野営装備

2016年08月25日

   このスパイダーキットがいつ頃から発売されたのか知らないのですが、2008年頃には製造が終わっていた様です。売られていたのは知っていたのですが、その頃、自分は既に液燃ストーブに移行していましたので、全然関心を持っていませんでした。
   ところが、このスパイダーキット、今ヤフオクでは、大体1万円前後で取り引きされています。では当時はいくらで売られていたのか調べてみたら、税別3,800円でした。聞けば当時は不人気で、最後には半額くらいで投げ売りされていたとか。その早過ぎた名器?を、自分も大枚はたいて調達しました。

20160819_093108
今回調達したスパイダーキット、ほとんど未使用でした
収納袋は大きめの方でなく、小さい方のが来ました



■スパイダーキットの意義
   このスパイダーキットは、それまでガスカートリッジの上に載っていたバーナーを、より地面に近い位置に持ってくるための装置です。MSRを嚆矢とする分離型ストーブの形態で使うのがその目的です。より地面に近い方が、転したりする恐れが少なく安定して使える事から、液燃のマルチフェルストーブはそのほとんどが分離型となっており、現代の主流といっても過言ではありません。
   このスパイダーキットは、既存のガスストーブを分離型として使える、時代の先端を行く器具であったと思います。ただ、スパイダーキットが発売された頃は、まだまだ分離型ストーブは一般的ではなく、その効果も十分認知されていない時代でした。自分の感覚からしても、縦置きのストーブになんら不都合を感じておらず、わざわざ分離型にしたって、場所食って仕方ないくらいの印象しか持っていませんでした。その為に、スパイダーキットは不人気のまま製造終了した様です。
   ところがその後、分離型ストーブの人気が出始め、韓国や中国で類似品が作られる様になり、遅まきながらスパイダーキットの需要が高まった、という事だと思います。

20160819_093320
スパイダーキットにIP-2243を付けた様子
250のカートリッジだと高さは大して変わりませんが
500のカートリッジで比べたら、かなりのローダウンになります

20160819_094645
足はステンレス製で、かなりの強度があります

20160825_001648
テーブルの上など、高い位置にストーブがある場合に便利です


■スパイダーキットの使い勝手
   スパイダーキットは、プリムスのガスストーブならどれでも装着可能です。という事は、OD缶対応の他社のストーブも使えるという事ですが、一応、メーカーは推奨してませんので、そのつもりで使いましょう。
   足の材質はステンレスで頑丈です。実際に2リットルの水の入ったヤカンを載せてみましたが、しっかり支えてました。ただし、足を束ねる軸の部分は、使用時には地面から浮いていますので、ヤバいかなと思った時は、軸の下に何か台を充ててやると良いと思います。
   スパイダーキットから出ているホースは、外皮がメッシュで熱にも丈夫に作られています。また柔軟性があって、ガス缶をどこにでも置けます。対応しているのはOD缶だけですが、CB缶アダプターを使えば、カセットガスでも使う事が可能です。ホースが長めなので、カセットガスを立てても使う事が出来ました。
   もし、欲を言うなら、ガス缶を繋ぐコネクタの首が、くるくる可動してくれたら、カセットガスを置く時にカセットガスの向きを自在に変えれたのにな、と感じたのですが、プリムスの製品ですからガスカートリッジ以外での使用を前提としてませんし、丸いガスカートリッジには要らん機能だな、と気が付きました。

20160824_004851
2リットル入りヤカンも軽々
スパイダーキットは、大型のガスストーブの方が似合ってると思います

20160822_234444
アダプターを使えば、カセットガスも使えます
ただし、火力はガスカートリッジより劣ります

20160819_095001
重いものを載せて心配なら、下に台を置いてやると良いかも

20160821_175204
この首の部分が動いたらなー、と思わないでもないです


■スパイダーキットの感想
   スパイダーキットの重さは、約190gだそうです。ストーブのケースには入りませんので、別個で持って行く必要があります。昨今のウルトラライト傾向の人には、不要な装備に写ると思います。また、最近の登山の人は、ジェットボイルやその類型品を使う人も多く、これなんかは縦にドーンと伸びたフォルムですので、分離型ストーブのクッカーをローダウンするという趣旨と正反対です。
   スパイダーキットそのものは頑丈で、重たい物も載せれる事を考えると、小型のストーブより大型のストーブの方が向いている気がします。となると、登山よりもキャンプやツーリング向きでしょうか。テーブルの上などで使う時に向いている様に思います。
   個人的な感想としては、このスパイダーキットを使っている時は、パワーブースターは使えない訳ですが、その代わりガス缶はホースで繋がれ、バーナーより離れた所にあるので、ガスカートリッジを手で温める“ハンドブースター”がやり易いな、と思いました。まぁ、その為にこの製品が作られた訳ではないでしょうが。
   まぁ、3,800円なら妥当な値段だと思うのですが、1万円も出してまで買う必要があるのか?と言われれば、そうでもない。でも、韓国製や中国製よりは全然ものがしっかりしてるので、今こそ再販されてもいいんじゃないか、と思える一品です。

20160825_121713
ハンドブースターwww
ガス缶が冷えた時は、これが一番効果あります
ただし、冬場は手が凍えますw



ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 アウトドアブログへにほんブログ村 アウトドアブログ アウトドア用品へ


    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
tanisi_corp at 20:00コメント(0)

2016年08月24日

   イワタニプリムスのIP-2243はロングセラーであるだけに、かつては様々なオプションパーツが売られていました。効果の怪しいもの、実は邪魔臭いもの、これはあると便利、というものまで、様々あった訳ですが、イワタニプリムスの他のストーブにはない豊富なパーツの数々が、このIP-2243の根強い人気を物語っていると思います。
   実は、これらのパーツは、発売当時は自分はまったく買ってなかったのですが、今回、IP-2243を再就役させるに当たって、ヤフオクで売られていたものを、金に糸目をつけず買い漁りました。


■パワーブースター IP-PB-1
   自分がIP-2243を買ったばかりの頃は、まだガスカートリッジはノーマルのGガスが主流で、暫くしてからプロパンガスが若干含まれたTガスが出た、という時代でした。そして、ノーマルのブタンガスは、カセットコンロ用のガスと同じで、ウチの中で使う分には良いのですが、寒い季節や高山だと気化せず使えない、あるいは火力が弱い、という具合でした。
   そこで、この当時は、バーナーの熱をカートリッジに伝導させるパワーブースターなる器具がありました。自分が買った時には既に結構改良されていて、ヒートパイプが折り畳み式でコンパクトになり、IP-2243のブルーのソフトケースに納める事が出来ました。値段は3,700円と結構な値段でしたが、それだ けに期待大な器具でした。
   ところが、実はこれがかなり効果の怪しい器具で、果たして、ちゃんとカートリッジを温めていたのか、その効果を体感できた場面はありませんでした。ぶっちゃけた話し、火力が落ちたら、手でカートリッジを掴んで温めた方が効果抜群でした。もっとも、冬のキャンプで、チンチンに冷えたカートリッジを掴んでた ら、手が凍傷になっちゃうんじゃないか、と思うくらいでしたが。
   そうこうしているウチに、冬はTガスを使うのが当たり前になり、プロパン30%にイソブタン70%のUガスが発売される様になりました。そして、新世紀を またいだら、知らない間にパワーブースターは姿を消していました。まぁ、それほどまでに、効果の怪しい器具だった訳です。しかし、なんとなく付けてると、 フルセットになった様な気分になるアイテムです。
   今回、改めて手に入れた訳ですが、実際に使ってみたところ、意外にもバーナーの熱をよく拾っていて、触れば熱いくらいでした。しかし、それ以上にガス缶が気化して冷たくなっており、辛うじて結露させない程度に熱を与えている様でした。無いよりマシ?といった感じです。

20160819_103807
この形に至るまで、様々な経緯があった様ですが
EPIのパワーブースターよりコンパクトな形状をしていました

20160819_104028
使用時はロッドを起こして、バーナーに当てます

20160819_121450
触ってみると、結構熱くなってました
一応は、値段分の仕事はしてる様ですw

20160819_105533
ブルーのソフトケースは、ブースターも納める事が出来ました
ピンクのプラケースでは、ちょっとキツいです


■延長ゴトク IP-2243EXT
   90年代前半は、アウトドアブームであったと見えて、自分がIP-2243を買った直後から、様々なオプションパーツが発売される様になりました。延長ゴ トクはその目玉な様な感じで、本体にネジ止めする可倒式のEXTと、自在に取り外しが出来てさらに展開長が大きいEXTLというのがありました。個人的に は可倒式のEXTの方が、デザインが好みでした。しかし、これらが発売される頃には、関心が液燃ストーブに移ってしまっており、IP-2243もあまり使わなくなっていたので、その当時は買わず終いでした。
   今回、当時の値段の倍以上を出して落札したのですが、付けてみた感想は、微妙なものでした。まず、折り畳み出来るギミックは格好いいのですが、展開するのに手間というか、1ヶ所引っかかって出しにくい所が出来るので、意外と面倒くさい事。折り畳んだ状態でケースに収納出来るのですが、分解したバルブを入れるスペースが窮屈な事。使わない時も延長ゴトクがくっついてくる事。そしてなにより、飯盒レベルでは延長ゴトクは必要ない事。
   特に4番目の理由から、当時にあっても、敢えて買おうとはしなかったのだと思います。もし、大きめの鍋やフライパンを使うなら、別途スタンドを用意した方が良さそうに思います。しかも、廃盤となって久しいこのゴトクは、そこそこ高値で取引されており、その値段で十分スタンドが買えてしまったりします。なので、あえて買う必要はないかなぁ、という感想を持ちました。

20160807_113707
折り畳み式の延長ゴトク
当時の価格は1100円だった様です

20160807_114819
取り付けると、こんな感じになります
見た目は格好いいです

20160807_114717
折り畳んだ感じは、こんな風です
一見便利そうですが、一々出したり折り畳んだりが面倒です

20160807_114644
一応、ゴトクを装着したまま、プラケースに収納出来ます

20160807_114614
ソフトケースにもそのまま収納できますが
パワーブースターが入れられません


■フレームインジケーター IP-FI
   IP-2243は室内や暗い所では、燃焼時に青い炎が見えるのですが、昼間の野外ではまったく炎が見えない事がよくありあます。全開で使っている時は、音もそれなりに出るのですが、それでも他の騒音にかき消されて聞こえない事もあります。この様な場合、火が点いてるのかどうか、分らない事があります。こういう時に、発光して燃焼している事を知らせるのが、フレームインジケーターです。これは発売された当時から、その必要性を認めれたのですが、例によって液 燃ストーブに関心がいっていたので、当時は買わず終いでした。
   フレームインジケーターのバーナーへの取り付けは、小さなビスで行うのですが、小さいだけに普通のドライバーでは無理で、眼鏡用の精密ドライバーを買って来ました。そして、それをバーナーの穴にねじ込んで行くのですが、もともとネジ山がある訳でもないので、ねじ込んで行くしかありません。しかし、細い精密 ドライバーではねじ込みにくく、うっかりネジの方をナメても困るので、ネジが外れない程度のところで止めておきました。インジケーターがカパカパした感じ ですが、まぁ外れなければ良しでしょう。
   早速使ってみたのですが、点火すると、フレームインジケーターがパァっと明るくなって来ます。消火すると消えます。ただこれだけの事なのですが、日中に使う際は、やっぱりあった方が便利な器具です。

