2014年03月31日

日本陸軍:代用編上靴(USタイプ アンクルブーツ)

   大体いつも軍装をやる時に一番困るのが、靴の問題です。多種多様な人種が入隊する米軍の場合は、それこそ事細かに靴のサイズが設定されていて、自分の足にぴったりの靴に困らないのですが、他の軍隊となるとそういう訳にも行きません。今回の企画でも一番困ったのが編上靴でして、一応はレプリカも当たってみたのですが、サイズが28cmまでしかなくて、試着もしましたが全然入りませんでした。ちなみに自分の足は、長さが28cmですが甲周りが29cmですので、靴を買う時は29cmの靴を買います。モトクロスのブーツも、28cmまでは店に置いてあるのですが、それ以上は取り寄せになるので、注文してから3ヶ月後にイタリアから届くという案配です。

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今回試しに調達してみたUSタイプ アンクルブーツ
形とか見た目云々よりも、履けるかどうかで選びました

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見た目上の大きな違いは、靴ヒモの穴の数の他に
後ろに靴履く時に引っ張るベロが付いてない事です


■代用品の選定
   まぁ、ともかく無い物は仕方ない訳で、そうした人向きに「バックスキンのアンクルブーツなら可」みたいなレギュレーションもある様ですので、それに従う事にしました。バックスキンというのは、革の裏が表側にしてある靴の事で、アンクルブーツというのは第二次大戦時に米軍が履いてたブーツの一つで、靴ヒモの穴の数が違うだけで遠目には日本軍の編上靴と似たり寄ったりの形をしてます。ちなみに長靴のイメージのあるドイツ軍でもアンクルブーツを使ってたりもして、これまた形がよく似てます。つまり、よく似た形の靴履いた軍隊同士が昔は戦争してた訳ですね。
   それはおいといて、それっぽい靴を探しまくった訳ですが、これがなかなか見つからない。ある所にはあるのでしょうが、ネット通販程度では、それっぽい以下の靴しかありません。ABCマートにそれっぽい靴がある、という情報もあったのですが、自分が行った時にはすでに品切れ寸前で、かつサイズが28cmまでしか無いという事で諦めました。
   そんな折、「米軍 アンクルブーツ」で検索したら、大量に引っかかったのが、BLACK TACのUSタイプ アンクルブーツでした。色はサンドとブラックの2色。サイズは29cmまでと、有り難いサイズ設定です。何より値段が5040円と安い。とりあえず、注文してから品定めする事にしました。まぁ、履ける靴があるだけでも有り難い、といったところです。

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一丁前に中敷が入ってました
やはり有ると無いとでは大違いだと思います

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底はゴム底です、革底に鋲が打ってあるのは
滑り易いという事で、当時から不評だったとか


■履き心地
   かつて自分は靴などは消耗品と割り切って、5000円以下の革靴を履いてたりしたのですが、安かろう悪かろうの例に漏れず、その手の安物の靴は半年もしない内にボロちくなって、靴墨塗ろうがどうしようが、10ヶ月後くらいにはカブトムシの死骸みたいに見るも無惨な状態になってしまうものです。なので最近は最低でも1.5万円くらいの靴を買う様にしてます。まぁ、それでも安い訳ですが。
   それから考えれば、5040円というのは安物の部類に入ります。ともかく、もうちょっとマシな代用編上靴が見つかるまでのつなぎ、と考えていますので、直ぐダメになるのは織り込み済みです。その上で、とりあえず履いてみました。履いてみた感じは、意外にあまり悪い物ではないという感じでした。サイズが合っているからキツさを感じないし、一丁前にも中敷も入ってたりして、クッション性も悪い様に感じませんでした。
   靴底は黒いゴムで、結構厚めです。もっとも、革底のレプリカを買った人も、使い勝手を考えてゴムを貼ったりするそうですから、結果としてはこれで可でしょう。ちなみに、昔、陸軍に編上靴を納入してたムーンスターが、その編上靴の復刻版を出してましたが、これもゴム底に替えてありました。もっとも、それもサイズが28cmしかなくて(しかも2.5万円ほどした)買えなかったのですが。
   実際に、山を歩いたり雨の日に使ってみない事には堅牢性までは判りませんが、とりあえず普段履き程度には使えると感じました。

