2014年03月12日

日本陸軍:九八式小円匙(レプリカ)

   先月、東京では数十年ぶりの大雪が降ったのですが、雪かきする道具はマンションに掃除に来るおばちゃんが使ってるちり取りしかありませんでした。これまでの雪はちり取りでも何とかなってきたのですが、そんなモンではまったくラチが開かないのはやってみて直ぐに分かりました。そこで急遽、近所の駄菓子屋のおばちゃんからスコップ借りてきて作業をしたのですが、この種の作業や防災用も兼ねて、円匙の一丁もあった方がいいな、と思いました。

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数十年ぶりというくらいですから、積もり方が半端なかったです
左に写ってるのが、駄菓子屋から借りてきたスコップ


■九八式小円匙
   順当にいけば、ホームセンターに行って工事用のスコップを買ってくれば良いのですが(しかも、雪かき用なら平スコップの方が便利)、そんなデカイもんウチに置く余裕はありませんし、ただのスコップではイマイチ食指が動かないものです。そんな時に、御徒町の中田商店に小円匙が入ってるという情報を耳にしたのを幸いに、善は急げと買ってきました。というのも、日本軍の小円匙は人気があるらしくて、入荷したら直ぐ無くなるらしいからです。
   自分が行った時には、在庫がゴロゴロあったのですが、店員のにーちゃんから「旧型にしますか?それとも新型で?」と訊かれた時は、一瞬迷いました。自分が今揃えてる軍装的には、どっちが良いのか?旧型の方が大戦末期までカバー出来そうだけど、今注文してる九九式背嚢に旧型の円匙は似合わないぞ? とまぁ、マニアな事で迷っていたのですが、旧型より一回り大きいという事で、新型にしました。
 
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■特徴
   ウチに帰って包装のプチプチを剥がした時、まず感じたのはブレードがかなり大きい、という事でした。かつ柄を着けると長さも相当なものです。昔所有していた米軍のエントレンチングツールと比べると、二周りくらい大きいイメージです。重さも、米軍の現用の物が1.2kgなのに対して、九八式小円匙は1.6kgと重めです。
   この小円匙のもう一つの特徴は、ブレードと柄が分離する点です。大体軍隊で使われる携帯用のスコップは、小振りでブレードと柄が一体型か、ブレードを折り畳む事で小型化を実現しているのですが、ブレードと柄が分離するのはあまり聞きません。まぁ、工事用のスコップだって、ブレードと柄はビス止めされているだけなので、分離する訳ですが、ともかく携帯用のスコップの形態としては特異な部類に入ると思います。
   もちろん、スコップと柄をくっつけただけでは、いくらキツく差し込んでも何かの拍子に外れる可能性がある訳で、それを防止するために、ブレードと柄は麻縄で結わえ付ける様になっています。麻縄は6mmの物で長さは約60cm。ブレードと柄の穴に通して、先端を団子結びにします。自分は柄を差し込んで6回転したらキツく絞まる様に調整しました。
   麻縄をつけてみて感じたのは、実にジャパネスクなフォルムになるという事。ちなみに、麻縄は水に濡れると引き締まる性質をもっていますし、こうやってクルクルと柄に巻き付ける事で、作業する時の滑り止めにもなる様です。買った時には気がつきませんでしたが、実際に使える状態にしてみると、先人の知恵を感じられるアイテムでした。


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中田商店製の九八式小円匙
ブレード、柄、カバーのセットで麻縄は自分で買ってくれとの事
柄の先端の形状がちょっとアヤシイんだけど
まぁ、目をつぶりましょう

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6mmで約600mmくらいの麻縄を付けます
先端は団子結びです
端っこを短く団子結びにするのは難しいので
一旦団子結びにして、要らん方をカットした方が楽です

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ブレードに柄を軽くさし込んで
麻縄をクルクルと巻く様に回して行きます

