2013年02月21日

ガソリンストーブについて考察

   今のアウトドアシーンにおいて、ガソリンや灯油のストーブを使う機会というのは、まずまずないと思います。敢えてそういう縛りを掛けた企画でも立てない限り、便利さや楽さだけで装備をチョイスするなら、ガスやアルコールのストーブを選ぶからです。
   それにも関わらず、いわゆる「液燃ストーブ」には、それなりの魅力があります。それは「機械を操作する魅力」と言っても良いのかも知れません。単純にガソリンストーブを点火する作業というのは、なかなか楽しいものがあるからです。自分も今でもオプティマス123Rコールマン550BMSRドラゴンフライの3台ガソリンストーブを持っていますが、今ではウチで時たま火を点ける程度ですが、着火する作業が楽しくて思い出した様に押し入れから出してくる、という感じです。
   今回は、そうしたガソリンストーブの魅力に触れつつ、各々のストーブの利点と欠点を踏まえ、活躍する状況について考察してみたいと思います。

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右から、MSRドラゴンフライ、オプティマス123R、コールマン550B


■オプティマス123R
   ガスストーブに押され、バーナーとタンクが分離するタイプのガソリンストーブが主流になった現在にあって、古いスタイルを守りかつ今だに販売されている唯一のガソリンストーブです。自分は金ぴかの真鍮ボディに惹かれて、弁当箱と呼ばれた8Rを蹴って123Rを買ったのですが、その選択は今だに間違ってなかったと思います。
   このストーブの最大の利点は、ガソリンストーブとしては極めてコンパクトな収納サイズであると思います。分離型のストーブはケース無しではパッキングしにくい形をしてますし、またケースも意外に大型になり燃料ボトルを含めれば、結構な収納サイズになります。その意味で123Rはソロ向きのガソリンストーブです。
   しかし、利点は欠点でもあって、タンク容量が少ないので全開で使うと60分しか持ちません。以前、友人と奥多摩でキャンプをした時、宴もたけなわの最中にガス欠になり、かつ予備の燃料もなくて途方に暮れた事がありました。バイクの時はタンクから抜けば良いですが、歩きの時は予備の燃料を持ち歩くとなると、結構邪魔に感じます。
   その他には、全開で燃焼中は音がやかましいというのがありますが、欠点らしい欠点はその程度しか思いつかない、良いストーブです。

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オプティマス123Rのプレヒートシーン
100年前に作られた製品だけに、古さを感じる部分もありますが
使いやすいのでデメリットに感じません


■コールマン550B

   このストーブは、元々は仮想軍隊クラフトフェルトで隊制式装備として買ったものです。アメリカ海兵隊でも採用しているのが理由でした。なので、ストーブの性能云々として買った訳ではありません。同じコールマンのガソリンストーブなら500番台より400番台が主流なのですが(2013年現在では、442-726Jのフェザーストーブ)、400番台はあまり火力調整が効かないのに、このストーブは弱火が自在に出来ます。その点はポイントが高いです。
   コールマンのストーブはポンピングによって加圧して点火するのですが、これを面倒とみるか操作感を味わえる魅力と感じるかは、その時の気力体力の問題かもしれません。パッキングサイズに関しては、400番台と共通のアルミケースに収納できるので、ガソリンストーブとしては標準的なサイズなんだろうと思います。もっとも、それを背負って歩くのはシンドイな、と思うのが正直なところですが。
   このストーブは、日本国内では販売されていませんので、故障しても直しようがありません。それが最大の欠点ではあります。要するに、壊れない様に気を使う、ジェネレーターなどの予備部品はあれば確保する、などなどの気配りが必要です。

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コールマン550Bを点火した直後
優れたモデルなのですが、何故か日本では売ってません


