日本陸軍

2016年03月26日

   今回6回目を迎える飯盒オフ。6回目となると、慣れて来たと言いますか、「そろそろ飯盒オフやりませんかー」「いいっすねー」「薪余ってるんで取手でやりましょうよ」「いいっすねー」って感じで話しがまとまりました。飯炊いて中華鍋で鶏でも焼いて食いましょかー、みたいな話しはしてたのですが、具体的にテーマらしいのが決まったのは前日の事で、自分が玄米のビックリ炊き、Toyofusaさんが胚芽米のセロファン筒炊飯法をやる事になりました。薪を使って、白米以外の物を炊く、飯盒オフ初の試みです。

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今回の会場
辺り一面の砂浜です


■準備
   今回、自分が用意するのは、玄米2合と中華鍋、そして炊飯壕を掘る為の円匙ですが、今回は一応、日本兵の格好で行きますので、背嚢を準備しました。といっても、この背嚢、実際に使うのは飯盒と円匙を縛着する為だけに必要なもので、周りに巻いてる毛布や携帯天幕は、格好だけに着けてるだけです。でも、それらを着ける為には、背嚢本体がパンパンに物が入っていないとフニャフニャで形が作れないので、いつもは乾パンや精米など、これまた使わない携帯口糧を入れたりします。つまり、要らんもんばっかり持って行く必要があるのです。
   まぁ、基本的な装備は予め集合して保管してあるので、準備そのものは手間が掛からないのですが、今回は金曜夜のグループセンタジーがキツくて(今年始めの2か月休んだため)、家に帰って来たら正体もなく寝てしまい、夜中に目が覚めて慌てて準備する羽目に。ともあれ、持って行っても無駄な携帯口糧は下ろして、代わりに雑嚢を突っ込んで背嚢の形を整えたのですが、問題は中華鍋。いつもなら飯盒の上に被せる様に鉄帽をつけるのですが、それの代わりに中華鍋を着けようと思っていたのですが、縛着の仕方で良い案が思い浮かばない。もう眠たいんで、中華鍋は手で持って行く事に。
こんな体たらくですから、結構忘れ物が多くて、帯革も水筒も準備してたのに忘れてしまいました。
   予定よりも30分遅れて起床。起きたは良いが、シンドイわ眠いわ寒いわで、かなりテンション下がってしまったのですが、行くと約束した以上は行かん訳にも行きません。この寒さでは、防暑襦袢とかじゃ風邪引いてしまうので、九八式の夏衣袴(冬衣袴は持ってません)を着用。いつも5分も歩いたらズレズレになる巻脚絆も、今回はちゃんとふくらはぎの上まで巻いてズレない様にして、トランポで出かけました。

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今回は中華鍋持参だったのですが
直前までどう縛着するか考えてなくて
結局手で持って行きました

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カチっと巻ける様になった巻脚絆
ちゃんと巻けると、意外にも足が楽なんですよね

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取手のホーマックで買った玄米10kg
3110円とお買い得でしたw


■炊飯壕
   現地に着いてみると、陽が登って汗ばむ陽気に。相方のToyofusaさんは防暑襦袢で登場。そういや、この人が夏衣袴着てるとこ、見た事がありません。取手の河川敷は、今回が3回目ですが、今回は焚き火を使うため、橋の下でなく、もっと川っぺり移動しました。行ってみて驚いたのは、一面の砂浜です。聞けば、ここではヒストリカルゲームがよく開催される場所とか。どこでやりますかって聞かれましたが、どこを向いても砂浜なので、適当な所で荷物おろして、早速準備に取り掛かりました。
   今回、焚き火をやるにあって、旧陸軍のマニュアルを参考に、まずは炊飯壕を掘りました。やっとこ小円匙の活躍が与えられた訳ですが、中田商店のレプリカの小円匙は、実は焼き入れがされてないとかで、うっかり地面を掘ったら、曲がったり削れたりする代物です。そんな訳で、地面掘るための道具で地面掘るのがためらわれてたのですが、地面がザクザクの砂地ですから、安心して使えました。
   問題は、砂地故に、掘っても崩れ易い事でした。川っぺりだけに、10cmも掘れば、砂が湿っているのですが、露出すれば乾いてくるので、やっぱり崩れてくるのです。ともあれ、30cmほどの深さに掘って、飯盒2個分下げれる幅に調整しなおし、飯盒を掛ける棒を支える支柱は、そこらに落ちてた細い竹を縛ってこさえ、さっそく炊飯に取り掛かりました。