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最後、ギュギュッと絞まる様にブレードに柄をねじ込みます
外す時は逆に回せば良いのですが
使ってる時にうっかり柄が取れたりしないのが凄いです
麻縄も滑り止め代わりになるアイデアものですw


■収納の仕方
   さて、この小円匙は布製のカバーに収納するのですが、実は最初、収納の仕方が分かりませんでした。カバーの表面が左右に分かれる様になっていて、収納する時にビロビロにならない様に上下に付いてる紐を結ぶって事は分かったのですが、円匙のブレードは上から幾らでも出たり入ったりする訳で、、、
   で、いろいろ調べてみたら、上の紐はブレードに柄を差し込む首の所に巻き付けて結ぶ、という事が分かりました。まぁ、ちょっと考えたら分かりそうなモンですが、モダンな米軍装備に慣れ親しんだ昭和元禄生まれの頭では、なかなかピンと来ませんでした。しかし、こうやって結んでおけば、結び方が悪くない限りカバーとブレードが生き別れになる心配はありません。もっとも、下に付いてる紐は、別に無くても良いんじゃないかと思うのですが、ここにも先人の知恵があるのかもしれませんから、今後、鋭意調査していきます。
   このカバーの背面には、円匙を背嚢に縛着する用と柄を差し込む用のループが設けられています。背嚢に縛着して運ぶ時は、ブレードと柄を分離して収納する訳です。そこで気になったのが、ブレードと柄を結わえてる麻縄の処理。いろいろ調べたのですが、どうしろと書いてる資料が見つかりませんでした。そこで、柄とブレードの首をクルクルと巻いて、いい感じにブラブラしない様にしました。正解かどうか分かりませんが、おそらく似た様な事を昔の兵隊もやっていた様に感じます。

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カバーの上の紐を、ブレードの首に巻き付ける様に結びます
これでカバーが外れる事はまずありません

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柄はカバーの裏のスロープに差し込みますが
その前にブレードの首と柄をクルクルと麻縄で巻きました
正規のやり方か分かりませんが、柄がブラブラしません


■新型がデカイ訳
   ところで、中田商店のにーちゃんから「旧型か新型か」と訊かれた様に、新型の九八式小円匙が採用される前から小円匙があったのですが、そちらはこの九八式に比べると一回り小さいブレードです。どちらかかというと、そちらの方がドイツ軍や米軍の携帯スコップに近い大きさをしています。ではなんで昭和13年(皇紀2598年)に小円匙が更新されたのか?
   九八式小円匙のブレードの中央には、小さい穴が2つ開いているのですが、なんとこれは目の間隔にぴったりです。つまり、この小円匙は、塹壕の淵から顔出して敵情を見れる様に作ってあるという訳です。ちなみに、ブレード部は厚み3mmの防弾鋼材との事。
   しかし、お面の様に使うにしても、ブレード部が小さくて顔がはみ出てたら、敵の弾に当たらんとも限らん訳で、顔の大きさに合わせてブレードを大きくしたみたいです。この種の携帯スコップを白兵戦の武器として使ったって話はよく聞きますが、防弾装備にしたのは日本軍くらいなもんじゃないでしょうか。ちなみに、旧型の小円匙ではブレードの先が丸いですが、九八式小円匙は尖っています。要するに、白兵戦の時は突き刺してやっつけれる工夫がされてる訳です。
   まぁ、何にせよ、雪かきとか防災用としては、防弾お面として使う事もありませんし、もちろん白兵戦やったりする訳でもないので、この辺りの機能はあってもあまり意味がないのですがw それ以前にレプリカですので、防弾鋼材かどうかもアヤシイので、普通にスコップとして使いますw

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ブレード部の中央に開いている小さい穴
日本人の平均的な目の間隔に開けてある様です

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こうやって手で持って使ったのか
それとも塹壕の淵に突き刺して使ったのか
これも先人の知恵ですねw



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