■MSRドラゴンフライ

   先にも述べたとおり、今の主流のガソリンストーブは、バーナーとボトルが分かれる分離型ストーブです。この手のストーブは元々はMSRくらいしか出してませんでしたが、今は色んなメーカーから分離型が出ています。
   この分離型ストーブというのは、元々は「どっちみち予備のボトル持って行かなきゃならないんだったら、ボトルにストーブ直結出来た方が楽じゃね?」的な発想で作られたと思うのですが、今となってメリットとなるのは、大容量のボトルを使う事で、長時間の使用に耐えるという事ではないかと思います。オプティマス123Rが120ml、コールマン550Bが300mlの容量に対して、MSRは325ml、590ml、887mlの3種類のボトルを用意しています。そして、このドラゴンフライは600mlで126分使える事になっています。しかし、ソロで一泊くらいのキャンプだと、一番小さなボトルでも余るほどです。
   また、この種の分離型ストーブは点火がちょっとした儀式で、ボトルをポンピングして、バーナーに接続して、フェルコック捻ってバーナーヘッドにガソリン出して、プレヒートして、やっとこ点火、と言う具合です。だから点火出来た時はとても嬉しいです。
   しかし、やはりパッキングサイズが大きいので滅多に使わず、そのまま放置してたりすると、フェールフィルターが固まって燃料が出ないなど、色々気を使うストーブでもあります。

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ドラゴンフライのプレヒート中
音が喧しい事、ポンプが壊れやすいと評判である事などを除けば
非常に完成度の高いストーブです


■各ストーブの利点欠点
   各々のストーブに魅力があって欠点もあるのですが、使用頻度の順を書くと、オプティマス123R、コールマン550B、MSRドラコンフライの順になります。使用頻度の高さは使い勝手の良さと比例してると思うのですが、では具体的にどの辺りが使い勝手の良さなのか、自分なりに考えてみると、以下の項目になるかと思います。
  • 収納サイズ
       歩きであれバイクであれ、最重要ポイントは重さとパッキングサイズです。デカくて嵩張るのは罪と言っても良いくらいです。自動車とかを使うならあまり重要ではありませんが、それでもコンパクトに越した事はありません。
  • 点火の手間
       プレヒート、ポンピング、ともに利点欠点があるわけですが、あまりにも複雑過ぎたり、確実に点火出来ない物は敬遠されます。簡単に越した事ないですが、確実に着けれる事が優先されます。
  • レギュラーガソリン使用の可不可
       ガソリンストーブは添加物の入ってないホワイトガソリン指定のものが多いのですが、これからの時代は自動車用のガソリンが使えないのなら、ガソリンストーブの命運は尽きると思っています。もっとも、毎日使うならともかく、たまにしか使わないならホワイトガソリンでも良いんじゃないかとも思いますが。
  • 火力の強さ
       ガスやアルコールに比べれば圧倒的に強いのですが、これらのストーブを差し置いてガソリンストーブが有利と感じられるのは、寒風吹き荒む中でも強い火力を発揮出来るところだと思います。
  • 弱火の調整
       米の飯を炊く上で、とろ火が出来るかどうかは非常に重要です。もっとも、これまでのガソリンストーブは外国製ばかりで、外人は米の飯を炊かないので強火か消火のどちらかといった、大味な火力調整しか出来ない物が多かったです。
  • 燃焼時間
       これはタンクの容量に左右されます。出来れば長く使えれば良いですが、コンパクトさと反比例です。言い換えれば、作戦期間の長さによって、どのストーブを選ぶかが決まります。
  • 使用中に移動させれるか
       基本的に使用中は火噴いているので、持ち運びはしないのが原則です。でも、ちょこっとだけ動かしたいとかいうのもままあるので、素手で持てるかどうか、予め知っておく必要があります。
  • 重い物を載せれるか
       ソロキャンプだったら使うクッカーもソロ用なのでそんなに重い物はありませんが、複数でキャンプしたりする場合は、4リットルのヤカン載せたりする事もあるので、どのくらいの重さまでストーブが耐えれるか知っておく必要があります。
  • 故障の有無
       ストーブと言えども工業製品ですから、壊れる可能性や修理の必要性があるのは当然ですが、あまり壊れず、いざという時はいつでも使える信頼性の高いものが好まれます。もし壊れる可能性があるなら、リペアの対策や訓練が必要です。
  • ファイヤースターターで点火出来るか
       マッチは本数によって点火出来る回数が決まりますし、ライターは寒い時に使いにくいものです。ファイヤースターターは濡れても風があっても使えるので、非常用としてこれが使える点は大きいです。
各種ストーブ対比表
参考までに、アルコールストーブとガスストーブも併記しました
ガソリン、ガス共に、収納サイズが大きいものは
仮に性能が良くてもあまり出番がない事を示しています


