谷口高司:タマシギ♂のいきいき日記

鳥と自然と善福寺池…僕だっていろいろ考えているんだぃとこっそり思ってる絵描きの日記

2011年05月

BLA図鑑・図版の撮影中

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バードライフ図鑑製作は、お尻についた火がいよいよ背中まで燃え広がり、著者一同、青息吐息の状態です。


今日は、月に一度、著者が版元の大出版社に呼ばれて、進捗状況を菩薩の様なお顔の下に憤怒の表情を押さえ込んでいる、編集のKさんに報告する日です。


私は勿論イラスト担当ですので、この一ヶ月に描けた分をお見せしなければなりません。台紙にレイアウトして張り込んだのを、抱えて持っていきました。


他の皆さんは、解説のテキスト担当ですので、自己申告です。お互いに進み具合を知って、大いに焦るのです。


著者グループの外に、識別のベテランを揃えた、検討委員会があります。そちらの面々には、イラストとテキストの審査をして頂きます。


時々、検討委員全員に集まって頂いて、イラストを実検して頂くのですが、その前に写真を送って、それを見て問題点をざっと集約しておいてもらっています。


腕自慢の著者の一人が、デジカメをかまえて、撮っているところです。


委員の皆さんに、寄ってたかっていじめられる?元を、目の前で撮っていると思うと、なんだか恐ろしくなってきました。

スバールバルライチョウ

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旧知の園長さんの案内で、かねて飼育中の、ライチョウのスバールバル亜種を見せて頂くことができました。実は、パンダよりこっちの方が見たかったのです。一般の方は入れないバックヤードへ、園長の許可を得て入れて頂きました。靴を消毒してから、おそるおそる室内へ入ります。


以前みせて頂いた時は、チビだったライチョウたちが、すっかり大人になって一羽づつケージに入れられています。何故か、真っ白い冬羽の♂から茶色い夏羽の♀まで、いろんな段階のがいました。故郷の北極圏は、今は真夜中まで明るい時期ですから、夜のある東京では、換羽の生理が狂ってしまうのでしょうか。


それとも、スバールバル諸島は、夏でも雪に覆われた場所がほとんどなので、白い方が目立たないから、露出した地面でタマゴを抱く♀だけ、地面で目立たない茶色になるのでしょうか。


若い美人の飼育員さんが、産みたてのライチョウの卵を見せてくださいました。高校生の時北アルプスで見た卵より、赤みが強いように思いましたが、記憶違いだったのかも…


ご一緒した、動物園関係の本を沢山作られた元鬼の編集者で、現在は世界の料理の研究をされているG女史が、「ライチョウは食ったことがある」などと物騒なことをおっしゃいます。なんでも、北欧では良く食べるそうで、肉はミオグロビンの味が濃いのだそうですが、聞いただけではどんな味だかわかりません。一瞬、ライチョウたちの瞳に恐怖の色が宿ったように見えました。


園長のおかげで、貴重な取材をさせていただけました。大感謝です。
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上野動物園にやってきました!

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大雨の日曜日、恩賜上野動物園にやってきました。パンダ人気の再燃で、大混雑を予想していたのですが、大雨の為、人出が少なく、パンダともこのとおりご対面できました。


園長の小宮さんから、よっしーを通してお誘いを受けていたので、友人たちを誘って上野に来たのです。

荻窪八幡のコウヤマキ

d687e124.jpg久しぶりに荻窪八幡神社に参拝してきました。しょっちゅう前を通るのですが、中まで入らないで、目礼して通りすぎてしまうのです。

この神社には、太田道灌が植えたと言われる、コウヤマキの木があります。樹形が整って美しい大木に育つ、日本特産の植物です。


道灌が植えたかどうかはわかりませんが、古い木であることは確かで、説明板には樹齢300年とあります。


久しぶりに見たら、なんだかかわいそうな事になっていました。枝がスカスカに切り詰められ、幹には全体に、麻布が巻き付けられています。弱ってしまったので、治療しているようです。


なんとか快復してほしいものです。

善福寺公園探鳥会

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予定していた仕事が、急に延期になったので、日本野鳥の会東京の探鳥会をのぞきに行ってきました。

この時期は、鳥があまりいないので、幹事さん達は大変そうです。常連のカイツブリもバンも、姿が無く、西村元支部長ご自慢の、小判も算盤も、出番がありません。

出た種類は、やっと二桁にとどく程度の少なさでしたが、鳥絵塾の教室に通っている方も参加されているので、新緑の中をおしゃべりしながら、花や昆虫を見つけて歩く、楽しい時間を過ごせました。

鳥以外では、外来種のアカボシゴマダラの真っ白い春型が目立ちました。たまたま、別の観察会で公園に来ていらした、須田孫七先生にお会いしたので、ちょっとお話しを伺ったら、在来種ゴマダラチョウもがんばって生き残っていますよと、教えてくださいました。

タマゴ式鳥絵塾 ・コルリ

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今回のお題は、かわいい夏鳥、コルリです。我が娘にコルリちゃんと名付けたお父さんを知っています。それくらい可愛い鳥です。


本州以北の山地の森林に広く生息していますが、笹やぶの奥深くにいるので、なかなかすがたを見ることが出来ません。そのかわり、チッチッチッチッチッ…という前奏に続く、チペチペチペ…とかガラララララ…と聞こえるさえずりには、よく出会うことが出来ます。(江戸家猫八さんのレパートリーにあるかしら。)


♂の青い色を出すのが、今回の眼目でしたが、ちょっぴり使う隠し味を、みなさんうまく使って、かわいいコルリを描いて下さいました。添え物のイワウチワの花も、がんばって描けました。
有難うございました。

