2007年07月08日

XR250リアサス調整

   バイク用即応装備が一応の完成を見たのですが、なるべく装備を切り詰めるよう努力したにも関わらず、完全装備で跨ってみると、相当にリアサスが沈み込む。しかも何となく車体が重い。コーナーを曲がる時も、なんとなしニュルンとしたサスの効き方で、ユルユルと曲がっていかなければならない。まぁ普通、後ろに人を乗せたり荷物を積んだりする時は、ブロス時代でさえリアサスを1〜2段固くしていたくらいですから、ノーマル出荷時のサスの固さでは、こういう具合になっても仕方ない、というものです。

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完全装備のXR250
この上にさらに体重100kgとカメラバッグが乗る


   だったらリアサスを固くすれば良い訳ですが、XR250の車載工具にはフックレンチとかクランプレンチとか言われる、いわゆる「リアサスを回す工具」が入っておりません。ではリアサスはどうやって調整するのか、と思いきや、取扱説明書によるとダンバーとリアクッション下部のアジャスタを調整する事しか書いてない。そこで掛かり付けのバイク屋のあんちゃんに相談すると、「ラーメンの具に喩えると、リアサスのバネが麺でアジャスタが汁」と、実に判りやすい回答をご教授頂けました。

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取扱説明書に書いてあるリアクッション調整法


   しかしまぁ、よく判らんので、取り敢えず次回作戦はそのままで出撃して、それでどうにも具合悪そうであれば、改めて調整して貰えりゃいいや、と多寡をくくっていたのであるが、その次期作戦というのが、高速道路を片道200キロは走破し、かつ林道を40キロ近く突破するグレートなもの、という事が判り、「行く前にやった方が良いんじゃないすか?」というバイク屋のあんちゃんの忠告を真面目に受け止めて、リアサス調整を行う(正しくは「やって頂く」)事に相成りました。

■まずは測定
   調整を行う、といっても、どの程度固くすれば良いか判らないので、まずはノーマルの状態でどの程度サスが沈むか、計って貰う事にしました。計るのはマフラーの下からスイングアームの上辺までです。

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赤矢印の距離を測って貰う というのは
リアサスが奥まった所にあって
物差しやメジャーで測るのが難しいから


   まず、サスがどの程度沈むのかを計ってみました。何も積まず何も乗せず、車体を浮かした状態では397mm、次に誰も乗らずサイドスタンドを立てた状態では345cm、最後に自分が跨った状態では295mmである事が判りました。 続いて、完全装備を積んだ状態で320mm、さらに自分(とカメラバッグ)が乗った状態で260mmという事が判りました。

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まるでオン車に乗ってるかの如き足つき性


   ここでバイク屋のあんちゃんが素っ頓狂な声で「あ〜、フルボトムしてる〜」と仰天の宣告をしました。つまり、体重100kgの自分が完全装備で XR250に跨ると、リアサスが完全に沈み込んでしまっていたのです。道理で運転しにくい訳です。まぁ、XR250は体重65kgくらいの人に合わせて設計してあるらしいので、それより35kgもオーバーするブタが乗る事は想定外なのでしょう。

me13_rearsus_05.jpg
これがフルボトム状態
こうなってるとは、いやはやビックシ


■リアサス調整
   その様な訳で、泣いても笑ってもリアサスを固くする他なくなった訳ですが、問題はXR250はオン車の様にフックレンチが入る様な隙間は全然ない、という事です。そういえば、以前読んだ『月刊ガルル』にこれ見よがしに「これがオフ車のリアサス調整だー!」みたいな特集があって、マイナスドライバーの長いのの先が尖ってない奴を、リアサスのアジャスターの歯車に当ててハンマーで叩いて調整する方法が紹介されていたのですが、それを読んだ時は「リアサスの調整ごときで大げさな」とか思っていたのです。しかし、実際にやるとなると確かに大事なのでした。

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まず、上の歯車(緑矢印)を緩めて(逆時計回り)
下の歯車(赤矢印)を閉める(時計回り)


