2006年02月05日

トホホ…御岳山失敗記

   御岳山。奥多摩有数のハイキング用の山である。都民にとっては親しみがあるかどうか判らないが、ワタクシにとっては多いに親しみがある山でもある。しょっちゅう行っているからではない。それどころか、真面目に登ったのはたったの1回だけである。忘れもしない1996年の事。ダイエットに成功して、体重が90kgを切っていた時の事だが、一人でキャンプに出かけ、やる事がなくて退屈していた時、いっちょ山でも登ってみるかと思いつき、御岳山〜大岳山と歩き、当時も廃道であった海沢探勝路を下ってキャンプ地に戻ろうとした時、うっかり道を間違えて、あやしいワサビ畑に迷い込み、そうこうしている内に渓流の岩場で足を滑らせてヘタリ込んでしまったのだ。高さは2m。岩はツルツルで足をかける所がない。困ったなぁ、と疲れた頭で辺りを見回していると、丁度、体の右側に自分の腕くらいの木が生えていた。「そうだ、これにつかまって、遠心力でグルんと回って岩場に上がればいいや」そう思うやいなや、ひっしと両腕で木をつかみ、勢いつけて回ろうとして……折れた木を抱えながら、2m下のこれまた岩だらけの渓流に♪真っ逆さまに落ちてデザイア〜。運良く頭も打たず骨も折れず、打ち身だけで済んだから良かった様なものの、今考えても、何であんな事したのか理解が出来ない。まぁ、疲れた頭でした判断は、疲れた判断、という事だろう。とにかく、死ぬかと思った体験をした、うらみ深き思い出なのだ。(別に御岳山が悪い訳じゃないんだが)

   前置きが長くなってしまったが、それから10年。まともに山など登った事がないのだが(マラソンやる人と山登りする人の気がしれんかった訳だ)、写真を始めたとなれば、やっぱり写真雑誌に出てくる様な写真が撮りたい訳で、撮りたいなら撮れる場所にいかねばならない、という事で、まずは低い山で近場の山に行ってみようと思ったのだ。 御岳山といっても馬鹿にしてはいけない。ちゃんと案内のホームページもあって、登山鉄道も整備されていて、ウェルカムお客さんといった感じである。それでいて、結構撮影ポイントも多いらしい(それがまたちゃんとホームページに載ってるからエライ)。いくつかコースがあって、のんびり撮影なんかやっていると、一日では回れなさそうである。まぁ、今回の山登りは撮影が主目的であるから、一気に全部回ろうとせずに、1コースだけ攻める事にした。
   さて、今回も問題になったのが装備。前回の本須賀海岸でも適当な背嚢がなくてデカイ3ウェイバッグを代用したのだが、今回は山登りという事もあって背負うのはコンパクトなバッグにしたかった。しかし、なかなか気に入ったバッグが見つからない。当初はカメラザックも検討したのだが、カメラ用のザックはカメラやレンズなどを入れる事しか考えてないのか、他のハイキング用の装備があまり入らない。ロープロの製品にいたっては、カタログの写真からして、レンズでびっしりのザックの中身の写真である。また、カメラを保護する関係で仕方ない事ではあるが、どれもこれも皮がごつい。デイパックといえば、物が入ってない時はフニャフニャでペッタンコのイメージなのに、カメラザックは物が入ってなくてもゴチーンと形が残っている。まるでランドセルである。これはちょっと頂けない。そこであきらめてデイパックを探したが、こっちはこっちで物を外に付ける装備がほどんどない。三脚をつける場所はおろか、レンズケースをくっつける所もないのだ。まぁ、山用のザックは基本的に余計なものをブラブラくっつけない構造になっているので、そういうのを求める方が間違いなのだが。その点、米軍のパトロールパックなどは、初めから外に物を付ける様に考えられているので、使い勝手が良かった。居眠りしてて電車に置き忘れてなくしたのが今でも悔やまれる。

   そんなこんなで、ウダウダ悩んでいたが、結論としては余計な物買う金がない(爆)、という理由で、3ウェイバッグのアウターポケットを外して背負う事にした。実はこのアウターがデイパックとしても使えるという事に気が付いたのが、買って6年目のこないだったのだが、もっと早いうちに知っておれば、いろいろ使いでがあったろうに、と反省するこの頃である。この3ウェイバッグ、基本的には旅行用、タウンユース用であるので、アウトドアで使うには「痒いところに手が届かない」的な不便さがあるのだが、貧乏はあらゆる障害や不足を妥協して飲み込ませる最大の要因であるから、文句言わずに使う事なった。
   今回の作戦の装備は、基本的には前回の本須賀海岸の時と変わっていない。大きな違いは、カメラバッグを背嚢に納めず、腰に付け、しかも腹の方にバッグを持ってきた事。こうする事で、カメラやレンズを取り出しやすくしようとしたのだ。

