょうが、今のところはそんな事態にはなっていません。

ご存知のとうりセミは長生きな昆虫です。アメリカには「17年ゼミ」「13年ゼミ」という長寿を誇るセミがいます。アブラゼミも以前は、暗い地面の下で木の根の汁を吸って、7年かかってやっと成虫になると思われていました。

東京大空襲で多くの人命と共に、たくさんの緑が失われたため、戦後7年毎にセミの声の少ない夏が巡ってくるのだという話しを聞いて、粛然たる思いにひたった若い日もありました。

7年・13年・17年、どれも割り切れない素数です。アメリカの長生きゼミたちを題材にした「素数ゼミの謎」という面白そうな本があるのですが、残念ながら、まだ読む機会を得ません。
でも、なんとなくセミは素数年で成虫に育つように思っていました。アブラゼミやミンミンゼミは7年、ヒグラシは5年というように。

ところが、セミの飼育に挑戦した動物園の専門家にお聞きしたところでは、アロエのような栄養価の高い植物で飼うと、ずっと短い年数で成虫になってしまうのだそうです。それも素数とはまったく関係なく、育ち次第地面からでてくるのだそうです。つまり、とりついた木の根が、栄養価の高い植物であれば、少ない年数で成虫になり、そうでなければ7年くらいかかってしまうのです。

なんだかセミに騙されていたような気がしませんか?

青潮

4a060226.jpg


今日は、タマゴ式鳥絵塾の野外教室で、谷津干潟へ出かけました。今にも降り出しそうな空模様だったにもかかわらず、熱心な皆さんがおいでくださって感謝です。

集合場所の南船橋駅から歩いて干潟の一角に着いてビックリ。海が青白く濁って、硫黄臭いのです。青潮です。大きく育ったマハゼたちが無数に酸欠でアップアップしていますが、どうしてやることもできません。やがて引き潮に流されて姿を消してゆきました。動くことのできない貝たちは、その場で命を落として行ったことでしょう。

青潮は人災です。

かって経済の高度成長のために、全国で干潟の大規模な埋め立てが恐ろしい勢いで行なわれていた時代がありました。今だって隙あらば埋め立てて儲けてやろうという考えの方々が、官民問わずいらっしゃいますが、住民や自然保護団体の批判を受けたり、時には裁判で負けたりするので、多少とも歯止めがかかっています。
でも、あの当時は批判の声など権力が簡単に押しつぶすことができた時代でした。「自然保護」という言葉さえ、まだ一般には知られていなかったのですから、今のご近所の某国と似たようなものだったのです。

その頃の埋め立ては、鉄板で干潟を囲った中へ、海底の土砂を長くのばしたパイプで吸い上げて吐き出す、というやりかたでしたから、埋立地と同じか、それ以上の容積のたくさんの深い穴が海底にあいてしまいます。もちろん埋め戻すなどという手間をかけるわけがありません。その穴に海面に捨てられたゴミ、川から流れ込んだゴミが大量に溜って腐敗し、硫化水素をふくんだ無酸素状態の水の層ができてしまいます。
東京湾の場合、北風が何日か吹くと海面の水が沖へ押しやられて、かわりに海底の水が上にあがってきます。硫化水素を含んだ無酸素の海水です。
物凄い数の生命が、あっと言う間に奪われてしまうのです。

これが青潮の正体です。

海底に穴のある限り青潮の被害は続くでしょう。我々はどうしたらいいのでしょう。
穴を埋めてしまうことが一番ですが、これは国や自治体が動かなければどうしようもありません。
民間で一生懸命やっているのは、水中に酸素を供給してくれる、アマモという海草を増やす運動です。青潮が来てもアマモがあれば魚たちが生き残れる可能性があるのです。ポットで育てた苗を、冬の大潮の時に浅瀬に植えつけるという、大変な作業をボランティアの方々がもくもくと行なっているのですが、残念ながら自治体は非協力的なようです。もっと埋め立てをしたいという下心が有るのでなければいいのですが…。

エノコログサ

46aff5d7.jpg


道端によく見られるイネ科の植物です。エノコログサとは「犬ころ草」の意味で、別の呼び名の「ねこじゃらし」と共に、なにか楽しくなっちゃう名前です。勿論、穂を使って子犬やネコをからかうと、すごく喜ぶところからついたものです。