20160820_151726
インジケーターの中に何やら細い線が見えますが
これが熱で発光します

20160820_151918
とりつけはビス止めなのですが
物が小さいだけに、落としたりして手間取りました

20160820_155048
本当は根っこまでねじ込むのでしょうが
ビスをナメても困るので、この程度にしときました

20160820_155236
全力で燃焼中ですが、炎はまったく見えません
その為、このインジケーターは屋外で必要な装備なのです



ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 アウトドアブログへにほんブログ村 アウトドアブログ アウトドア用品へ


    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
tanisi_corp at 19:30コメント(0)
   自分が生まれて初めて買ったポータブルストーブが、このイワタニプリムスのIP-2243なのですが、液燃ストーブに関心が移る以前は多用していたものの、液燃ストーブに移行してからはほとんど使う事がありませんでした。一応、断続的に所有はしていたものの、ノスタルジックなコレクションとして持っていただけで使っていなかったため、具体的な能力や威力については、あまりよく分ってませんでした。
   しかし、車中泊で飯盒炊爨する際に使用するストーブを見直すに当たって、液燃ストーブよりも小型かつ簡単で、しかも飯盒メシを美味く炊けるストーブとして、再び注目したのでした。

20160807_103017
一番最初に入手したIP-2243SA
このブルーのソフトケースが欲しくて
ケースがキレイな中古をゲット


■IP-2243最大の利点
   IP-2243の特徴は、その大きなバーナーです。この大きさのバーナーは、有名どころの他社メーカーでは見られません。そもそも、昨今のガスストーブは小型化が著しく、同じプリムスのP-153など、とてもコンパクトに仕上がっています。しかし、これらコンパクトなガスストーブの目的は、登山など自分の肩で荷物を運ばねばならない人が、山の上でお湯沸かしてレトルト温めたりフリーズドライもどしたりして食べる、という目的に適応した造りになっています。つまり、高火力である事はもちろんですが、比較的小さめのクッカーを使う前提です。
   こうした小型のバーナーで飯盒を使うとどうなるかというと、飯盒の中央に一番強い火力が当たって、その周りとに温度差を生じます。そして、周りの部分の熱を上げようとすると火のあたってる部分が焦げます。その焦げを防止しようとすると、熱が足りずに芯飯になる、という具合です。この症状はイワタニのカセットガスジュニアバーナーでも顕著で、何度も芯飯を作る羽目になった事が、IP-2243を見直すキッカケになったくらいです。小型のバーナーで、かつ炎が収束する傾向にあるストーブは、湯沸かし用と見て差し支えがありません。
   対するIP-2243は、バーナーが大きく、ほぼ飯盒の底に匹敵します。その炎は広く広がって飯盒の底全体を温める格好になります。従って、熱は均一に伝わるのでほぼ温度差は生じません。平均的に飯盒の底に火が当たるので、よほど火に掛けっぱなしにしない限り、焦げる心配もありません。結果、芯飯にならず上手に炊ける、という訳です。同じ様な傾向は、家庭用のガスコンロにも見られます。

20160807_191525
バーナーヘッドが大きい&五徳も大きいで
飯盒は楽々のります

20160807_204510
ご覧の通り、飯盒の底全体を覆う炎
これが均一な炊きあがりを実現します

20160807_120851
炎が大きいので、この手の大きめの中華鍋でも対応可能
それ故に、延長ゴトクも発売されたのでしょう


■IP-2243の火力
   IP-2243の最大火力は、3,600kcal/hとされています。これはポータブルストーブとしては非常に強力な火力です。オプティマス123Rが1,300kcal/h、コールマン550Bや442、MSRドラゴンフライが2,000〜2,100kcal/hという数字からも、その事が読み取れます。ちなみに、自宅で使っているリンナイの一口コンロは3,010kcal/hで、それよりも強力なのです。
   具体的な火力の強さの例として飯盒炊飯であげると、無風常温状態で、コールマン550Bや442だと大体4分そこらで沸騰しますが、IP-2243は全開だと1分半くらい、半開でも2分半ほどで沸騰します。非常に強力ですが、あまり早く沸騰し過ぎても硬いご飯になってしまうので、良い感じに火力を緩めて使う必要があります。ちなみに、美味いご飯の火加減は、「4〜5分で沸騰する強火、5〜6分で重湯が消える弱火」です。
   実は、これまで、自分が保有するポータブルストーブで、最強火力を持っているのはMSRドラゴンフライだと思い込んでいたのですが、とんでもない話しで、カタログスペック上の数字は真正直に、IP-2243がコールマンやMSRのガソリンストーブの1.5倍の火力である事を示していた訳です。
   ガスストーブが何となく火力弱いと感じていたのは、自分がIP-2243を使っていた時代は、やっとこ若干プロパンが入ったTガスが出始めたばかりの頃で、ブタンだけのGガスでは長時間使っているウチにガス缶が冷えてしまい、火力が落ちます。その傾向は冬に顕著で、パワーブースターを使っても火力が落ちるので、手で温めたりしたくらいです。
   しかし、飯盒炊飯の時間は10分そこらなので、そのタイムレンジで考えれば、やはりIP-2243はガソリンストーブより高い火力を発揮すると思われます。

20160804_022308
バーナーヘッドが大きいため、この種の小さいカップは不利です
それが為に、小型のバーナーのストーブもあるのですが

20160804_022349
キャンティーンカップは、少しずらして使ってました
初期の頃の定番の組み合わせです

20160811_130400
十字ゴトクですので、大抵のものは載せる事が出来ます
この種のポットでは、大きな火だと炎が脇に逃げる格好になるので
火力は絞って使う事になります

20160811_165752
首がしっかりしてます、大きい鍋釜の方が得意です


■バルブノブの長短の使い勝手の違い
   IP-2243には、火力調整ノブが短いタイプと折り畳み式の長いタイプがあります。自分が一番最初に買った2243SAは短いノブでしたが、その後にPFAだのSWFAだのの、長いタイプが出ました。火力調整ノブが長い方が、見るからに便利そうで羨ましかったのですが、買えば高い代物だったので買い替えなかった記憶があります。この度、長短両方のIP-2243を揃えたので、使い勝手を比べてみる事にしました。
   まず長い方ですが、確かに長いだけあって、飯盒からもバーナーからも離れた位置から火力調整が出来るのは便利です。鍋やフライパンによっては、短いノブだと完全に奥に行ってしまうので、長い方が操作し易いのは間違いないです。しかし、長いせいなのか、それとも折り畳みの機能のせいなのか、ノブを回すと少しノブがよじれる様な感じがします。感覚的なものなので気にしない人もいるでしょうが、自分は少し気になりました。
   対する短い方ですが、こちらは回した通りの操作が出来て、捩じれた感じがまったくなく、非常に機敏に動く感じです。確かに、短いだけに、長いノブの利点はないのですが、飯盒やカップを使う分には大して支障がないかな、という感じです。中華鍋みたいなデカイのを載せたら、それは確かに使いにくい訳ですが、だったら鍋を持ち上げるなり、下から覗き込むなりして、調整や消火をすれば良い訳ですから、工夫の範囲でどうにかなるレベルです。

20160807_232756
火力調整バルブの長さ比べ
左がSA、右がPFA
PFAは真ん中で折れる様になっています

20160807_231741
この種のフライパンを使いながら火力調整するなら
やっぱり長いバルブの方が有利です


■他のストーブとの比較
   今回、IP-2243を再就役させる直接の理由となったのは、これまでトランポに常備してきたイワタニのカセットガスジュニアバーナーが、実のところ、飯盒炊爨には不向きなストーブである事が分って来たからでした。これまで、車中泊では大抵が芯飯だったのですが、それはカセットガスジュニアバーナーを使った場合で、コールマンのガソリンストーブを使った時は上手に炊けていました。つまり、バーナーが小さく、火力を強くしたら火の当たっている場所が黒焦げ、それを防止しようと火力を押さえたら火力不足で芯飯、という具合だったのです。
   また、火力比においても、カセットガスジュニアバーナーは2,300kcal/hに対して、IP-2243は3,600kcal/hと圧倒しており、普段の湯沸かしで使う場合でも、カタログ上ではIP-2243の方が早く沸く事になります。かつ、そうそう使うものでもなく、ガスがしょっちゅう無くなる訳でもない事から、「どこでも手に入るカセットガス」である必要もなく、IP-2243も複数になったので、交代させる事にしました。
   IP-2243を再就役させる前は、飯盒炊爨の必要がある時だけ、コールマン550Bを持って行く案もありました。火力は2,000kcal/hと低い訳ですが、バーナーが大きく、かつガソリンストーブなので気温が低い所でも上手に飯が炊けるからです。ガスストーブは使っているウチに気化熱でガス缶が冷えてしまい、火力が弱くなる印象が強かったのです。
   しかし、実際に飯炊きに掛かる時間というのは、大体10分程度です。そのくらいであれば、よほど寒い季節でない限り、ガスであっても定格の火力を維持する事は出来ます。かつ、自分がIP-2243を主力で使っていた時代と違って、今は冬季用にプロパン&イソブタンを注入したウルトラガスもあり、冬場でも使えると判断して、IP-2243常備とする事にしました。

20160820_151006
IP-2243とカセットガスジュニアバーナー
収納サイズはあまり変わりません

20160811_171331
IP-2243とコールマン550B
550Bは優秀なガソリンストーブですが
ガソリンを入れたまま、トランポ常備する気にはなれません

20160811_173947
収納サイズは、IP-2243の方が小さい上に
バーナーとガスカートリッジが分離できて
よりコンパクトに収納できます
(実際には、コンテナにぶち込むだけですがw)


■運用
   今回、IP-2243を再就役させるに辺り、これまで持っていたPFAの他に、出来るだけキレイなSAを永久保存用、バーナーは古だけどキレイなブルーのソフトケースが付いてる奴の2つを調達しました。ブルーケースが欲しくて余分に1個買った様なものですが、せっかくなので活用する事にしました。
   まず、キレイな奴は保存用としてキープ。お金に困ったら売り飛ばし用でもあります。これまで持っていたPFAは、あまり使わないであろうトランポ用に。そして古のSAは自宅で使い倒し用に。ただし、トランポ用は、SAの短いバルブに変え、フレームインジケーターを装着し、ソフトケースにパワーブースターを同梱。自宅用はロングバルブに変えて、やかんなどのデカい鍋釜類に対応させる様にしました。

20160818_224931
IP-2243を3つも買っちゃう人は、あまり居ないと思うのですが
2つは実用ですw

20160807_103123
ソフトケースって、プラケースよりコンパクトなイメージがありましたが
比べてみたら、そんなに違いはありませんでした
ただし、ソフトケースにはパワーブースターも入ります


(初出:2011年8月29日



ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 アウトドアブログへにほんブログ村 アウトドアブログ アウトドア用品へ


    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
tanisi_corp at 19:00コメント(0)

2016年07月26日

   最近、液体燃料を使うストーブは、自動車ガソリンや灯油、軽油、果てはジェット燃料(どこで手に入れるやら)まで使えるマルチフェルが主流なのですが、それに加えて、ガスまで使える物が出ています。MSRで言えばウィスパーライト・ユニバーサル、オプティマスだとPolaris Optifuelがそれです。これらは日本では正規で売られてませんが、「ガスも使えたら良いのになー」と思うのは、あっちの人も同じだったというのを伺え知れます。そして、これらの商品が出る前から、自作でガスアダプターを作る人も多々いた様です。そこで、自分もこのサイトを参考に、ドラゴンフライのユニバーサル化を目指しました。

