サワラの幹に産卵中のマイマイガ♀を見つけました。卵塊にお腹の毛を厚くかぶせて、カモフラージュしています。
北半球のどこにでもいる大型のドクガで、時折、大発生して問題をおこします。♂は少し小さくて、林の中をクルクル飛び回る様子から、「舞い舞い蛾」と呼ばれるようになったといわれます。7・8月に成虫が現れ、ご覧のように大量の卵を残します。卵はそのまま越冬して、翌春孵化し、あらゆる種類の樹木の葉を食い荒らして育ちます。
幼虫は細長い毛虫で、背中に青と赤の点がずらっと並んでいて、そこだけ見るとなかなかきれいです。黄色っぽい顔?に黒い線がハの字に入っていて、困った様な顔に見えます。小さいうちは、長い糸を引いてぶらさがり、風に乗って他の木へ乗り移ったりします。その性質から、ブランコ毛虫と呼ばれます。さわるとチクチクしますが、ドクガのようにかぶれたことはありません。
その昔、カイコの品種改良を目論んだ学者が、もともと分布していなかった北アメリカに持ち込み、それが自然界に逃げ出して、今でも大害虫になっています。英語では「ジプシーモス」と呼ばれ、こちらも差別的だと、問題になったことがあるようです。