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表面は乾いてるのですが、中は湿ってます

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とりあえず、こんな感じで壕を整えました


■玄米のびっくり炊き&セロファン筒炊飯法
   今回のお題は、自分が玄米のビックリ炊き、Toyofusaさんがセロファン筒炊飯法と、飯対決です。一応、鶏肉と白菜も買って、中華鍋でオカズ作る準備だけはしてきましたが、おのおの2合炊く訳で、明らかに胃袋に限界があります。
 自分がいつもファイヤーボックスで焚き火する時は、ティッシュペーパー3枚を入れ、その上に薪を置いてマッチで点火するのですが、今回は小さいロウソクを使って点火しました。これも陸軍のやり方らしいですが(確かに、ロウソクを使って焚き火を起こす話しは良く出てくる)、個人的にはティッシュの方が楽そうに感じました。焚き火の点火の仕方については、ファイヤースターターやファイヤースチール、火打石など、様々ありますので、それはそれで別に企画を設けたいと思います。
 ともあれ、火が点いたのですが、飯盒を支えるクロスした棒の角度が深かったせいか、炊飯壕の底と飯盒の底の間の高さが足りず、火がなかなか大きくなりません。なのに熱で砂がが乾いて壕が崩れ始めました。こりゃイカン、という事で、改めて飯盒の高さを再調整しました。薪も、Toyofusaさんが持って来たのは、まだまだ太かったので鉈で細く割って(地面が砂なので、板を置いて薪割り)、ようやくコンスタントに焚き火を燃やす事が出来る様になりました。
 今回、自分がビックリ炊きを選んだのは、セロファン筒炊飯法が比較的時間を要する炊き方で、沸騰した湯に30分ほど浸けるとの事から、炊飯時間の釣り合いが取れると考えたからです。炊き方は以下の通りです。

◎玄米のビックリ炊き
 玄米に規定の水量を入れ、強火で炊き、沸騰したらそのまま10分炊き、その後弱火で5分炊いたあと、重湯が消えた頃合いを見計らって、米の量の冷水を注いでかき回し、さらに弱火で15分炊く。
◎セロファン筒炊飯法
 セロファン筒に米290gと水450mlを入れて空気を抜いて口を縛り、沸騰した湯に30分浸けて湯がく。

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セロファン筒に米と水を入れるの図
このあと、口を紐でくくります

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湯たんぽに水を入れて運ぶのは、当時の日本軍でもやってました

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掛子にてんこ盛りの沢庵。これが後で役立ちます


■実際やってみた結果
   焚き火の難しいところは、ガスコンロやポータブルストーブみたいに、火力は一定ではありませんし、強火から弱火へ、またその逆へ、さっとは調整できないところです。この辺りに、熟練の勘が必要とされるところです。強火だからといって、ガンガン薪を放り込めば良い、というものでもありません。
   ともあれ、飯盒二つをぶら下げて、強火で温め続けたのですが、意外にも先に沸騰したのは玄米の方でした。容積はセロファン筒の方が多いのと、今回、沸騰する前からセロファン筒を入れてたので、余計、時間が掛かった様です。その後、強火で玄米を炊き続けたのですが、10分経ってもまだまだな感じでしたので、15分まで継続して、飯盒を焚き火から遠ざけて弱火へ。その頃になって、ようやくセロファン筒の方が沸騰し始めました。
   玄米飯は、弱火に切り替えると、よほど弱い弱火でないと、すぐに重湯が消えてしまいます。今回も3分ほどで消えてしまい、急遽、ビックリ水を投入。さらに弱火で炊きました。ところが、今度はなかなか重湯が消えない。15分経っても全然消えない。結局25分弱火に掛けて、ようやく重湯が見えなくなった感じ。そこで火から下し、蒸らしに掛かりました。
   セロファン筒の方は、この間、ほとんど放ったらかしでした。セロファン筒は透明なので、中身が見えるのですが、明らかに炊けてる様な状況になってましたが、玄米が終わるまで放ったらかしにしてました。それでも焦げたり異常が出たりする事なく、こちらも同時に炊飯を終了しました。