20060205_mitake_r01.jpg
防寒被服に身を固めたワタクシ
ウエストバッグのお陰でポケットに手を入れられなかったのが痛かった


   今度はばっちり電車の時刻表を調べ、ぬかりなく御岳山の麓に立つ計画を立てた。朝0447時新小岩発、0503時御茶ノ水、0604時立川、0635時青梅、目的地の御嶽駅には0656時着予定である。まぁ、今回は始発からの行動発起であるし、新小岩で電車に乗ったら、あとはずっとJRに乗りっぱなしであるから、脱線でもしない限りは無事に目的駅に着く筈である。
   今回、始発からの行動発起にしたのは、行軍間の不測の事故もさる事ながら、早い時間に山に入り、あちこちゆっくり撮影して、早めに帰って休むという、時間的に余裕を持たせた作戦を行いたかったからだ。明くる日が月曜日という事もあって、あまり遅い時間まで遊んでられないという事情もあった。何にしても、早起きは三文の得である。朝は相当寒いんじゃないかとも予想されたが、なんと言っても1時間以上電車に乗っているのだから、その間に体も温まるだろう、と予想して大して問題にはしなかった。
   さて、2月の5日。0330時に起きて朝飯を食い、身支度を済ませて、新小岩の駅に向かった。空はまだ真っ黒。寒かったが、マリーンのフリースの上に M65ジャケットを着込んだモコモコのスタイルなので、少し歩けば暖かくなる。だから、余裕をぶっこいて駅のホームで記念撮影などやっていた。 0447時に予定通り始発電車がやってきた。始発のはずであるが、すでに何人かの乗客が乗り込んでいる。明らかに一晩中飲んでたおっさん。これから山登りに行くらしい根暗なあんちゃん。本を片手に声を上げながら本を読み上げながら、車両の端から端を行ったり来たりするお脳に変調をきたした婆さん……。色んなびっくり人間が始発電車には乗り込んでいるものだ。御茶ノ水で中央線に乗り換えるまで一眠りしてやろうと思っていたのだが、人間ウォッチングをしている間に、御茶ノ水に着いてしまった。
   今度は立川まで座りっぱなしで寝続けた。と言っても、快速なので小1時間ほどで着いてしまう。うつらうつらしている内に立川に着いた、という感じだった。しかし、立川のホームに立って、うつらしてた頭が徐々にシャーベットになっていく感じがした。寒いのである。しかも、すんごい寒い。風とかは吹いてないのがだ、芯から寒くなる寒さなのだ。それでも元気に青梅線に乗り換えたが、これまた冷蔵車じゃないかと思うくらい寒い。しかもなかなか発車せず、ドアは開けっ放しだから、外気が入り込んでもっと寒い。一応、ヒーターは入っているらしいのだが、それでも吐く息が白いのである。

20060205_mitake_r02.jpg
手ぶらで帰るのは何なんで、とにかく1枚撮影
でも、めっちゃ寒そう。。


   やっと電車は動き出した。でも、車内は全然暖かくならない。それどころか、停車駅でドアを開けるたびに、外気が流れ込んできて、生きた心地がしない。そのころになると、乗車客は登山やハイキングに行く人ばかりである。全員平気な顔をしているのは、防寒対策がしっかりしているからなのだろう。自分の場合、足がまっさきに寒くなった。何と言っても、Gパンしかはいてないのである。続いて手だった。素手だったのでノーメックスグローブを着けたが、400度の高温まで耐えて、それ以上からは溶けずに一気に灰になってしまう軍用繊維は、防寒には何の役には立たなかった。そうこうしている内に、あまりに寒くて眠くなってしまった。またもやうつらうつらしている内に、御獄駅を通り過ぎて、鳩ノ巣駅で目が覚めた。
   さぁ、どうするか。ここでへこたれたら男が廃る。でも、その前に冷凍庫みたいな電車で気力はすっかり萎え萎えである。眠いし寒いし、とても山登って写真撮りに行く気分じゃない。一瞬迷ったが、下り電車がやってきたのを見て決断した。「撤退」いや、「転進」。そそくさと下り電車に乗り、相変わらず寒い中を立川で乗り換え、さらに風が吹きすさむ御茶ノ水の駅で乗り換え電車を待ち、やっとこ新小岩に帰ってきた。定期で入ったから、一円も払わず東京都を往復した。ただそれだけだった。アパートに帰ってから、荷物もカメラも放ったらかしにしてベッドに潜り込み、夜までネコと一緒に寝た。

20060205_mitake_r03.jpg
もうちょっと暖かそうなのを、という事で
陽の当たり出した御岳山をショット


   今回の作戦の大失敗は、一にも二にも寒地装備、特に防寒具の不足が原因である。ついでにいうと、特段意味もなく始発電車で出かけた訳だが、冬の始発電車はメッチャ寒い事も初めて知った。元々寒がりの自分にとって、失敗すべくして失敗した作戦だったと言えるかもしれない。



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tanisi_corp at 00:00コメント(0)旅行系 

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