20160722_224941
日常的には要らんアイテムですが
それほど難しくないので、こさえてみました


■工作
   ガス化をする上でどうしても必要なのは、ガス缶に取り付けるアダプターです。作例では、中国製の安いガスストーブのコックを流用していますが、幸いな事にウチにも同じアダプターを持つ中華ストーブがありますので、惜しげも泣くメッシュホースを取り外して流用する事にしました。
   次に、ドラゴンフライのフェルラインと繋ぐチューブですが、これはホームセンターに売っている耐油ホースを使いました。内径6mm外径9mmのものを使いますが、ガス缶側のコックはこれだと太いので、外径6mmのホースを入れて合わせました。
   一番の問題は、このホースの固定方法で、作例ではガスコンロのホースを固定するクリップの小さいのを使っているのですが、これがどこのホームセンターに入っても売ってない。この手のはバイクで使われてる事が多いのですが、もしかしたらバイク用かも、と思って調べてみると、キジマやキタコからホースパワーバンドという名前で売ってる事が分り、近所の2りんかんに行ってみると、ばっちり売っていました。
   作り方は、説明を要しないほど簡単なのですが、ガス缶のコック側は結構緩くて、バンドを付けただけでは直ぐ抜けてしまうので、ホースにテープを巻いて上げ底にして、簡単に抜けない様にしました。もっとも、それでもホースが回るのですが、ガス缶を逆さにしたりする事もあるので、ガスが漏れてなければ良しとしました。逆に、フェルラインの方はホースを押し広げて入れるのですが、あまり深く挿してしまうと抜く時に難儀しました。

20160720_024026
中華ストーブのアダプターからメッシュホースを外し
ウチにあった耐油ホースを付けてみたところ
しかし、これだと細すぎてドラゴンフライに付けられません

20160720_114538
太いホースを使ってテスト中
液出しする関係で、カセットガスを立てて使う意味がありませんでした


■テスト
   ドラゴンフライとガス缶を繋ぐホースの長さは、当初はカセットガスを立てて使う事も考慮して、30cmくらいの長めにしていました。しかし、これだと消火の時にホースの中に残っているガスが多く、消火に時間が掛かる事が分りました。
   また、ガス缶を逆さにしてガスを液状のまま出す「液出し」の方が火力が強く、むしろ気体の状態だと火力が定格より弱そうな事から、カセットガスを立てて使う事はないと判断し、ホースを15cmほどにカットしました。あまり短過ぎると、ガスカートリッジを起こす時(消火の時は液出しを止める)にホースが足りなくなるので、その長さにしました。
   さて、実際に使ってみたのですが、まず、ケロシン用のジェットでは異常燃焼して使えませんでした。そこでガソリンのジェットに交換してみたところ、いきなりガスを多めに出すと、ガスの風圧でライターの火が消されてしまいました。点火の時は、火力を絞ったトロ火の状態で点火します。しかし、ヘッドが温まる前に火力を上げようとすると、火が消えたり、プレヒート不足の時と同様に赤爆しました。ヘッドを温めながら、徐々に火力を上げて行く感じです。
   一旦火が点いてしまえば、思いのほか快調に燃焼しました。火力調整も思いのままです。ヤカンでの湯沸かしから、飯盒での飯炊きまで、良い感じにこなしました。また、液出しをすれば火力も強く、また連続使用によるガス缶の冷えもあまり影響ない様でした。
   消火の際は、ガス缶を起こして液出しを止め、元栓を締めてそのまま放置します。もし、止めるタイミングが分っているなら、止める数分前にガス缶を起こして元栓を締めれば、無駄にガスを燃やさずに済みます。火力調整キーの方で消火する事も出来ますが、この場合はホースの中にガスが残っているので、取り外した時に生ガスを吹く事になります。出来れば燃焼させた方が安心です。

20160721_012407
ガスカートリッジで液出し中
カートリッジがコロコロ転がるので、何か台を作った方が良さそう

20160721_012519
液出しであれば、火力は十分です


■使用上の注意事項
   まず、自作であるのでガス漏れに注意が必要です。ドラゴンフライのフェルラインチューブにホースを接続するのは、ホースが少々キツいので、フェルラインチューブを挿すだけも気密性は保てるのですが、あまり奥まで差し込むと外す時が猛烈に大変です。せいぜい7mmくらいが限界だと思います。ところが、液体のガスが通ると、意外にもホースが緩む様で、使用中にスッポンと外れた事がありました。もちろん、噴き出したガスに引火して、目の前が炎に包まれたのですが、速攻でガス缶の元栓を締めて事なきを得ました。なので、安全面を優先して、フェルラインチューブ側もホースバンドを付けるしました。
   流用した中華ストーブには、カセットガス用のアダプターが付属していたので、これも使ってみたのですが、どんなに締めても、ほんのかすかに「シュー」という音がする。ほんのかすかなので、大した事ないかと思って使っていたら、漏れたガスに引火して、またもや目の前が炎に包まれました。この場合も慌ててアダプターを抜いて事なきを得たのですが、所詮は中華製ですのでアテになりません。そこで前に買った三つ足アダプターを使ったところ、無事に使えました。(その場合、液出し出来る様に、カセットガスはめるプレートを下向きに付け替える)

20160721_013339
テスト段階では、バンドが手に入らなかったので
ホースをねじ込んでいるだけです
しかし、不意に抜ける事があり、危険でした

20160722_171705
そこで、ホースバンドで固定する事に
ただし、ガス缶側はユルユルなので、テープを巻いて厚みを持たせています


■ガス化の意義
   今回、ドラゴンフライをガス化したのは、液体燃料以外にガス缶も使える様にする事で、よりマルチフェルを促進する事、つまり、緊急時などの時の用途の幅を増やす事を目的としました。そして、それは概ね成功であったと思います。まぁ、自分以外にも既に多くの人がガス化にチャレンジしてますので、工作自体はそれほど難しいものではなく、誰にでも出来ます。
   しかし、やっておいてこういうのもなんですが、正直なところ、わざわざガスで使えんでもいいかなぁ、というのが終わったあとの感想でした。やっぱり、ガスはガス用に設計されたストーブで使うのが一番良く、また自分に関して言えば、アルコールから木材に至るまで、様々なポータブルストーブを持っている訳ですから、わざわざドラゴンフライをガスで使う必要もない訳です。
   上にも述べた事ですが、ガスが使えるにしても、吹き消えたり赤爆したりしないように気をつける必要があり、ガス本来のお手軽に使える様な感じでなかったのも、こういう感想を持った一因でした。この点は感じ方なのかもしれませんが、このガスアダプターを作る為に、わざわざ中華ガスストーブを犠牲にするのなら、いくら中華製とはいえ、そのままガスストーブを使った方がマシだと思います。その意味で、今回は頓知チャレンジでした。

20160722_220610
MSRドラゴンフライは、分離型ストーブの中では場所取らない部類ですが
ガス化キットを使うと、結構場所取ります



ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 アウトドアブログへにほんブログ村 アウトドアブログ アウトドア用品へ


    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
tanisi_corp at 20:00コメント(0)

2016年07月14日

   去年の秋頃に、MSRドラゴンフライのジェットをケロシンに交換し、以来、2日と開けず毎日自宅で使って来ました。プレヒートは台所でやるという事もあって、アルコールを使い、かつ10mlで十分なプレヒートを行って、異常燃焼しない様に使って来ました。
   ところが、3日ほど前から段々火力が落ち始め、昨日、とうとうロウソクレベルに。どっか詰まったっぽいです。去年の6月にポンプの整備は済ませてますし、そっちからの油漏れもなければ、ポンプの圧も十分掛かっているので、今回はバーナー側の問題の様です。

20160531_000611
MSRのストーブは、使用する燃料でプレヒートが可能です
もっとも、出来れば煤が出ないホワイトガソリンの方がストーブとしては良いそうです
やはり、煤だのカーボンだのが、ジェットなどに付着しやすいんでしょうね

20160622_002604
こちらはアルコールでプレヒート中
台所だと、煤で結構汚れてしまうので、灯油でなくアルコールでやるのが無難です
10mlほど使用し、結構時間かけて余熱します

20160621_113518
余熱が十分だと、灯油でもキレイな青い火で燃えます


■ざっくり原因究明
   まず最初に疑ったのは、火力調整棒の先のネジの部分。このネジの部分には縦に溝が3本掘ってあって、ここがカーボンなどで詰まっていると、火力が落ちるとの事。そこで分解してみたのですが、確かに真っ黒にはなっているものの、カーボンがベッタリというほどでもない。一応、キャブレタークリーナーに暫く漬けて、拭き上げておきました。
   次に燃料チューブの末端にあるフィルタ。これが劣化して固くなっていたり、汚れで目詰まりしてると、燃料が流れません。これも去年交換したばかりですが、一応、新しいのに変えておきました。
   しかし、これらの作業を施しても、火力が上がらない。具体的には、燃料の経路、ジェットから燃料チューブの先までのどこかが詰まっている様な感じ。疑わしいのはジェットではない、かと考えました。といのは、火力低下が始まる前、プレヒート前にうっかり火力調整キーが開いて、少し灯油が漏れてしまい、プレヒートの時にその灯油が漏れ、煤を出した事がありました。その後も何度か、火力調整キーを締めているのに灯油が少し漏れて、プレヒートで灯油が燃える事がり、それでジェットの穴が少し詰まったか、と思ったのです。
   ドラゴンフライのジェットの下には、クリーニングニードルが入っていて、バーナーを振る事でジェットの穴が掃除出来るのですが、今回は敢えて付属のニードルで掃除しました。また、サイレントキャップを外して、通常の状態で点火してみる事にしました。
   ところが、結果は不安定で、十分なプレヒートを施しても、火勢が上がらない、火勢はあっても赤火、ジェットの穴から不規則な小漏れ火が出る、といった具合でした。
   そこで、今度はジェットを外し、改めて穴を掃除し、クリーニングニードルも取り外して、全部掃除して組み直し、再度点火しててみました。今度は火勢の勢いはあるものの、ジェットの穴から、不規則に火が漏れており、何度繰り返しても同じ結果でした。

20160710_224756
火力調整キーの先っぽ
黒ずんではいますが、縦の溝が埋まってる訳でもなく
ここが問題ある様には思えませんでした

20160710_225049
一応、キャブレタークリーナーに漬けて洗います

20160711_002642
あまり調子良くなさそうです
ちなみに、ボトルの圧はパンパンに掛かっています


■ジェット交換
   ケロシン用のジェットは、去年の秋頃から使い始め、まだ1年も経っていないので、そうそう早々とヘタるのはおかしい、と思いつつも、こんな事もあろうかと、取り寄せておいた新品のジェットを入れてみる事にしました。
   このジェット、ドラゴンフライをガソリンからケロシンにしたり、またその逆したりと、ジェット交換をやった際、ジェッドがあまりにも固くて、ドライバーにレンチ噛ませて高トルクで回さなければ外れず、その際にレンチのネジ山が変形してしまいました。外す度に変形するのでは、そのうち、舐めてしまうと予想して、予備のジェットをガソリン、ケロシン両方取り寄せておいたのでした。ただし、今回はあっさりジェットが外れました。
   さて、新品のジェットを組み付けて点火。以前と同じ様に、10mlのアルコールでしっかりプレヒートさせたのですが、強火にすると赤爆する。赤爆する度にキーを緩めて赤爆を抑え、徐々にキーを開けて全開にしていきました。新品だと、ジェットの穴から漏れ火する事無く、普通に使える様です。
   そこで今度は、古いジェットに付け替えて試してみると、一応は勢い良く火は出るものの、やはりジェットの穴から漏れ火がある。これで今回の不調は、おおよそジェットに原因があったとみて良さそうです。恐らく、何かの拍子に穴が詰まり、そして広がり過ぎたのではないか、と思います。
   最後に、新品のジェットを付け、再々度点火。すると、あまり元気が良くなく、明らかにプレヒート不足の様相。でも、プレヒートはしっかりやっています。そこで一旦消火して、バーナー部を上下に振って、内蔵されているクリーニングニードルでジェットの穴を掃除。改めて点火したとろこ、バーナーヘッドがやや冷えたのか、赤爆しつつではありましたが、いつもの様に元気よく燃える様になりました。