昔から食料として利用されてきたアワ(粟)は、このエノコログサを品種改良したものです。種子が大きくなると同時に、稔っても穂から落ちない性質を固定して栽培しやすくしたのです。エノコログサとアワとの雑種はオオエノコログサと呼ばれています。

他にも数種類あって、穂が金色に光るキンエノコロはとてもきれいです。アキノエノコログサは、穂が長く垂れ下がるのが特徴で、この写真のはこれかもしれません。

今度近所でネコを見かけたら、エノコログサでからかってやることにしましょう。

シンテッポウユリ (ユリ科)

c267b058.jpg


近所の植木畑のへりに、白いきれいな百合の花が咲いています。横向きの筒の長い形は、テッポウユリのようですが、葉は細く別の種類のようです。

15年以上前、神奈川県の自然保護関係の財団の機関誌に、横浜の赤レンガ倉庫をバックにした、帰化植物のユリ群落の表紙画を描かせていただいたことがありました。その時のユリが、シンテッポウユリという種類で、鳥が専門の私にはなかなか手ごわかった思い出があります。

その折に、編集長の北川淑子さんに詳しく教えていただいていたおかげで、見当がつきました。日本の南西諸島原産のテッポウユリと、台湾原産のタカサゴユリの交配種で、種で増え、一年で花を咲かせる園芸種として優れた性質を持っていたのが災いし、自然界に飛び出して、猛烈に増えてしまったシンテッポウユリだと思われます。

細い葉はタカサゴユリ的ですが、花はほとんど白くテッポウユリを思わせます。わずかに花の外側に紅色の筋模様が見えます。植木畑のあちこちに不規則に点在しているので、人の手で植えられたものではない様に思えます。

善福寺界隈では、この種は見たことがなかったので、これからが楽しみですが、種を飛ばしても空き地があまりないので、そう増えることはないでしょう。

ジョロウグモ (アシナガグモ科)

27e84daf.jpg


今頃から目に付きだすクモが、このジョロウグモです。まだ若い個体ですがもっと大きくなると、赤や黄色の腹部の派手な模様も、長い足のだんだら模様もよく見えるようになります。

網の構造が独特で、丸い網の上のほうが無くてU字型をしていますし、その前後に簡単な補助の網がそなわっています。
近寄ってみると網が金色に光ります。粘りつく横糸が金色をしているのです。また、網の縁の方でも目が粗くならず同じ大きさです。
ジョロウグモの網はたいへんに大きくなるので、メジロやスズメの巣立ち子のような小鳥がからまって動けなくなった記録があります。

秋になると木立の間にジョロウグモの巣網が幾重にも張られて、低くなった日差しにキラキラしてきれいです。小鳥にとっては嫌な景色かもしれませんね。

この若いクモは、その頃まで生き残ることができるでしょうか。


イヌビワ (クワ科)

f4d64d24.jpg


善福寺池のボート小屋横に、イヌビワの小さい木があります。ビワとついてもイチジクの仲間で、南国のガジュマルやインドゴムノキの親戚です。イチジクを無花果と書くように、この仲間は外から見える花を咲かせません。丸いボールのように見えるのは、本当の果実ではなくて、あのボールの内側の壁一面に小さな花がついているのです。ナイフで真っ二つに切ってみると、よく分かると思います。

イヌビワの変わっているところは、受粉の方法でしょう。花が見えないのですから、チョウもミツバチも寄ってきません。頼りにするのはただ一種、イヌビワコバチというちっぽけな昆虫です。てっぺんの穴からボールの中に潜り込んで中をかきまわして受粉完了!というなら話は簡単ですが、実はイヌビワには雄の木と雌の木があり、雄の木のボールの中に雄花と雌花があり、雌の木のボールの中までどうやって花粉を運ぶのか?といった問題が山積しています。そのうえ、ボールの中の花に隠れ住んでいるイヌビワコバチに寄生するハチまでいて、更に事態を複雑化しているのです。

こんな小さなボールの中で、ただ受粉の為だけに生きつづける虫がいることを、イヌビワを見たら思い出してください。


月別アーカイブ
記事検索
プロフィール

tanipan

  • ライブドアブログ