2015年12月14日

ケロスト静音化の試み(断念)

   先日購入したケロシンストーブ、オプティマスNo.45は、いわゆるローアバーナーという燃焼音がやかましいタイプです。あの音が心地よいだの頼もしいだのいう意見もあるのですが、台所で使うには耳障りです。自分を同じ様に考える人は昔から多かったと見えて、音の静かなサイレントバーナーというのがあります。ケロストが元々は台所で使う事を目的として作られた経緯を考えれば、サイレントバーナーが求められた理由はもっともな事です。実は、No.45の姉妹品というべきNo.48はサイレントバーナー仕様なのです。しかし、No.48がこの次、いつ出品されるか分りませんし、またもう一つ下のサイズのNo.00にサイレントバーナーを付けたい、という希望もありましたので、他社製品で付きそうな物を試す事にしました。

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左がロイヤルストーブNo.7-1
右がファロスストーブNo.1
ロイヤルの方が全然出来が良いです


ファロスストーブNo.1
   ケロシンストーブを買おうと思って色々調べていた時に見つけていたのが、インド製のファロスストーブでした。そのNo.1はサイレントバーナーが標準装備です。結局、オプティマスNo.45を買ったので、買わず終いだったのですが、そのサイレントバーナーがパーツとして取り寄せれる事は分っていました。また、事前の情報で、オプティマスNo.45に相当するプリムス100に取り付け可能という事も分っていましたので、取りあえず付けれるだけは付けれるだろうという事で、取り寄せる事にしました。
   さて、届いた物を見た一番最初の感想は、「この上なく出来というか、仕上げが悪い」という事でした。まぁ、有りがちな話しですが、壮麗な建造物や緻密な工芸品とか作れる割には、工業製品は雑なのがあっち方面のお国柄の様です。バリはある、淵は不揃い、傾いて熔接されてる、云々カンヌンで、安かろう悪かろう的な出来栄えです。
   文句はそこまでにして、取りあえずNo.45のライジングチューブに取り付けてみる事にしました。余熱皿はNo.45のを使い回しです。ところが、いくら締めても余熱皿がグラグラで締まりません。しかも、かなりのトルクを掛けてて、このままいったらライジングチューブ割れちゃうんじゃない?って感じです。そこで、一旦外して、バーナー期部のネジを見てみると、No.45より若干長い様に見受けられました。そこで、パッキンをもう1枚増やして隙間を埋める様にしました。
   その後、タンクに取り付け、プレヒートを施し点火。シューっと火が出ました。確かに静かです。しかし、ローアバーナーに比べると、元気がないというか、火力が弱そうというか、そんな気がします。音が静かだから気のせいかとも思いましたが、もしかしたらニップルが詰まり気味なのかもしれません。なにせ出来の悪い製品だから、その可能性が大です。そこで、No.45のプリッカーで掃除しようとしたら、ニップル穴に入りません。詰まっているという訳でなく、ニップルの穴がどうも細い様です。そこで、No.45のニップルと交換してみたのですが、今度は火が溢れる様な感じで火だるまになり、どうみても様子が変です。結局、ニップルを戻したのですが、次に点火してみると、火が赤い。最初は青かったのですが、二度と青火に戻りませんでした。
   しかし、もっと致命的だったのが、ファロスのサイレントバーナーがNo.45のローアバーナーより長いらしくて、五徳より頭が出てしまい、飯盒の底がサイレントキャップに突いてしまう事でした。五徳の足を延長するか、五徳の上に何か置いて上げ底にするか、対策しない事には使えない訳です。

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ファロスのサイレントバーナーの内部
あり得ん所にバリが残ってます

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No.45のライジングチューブに取り付け可能ですが
締めすぎない様にパッキンを増やしてます

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No.45のローアバーナーとの比較
ほんの気持ち、ネジの出来栄えが雑なのか
ファロスのは締め込みが大変でした

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プレヒート中
この後、サイレントバーナーはとても汚くなりました

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ひとまず、燃えるには燃えたのですが
音が静かなだけでなく、火力も弱そうです

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No.45のローアバーナーのプリッカーが入りません
サイレントバーナーのニップルは穴が小さい様です

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No.45のニップルに替えると御覧の通りの火の玉に
とても使える状態ではありません

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この展開は予想してませんでした
ともかく、このままでは使い物になりません