20160714_115618
明らかにどっか詰まってます的な炎
プレヒートが足りない時によく見かける状態ですが
今回プレヒートは足りてます

20160714_025451
ジェットの穴を掃除して組み付けた状態
勢いはそれなりにあるものの、赤火だしジェットの穴から火が漏れている

20160714_042753
新しいジェットに交換したところ
火は青くなってきましたが、それでも、まだジェットの穴から漏れ火しています


■ジェットからの漏れ火の究明
   しかし、ついこないだまで使えてたジェットが、急に使えなくなるのもおかしな話しです。また、新品のジェットでガソリンのは漏れ火するという具合に、明らかにおかしな状況です。あり得ないとは思いましたが、もしかしたらシェーカーニードルが煤の付き過ぎなどで障害になってるのかと思い、新品のニードルを注文しましたが、そうでもなさそうな気がします。
   そこで、原因を究明するために、改めてテストしてみました。テストは灯油とガソリンのジェットの古い物と新しい物を、ニードルの古い物と新しい物で、それぞれ組み合わせて、一つずつ燃焼状態を確かめ、出来不出来を見る事で、傾向を確かめてみよう、というものでした。結果は、この様な感じでした。
  • 古ジェットDK+古ニードル:漏れ火有り
  • 新ジェットDK+古ニードル:漏れ火無し
  • 古ジェットDG+古ニードル:漏れ火有り
  • 新ジェットDG+古ニードル:漏れ火有り
   ここまでテストした所で、バーナーが冷えるまで待っている間に色々ネットで調べていたところ、ジェットからの漏れ火は、ジェットが緩んでいる時に起こる、というのを見つけました。自分では結構締めてるつもりだったのですが、そういえば前はドライバーにレンチを噛まさないとジェットが回らなかったのに、今回は簡単に取り外しが出来ます。簡単に取れた方が楽なのですが、ギンギンに締まってる状態が正常だとしたら、そうしてみるしかありません。そこで、キツめにジェットを締めてみました。
  • 古ジェットDG+古ニードル:漏れ火無し
  • 新ジェットDG+古ニードル:漏れ火無し
  • 古ジェットDK+古ニードル:漏れ火無し
   御覧の通り、問題が解決してしまいました。結果としては、漏れ火の原因は、ジェットやニードルの劣化ではなく、ジェットの締め方が足りない、というものでした。

20160720_233447
1〜4はそんなにジェットをキツく締めてない状態
5、6はガッチリ締めた状態です


20160714_122019
盲点といえば盲点でしたが
逆に言えば、ちょっとやそっとの事で
ジェットやニードルはヘタリはしないという事が分りました



■スペアパーツの必要性
   ポータブルストーブの耐用年数というのは、一体何年を目処に設計されているものなのでしょうか。真鍮のケロシンストーブなどは、それこそ50年100年でも持ちそうですが、コールマンのストーブなどは5年も持てば上等みたいな造りです。MSRのストーブは、大事に使えば20年30年と持ちそうです。しかし、どんな機械にも共通しますが、整備や部品の交換をしなければ、性能を維持出来ません。
   自分が持っているドラゴンフライは、購入から大体10年くらいになります。去年まで、そんなに頻繁に使っていた訳ではないですが、去年辺りから部品の交換の要が増えた気がします。幸いに、モチヅキから純正のパーツが取り寄せらマスので、整備に関しては安心です。
   ただし、不調になるのは、毎回、今回の様にいきなり、という事が多いです。もちろん、取り寄せれば、大抵2日もしないウチに届くのですが、これが出先だったら面倒な事になります。よぼどハードな使い方(毎日灯油プレヒートとか)でない限り、5年くらいは何もしなくても大丈夫ですが、5年過ぎた辺りから、使ってても使ってなくても細かいパーツが劣化してきます。
   幸いに、これらのパーツはそんなに嵩張るものではないですし、またコールマンのジェネレーターみたいに高くもありません。なので、これからも長く使い続けたい人は、是非ともスペアパーツを常備しておきましょう。

20160712_142047
今回、取り寄せていたパーツ類
実は、スペアのつもりで取り寄せたのですが
早速投入する事になりました

20160720_181519
ニードルは使わず新品のままストック出来ました
フェールラインのフィルターも多めにストックです




ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 アウトドアブログへにほんブログ村 アウトドアブログ アウトドア用品へ


    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
tanisi_corp at 20:00コメント(0)

2016年06月29日

   以前紹介したベルリン警察飯盒が、御徒町の中田商店でゴロゴロ売られていた頃、崩壊して間無しの東ドイツの軍装が大量に入って来ていて、はやりゴロゴロ売られていたのが、この東ドイツ軍の飯盒です。ベルリン警察飯盒と同じく、旧ドイツ軍の飯盒の系譜にありながら、あまりのチープな作りに、ベルリン警察飯盒より少し安い値段で売ってた様に記憶しています。

20160629_110657
あちこち塗装が剥げていますが
中身はキレイでしたので、デッドストック品の様です


■見た目と造り
   上にも書いた様に、東ドイツ軍飯盒も旧ドイツ軍のKochgeschirr31の後継に当たる飯盒です。詳しい歴史は分らないのですが、海外のサイトによると、当初、内務省の部隊で使われていたのは、ほぼ旧軍の飯盒だった様です。次にハンドルのストラップを通す穴の上の穴が廃止されて、次に下も廃止されて、この形になった様です。そして、掛子についてるハンドルも、初期型はアルミ板だったのですが、あとでワイヤータイプになったそうです。かつて中田商店で買ったのも、今回改めて調達した物も、ハンドルに革通しがなく掛子のハンドルはワイヤーのタイプですので、後期型という事でしょう。
   さて、物は御覧の通りなのですが、正直、出来が良くありません。東ドイツは当時の東側諸国の中では優秀で「東欧の日本」なんて言われてたそうですが、アルミの材質も悪そうだし、それ以上にハンドルの立て付けが悪くガタガタだったり、蓋がガタガタと、とりあえず形だけ飯盒にしました的な出来栄えです。この飯盒がいつ頃の製造なのか分りませんが、恐らく東ドイツ崩壊の少し前のデッドストックでしょうから、その頃には国だけでなく工業力も左前だった、という事なんでしょうか。
   しかし、物の出来栄えとしては、おそらくこの辺りがヨーロッパ標準なのかも知れません。それが事項以降で検証したいと思います。

20160629_110731
塗装が剥げているのは仕方ないとして
蓋のハンドルの塗装がいい加減になってるのは
なんだかなぁ〜〜と感じました

20160629_110755
東ドイツ軍飯盒は、蓋と掛子を連結する事が出来ません
別個に食器もしくは調理器具として使うのを想定しています

20160629_110819
飯盒本体には、500mlおきの目盛りがあります
釣り手のセンターは軽く凹みがある程度で
飯盒を棒に吊るしたら、簡単に左右にずれそうです


■ベルリン警察飯盒との比較
   似た様な形してる飯盒、という事でベルリン警察飯盒と比較してみます。といっても、東ドイツ軍の飯盒は、東ドイツが崩壊するまで生産されていたのに対して、ベルリン警察のはせいぜい1960年代くらいまでの製品です。どんな物でもそうですが、始めの頃は造りが良かったり材質が良かったりするもので、後になれば経費節減とかで悪くなって行く傾向にあります。それを踏まえた上で、厳しく比較していこうと思います。
   まず、材質ですが、これはどっちもどっちかな、という印象を持ちました。アルミニウムにも色々ランクがあるようですが、基本的には火に掛ける物ですし、穴が開かん程度の材質って事でしょう。仕上げも同じ様な感じで、蓋でスパムとか焼いたら、漏れなく焦げ付くだろうなー、という仕上げでした。
   問題は造りの方で、ベルリン警察飯盒の方は、蓋も掛子もあまりガタツキがなく、蓋のハンドルもカッチリしてるのですが、東ドイツ軍飯盒の方はもうガタガタです。まぁ、ドイツ人は飯盒でメシ炊いたりしないでしょうが、東ドイツ軍の飯盒だと、蓋の隙間から蒸気漏れまくりで、とんでもないメシが炊けそうです。とはいえ、ベルリン警察の飯盒は、そこそこピッタリしてる訳ですから、物作りに対する姿勢が、西と東では全然違ってたという事でしょう。同じドイツ人にして、主義思想の差がここまで影響するのか、という感じです。
   飯盒本体はそれでも大きな差はないのですが、顕著に違うのは掛子です。ベルリン警察の飯盒の掛子はハンドルに連結して使う様になっていますが、東ドイツ軍のは掛子にもハンドルが付いています。そしてそのハンドルの付け根に、蓋のハンドルの爪を入れれる様になっています。配食を受ける時は、蓋と掛子のハンドルを指で掴んで、バラけない様にします。どちらが使い勝手良いかは意見の分かれる所だと思います。掛子としての容量はベルリン警察の方が深いので多いです。
   上にも書いた様に、ハンドルの形状も異なります。ベルリン警察飯盒の方は、背嚢に縛着する為の革通しがあるのですが、東ドイツ軍飯盒では、革通しが省略されています。そこで、東ドイツ軍の野戦の軍装を色々調べてみたのですが、どうやら何回かの変遷を経て、第二次大戦当時とは野戦装具が大分変化してて、飯盒を背嚢などに縛着しなくなっていった様です。つまり、縛着しないから革通しは要らん、という事になったのでしょう。

20160629_111106
左が東ドイツ軍飯盒、右がベルリン警察飯盒
外見的な違いは、ハンドルの革通しの有無と釣り手の凹みの有無
大きさはどちらもほぼ同じです

20160629_111230
蓋についてるハンドルは、ベルリン警察の方がしっかりしています
東ドイツのは、うっかりすると取れそうですw

20160629_230237
蓋と掛子は連結出来ますが
各々のハンドルを手で押さえないといけません


20160630_124623
掛子は、ベルリン警察の方が深さがあります

20160629_111317
釣り手の耳金の違い
東ドイツ軍のは、旧軍のに近い形をしています


■日本製飯盒との比較
   これまた比較としてはハンデのある比較ですが、日本製のキャプテンスタッグ(ロゴスと同様、オオイ金属製)の飯盒と比較しました。材質、仕上げともに、比較にならないほど、日本製の方が上です。実はこれは今に始まった事ではなくて、シベリア抑留の時には、ロシア兵からだけでなくドイツ兵からも日本の飯盒は盗まれるほど、出来栄えが良かったそうです。
   もちろん、日本の飯盒には蓋にハンドルが付いてませんので、ガタガタする部分が少ないというのもあるのですが、やっぱり飯盒の肝は飯盒本体であると思います。それゆえに、材質が悪そうだったり、仕上げが良くないというのは、持ちの悪い感じがしても仕方ない事です。
   もっとも、それではベルリン警察飯盒は出来が良いのか、というと、東ドイツ軍のよりガタツキが大幅に少ない、というだけで、上にも書いた様に材質や仕上げにはそれほどの差がありません。ついでに言うと、イギリス軍のメスティンや、チェコ軍のメスキットも似たり寄ったです。つまり、日本の飯盒の出来栄えがダントツに良いだけの話しで、欧米の軍用のメスティンは、総じてそんなもんなのかもしれません。とはいえ、東独のは出来が酷いですが。