■収納サイズの重要さ

   自分が分離型のガソリンストーブを手に入れて辟易したのは、バーナー部はともかくボックスに収納できるものの、ボトルと一緒にパッキングしにくい、という事でした。そしてバーナー部を入れたボックスも大概大きいもので、この二つでバッグのかなりの部分を占有されてしまいます。長期にわたる作戦なら、そういった不便にも甘んじる必要があると思うのですが、1泊程度のキャンプでは明かにオーバースペックです。ドラゴンフライなどは、登山隊とか探検隊みたいな、複数人の共用装備として威力を発揮するストーブだと思います。
   パッキングサイズの小ささという点では、恐らくオプティマス123Rよりも小さいガソリンストーブはないと思います。しかし、タンク容量も小さい事から、1泊程度のキャンプならタンクに入った燃料で足りますが、それ以上となると別に燃料を持たねばなりません。となると、上記と同じ問題が起こる訳です。小さいボトルを器用にパッキングするか、2泊程度ならタンク容量の大きいコールマン550Bにするか(その方がアルミボックス1つで済む)、頭を捻らねばならないところです。
   ただ、確実に言えている事は、カチっと収まり良い形になっている物は、パッキングし易く持って行きやすい、という事です。

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昔のパッキング風景
限られたスペースなので、カチっと収まる形が好まれます


■自動車用ガソリンが使えるのはどうなの?

   今でこそレギュラーガソリンもOKというガソリンストーブが増えた気がしますが、それは野宿ライダーの皆さんが「レギュラーガソリンも使えたら良いのに」と強く願ったからに違いない、と自分は考えています。自分もその一人でした。もともと、ガソリンストーブの大半はホワイトガソリン指定の物が多かったのですが、バイクでキャンプ行く人は、バイクのタンクにあるガソリン(レギュラーもしくはハイオク)が使えた方が、燃料の補給上利便性が高かったのです。
   ところが、これは数週間以上、旅行やツーリングをする場合の話しであって、2〜3日だったらそれこそ燃料ボトルにホワイトガソリンを入れていっても良い訳ですし、1泊程度だったらストーブのタンクに入っている分だけで十分事足りる、なんて話しでもあります。となれば、あえて自動車用ガソリンに拘らなくても良いのでは、というのが最近の自分の考えです。
   確かに、ホワイトガソリンは自動車用ガソリンに比べたらエライ高い訳ですが、毎日使うならともかく、たまーにしか使わないなら、多少高くても問題にならんのではないかと思うのです。しかも、2バーナーのデカいストーブで盛大に煮炊きするとかいうならともかく、シングルバーナーの小さいストーブだと1リットルのホワイトガソリンを使い切るのに、何度かのキャンプが出来ます。
   昔の(そしても今も)ホワイトガソリン指定のストーブの多くは、添加物の入った自動車用ガソリンを使うと、ジェネレーターが詰まったり、煤が出たり、燃焼ガスが身体に悪そうな臭いする、等々の理由で、ホワイトガソリンを使う様に指定しています。実際、ホワイトガソリンと自動車用ガソリンを使い比べてみれば、ホワイトガソリンの方がクリーンな感じがします。
   そもそも、ガソリンストーブ自体の出番がめっきり減って、防災用として押し入れに入れている様な状態なのですが、併せてホワイトガソリンの買い置きも1リットル置いておいて、使う機会があればそれを使う様にしています。ただし、防災用という観点から言えば、イザとなればバイクや自動車からガソリンを抜いてストーブに使えるというのは強みですから、自動車用ガソリンを常用しないまでも、「使える」という要素は大事だと思っています。




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