ロイヤルストーブNo.7-1
   この頃、気になるケロシンストーブがebayに出品されていました。それはオプティマスNo.00にサイレントバーナーが付いたタイプです。オプティマスに限った事ではありませんが、中型小型のケロシンストーブにサイレントバーナーを備えたタイプは、純正では存在しません。それ故に、最初っからサイレントバーナーに換装された中型ケロストというのは、魅力的でした。取りあえず使える様ですし、取り寄せてみる事にしました。
   まずはサイレントバーナーの出所を探したのですが、どうやら韓国の東一金属という会社のロイヤルストーブNo.7-1のバーナーである事が分りました。このストーブは、オプティマスNo.00のコピーらしいのですが、所々、独自の改良を加えてあって、バーナーがサイレントとローアの両方を切り替えて使える様になっている仕組みの様でした。ともあれ、特段、工作する事なくオプティマスNo.00に取り付けが可能だったのは、コピー故の事だった様です。
   さっそく点火してみたのですが、一応使えるには使えるものの、やはり火力が弱い感じ。その前に、80回くらいポンピングしないと全開にならない感じです。試しに、No.45のローアバーナーを付けてみたところ、やはり全開状態になるのに80回くらいポンピングをしないとダメでした。逆に、ロイヤルのサイレントバーナーをNo.45に付けてみたところ、ライジングチューブとタンクの接合部から油漏れを起こすので、パッキンを2枚重ねにして防漏する必要があるものの、取り付ける事が可能でした。しかし、こちらでもやはり火力は低い様な感じでした。
   火力が弱そうに感じたので、プリッカーでニップル穴を掃除しようとしたのですが、ロイヤルのサイレントバーナーのニップルも穴が小さく、プリッカーが入りませんでした。サイレントバーナーのニップルは穴が小さいのでしょうか。また、このストーブでもバーナーに対して五徳が低く、辛うじてツライチの状態で、火の“美味しい”部分が使えてない様でした。

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タンクの大きさに対して、バーナーがやたらデカイです
武井のパープルストーブに近いフォルムです

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確かに使えますが、全開になるまでポンピング80回おかしい
しかも、火力がやはり全開っぽい感じでない

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試しにNo.45のローアバーナーを付けたところ
全開になるまで、やはりポンピング80回

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No.45にロイヤルのサイレントバーナーが付きました
ファロスのよりは高さが低かったです

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置いて置けない事はないけど、不安定だし
美味しい部分が使えてません


■オプティマスNo.00を使い物にする試み
   オプティマスNo.45とNo.00では、タンクの大きさも異なり、その分、ポンピングロッドの長さも違う事から、No.00の方が圧を高めるのにポンピング回数が多いのは、ネットにアップされている動画からも分ります。しかし、それにしても多くて30回くらいなもので、80回は多過ぎです。80回もポンピングしなければならないのは、圧が上がらない、火勢がつかないからで、その原因はいくつあります。
   まず、バーナーが詰まっている場合。No.45はバーナーヘッドを洗浄する事で、定格の性能を発揮する様になりました。今回は、そのバーナーに付け替えても80回ポンピングですから、この線はなし。
   他から圧が漏れている場合。一番良いのは、水に付けて、空気が漏れている箇所を調べる事ですが、そうすると後始末が大変なので却下。そこで、タンクのセンターキャップとフェールキャップにサランラップを被せてからキャップを締め込み、ポンピングをして、減圧弁を開いてみる。普通ならシューッ!と圧が抜けるのですが、シュとしか言わない。しかし、まったく言わない訳でないので、タンクのどこかから漏れてるとは考えにくい。
   次に逆止弁がバカになっている場合。一応、逆止弁を抜いて点検してみましたが、問題はなさそうでした。一応、マナスルの逆止弁に付け替えてみましたが、それでも改善されませんでした。
   最後はポンプです。自分のところに届いたNo.00はポンプがOリングタイプのものでしたので、革カップタイプのロッドを注文しました。そして付け替えようとしたのですが、Oリングタイプのロッドロブはネジ止め式でなく、なんと接着してありました。そうとは思わなかったので、かなりビビりましたが、ともあれロッドを交換して、ノブはエポキシボンドで固定しました。ロッドの長さは革カップタイプの方が短かったのですが、それでも問題なく使え、ポンピング回数も30回くらいで全開に持って行ける様になりました。

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逆止弁はNo.45と同じもの、すなわち、マナスルのが使えます

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上が取り寄せたポンピングロッド
下がもともと付いていたもの
まさか、ノブが接着だと思いませんでした
(No.45はネジでした)

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仕方ないので、外したノブをエポキシボンドで接着
がっちり付きました

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取り寄せたポンピングロッドは古いタイプみたいで
ロッドが鉄でなく真鍮でした