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地面と飯盒の間が狭かったせいか、あまり火が起こりません

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飯盒を上げたら、元気よく燃え出しました

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一旦炊けた玄米飯に、びっくり水を投入

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この頃になって、ようやくセロファン筒の方の飯盒が湯だちました


■実食
   さて、炊きあがった玄米飯とセロファン飯。まず玄米飯の方ですが、底がほんの気持ち焦げていた意外は異常なしで、むしろ規定の時間より長い時間掛けて炊いたので、柔らかめでした。玄米だけに糠の部分はあるのですが、こちらも時間かけてただけあって、いつもよりは柔らかい感じでした。
   セロファン飯の方は、物凄いもっちり感溢れる出来栄えでした。今回は山形産の胚芽米でしたが、普段の白米ではこうはならないとの事。自分の経験からすると、この出来栄えは、弱火で長時間、吹きこぼれ無しでゆっくり炊いた飯に近いのですが、もしかしたら胚芽米独特の特徴なのかもしれません。
   用意していた鶏肉は、とてもじゃないが食い切れないという事で料理せず、ひたすら延々、玄米飯とセロファン飯を1合ずつ、沢庵とフリカケだけで食べたのですが、後半はほぼ苦行プレイでした。白飯と違って、玄米飯も胚芽米飯も、それぞれ味と匂いがあって、これが腹一杯になってくると飽きてくる。掛子一杯に入ってた沢庵も、2人でバリバリ食べて、残り3割くらいのところで飽きてしまう。とにかく、うんこ白くなっちゃうほど食った感満載で、ようやく食べ切りました。
   焚き火で炊くのは難しい、と思われがちですが、アホみたに薪入れてガンガン炊かない限り、逆に火が弱かったりして、コゲコゲの飯にはならんもんで、その意味では、どうあっても食える飯が炊ける、という訳です。

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完成した玄米飯とセロファン飯

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合計2合を食いまくりです
もう、めっちゃ食べましたwww

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腹一杯のところで、さらにサイダーwww
ゲップしたら飯が出て来そうですww


■セロファン筒炊飯法のメリット・デメリット
   セロファン筒炊飯法というのは、先の大戦で日本陸軍が開発した炊飯法で、セロファンの筒に米と水を入れて、湯煎するという炊き方なのですが、これのメリットは火加減などまったく注意しなくても飯が炊けて、かつ飯盒も汚れない点です。この炊き方を開発する必要性は、戦地において兵隊自身が飯盒などで飯を炊く必要に迫れても、いざやると美味く炊けず、まずい飯ばっかり食う羽目なり、誰でも簡単に炊く事が出来る方法が求められたからでした。今のパックご飯の先祖とも言うべき炊き方です。
   デメリットは、このセロファン飯が、上手に炊けた直火炊きのご飯には、到底かなわぬ味わいである事です。日本の米の炊き方は、世界にも例を見ない独特なもので、過去三千年にわたる生活の知恵で考え出された「日本国民の文化財」なのだそうです。ただし、これは経験と勘に頼るところが大で、それを戦地の兵隊に求めるのは無理、と判断した陸軍が、「失敗なしで、とりあえず食える飯を炊ける」方法として編み出したのが、このセロファン筒炊飯法だった訳です。実際、特別美味くはないが、不味くもない、いわば炊飯器で炊いた飯の様に、幸せ感は感じないけどちゃんと食べれるご飯に仕上がりました。
   今回、さらに感じた事は、セロファン筒で飯を炊いたあと、お残しするならセロファン筒のまま残せ、かつ飯盒は一切汚れない、というメリットを発見しました。現地で飯盒を洗うというのは、結構手間でありますし、水があまりない所では実質無理ですので、洗わずに済むというのは、戦地においても大メリットであったと思います。

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セロファン筒炊飯だと、飯盒の中が汚れません
湯がいた湯も他の用事に使えます

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煤で汚れた飯盒を砂で洗います
あまりやり過ぎると、塗装が剥げますw


■今後の課題
   さて、6回目を迎えた飯盒オフは、ほぼオカズなしの飯の大食い大会になった訳ですが、とにかく2人で4合も炊いたら大変。しかし、飯盒は2合以上じゃないと美味くいかない事が多い、という事で、だったら胃袋の数を増やした方がいいですねー、という事になりました。理想を言うなら、ご飯担当、オカズ担当、デザート担当、その他、という具合に、4人くらい居るのが良いのでしょうが、なにせ格好が格好だけけに、近寄り難いんでしょうかねw