20160629_114151
出来栄えの違いは、見た目で歴然
日本製のは薄くて頑丈で、キレイです

20160629_114255
こういってはなんですが、東ドイツのは直ぐ凹みそうなんですよね
とはいえ、これはこれで、今や貴重品ですから
使わずにコレクションしますw



ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 アウトドアブログへにほんブログ村 アウトドアブログ アウトドア用品へ


    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
tanisi_corp at 20:00コメント(0)

2016年06月02日

   自分は基本的には日本の兵式飯盒愛好家で、飯盒の蓋にハンドルが着いてなくても構わない派なのですが、蓋をフライパン代わりにするなら、そりゃハンドル着いてた方が楽だろう、くらいには思います。ただし、ドイツの飯盒の様に、良く出来たハンドル付き飯盒がないのが実情です。今回紹介する飯盒は、ハンドルが脱着できるタイプです。

20160402_191658
この飯盒はハンドルが脱着式
ハンドルを取り付ける基部が蓋に付けられています

20160402_191710
ハンドルは簡素なものです

20160402_191651
箱がありませんでしたので、どこのメーカーの物か分りません
住之江から出ていたものと同じ物の様ですが
革通しにメーカーの刻印が入っていません


■この飯盒の特徴
   この飯盒の特徴は、言うまでもなく脱着できるハンドルなのですが、このハンドルが少々難物です。付け方は、ハンドルを取り付け基部の穴に入れるだけなのですが、これが下の写真の様に、きっちり取り付ける事が出来ません。その為、ちょっと重たい物を蓋に入れると、ヘコーっと蓋が下におじぎしてしまいます。これではフライパンとしては全然役に立ちません。
   試しに、ハンドルを逆向きに付けてみると、今度はしっかり取り付け出来ます。ところが、ハンドルの角度が下向きになってしまい、ロゴスのハンドル付き飯盒と同様に、とても使いにくい事になってしまいます。ハンドルの角度としては、上向きに付けた方が正解だと思います。なので、対策としては、取り付け基部のスリットの上の部分を少し削って、ハンドルが左右に広がる様にしてやると良いかもしれません。
   ちなみに、住之江の同様品を持っている人に伺ったところ、ハンドル基部も問題はまったく同じだそうです。恐らく、販売元が違っても製造元が同じだった可能性が大です。
   工作精度?がイマイチではありますが、このハンドル自体は軽く邪魔にならず、それなりに気に入っています。付けたままにもしておけますが、その場合は、ロゴスのハンドル付き飯盒の様な状態になります。惜しむらくは、日本のハンドル付き飯盒の悪弊である、飯盒の腹の部分にハンドルがある事で、ドイツの飯盒の様に背の部分にハンドルが来ない事です。腹の部分の凹みは、あくまで背嚢に縛着した時に安定感を増すためのもので、ハンドル納めるための凹みでないのを、ハンドル付きの飯盒を作った日本人はあまり理解してなかった、という事でしょう。(もっとも、ハンドル付きの飯盒が作られた頃には、飯盒を背嚢の背に縛着する様な事がなくなっていた可能性も大です)

20160402_192344
こんな感じで、とても中途半端な位置で止まります

20160402_191816
このまま、蓋に物を入れると、蓋が下向きになって
入れた物が地面に落ちます

20160402_191830
逆向きに付けたところ。本来はこの様に留るべきです

20160402_191737
しかし、逆向きに付けると、ハンドルが下向きになります

20160402_191756
やはり、この角度が使い易いと思います


■他の飯盒との比較
   自分がこれまで買ってきた飯盒を大別すると、ロゴスやキャプテンスタッグのエナメル塗装で革通しが薄く湾曲してるタイプと、塗装が艶消しで蓋のリムが薄く革通しが分厚い鉄板のタイプ、この2つに分けられます。今回入手したこの飯盒は、後者のタイプに入ります。
   まず、前者のキャプテンスタッグの飯盒との比較ですが、先に述べた違い以外にも、釣り手の基部の耳金の形が違うなどのありますが、一番の違いは、掛子の容量が違う事。これは後者型の谷口金属の飯盒もそうなのですが、後者型は掛子の容量が2合以上あります。これは「掛子すりきり1杯で2合」という量目が崩れる変更で、この辺り、どうしてそんな改悪をしたのか分りません。
   谷口金属の飯盒との差は、ハンドルの取り付け基部の有無だけです。この飯盒自体は、どこのメーカーの物なのか不明なのですが、谷口金属、住之江金属と同じ製造元だった可能性が大です。ちなみに、ロゴスとキャプテンスタッグの飯盒は、オオイ金属の飯盒と同じで、おそらくオオイ金属が製造元です。

20160402_193002
右がキャプテンスタッグの飯盒
エナメル塗装でツヤツヤしてるせいか、こっちの方が仕上げが良さそうに見えます

20160402_193549
下の掛子が、ハンドル付き飯盒のもの
明らかに厚みが違います

20160417_154448
左が谷口金属の飯盒
違いは、革通しのメーカーの刻印の有無だけです

20160417_154458
形が全く同じなだけに、掛子も蓋も互換出来ます
まぁ、蓋はロゴス/キャプスタの方にも使えますがw

20160417_154534
掛子の厚みも同じ
ただ、飯盒の中は、谷口金属の方がリベットが平頭なのに対して
ハンドル付きの方は丸頭でした


   いろいろケチめいた事を書きましたが、個人的にはこのハンドルは結構気に入っています。上に書いた様に、ハンドルがちゃんと留る様に少し削れは、ちゃんと仕事するでしょうし、取り外しも出来ますので、あまり邪魔にもならないと思います。
   もし、手直しして良いなら、ハンドルの取り付け基部を取り外して、ロゴス/キャプスタの蓋の背の方に付け替えて使いたいものです。そうすれば、腹の方に邪魔な突起がなくなって、背嚢に付ける時も邪魔でなくなるでしょうし。まぁ、これはこれで、手に入りにくいものですから、そんな事しませんが。
   この飯盒も、飯盒文化華やかなりし時代の遺物ですね。



ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 アウトドアブログへにほんブログ村 アウトドアブログ アウトドア用品へ


    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
tanisi_corp at 20:00コメント(0)

2016年03月19日

   昨年、念願だったシェラストーブを手に入れ、薪で炊いた飯盒メシがことの外、美味い事に気が付きました。ただ。シェラストーブは電池に依存する事、常用するにはやや使いにくかった事、などにより、備蓄していた薪が無くなった時点で使用を取りやめました。
   ところが、職場からまとまった廃材が出て、これを粗大ゴミとして捨てるには些か勿体ないと考え、新規にウッドストーブを入手する事にしました。

20160217_224752
こちらがファイヤーボックス
重さ約900g、高さ190cm、幅12.7cm
ステンレス製(ですが、手入れが悪いと錆びる)
折りたたみ出来るのが利点


■一次燃焼式か二次燃焼式か
   シェラストーブは、五徳と鍋底の間が狭く、隙間を開けるために、吊り下げるか上げ底にするかで、どっちにしてもそこそこ大掛かりな装置が必要でしたが、焚き火箱やウッドストーブは直接置ける構造になっており、結果として省スペース化が可能というメリットを感じました。
   さて、電池を使わないウッドストーブだとすると、最近の流行は、ワイルドストーブソロストーブといった、缶が二重構造になっているタイプの様です。これは二重になっている缶の中を燃焼ガスが通って、ストーブの上部で燃やすというタイプで、煙が少なく火力が強いのが売りになっています。煙が少ないのは、ベランダクラフト的にはかなり有利です。ただ、構造的に、薪を入れにくい事、缶を組み合わせる事でコンパクトに出来るものの、それでもシェラストーブ並のサイズである事など、イマイチ食指が動きませんでした。
   次に考えたのが、折り畳み式の焚き火箱。最近は様々なメーカーから各種発売されているのですが、これは原理的には、穴をいっぱい開けた一斗缶と同じ様なもので、ただ単純に薪を燃やすだけです。その代わり、折り畳んでコンパクトにする事が出来ます。また、物によっては、薪を放り込むスペースが大きめの物もあり、給薪の楽なものもあります。
   いろいろある中で、最終的に選んだのが、今回紹介する、Firebox Stoveです。

20160313_121901



■まず見た目
   ファイヤーボックスは、ステンレス製という事で、重さが900gくらいあります。昨今の軽量化の流れからすると、重たい部類です。組み立て時の大きさは、高さ190cm、横幅130cmとそこそこの大きさです。最近流行のチタン製の物は、重さが300gくらいで大きさももっと小さいものがありますが、自分は堅牢さと使い易さを優先しました。焚き火で使う訳ですから、あまり小さ過ぎるとやり難い訳です。この大きさであれば、兵式飯盒は余裕で載せる事が出来ます。
    使い方は、五徳の棒を底板を外し、広げて箱型にし、底に底板をセットするだけです。広げてみて気が付いたのですが、上から見た時、正方形ではなくて、いびつな台形をしています。これは厚みのある鋼鈑を蝶番で連結し、内側に折り畳む様にするため、この様な形になっている訳です。
   パッケージの写真には、この五徳の棒と底板の位置を変える事で、アルコールストーブを使ったり、エスビットタブを使ったりも出来る様です。また、五徳の棒は小さいカップを載せる時に使います。、また、オプションでステーキ焼いたりするプレートもある様です。ちょっと驚いたのは、ケースは別売で、これも買うと値段が1.3万円くらいになるので、ちょっとお高い買い物です。

20160217_225006
収納時に固定に使っていた棒は
小さいポットなどを載せる時に使う五徳です


20160217_225018
五徳の位置は自在に変えれるように
そこかしこに切り込みや穴が開けてあります

20160217_22505120160217_225154
焚き火以外にも、缶入り固形燃料やエスビットタブも使用可能です
その場合は、五徳や底板の位置を変える事で対応します

20160217_093248
兵式飯盒なら余裕で乗ります
また、五徳の両サイドは大きく開いてるので
薪の補給が楽に出来ます

20160217_093543
側面2ヶ所に薪を入れる穴があり
こんな感じに下からも給薪出来る様になっています。


■基本的な使い方
   ファイアーボックスは、先にも述べた様に、基本的には穴をいっぱい開けた一斗缶と同じ様なもので、その中に薪を入れて火を点けて使うだけです。火を強くしたり弱くなったりしたら、薪を投じて火勢を強くしたり維持したりするだけです。消火は薪を入れるのを止めて、勝手に薪が燃え尽きるのを待てば完了です。
   ただ、ファイヤーボックスはそこそこ深い火箱ですので、ティッシュとマッチを使って火を点けるのならともかく、ファイヤースチールなどを使ってやる時は、底の方に火口を置いてしまうと、とても点火しにくいです。その場合は、ファイヤーボックスの中に薪を組んで、その上に火口を置き、それに点火してから、フェザースティックをくべると火を点け易かったです。
   ファイヤーボックスをただの焚き火用に使うのでしたら、乾燥してる木ならどんな木材でも構わないのですが、ファイヤーボックスを炊事用に使うとなると、あまり長い枝や太い木は、鍋釜を置いたまま入れるのが難しいので、材木は予め15cm程度に切断し、かつ小指ないし人差し指大に割っておくと、炊事に使う薪としては便利です。
   ファイヤーボックスは、実質的にはただの焚き火ですので、燃える物なら何を燃やしても良さそうなものですが、灰が飛び散る紙や、燃えカスが下に垂れる樹脂などは燃やさない方が、掃除やファイヤーボックスを長持ちさせる上で得策だと思います。
   消火は、基本的には薪を燃やし尽くして消火するのですが、ファイヤーボックスは給気効率が良いのか、案外早く燃え尽きます。ただ、シェラストーブの様に強制的に空気を送り込んでいる訳ではないので、シェラストーブよりは灰が残ります。