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汚い足失礼www
足首の所がカパカパに開いてるのが気になりますが
昔の靴はこんな感じだったんですかね


■編上靴らしくする
   さて、旧陸軍ではバックスキンの編上靴に保革油、つまりミンクオイル塗って手入れしたと言います。現代的な感覚で言えば、バックスキンとかスエードに油塗りますか?みたいなところがあるのですが、実際問題としてその様です。ちなみに、靴の手入れの時に地べたに座ってやってたら古兵殿にビンタ食らわされます。正しくは蹲踞の姿勢でやります。
   それはともかく、防水性等を考えたら、油くれてやった方が良いのでミンクオイルを塗ろうと思ったのですが、問題は塗った後の色。普通は、飴色とか茶色になるのですが、このブーツは色がサンドです。試しに塗ってみたら、案の定、灰色っぽくなってしまいました。これでは全然、陸軍の編上靴っぽくない。
   そこで、靴の扱いとしては正解か禁じ手か判りませんが、茶色の靴クリームを塗って色を着けてみる事にしました。この靴クリームは、普段は茶革の革靴のつや出しに使っているもので、それを塗って靴が固くなったとかいう事は一度もありません。
   そこで塗ろうと思ったのですが、表面がザラザラしてるせいか、いつもの様に擦る様なやり方では全然塗れません。むしろポンポンと軽く叩く様にしながら色を着けて行く感じでした。しかも、塗るというよりは染込むといった感じで、塗り終わった時には靴全体がシケシケしてました。とりあえず、数日放置して乾かす事にしました。
   数日後、乾いたのですが、ちょっと色ムラがあるので、もう一度塗る事にしました。というか、乾いたら靴全体がパリパリになった感じで、大丈夫かなー、という感じです。今さら後戻りは出来ないので、そのまま念入りに色を塗りました。また、靴ひもの穴の裏にも塗りたかったので、こちらは100均で平筆を買ってきて塗りました。

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とりあえず、靴墨塗ってみたの図
全体的にシケシケして、手で触ると色が付きます

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乾いたらカパカパに固くなりました
左は2度塗りした後の状態です

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裏側は筆使って塗りました


■保革油を塗る
   2度の塗装が終わって、やっとこ乾燥。靴はパリパリのゴワゴワ状態です。まぁ、これからミンクオイルを塗り込んで、柔らかく履き心地よくしてやるぜ!と意気込んで、ミンクオイルを塗り込んで行きました。ちなみに、旧陸軍では素手で保革油を塗ってたみたいです。まぁ、その方が体温で油が柔らかくなって塗り易くなったでしょうし、指先で細かな所も塗れそうなので、案外、理にかなったやり方なのかもしれません。まぁ、その後、石けん使ってもなかなか油っぽさが取れませんが。
   自分はいつもの様に、ボロ布に油を付けて塗りました。そりゃもう、徹底して塗りました。ともかく、全体的に塗り込んで、数日放置。普通の革なら、時間を掛けて油が革に染込んで行き、1回目くらいだと数日すれば表面は油っぽさが無くなります。ところが、この靴は、多少は革が柔らかくなったものの、やはり届いた時よりは固い状態で、しかも表面はまだペトペトしてる感じでした。
   ともかく、頃合いを見計らって2回目の油の塗布を行い、様子を見ました。試しに履いてもみたのですが、くっきり履きシワが残ってしまいました。ともあれ、2回油を塗ってやった事で、靴墨が乾いた後のカチカチ感は大分軽減されました。

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いきなりミンクオイル塗ったら、灰色になりました
結論から言えば、靴墨塗らない方が
靴的には良かったかもしれません

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保革油塗ってテッカテカの状態
このミンクオイル、買って10年以上経ってますが
全然問題なく使えました