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この格好も、着慣れればそれっぽく見えますww
流石に電車乗るのはキツいですがww



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tanisi_corp at 20:00コメント(0)

2015年06月22日

   これまでにも何度かご飯の炊き方について書いたのですが、今回は真面目に兵式飯盒使ってご飯炊く方法について語ります。飯盒といえば、ご飯を炊く道具として認識されている訳ですが(この際、もともとは食器という由来は置いておきましょう)、だとしたら、上手にご飯を炊けてなんぼというもんです。

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炊飯器と違って、飯盒は全手動です
感覚とセンスと経験が物を言う世界です


■ざっくり、ご飯の炊き方とは?
   ご飯の炊き方というのは、ネットで調べれば色々出てくるのですが、ざっくり書けば、この要領だと思います。
  1. 米を洗って研ぐ
  2. 米を水に浸ける(夏場なら約30分、冬なら約1時間)
  3. 強火で沸騰させる(3〜5分)
  4. 噴いて来たら弱火で炊く(3〜5分)
  5. プチプチ音が聞こえたら、火を止めて蒸らす(約15分)
   水の量は、飯盒の側面の水量線(みずはかりすぢ)に合わせて、米と一緒に水を入れれば、まずまず間違いがありません。しかしながら、慣れないウチは失敗も多いもので、芯飯になる事はあまりないのですが、ふっくらと炊きあがらず飯粒の中がモサモサパサパサしたものになったり、上はフックラしてるのに下はパサパサとか、ともかく食味の悪いのが出来上がったりします。
   これらの失敗の原因は、多くは火力に由来するもので、火力が弱く煮飯になった場合によく起こります。逆に、火力が強いままボケッとしてると、あっという間に水分が飛んでしまい、飯盒の底が焦げて後始末が大変になったり、下手したら飯盒が再起不能になります。

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米の研ぎ方は上記の通りですが
この様に飯盒から研ぎ汁や濯ぎ水を捨てると
どうしても底の方に残ってしまいがちです
自分は自宅の場合は、ザルに米をあける様にしています

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兵式飯盒には、2合と4合の水量線がついています
それに合わせて水をいれ、米に吸水させます

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吸水が済んだら、ストーブに飯盒を掛けます
まずは強火で、沸騰させます

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湯気が出て蓋が持ち上がる様になったら、弱火に切り替えます
そして、プチプチ音がしてきたり、焦げっぽい匂いがするまで弱火に掛けます
ラストの方でもし不安であれば、蓋を開けて中身を見ます
重湯が消えていたら、火から下ろします

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約15分間蒸らします。この時は決して蓋を取りません
逆さにするのが定番ですが、上向きでも構いません
ちなみに、飯盒の底は凹むほどどつかない事
飯盒が傷むだけで、何の意味もありません

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底の方までふっくら炊けて、かつ焦げ無しです


動画編
下までふっくら炊けました


■上手に炊く秘訣
   ご飯を上手に炊くコツは、上記の3と4を上手にやる、という事に尽きます。しっかり沸騰させて、しっかり弱火で炊く。これが出来れば、まぁ失敗はありません。そして、これが上手に出来る熱源は、ガスを使うコンロやバーナー、火力調整が自在な灯油やガソリンストーブです。強い火力を発揮ししつつ、弱火もOKという事で、まさに飯盒メシを炊くには適している訳です。
   ポイントは、レシピに書いてある時間をアテにするのでなく、「状況」によって判断する、という事です。具体的には、飯盒が噴いて来たら弱火に切り替える、プチプチ音が聞こえたりちょっと焦げた匂いがしたら火から下ろす。そうした手順をタイムでなく「状況」によって判断する事です。
   というのは、時間というのは、使用する熱源によってまちまちだからです。例えば、ガスならば大体5〜7分くらいで噴いてきますし、アルコールだと10分くらい掛かったりします。ところがガソリンだと3分くらいで噴いて来たりして、あまりの早さにビックリします。しかし、早かろうが遅かろうが、噴いて来たら弱火に変える事に違いはないのです。そこをクソ真面目に5分とかやってると、そこが焦げたり半煮え飯になったりする訳です。
   そうは言っても、その「状況」そのものが最初のウチは分らないと思います。なので、まずは自宅のガスコンロなどで炊く練習をしましょう。自宅では、風も吹き込まず、気温も一定していて、屋外とは段違いに条件が整っているので、成功率が高いです。練習で、メシが炊ける過程の諸現象、上手に炊けた時のやり方などを覚えて、飯盒でメシを炊く感性を磨くのが良いと思います。