■上げ底アダプターの作成
   ファロスでれロイヤルであれ、サイレントバーナーを付けると五徳より頭が出るとか面一になるという事で、これに対する対策として、上げ底用のアダプターを作成しました。ロイヤル&No.45の場合、ファロスのトッププレートを使えば対処出来たのですが、オプティマスNo.00のトッププレートは国内では調達出来ず、海外だと送料などで3,000円ちょっと掛かってしまうので、アルミ板で作成する事にしました。
   しようしたのは、厚み3mm幅20mmのアルミ板で、輪っかにするには、近所の適当な交通表示のポールに押し付けて、力技で丸く仕上げました。熔接はさすがに自分では出来ないので、バイクでいつもお世話なってるMotoshop TOYZのマックさんにお願いして、アルゴン熔接して貰いました。ところが、お店にアルミ板を丸く曲げる機械がある事が分り、こんなんだったら最初から全部任せちゃえば良かったと思いました。
   あとは、五徳のが入る切り込みを金ヤスリで削って完成。大き過ぎず小さ過ぎず、丁度飯盒が乗る大きさに仕上げました。ちなみに、No.45でも使う事が出来ます。

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原案は紙で作りました
本来はトッププレートの方が良いですが
それでも高さが稼げない可能性がない訳ではないです

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よくよく考えたら、バイクのマフラーまで作っちゃうんだから
この種の機械もあって然るべきなのかもw

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鉄の熔接が出来るバイク屋さんは多いですが
アルゴン熔接はあまりないので、とても重宝ですw
ちなみに、マックさんは、アルミ熔接でバイクのタンク作ったりします
(あと、チタンマフラーとかwww)

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仕上がりはこんな感じ
良い感じに高さを稼げました



■実用試験
   さて、実際に使ってみた感じです。組み合わせは、ファロス+No.45、ロイヤル+No.45、ロイヤル+No.00で行いました。飯盒で2合炊いた時の強火と弱火の時間がどれくらいかを計測しました。ちなみに、No.45、No.00とも、ローアバーナーの場合、No.45は強火4分半弱火5分弱、No.00は強火5分弱火5分という結果でした。
   サイレントバーナーの場合、ファロス、ロイヤル問わず、強火で6〜7分、弱火で4〜5分という結果でした。強火で5分以上沸騰に時間が掛かる場合、半煮え傾向が強まって来ます。理想的なのは3分半ないし4分で沸騰する強火ですが、ケロシンストーブはやや時間が掛かる傾向にあります。しかし、それに輪をかけてサイレントバーナーの場合は時間が掛かりました。ちなみに、2リットルのヤカンを沸かす場合、No.45では約16分で爆沸しますが、サイレントバーナーだと30分近くかかってまだポツポツ泡が出る程度。全然使い物になりません。
   テストを繰り返す中で感じたのは、サイレントバーナーのニップル穴はローアバーナーより細いのですが、それがために「糞詰まり状態」になって、いくらポンピングしようが火力が上がらない様な感じでした。顕著だったのは、ロイヤルのバーナーをNo.45に付けて実験していた時、ポンピングの後にポンピングロッドが、勝手にニュ〜っと伸びて飛び出て来た事でした。これはタンク内の圧に負けて、ロッドが押し戻される現象の様でした。ローアバーナーではこうした現象は起こりません。
   結局、静かには違いないが、火力がガタ落ちになる事、ニップルを替えて吐出量を替えたら火の玉になる事、そして、結局のところ、ケロスト程度のローアであれば、まぁ辛抱出来るかな、という事(MSRドラゴンフライは辛抱できない)、などなどの理由により、静音化計画は中止する事になりました。

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ファロス+No.45
音は静かですが、沸騰するまでに6分くらい

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ロイヤル+No.00
こちらも沸騰するまでに6分+アルファ

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2リットル湯沸かし
一体いつ沸くんか、という感じでした

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1リットルも試しましたが、時間ばっか掛かる感じでした

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火力を上げようとポンピングした結果
勝手に伸びてくるポンピングロッド
ニップルが詰まり気味の症状では
いくらポンピングしても意味がありません


■まとめ
   当初の目論みでは、サイレントバーナーに替えて、静かにウチでケロスト生活を楽しむつもりだったのですが、結果は惨敗。静かは静かですが火力激落ちで、美味い飯が炊けないという結果に終わりました。やはり、素人考えではどうにもならない事があるものです。
   しかし、サイレントバーナーを装備してるストーブが、みな火力を犠牲にしているかといえばそうではなく、メーカーが開発してサイレント仕様で出荷されているものは、ローアバーナーと変わらぬ火力だとか。まぁ、そうでなければ売り物にはならない訳です。ここは一つ、オプティマスNo.48を手に入れて確かめたいところですが、この次に出品があった時に、まだケロスト熱が残っていたら、チャレンジしてみようと思います。



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