   まずは工具が必要になる訳ですが、当然専用の工具はありません。そこでバイク屋のあんちゃん、店の片隅をゴソゴソと漁り、元はおか持ちバイクの部品だったと称するよく判らない鉄片を持ち出し、サンダーでバリバリ削り、ダンバーの横からリアサスのアジャスターに届く棒を作ってしまいました。そしてリアサスのアジャスターに赤ペンで位置をマーキングすると、おもむろに鉄ハンマーで叩き始めました。

me13_rearsus_07.jpg
確か『ガルル』では
マイナスドライバーの先のおっ欠いた長いのでやってましたが
要はアジャスターが回れば何でも良いのです


   トンテントンテン…と、中央アジアの鍛冶屋みたいな槌音を響かせること数十分。取り敢えずリアサスアジャスターの歯車を5周させたところで計り直してみると、完全装備で乗った状態では278mm、装備なしの空荷で乗った状態では308mmと、調整前より13〜18mm高い数値が出ました。確かに、フル装の状態で両足べったり、空荷の状態でも両足土踏まずまでべったりだったのが、フル装で土踏まず、空荷で爪先立ちの状態になっています。また沈み込み方も少々固くなった感じでした。
   さて、ここで一発、リアサスを締めたXRに乗ってみる事にしました。というのも、あまり固すぎた場合、ショックの吸収が悪くなってそれはそれで運転しにくいだろうと想像したからです。試運転は空荷の状態で行いましたが、まず跨った感じは、調整前では両足が土踏まずまで付いていたのが、調整後では爪先立ちの状態になり、右足をステップに乗せた状態でも、土踏まずくらいまでしか地面に着かなくなりました。目線もちょっと上がった感じです。今まではどっちかというと、背が高いはずのオフロードバイクなのに、あまり背が高いと感じなかったのですが、一気に「オフロードバイク乗ってんなー」って感じになりました。そして道路に出た訳ですが、違いは歴然。まず加速が良くなって、アクセルをブンブン回すと、あっという間に時速80キロ出てしまう。そういえば、5速で 50キロ当たりでカタカタ言ってたのもなくなりました。そして、コーナーや車線変更がスパスパとメリハリ良くなった。今まではどっちかというと、「ニュル〜ん」という感じだったのですが、「腰で乗ってるなー」という感じになりました。まぁ、体重65kgくらいの人を対象に設計されている話が本当とすれば、自分はそれより35kgは重いわけですから、多少リアサスを締めたくらいが丁度良かった、という事なのでしょう。

me13_rearsus_08.jpg
これが8周回した状態
上の写真と比べると、これが同じバイクかと思えるくらい
爪先ツンツン、背筋ビーン状態です


■さらに調整
   こういう按配で、かなり乗り心地が良くなったXRですが、完全装備では重量が増えてさらにサスが沈むので、荷物を積んだ状態でも及第点な固さに調整する必要があります。実際に完全装備で乗ってみると、サスがぐぐっと下がって、足も土踏まずのかなり深いところまで着く状態でした。そこでさらに3周回して、8周まで締めてみました。

me13_rearsus_09.jpg
8周まで締めた状態
上の写真と比べると、相当に余裕ができています


   ところが今度は完全装備でも爪先ツンツン状態で、ただ跨っているだけでも結構しんどい。何というかケツが上がりすぎて、背中を反って乗っている感じなのです。こりゃダメだ、という事で緩めてもらう事になったのですが、はたして6周ではちょっと緩いんでないかい、という事で6.5周という絶妙かつ微妙な数で調整する事になりました。そして今度はフル装状態で試走してみましたが、以前、無調整(フルボトム状態)で青海埠頭まで試走した時とは打って変わって、ショックも適度に吸収し、メリハリもよく運転できる様になっていて、あまりに気持ちいいんでカメラバッグ背負ったままスタンディングですり抜けするくらいでした。
   その様な訳で、とりあえずこの日の調整は6.5周で終了。林道走る時には、ダンパーのアジャスターをいじって緩くしたり固くしたりする事で対処し、作戦終了後、空荷では5周の方が良ければ、改めて後日元に戻す、という事で散会しました。

me13_rearsus_10.jpg
6.5周でこんな感じ 爪先と背筋が楽になりました

me13_rearsus_11.jpg
6.5周でこんな感じ
乗った感じでは、強すぎず弱すぎず ちょうど良い感じでした


ちょっと雑感
   昔乗っていたブロスは、フックレンチでガチャガチャとアジャスターを回すだけでリアサスの調整が出来たので、すごく楽だったのですが、今回XR250のリアサスを調整するには、それはもう、トンテントンテンとえらく時間が掛かったものです。その前に、バネの方をいじって行うリアサスの調整を、一切念頭に置かない設計になっている様に思えました。
   まぁ、実際のところ、レースでもやる人でなければ、リアサス調整はやらないのかもしれません。また、自分みたいに肥えた奴がオフ車に乗ってるのもあまり見かけないので、そういうマイノリティの為に簡単に調整ができるリアサスを載せるよりは、こういうリアサス載せた方が設計上もコスト上も得策なのかもしれません。
   まぁ、それはともかくとして、リアサスを固くした結果、相当乗りやすさがアップしましたから、『ガルル』などでこれ見よがしにリアサス調整の記事が載るのは、むしろ当然であったと言えますね。



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tanisi_corp at 00:00コメント(0)単車整備 

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