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ガスストーブを使った炊飯
一発着火、火力自在で便利です
室内では、強火といっても案外絞り気味です

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アルコールストーブによる炊飯
同じアルコール系でも加圧式なので、固形燃料より火力が強いです

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缶入り固形燃料による炊飯
気温が高く無風状態であれば、アルコール系でもそこそこ炊けます


■外では格段に難しくなる
   いくら自宅で上手に炊けても、一旦外に出ると美味く炊けないのが飯盒での炊飯です。自分もこれまで、大抵は芯が残ってたり、残った芯が半煮えだったり、その芯が蒸れた状態でパサパサだったりしたもんです。ウチで炊いてるのと同じ様にやっているのに、美味く行かないのはおかしい訳ですが、その原因は屋外ならではです。
   屋外では、天候、気温、風力、場合によっては標高も、これらの条件に大きく左右されます。一番影響を受けるのは風、気温です。風が吹けばバーナーの炎は風に煽られて、それだけで火力が落ちます。気温が低ければ、飯盒が沸騰するのに時間が掛かります。総じて、火力が落ちて沸騰までの時間が掛かり、しっかりとメシが炊けず半煮えになるのです。
   その他にも、風がキツいと沸騰した湯気が飛ばされて出てるか分らない、騒音があるとプチプチ音を聞き逃す、日光が明るいとアルコールストーブの炎が見えない、などなどの要素もあります。それらを踏まえた上で、出来栄えの良いご飯を炊かねばならぬところに、経験と戦術性を求められるのです。
   具体的にはどうしたら良いのか、というと、基本に忠実にやる事です。強火のところは強火で、弱火のところは弱火で。ただし、風や気温、天候によって、同じ捻り方でも火力は変化しますから、風が強い寒いと感じた時は、いつもよりも火力を強くする、という感覚的な対処が必要なのです。そして、早過ぎず遅過ぎず、必要な時間を掛けて炊き上げる訳です。
   風がきつい場合は、風避けの対策は必須になります。固形燃料やアルコールストーブの場合、風に煽られるというのは、単に火力が落ちるだけでなく、燃料の消費を増大さえ、まだ半煮えなのに燃料がなくなってしまう、という事態を招きかねません。ガスやガソリンといったバーナーでも、無風時よりは強めの火力にせねばなりませんし、弱火にしたら風で消えた、といった事も起こります。風がある場合は、天ぷらガードなどで風除けを作る、テントの前室で炊飯する、換気に十分注意してテント内で炊飯する、等の工夫が必要です。
   厳冬期など気温が低い時は、温暖な季節と同じ火力で炊飯すると、沸騰までに時間が掛かり、いわゆる弱い火力で炊いたのと同じ様な、煮飯状態が発生します。つまり、フックラ炊けず、芯が残ったり、芯が蒸れたパサ飯状態になります。ガスやガソリンの場合は、いつも以上に火力を強くする必要がありますが、ガスは低温の場合、ガスが気化されにくくなっていて火力が低くなる傾向にあります。アルコールに至っては、火力調整などありませんから、強くしようがありません。ガスカートリッジを手で温める、狭めの風防を用意して輻射熱を逃がさない様にする、等の工夫が必要になります。(その点、ガソリンは寒さに強いです)
   屋外での炊飯は、気候と熱源の特徴を理解した上で、如何に基本に忠実、近い炊き方が出来るかがポイントだと思います。しかし、これは直ぐにマスターできる様なものではなく、普段から飯盒使って外でご飯を炊くなどして、経験積んでセンスを磨くしか、上達する方法がありません。

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野外における炊爨
使ってる熱源は、軍装に合わせて缶入り固形燃料
気温は温暖で風もあまりありませんでした

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見た目、炊けてる様に見えますが
実は、下のかなりの部分がパサ飯でした