■靴ヒモだけはレプリカにする
   この靴に付属の靴ヒモは、スニーカーとかに使われてるのと同じ断面が丸いもので、端っこの留めもビニール留めです。見るからに旧陸軍の編上靴のヒモと違います。一応は探したのですが、売り切れという事で仕方なしにそのまま使う事にしました。まぁ、靴ヒモの前に、穴の数もピッチも全然違う訳ですから(旧陸軍の編上靴は5穴)、見る人が見たら一発で違いが判る訳です。
   靴ヒモの通し方も結構独特で、ネットで調べて通し方を勉強しました。やってみて判ったのですが、ヒモを引っ張って締めるのがスムーズでない代わり、緩みにくい通し方の様です。閉口したのは、塗った靴墨がミンクオイルで若干溶けるのか、ヒモを通しているとヒモが茶色く汚れてしまう事です。まぁ、本来なら靴墨など塗らない訳ですから、これは仕方ないと思います。
   実は後日、Vショーで旧軍の編上靴のヒモを作ってた業者に頼んで作った、という靴ヒモのレプリカを入手する事が出来ました。平ヒモで案外細いものです。端っこの留めはちゃんと真鍮の金具が使われていました。せっかくのレプリカなのに、溶けた靴墨で汚れるのが残念でしたが、付け替えたところ、やはりこっちの方がそれっぽい感じになりました。

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付属の靴ヒモは色が明るすぎて浮いてます
一応、ヒモの通し方は旧軍に準じました

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こちらがレプリカの靴ヒモ
一気にそれっぽくなりましたw
ただ、靴についたシワが、この先そこから割れそうで気になります


■安かろう悪かろう
   さて、一応、代用編上靴として体裁を整えた訳ですが、何度か室内で試着している間に、靴の内側の裏張りの布が剥がれて浮いてきました。たった数回履いただけでこの体たらくでは、そうそう長持ちしそうにありません。おそらく、1回作戦をこなしたらアウトの予感がします。
   実は、靴ヒモを手に入れたVショーの時に、もっとしっかりしたアンクルブーツが売っていたのですが、他にも優先順位の高い買い物があり、また財布を落として金欠であった事もあって、今回は見送りました。しかし、物としてはそちらの方がしっかりした造りの様でしたし、色もいかにも旧軍っぽい色をしてました。一体いくらするのか判りませんが、次回のVショーでは手に入れたいと思います。
   ともかく、28cm以下の人はレプリカの編上靴を探した方が良いと思いますが、それ以上のバカの大足の人向けに、今回あえてレポートしました。

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まだ一度も使ってないのに
何度か履いたり脱いだりしただけで
内張りが剥がれてきました



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tanisi_corp at 20:00コメント(6)

コメント一覧

1. Posted by みゅう   2014年04月01日 13:27
実は私も靴が無い人です…マラソンだと、ワンサイズ大きいのを履くことが多いのですが、実寸が24.5cm。マラソンのシューズは25か25.5になってしまい…もちろんレディースは無いし、私の場合は幅が無く2Eなのでますます履ける靴が無いんです。ピンクとかかわいいシューズが履きたいけれど、そんなこと言っていられず…「みゅうが履けるのはこれ!」と(私の所属チームは靴屋さん)…2種類あれば良いほうです。でも40kmとなると小さな無理が故障になるので複雑な気持ちです。
2. Posted by たにし   2014年04月03日 11:28
>みゅうちゃん

最近、デカい足用の靴屋ってのが都内でも沢山あるけど、
そう言われたら、全部男物ばっかだなー。
まぁ、実用第一の靴は、オシャレとか見栄えか待ってられんよね。
オシャレ靴は別に買おうww
3. Posted by みゅう   2014年04月03日 22:39
わーい!たにしさんが、みゅうちゃんって呼んで?くれた😊
焼きそば弁当送らなきゃ💨
普段の靴は、かわいかったら、多少の痛みは我慢です!(笑)
ナースサンダルは、私サイズでも可愛いのがいっぱいあるし、履き心地抜群だし、選び放題なのになぁ…
4. Posted by たにし   2014年04月05日 00:10
>みゅうちゃん

ご飯のおかずに焼きそば食える質なのでOK!!!
しかし、ナースサンダルに可愛いのがあるってのが意外だった!!
5. Posted by 通りすがり   2015年12月02日 05:20
バックスキン=バック(鹿)の革 の意味ですね。
牛革を裏返しに使ったものではないのでご注意ください。
それは単に「スエード」と呼びます。
6. Posted by たにし   2015年12月02日 19:22
> 通りすがりさん

そういう意味だったんですね〜〜!
ご指摘、有り難うあります!
編上靴、全然入手できません!!!

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