20160217_231055
使用中のファイヤーボックス
一旦火が点けば、思いのほか、火力は強力です

20160223_124836
長さ15cm、1cm四方に割っておくと、料理には便利です

20160218_004823
最初の点火には、ナイフなどで削ったフェザースティックが便利です
(これは鉈でやったので、あまり上手に削れてません)

20160217_232354
薪は以外と早く燃え尽きます
大抵はこのまま朝まで放置して、朝に灰を捨てます

20160219_231056
灰を捨てた状態
ステンレスですが、使い続けているとうっすら錆びが浮きます
長期使わない場合は、後述する手入れをした方が良いです


■大型の鍋釜を使う
   先にも述べた様に、ファイヤーボックスは思いのほか堅牢で、相当な重量物も載せる事が出来ます。試しに、4リットル満タンにしたヤカンを置いてみましたが、地面さえしっかりしてれば、びくともしませんでした。また丸底の中華鍋を置いてみると、良い感じにピッタリ収まって、とても料理し易い感じでした。
   ヤカンでお湯を沸かす場合、特別ゆっくり沸かす必要はないので、薪をドンドン入れて、ガンガン燃やす使い方になります。4リットルくらいのヤカンであれば、ファイヤーボックスを覆い隠すほどの大きさはないので、ヤカンを置いたまま、薪をくべる事が出来ます。火力がそこそこある分、薪の消費も多く、せっせと給薪する感じです。火は大きく、ヤカンの胴体を覆うほどで、あとの煤落としが結構大変です。
   中華鍋での料理にも使ってみましたが、先に述べた様に、鍋の座りが良いので料理し易かったです。ただし、中華鍋はファイヤーボックスを覆う格好になるので、薪をくべる時は鍋を持ち上げねばなりませんでした。また、料理に気を取られていると、薪が燃え尽きて来て火力が落ちるので、料理しながら薪を入れるという、結構忙しい作業でした。

20160218_231333
こんな感じで、ガンガン燃やします
この位のヤカンなら、びくともしません

20160308_001351
料理もばっちり
もしかしたら、鍋に灰や煤が入るかも?と心配しましたが
大丈夫の様でした


■飯盒炊爨上の注意
   そのそもこのファイヤーボックスを買ったのは、焚き火で美味しいご飯を炊くためで、安定して飯盒を載せれ、かつ単体で使える物、として選んだ経緯があります。そして、ファイヤーボックスはその期待に多いに応えてくれました。ただ、注意事項として、火力があります。
   飯盒は、ヤカンに比べるとサイズも小さく、薪を入れる部分も大きいという事もあって、ヤカンの時の様にガンガン燃やすと、かなり大きな火力となってしまいます。そして、火力が強過ぎて、沸騰時間が無駄に短くなり、ゴワついた飯になったり、下手をすると焦げ付いたりします。
   そこで気が付いたのは、いくら強火といっても、適度な強火である必要がある、つまりファイヤーボックスの場合、中火くらいのイメージで丁度という事でした。ヤカンでガンガンお湯沸かす時の半分くらいの火を心がければ、大体5分くらいで沸騰する感じです。そして、そうなる直前から薪を入れる量を減らして、弱火でキープする様にします。すると、ガスや化石燃料で炊いたのとはまた違う、これぞ飯盒炊爨という出来栄えの美味しいご飯が炊けます。
   この様に、焚き火といえども、ガンガン燃やすのでなく、必要に応じて火の大小を選択する事で、炊飯に十分に用いる事が出来ます。このファイヤーボックスは、煮炊きするのも前提として作られているので、飯盒を吊るしたりする手間が要らず、とても便利に感じました。

20160218_232422
初めてご飯を炊いた時は、ガンガン燃してしまって
ゴワゴワしたご飯なりました

20160219_203331
それから、強火をあまり強く過ぎない様にして、加減しました

20160219_204115
弱火になると、炎はファイヤーボックスからほとんど出ない感じです

20160304_220224
火加減が分ると
掛子にシュウマイ入れて、炊飯と同時で蒸せる様にもなりました



■手入れ
   ファイヤーボックスは、新品の時はピカピカとキレイですが、一度でも使えば熱で変色し、内部は直火で焦げます。といっても、一応はステンレスですので、一斗缶みたいにガビガビに錆びるという事はありません。うっすら錆が浮く程度です。また、焼き鳥みたいに脂が落ちる料理をしなければ、脂汚れもしません。しかし、使い終わったらキレイにしておく事が、そこそこ値段のするファイヤーボックスを長持ちさせる秘訣です。
   ファイアーボックスの手入れの仕方ですが、意外にも、ボンスターなどのスチールウールと洗剤で洗います。汚れだの煤だの錆だのを洗い、水で洗い流し、最後はガスコンロで火にかけて水気を蒸発させます。そして内側にCRCなどの防錆油を塗って、手入れ完了です。
   暫く使わないなら使う毎に、使い続ける場合でも、1週間〜10日枚に洗うのが良さそうです。また、脂汚れがついた場合は、その都度洗うのが良いでしょう。

20160308_112044
10日ほど使い続けた状態です
うっすら錆が出ていますが、酷くありません

20160308_112400
ざっと水で汚れを洗い流し、ボンスターでごしごし洗います

20160316_230618
水で濯いだあと、コンロで火にかけ、水気を飛ばします

20160316_234617
冷めてから、CRCを吹いて保管します


■まとめ
   ファイヤーボックスを約3週間、ベランダで使用しましたが、そのまま鍋釜を置ける事から、シェラストーブほど場所を取らず、かつ飯盒クラスの鍋であれば給薪も楽で、火力も強く、非常に使い易い印象を持ちました。その一方で、一次燃焼式である事から、煙はそこそこ出る様で、それが近所迷惑になる事もあり、使用には慎重を要する反面もありました。
   当初、焚き火の後が錆びたり焦げたりして、長持ちしない懸念があったのですが、結論としては、ちゃんと手入れさえしていれば、かなり持つ道具の様です。やはり万単位のお金を出すだけの価値がある様です。ソロキャンプ用としては結構重いのですが、ファイヤーボックスを使う人は、むしろファイヤーボックスを使う為にキャンプしたりブッシュクラフトしたりする様なので、チャチなチタン製より、これの方が使い勝手は良いと思います。

20160218_233850
焚き火で飯盒を使うとこうなります
これぞ飯盒って感じです



ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 アウトドアブログへにほんブログ村 アウトドアブログ アウトドア用品へ


    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
tanisi_corp at 22:00コメント(0)

2015年12月18日

  ケロ化以来、これまでになく活用する様になったMSRドラゴンフライですが、何が最大の欠点といっても、その爆音。外でも大概気になるのに、それが狭い台所の中となると結構なストレスで、飯炊きだオカズ作りだ湯沸かしだと、小一時間も使っていると、耳障りを通り越す感じです。以前から、QuietStoveの存在は気にはなっていたのですが、高価な事もあり手控えていました。しかし、オプティマスNo.45などの静音化に失敗したあと、どうせなら「使える」ポータブルストーブの方こそ静音化すべし、という事で、年末の懐の良さも手伝って、思い切って購入する事にしました。

20151212_230221
前は7,800円くらいでしたが、自分が買った時は8,800円でした
ところが、その翌週には9,890円……
並行輸入品だから、取扱説明書も何もありませんでした


■使い方
   QuietStoveというのはメーカー名であって、部品としての呼び名はサイレントキャップというのが正しい様です。というのも、もともとバーナーに取り付けられているプレートスプレッダーを取り外して、代わりにこれを乗せて使うので、キャップという訳です。乗せるだけで、特段固定したりしません。ただ、良い感じに乗せないと、キャップが斜めになったりしますので、その辺りは上手に乗せましょう。乗せる時は、キャップの頭に書いてある矢印が、フェールラインチューブの方に向く様に置きます。
 乗せたあと、プレヒートを行うために液出しをするのですが、出した燃料はまずサイレントキャップの中に充満します。少ししか出さないと、プレヒートはQuietStoveの部分しか燃えない事になり、余熱不足の症状を呈します。別にQuietStoveはプレヒートする必要がないので(プレヒートする必要があるのは、ジェットから下のバーナー部分)、QuietStoveを逆さまに置いてから液出しし(すると、燃料は全部下に落ちる)、それから上向きに置き直しても可です。ただ、面倒臭い時は、多めに液出しして、バーナー部分にしたたるほど燃料を出すのでも可です。
   QuietStoveは置いて使うだけですが、消火してバーナーが冷えると、熱による金属の膨張・収縮の関係で、サイレントキャップがバーナーに軽くカシメた状態になります。指の力で簡単に外す事が出来ますが、どうせなら、そのまま固定した状態にしたいと思うもの。ただ、その状態では収納時に折り畳めなくな事もあります。まぁ、乗せた位置や角度が良い感じだと、キャップを付けたまま折り畳む事が出来る事もあります。
   気になる静音性ですが、これは前評判通り、相当静音化されます。むしろ換気扇の方が煩いくらいです。ちなみに、台所で使う場合は、換気扇は回した方が良いです。プレヒートの際に煤も出ますし、消火した後の臭いもプレートスプレッダーを使用した時よりも、長い時間漂う感じがします。