全国野鳥保護のつどい

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第65回全国野鳥保護のつどいが、新宿のヒルトンホテルで開かれました。


毎年、愛鳥週間中に開催されているのですが、地方持ち回りなので、これまで参加したことはありませんでした。震災のために東京バードフェスティバルが中止され、当方のスケジュールが空いてしまっていたところへ、主催者の一つ、日本鳥類保護連盟様からお声かけを頂き、今年は東京開催ということなので、はじめて参加させていただくことになったのです。


会場は、ホテル4階の大ホールで、その入り口のロビーに各団体がパネル展示をしています。我が社も一つ割り当てて頂き、図鑑の原画や活動状況の解説などを、展示しました。それとは別に、鳥の絵を飾ってほしいとのお話しがあったので、厳選6点を
ホテルで用意して頂いたイーゼルに立てました。


日本鳥類連盟の名誉総裁をお勤めになっていらっしゃる、常陸宮様ご夫妻はじめ、高名な方々のお目に触れることになり、かなり緊張しました。私は式典会場の方に座って観覧していたので、その場には居られなかったのですが、妃殿下が「きれいな絵ですね」とおっしゃって下さったそうで、感激です。


両殿下をご案内した保護連盟のトップは、かって父がホタル復活事業でお世話になった、矢島稔先生ですので、両殿下に私の絵をご紹介して下さったのでしょう。誠に有難いことです。


式典の方では、恒例の表彰がいくつもありましたが、その中に、昔イラストの仕事をさせていただいた鳥類学者が、お二人もいらっしゃいましたので、隣に座っていた上野動物園長に、ちょっと威張ってしまいました。表彰式後のトークでは、江戸家猫八さんが司会をされ、固い話を面白く楽しく進行されて、さすがと思いました。


初めての参加でしたが、いろんな方にお目にかかれて、本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。有難うございました。

タマゴ式鳥絵塾・ツバメ

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今夜のお題は、ツバメです。世界各地で、幸せを運ぶ鳥として、大切にされてきた鳥です。ここ2世紀ほどは、人工の建造物以外から、ツバメの巣は見つかっていないという、人に一番近い鳥です。


正面向きの、ちょっと手ごわそうで、実はそうでもないというポーズを描いて頂きました。


前向きのツバメのように、我がスワローズの好調が、このまま続きますように…。



悲しみのブローチ 細江由美子さんのこと

dd668fd1.jpgこのハヤブサのブローチを、一生懸命作ってくれた、底抜けに明るく元気いっぱいだった彼女とは、もう会うことはありません。
鳥と同じくらい好きだった、宇宙戦艦ヤマトに乗り込んで、銀河の彼方に旅だってしまったのです。


「招き鳥の巣」というブースを、鳥のイベントのたびにご夫婦で出して、可愛いブローチ作りのワークショップを開いていた彼女は、新作が出来るたびに、私たちのブースに持ってきてくれました。ちょっと自慢そうに、そしてちょっと心配そうに。遠慮の無い関係でしたから、もっとこうしたら等と、意見をぶつけたりしたからです。


彼女の作るブローチは、会うたびに進化して、その鳥の特徴を、見事に捉えられるようになってきました。このハヤブサを頂いた時は、思わず、すごいね、頑張ったね!と、言ってしまった程です。自分で考案して型を作り、ひとつひとつ丁寧に彩色したブローチには、彼女の心がかよっていました。



彼女の笑顔に会うのを楽しみにしていたのに、今年の東京バードフェスティバルは、自粛の為中止となり、少しがっかりしていたところに、思いも寄らぬ悲しい知らせが、ご主人から伝えられました。


くも膜下出血による、早すぎるお別れでした。彼女を知っている誰もが、信じられない思いだったでしょう。「死」ということから、最も遠い存在だと感じさせる人でしたから。


年上の方なら平気という訳ではありませんが、自分よりずっと年下の人とのお別れは、特にこたえます。


彼女よりずっと長く生きてきた自分の、人生の価値を、厳しく問われている気がするのです。


悲嘆にくれながらも、ご主人は、彼女のために「招き鳥の巣」を続けると言ってくれました。残された沢山の型を元に、彼女の心を誰よりも知っているご主人が受け継いで、ブローチを作り続けてくださることと思います。


鳥のイベントで 「招き鳥の巣」を見かけたら、ブローチをたくさん買って下さいね。

お墓参りのご褒美

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地震以来、のびのびになっていた墓参りに、ようやく行って来ました。覚悟はしていましたが、雑草のはびこり方は物凄いものがあり、奥さまと二人で、大汗をかかされました。


雑草軍の主力、ドクダミ部隊の中からはい出してきたのが、この大型のヤガ、シロスジアオヨトウです。乾いたコケを思わせる金緑色を前翅に散らした、なかなかオシャレなガです。この色と、前翅の真ん中にある、太い白縞が名前の由来です。食草は、タデ科のイヌタデとギシギシが知られています。


強い日差しの下、飛んで逃げようとはせずに、歩いて自分から墓石の隅にはまりこんで、大人しくなってしまいました。夜行性のガは、昼間は目が見えないのか、遠くまで飛んで逃げることは、あまりありません。下手に飛んで、鳥に見つかったら一巻の終わりですから。


久しぶりの出会いでしたので、しばらく見ていましたが、水汲みにいっている奥さまに、サボっている現場を押さえられないうちに、写メしてバイバイしました。


その昔、オンナノコよりもガに夢中になっていた変な息子を、あきれながらも見守ってくれていた両親が、墓参りのご褒美にシロスジアオヨトウに会わせてくれたのでしょうか。


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