20151212_230500
使い方は、こうやって乗せて使うだけです
中には針金で固定してしまう人もいる様です

20151212_235628
裏はこんな風になっています
アウターキャップとインナーキャップが合わさった形状です

20151213_145533
付き方によっては、こんな具合に折り畳めません
まぁ、キャップを外せば良いのですが

20151213_150350
ちなみに、重さは55g
ドラゴンフライを使う人にとっては、大した重量増ではありません


■灯油での使用
   このQuietStoveの灯油での使用に関して、レビューの大半は「難がある」「使えない」というものであり、中には不況品として返品した、という話しもありました。自分のドラゴンフライは、ケロ化以降、ずっと灯油で使っていますので、あえて灯油使用でチャレンジしてみる事にしました。
   灯油を使うポータブルストーブの場合、肝になるのはプレヒートです。プレヒートが不十分だと、気化不十分になって、火柱を上げるというのが、ケロストの宿命です。ですので、ドラゴンフライに置いても、十分なプレヒートを心がけていました。具体的には、5秒ほど液出しし、点火し易い様にバーナーを傾けてウィックに灯油が染込む様にして、そして火が消える直前まで本点火はしない、というやり方です。うっかり途中で火力調整ハンドルを開けたりすると、火柱が上がって、余計時間が掛かる事になります。
   QuietStoveを使った時も、最初はこのやり方でした。しかし、液出しの燃料は全部QuietStoveに吸われて、燃えるのはQuietStoveだけで、本点火しようにも燃料がほとんど気化できてない状態で火だるまでした。そこで、上記に書いた様に、キャップを逆さに置いて燃料を吸わない様にし、ひっくり返してからプレヒートしてみたのですが、それでも火柱。どうやら明らかにプレヒートが足りないらしいので、液出しを10秒に増やしてみました。すると、辛うじて本燃焼させる事が出来ました。
   しかし、火力を上げて行こうとすると、火が赤くなって「バッバッ」と明滅し始め、そのままにしておくと猛烈な火柱を上げます。一旦、青火になる所まで火力を絞って、暫く燃やし続け、再度挑戦すると赤爆しなくなる。しかし、さらに火力を強めると赤爆するので、また戻す。そういうのを時間をかけて繰り返して行くうちに、最終的には最大火力でも青火で安定して使える様になる、という感じでした。
   ともあれ、本点火してもプレヒート不足気味の症状を表す訳です。そこで、もっとプレヒートに時間を掛けてみる事にしました。まず、QuietStove逆さにするのは面倒なので、普通に置いたままにし、約20秒間液出ししました。そうすると、QuietStoveから溢れる様な感じで燃料がバーナーの方にも落ちて来ます。そしてどのくらいの時間、プレヒートが続くか計ったところ、約2分間燃えてました。一旦火が消えたあと、火力調整ハンドルを回して点火すると、安定して本燃焼に移る事が出来ました。
   しかし、それでも赤爆症状を改善する事が出来なかったので、さらに多く液出ししてプレヒートしたのですが、今度はプレヒートの炎が地面にも滴り落ちる感じになり、とても危険でした。そして赤爆症状もさほど改善出来なかったので、QuietStoveを灯油で使う際は、最低2分はプレヒート、それでも全開で青火で使うまでには、赤爆したら戻すを繰り返して時間を掛けて使う、という風に認識する事にしました。
   この様な具合で、他の方がレビューされている様に、全く使えないとか不良品という訳ではないのですが、それでもプレヒートが失敗すると、決して本燃焼に移る事は出来ません。その場合は、一旦火を消し、バーナーが冷えるのを待って、再度プレヒートを行う他ありません。バーナーが熱いうちは、液出ししても中途半端に気化して、しっかりしたプレヒートが行えないからです。

20151213_013211
プレヒート不足で火柱を上げた状態
灯油使用時は、この状態からのリカバーは不可能なので
一旦消火して、冷えるのを待ちます

20151212_232506
全開の状態
灯油でも使えますが、全開まで赤爆なしで使える様になるのに
時間が掛かります


プレヒート直後の燃焼状態
ある一定まで火力を上げると赤爆します
この場合、一旦火力を絞って、バーナーが温まるまで待ちます


■ガソリンでの使用
   聞いたところによると、QuietStoveはガソリン使用を前提で設計されているそうです。レビューで好評価を下している人も、大抵はガソリンでの使用の様です。なのでガソリンでも使ってみる事にしました。ガソリンで使う場合でも、プレヒートはしっかりやらねばならないのですが、ただ、灯油ほどひつこくやる必要がない事、多少イージーなやり方しても大丈夫、という違いがあります。
   プレートスプレッダーの時の様に、液出し5秒では、例によってQuietStoveに燃料吸われて終わり、という事になるので、10秒ほど液出ししてやってみました。しかし、出が悪かったのか、ややプレヒート不足気味な感じでしたので、火力調整ハンドルを少し開けてガソリンを出して、プレヒートを追加。その後、良い感じに点火する事が出来ました。ガソリンの場合、灯油みたいに赤爆する事もなく、プレヒート直後から火力全開にする事が出来ました。
   試しに、液出し20秒でプレヒートしてみたのですが、点火した途端、ボンっと爆発してびっくりしました。言うまでもなく、灯油とガソリンでは引火点が違いますから、派手に燃料出すとこうなるのですが、そこまでやらなくてもガソリンは灯油に比べたら、プレヒートも簡単ですし、火力が安定するのも早い。確かに、ガソリンを基準にQuietStoveは作られているんだな、と感じました。

20151215_224739
ジェットをガソリン用に交換
毎度の事ですが、ジェットがガチガチで付属の工具では回りません
大きなマイナスドライバーにレンチを噛ませて外しますが
ネジ山をナメかけてしまいます

20151215_225658
ガソリンの場合、灯油だと赤火になる様なトロ火でも
しっかり青く燃えます


ガソリン時のプレヒート直後の燃焼状態
赤爆する事無く、最大火力まで上げられます


■プレヒートについて
   上記でも述べていますが、QuietStoveを使う場合は、プレヒートが重要になってきます。プレヒートが不足すると、まともに本燃焼させる事が出来ず、火柱を上げる事になります。
   ドラゴンフライでのプレヒートは、
  1. まずポンピングしてボトルの内圧を上げ
  2. コントロールバルブ(ポンプに付いてる元栓)を全開にし、フレームアジャスターハンドル(バーナー側の火力調整ハンドル)を開けて、スプーン1/2杯分だけの燃料をジェット内に流し込み
  3. アジャスターハンドルを閉じてから点火し、プレヒートの火が小さくなるまで約2分待ち
  4. ストーブが冷えるまで約5分待ってから再点火し
  5. アジャスターハンドルを1/2回転回して青く安定した炎になるまで待つ
   という手順を踏む事になっています。実際のところ、4番は飛ばしてますが、もしかしたら飛ばさない方が火勢の安定が早いのかもしれません(そうとも思えませんが)。問題は2番で、スプーン1/2杯のスプーンのサイズがどのくらいなのか分りませんが、ここで流し込む燃料の量によって、プレヒートの時間が変わってきます。
   純正のプレートスプレッダーを使っている場合は、噴き出した燃料はこのスプレッダーに当たって、全てジェットの方に落ちて行きます。ところが、QuietStoveを使っている場合は、噴き出した燃料はまずQuietStoveの中に吸われてしまい、下には落ちて来ません。そのままプレヒートすると、QuietStoveしか燃えず、肝心のジェットの方は全然温まりません。QuietStoveを逆さに被せて、液出しした燃料を全部下に落とすやり方もありますが、それにしても、1/2杯ほどの燃料では、特に灯油の場合はプレヒート不足に陥ります。
   そこで、いろいろ試してみた結果、灯油の場合、バーナーとエンクロージャー(五徳の足が付いたケース)を接続してるシャフトの、ジェット側に湾曲してる部分辺りまで燃料で浸せば、プレヒート時間が約2分ほどになり、辛うじて点火出来るレベルにまで持って行く事が出来るのが分りました。ガソリンの場合は、火を近づければ燃えるのですが、灯油の場合はそれだけでは燃えないので、ストーブを手前に傾けて、バーナー内に溜まった灯油がバーナーの下のウィッグに流れる様にしないと点火させられません。
   プレヒートは長めにやるに越した事はないのですが、あまり液出しし過ぎて、エンクロージャーの底に一杯燃料が溜まる様になると、ガソリンだと爆発しますし、灯油だと火がデカくて火事になっちゃうんじゃね?みたいな感じになり、結構危険です。また、灯油の場合は盛大に煤も出しますので、ストーブが真っ黒になります。そこまでしなくても、ガソリンの場合は初めから安定して使えますし、灯油の場合は赤爆が若干マシになる程度ですから、過不足なくほどほどにやるのが良いと思います。

20151213_232954
プレヒートはジェットを温めるためのものですから
バーナーから下が燃えるのが正解です
灯油の場合は、多めにやる必要があります

20151217_020348
ただし、あまりに液出しし過ぎると
プレヒートの火がエンクロージャーからはみ出して
煤で汚れるし、その前に延焼の危険があります

20151217_232828
どのくらいの量を出すか、目安としては
ジェットのネジ山が浸らない程度に出して
ウィッグの方に流れる様に傾けてます
ガソリンの場合は、そこまで出す必要はありません


■ポンピングについて
   MSRドラゴンフライを買って長い事になるんですが、これまで、ポンピングというのは多ければ多いほど良いと認識していました。一応、取扱説明書は読んでいて、30回くらいが目安という風に認識していたのですが、満タン時で30〜40回、半分くらいになった辺りでは、50〜60回くらいポンピングしていました。それでもタマにしか使わなかったので、火力が強いな、くらいに認識する程度で、あまり気にもしてませんでした。
   ところが、ここ最近、毎日常用する様になって、ポンピングの回数によって火の勢いが違う事に気が付きました。60回もポンピングした時は、いつもの倍の火力になってしまう、という事もあり、改めてポンピングについて調べ直しました。取扱説明書には、「満タンの時は20回、半減した時は30回、中身が少ない場合はさらにポンピングして、しっかり抵抗が感じられるまでポンプする」と書かれています。つまり、50〜60回はやり過ぎという事です。試しに、30回くらいで使ってみると、これまでよりも炎が小さく拍子抜けしました。
   ネットで、他の人がどうポンピングしてるか調べてみたのですが、10回しかしないという人から50回はやるという人まで様々で、多くの人が加圧し過ぎている様でした。ポンピングの回数が多いと、吐出圧が上がって無駄に火力が強くなり、弱火が利きにくくなる傾向にある様です。大事な事は、無加圧状態で20〜30回ポンピングした手応えを覚えておいて、それ以上、圧が掛からない様にする事の様です。

20151217_003945
ポンピングはボトルを立ててやるとやり易いのですが
調子こいて、パッツンパツンになるまでポンピングするのは間違いです

20151217_013744
取説に書いてあるのは、安全マージンを取った数値ですが
定格の性能を引き出す数値でもありますので
これに則った使い方をするのがベターです


■炊飯に適度な火力の得方
   MSRドラゴンフライは、自分が持っているポータブルストーブの中でも最強クラスの火力を誇るのですが、それはそれで飯を炊く上では難しい部分もあります。コールマンのガソリンストーブや、オプティマスのケロシンストーブの様に、最大火力でも沸騰までに4分なり5分掛かる物は、特段頭を使う事もなく火力最強から始めれば良いのですが、ドラゴンフライでそれをやったら、無駄に早く沸騰してゴワ飯になるか、下手したら焦がしてしまう事になります。
   上記の様に、ドラゴンフライ(に限らず、最近のマルチフェルストーブはみんなそうでしょうが)は、プレヒート、ポンピング、燃料残り具合などによって、火勢の安定とか火力とかが違ってきます。一番標準的な定格の性能は、ボトルが満タン時で、取扱説明書に書かれた規定のポンピング、余熱時間を取った時のものとなりますから、その状態を繰り返し練習して、感覚を覚えた上で。燃料の残り具合、気温、風、その他の条件で火力が低いと感じたら、ポンピングを追加する、というのが良いと思います。いきなり、カンカンになるまでポンピングしてしまうと、弱火まで強くなって、適切な火力が得られません。飯炊きに関しては、強ければ良いというものではありません。
   ドラゴンフライのフレームアジャスターハンドル、すなわち火力調整ハンドルは、他のストーブやコンロと違い、2周回したら最大火力になります。実はこれが意外に混乱するもので、微調整をする際に、今自分がどれだけ回したか分りにくくなります。
   そこで自分は、ハンドルの回転を1/4を1ノッチとし、8ノッチで全開になると認識する様にしています。その上で、3分半ないし4分で飯盒が沸騰するのが、何ノッチ目なのかを計りました。上記の「満タン、ポンピング20回、プレヒート2分」で灯油を使用した場合、大体5ノッチ目当たりで3分半で沸騰する様です。ただ、これもその時々によって変化しますので、最終的には火勢をみて、必要な火勢になる様に調整する必要があります。非常に感覚的ですが、この辺りは慣れる他ありません。
   ただ、取扱説明書通りのポンピング回数だと、最大火力にした時にやっぱりやや火力が低過ぎる様にも感じます。その時はポンピングを追加して、火力を強くします。ポンピングしまくってしまうと、この種の追加の調整が出来ないので、あまりよろしくありません。
   また、ボトルを繋ぎっぱなしにして次回も使う場合、前回の圧が残ったままになっているのですが、使う前にボトルを外して圧を抜き、燃料の残り具合を確かめてから、改めてポンピングするのが確実な様に思います。

20151216_093813
湯を沸かしたり、炒め物作ったりする時は全開でもいい訳です
その意味で、最強の火力のドラゴンフライは有利です

20151213_185851
しかし炊飯は、適度とされる強火と弱火が必要です
火力調整が自在であるという事は
必要な強さを自分で計れ、という意味でもあります


■まとめ
   QuietStoveは、ガソリンで最適化されているだけに、ガソリンで使用した方が使い勝手が良いのですが、自分はそこを敢えて灯油で使っています。というのは、バイクのツーリングで使うならガソリンで使いますが、もっぱら自宅で使っている事。また、以前は災害時などではバイクからガソリンを抜いて使えば良いと思ってましたが、3.11の経験者の方の談によると、バイクのは直ぐなくなるし、車からは抜けないしで、イザの時には意外とガソリンの入手に困る様です。なので、その方もケロシンストーブでしのがれたそうですが、となれば、普段から灯油で慣れておいた方が良い、と考えたからです。その意味で、ガソリンでの使用はあまり練習なしでも、イージーに使えます。
   肝心の静音化についてですが、これは掛け値ひいき目なしで、静かで使い易くなります。ドラゴンフライの最大の欠点はその爆音で、うるさくて火力最大に出来ない、なんて声も聞きますが、QuietStoveでその問題は一切解決です。以前、ケロシンストーブで試した様な、火力が落ちるという事もありません。確かに値段は高いのですが、投資するに値する製品だと思います。

20151215_225712
高いには高いですが
ドラゴンフライをより使いたくなるアイテムです


■追記—カーボンフェルト
   プレヒートの燃料をより多く保持する為に、余熱皿にカーボンフェルトを仕込む、という話しを前から聞いてましたので、自分も試してみました。厚みが2.8mmのものでまずエンクロージャーの底に合うサイズに切って仕込みました。また、このブログを参考に、バーナーカップの中にもカーボンフェルトを仕込みました。
   結果は上々。灯油で2分のプレヒートでも、十分にジェットを温める事ができ、プレヒート直後から火力を全開にしても赤爆しない様になりました。また、アルコールを使ったプレヒートも可能になりました。これまでは、エンクロージャーから溢れるほどアルコールを注いでも、余熱不十分で火だるまだったのですが、カーボンフェルトで十分なアルコールを蓄える事が出来る様になり、5分ほどのプレヒートも可能になりました。
   特に効いてるのは、バーナーカップ内のカーボンフェルトの様で、ジェットの直ぐ側でプレヒートしている事になり、十分な余熱が出来ている様です。

20151222_003449
エンクロージャーの底のカーボンフェルトは
燃料漏れや延焼防止の役割もあります



ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 アウトドアブログへにほんブログ村 アウトドアブログ アウトドア用品へ


    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
tanisi_corp at 20:00コメント(2)

2015年12月15日

   自分は18歳で上京して以来、飯盒を使って来たのですが、たしか3代目の飯盒が自衛隊の飯盒でした。戦闘飯盒2型が採用されてから、1型と称される様になったこの飯盒ですが、当時はまだこれが制式でした。実はしばらく使っていたのですが、あまり印象に乗ってなくて、知らない間に捨てたかしてなくなっていました。しかし、自衛隊とはいえ、一応は軍用品ですし、もともと仮想軍隊なんてやってた自分が、使わなくなったからといって、捨ててしまうというのも、今から思えば変な話しです。今回、たまたま安く手に入れる事が出来ましたので、当時、どんな想いで使っていたかを振り返ってみたいと思います。

20151210_002947
恐らく、20年ぶりくらいで再会
まぁ、特段の感動もなかったのですがw


■まず見た目
   以前、自分が手に入れた物は、値段も安かった代わり(確か1,000円しなかったと思う)、塗装が極めて雑で、所によっては泡立った跡があったりして、どうみても手作業で、しかも適当にスプレーしたとしか思えない様な出来栄えでした。もしかしたら、再塗装品だったのかもしれませんが、とにかく雑な印象が強かったです。
   今回手に入れたものは、それに比べたら大分マシです。また、デッドストックだったのか、使用した形跡があまりなく、飯盒の中もほとんどキズらしいキズが見当たりませんでした。しかし、底がボコってました。おそらく保管時に何かの拍子に凹んだのか、あるいは払い下げで廃棄物化する為にそうしたのか(米軍の放出軍装品にはよくある)、せっかくキレイな状態なのに、残念な事です。大抵、焦げる時はこうした凹んだ所が焦げて、かつ焦げがなかなか落ちないものです。
   飯盒と蓋には、いわゆるQマークが入っていましたが、掛子には入ってませんでした。以前持っていた物は、掛子にもQマークが入ってました。もともと入ってなかったのか、適当に民需品で員数を合わせたのか、分りません。何にしても、自衛隊の1型飯盒は、塗装が薄くてチャチな印象を受けます。民需品の飯盒と比較すると、ドイツのベルリン警察の飯盒と東ドイツ軍の飯盒の差くらいの、出来の悪さを感じます。

20151210_002957
今回届いたのは、19961年納入品らしいです
おそらくデッドストックでしょう

20151210_003022
中は綺麗なのですが、底がボコってるのが残念です
出品時の写真では、ここが隠れる様な撮り方されてました

20151210_003033
掛子にはQマークなし
まぁ、欠品よりはマシですがw


■スライド式釣り手
   飯盒1型の特徴であるスライド式の釣り手は、元々は旧日本陸軍の将校用飯盒の新型の釣り手を参考にしたもので、スライドさせる事で釣り手を飯盒に沿わせ、かつ蓋をロックして、背嚢に収納する際に釣り手が邪魔にならない様にする工夫です。
 日本の兵用の飯盒のある意味、発展形であると思ういますし、飯盒文化華やかなりし頃には、民需品の飯盒でもこの手のスライド式の釣り手を採用したものがいくつかありました。しかし、飯盒文化の衰退とともに、スライド式釣り手も姿を消して行きました。
 ところで、かつて自分がこの飯盒を使っていた時、この釣り手をさほど便利に感じた事がありませんでした。というのも、はじめのウチはスライドしていたのですが、使っては洗いを繰り返して行くうちに、スライド部分が錆びてきてしまい、ゴジゴジになって動かなくなってしまったからです。となると、ただの釣り手な訳で、しかもスライド部分が全部錆びてる訳で、見た目にも汚らしく、だったらスライドしない普通の釣り手でも良いな、と感じていました。結局、最終的には捨ててしまったのですが、最後は釣り手が錆び切ってスライドの部分が折れてしまい、それで捨てた様な記憶があります。
 アイデアとしては、とても優れていると思うのですが、塗装が悪いのか材質が悪いのか、とにかく錆びてしまったのではスライドさせようがありません。この釣り手が錆びない材質の金属であったら、また違った評価を下せたかもしれません。

20151210_003106
こんな感じでスライドさせ、蓋をロックする
この機構自体は、とても優れていると思います

20151210_003050
しかし、動かしているウチに塗装が剥げて
鉄がむき出しになって、錆びてしまうとアウトです
錆びたら釣り手を交換してたのかも?


■兵式飯盒との比較
   飯盒1型は、旧陸軍のロ号飯盒を元にして、というか、釣り手以外はほぼコピーして作られています。同じく、ロ号飯盒のコピーである戦後の民需品の兵式飯盒とも、ほぼ同じです。伸ばした時の釣り手の長さも、民需品の兵式飯盒と同じでした。違いがあるとしたら、釣り手の太さで、飯盒1型は太さ約3mmほど、それに対して兵式飯盒は4mmほどです。飯盒1型は、スライド式という事もあって、あまり太く出来ない事情があったのでしょうが、その前に旧軍の飯盒の釣り手も、現代のものより若干細めです。それ故に、結構グニャってるのも多いのですが、その辺りを戦後、改良したのが今の兵式飯盒の様です。
   個人的な感想としては、上記の様にスライド釣り手が錆びて動かなくなるくらいであるなら、普通のスライドしない釣り手の方が、見栄えの上でも本来の目的の上でも、使い手があると感じています。恐らく、その辺りが、一応は軍用品でありながら、非常に印象の薄い記憶しかこの飯盒が残さなかった理由だと思います。

20151210_003151
右はキャプテンスタッグの兵式飯盒
釣り手の太さの違いに注目
自衛隊のコスプレをやってないのであれば
民需品の兵式飯盒で十分ですw

20151210_003556
釣り手の長さが同じなので、飯盒掛にも掛ける事が出来ます


■飯盒2型との比較
   自衛隊では飯盒はほぼ食器の役割しかない、という事で、より食器色の強い戦闘飯盒2型が採用された訳ですが、自分個人の意見としては、だったら別に空豆型してなくても良かったろう?と思います。「飯を炊く道具」として比較した場合、1型の方がより適しているのは明らかで、例えば、パックご飯や飯缶を温めるとか、インスタントラーメンを煮るとか、そうした炊事には2型は向かないと感じています。自衛隊の方で、各個炊爨はもはやあまり想定していない、という事なのでしょう。
   しかし、こうやって1型と2型を並べてみた時、改めて2型の疑問点が浮かび上がる事となりました。そのもっともたる部分が釣り手で、飯盒1型の場合、収納時に釣り手が邪魔にならない様にするのと、蓋をロックする為にスライド式にした、という理由が明確に分ります。ところが飯盒2型の場合、飯盒本体に対して釣り手が無駄に長く、スライドさせても蓋をロックする事も出来なければ、飯盒本体から釣り手が突き出て収納にも難がある。旧陸軍の将校用飯盒の様に、短めの釣り手を付けるのが正解だと思うのですが、この無駄に長い釣り手の納得いく理由を、まだ聞いた事がありません。
   ソロ用クッカーとしてか、飯盒2型はやたら人気があって、スウェーデン軍飯盒と同じく高価で売られているのですが、純粋にご飯を炊く道具としては、飯盒1型の方が優れているというのが、自分の判断です。

20151210_003332
飯盒2型は、明らかに収納性が悪そう
おそらく、釣り手外して収納してるんじゃないでしょうか
結構、釣り手なくす人多いみたいですし

20151210_003313
スライド部分の違い
1型は縮めた時にロックが掛かるのに対して
2型は伸ばした時にロックが掛かる仕組み


   そんなこんなで、20年ぶりくらいに再会した飯盒1型ですが、やはり今回も普通の飯盒でいいや、という気分になりました。昔は、この手の飯盒も売っていたのに、結局、スライドしない古いタイプの飯盒しか残らなかったのは、自分と同じ様な感想をもつ人がそれなりにいた、という事なのかもしれません。そして、改良改善を施す前に、飯盒文化が衰退してしまい、辛うじて大戦中のタイプの飯盒が生き残ってる、という事なのかもしれません。
   しかし、いくら兵式飯盒が冷蔵庫の中で納まりが良い、といっても、やはり釣り手が余るというのは確かな事なので、是非とも錆びない金属でスライド式釣り手を作って貰いたいものです。

20151210_003833
なんやかんやで増えて来た空豆形飯盒
かつて使っていたか、使った事ある物ばかりですが
今使っているのは、民需品の兵式飯盒だけです
(使い潰しても買い替えがきくから)



ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 アウトドアブログへにほんブログ村 アウトドアブログ アウトドア用品へ


    このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote
tanisi_corp at 21:00コメント(8)
最新記事
Recent Comments
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

月別アーカイブ
livedoor プロフィール
記事検索
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