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飯はパサ飯、オカズは野菜の食感満点
明らかに火力不足の結果でした

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アルコール系の場合、風防を工夫する事で
ある程度の火力不足を補えます
写真は、キャンティーンカップスタンドゲルネンの組み合わせ



■蓋は取るのか取らないのか
   ご飯を炊く際にしてはならない事の最たるものが、蓋を取って中身を見ることだと言われています。大抵のレシピやマニュアルには、そう書かれています。炊飯途中で蓋を開ける事を良しとしない理由は、蓋を開ける事で内圧や熱が逃げて、ふっくら炊き上げるのに難が生じるからです。
   しかし、蓋をしたままでは、飯盒の中がどうなっているのか、分らないのも確かです。特に分らないのは、弱火で炊く段階で、どの程度の水気が残っているか、です。ボケっとしていると、底を焦がしたりする事もある訳で、非常に悩ましい事になります。
   そこで、上記の炊き方に対応させて、その時、飯盒の中でどうなっているかを解説すると、下記の様になります。
  1. 強火で沸騰させる
     水が熱せられる段階。最初はやんわりと水が対流しているが、沸騰すると激しく対流し、それに合わせて米も対流する。沸騰すると、いわゆる、ボコボコ噴いた状態になっている。
  2. 噴いて来たら弱火で炊く
     弱火にする事で対流が弱まる。水が一定に熱せられた状態で、米が水を吸収し初め膨張する。米が膨張するに従って、水分は減って行く。
  3. プチプチ音が聞こえたら、火を止める
     最終的に水分はほぼ米に吸収される。水分がなくなり、米が飯盒の底に接触する事で、火に当たっている部分の飯がはぜる音がプチプチ音。
  4. 蒸らす(約15分)
     飯盒の中に残った熱によって、炊けた飯が蒸される状態。ここでは絶対蓋を取らない。
   こういう感じになっています。外見的には、沸騰し始めれば湯気が出ますし、強力な火力であれば蓋が持ち上がったり、重湯がこぼれ出たりします。そうすれば弱火に移る訳です。そして、プチプチ音が聞こえて来たら火を止める。若干焦げた臭いがした時は、焦げが始まってる様相なので、ただちに火から下ろさねば焦げ付きます。
   しかし、気温が低かったり、騒音があったりすると、なかなか沸騰してる風に見えなかったり、プチプチ音が聞こえない、といった事が起こります。気が付いたら、沸騰を予感させる前に水気がなくなっていた、などという事もあります。逆にプチプチ音が聞こえてるのに、まだ水分が残っていた、という事もあります。こうした怪しい時に、あえて蓋を開けて中身を確認するのは有りだ、と自分は考えています。
   ただし、蓋を開ける時は、さっと確認して素早く蓋をする、あと頻繁に蓋を開けない。そうしないと、圧も熱も掛からず、ロクな飯が仕上がりません。やはり、基本は蓋はなるべく取らず、飯盒の様相、蒸気の出方、炊け始めた米の臭い、プチプチ音、焦げの臭い、といった作用や反応で、炊き具合を見定めるのが大事です。

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不安があるなら、蓋を開けて中身を見るのも可です
ただし、さっと蓋して、極力熱を逃がさない事
写真はまだ重湯が残っているので、さらに加熱を要す状態です

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外見的な「状況」で仕上がり具合を確かめる能力が重要です

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プチプチ音が聞こえたり、焦げっぽい匂いがしても
(これらがしない場合もある)
重湯が残っている場合もあります
無くなったら火から降ろします


■出来栄えの良いご飯とは
   自分がよく例えに出すのは、「炊飯器並みの出来映え」という表現です。炊飯器で炊いたご飯というのは、その炊飯器が壊れてない限り、芯飯になったり、パサついた飯になったり、あるいはベタベタの飯になったりしないものです。いわゆる「出来栄えの良いご飯」を作る様に出来ています。しかし、これは機械から出来る芸当であって、飯盒ではそうは行かない事は上に述べた通りです。
   飯盒は、他のクッカーと違って、水量線(みずはかりすぢ)が付いていますので、水の分量で失敗する事はあまりありません。水が足りなくて底を黒焦げにしてしまう、というのは、よほど火力が強いか、いつまでも火に掛けていたか、そのくらいしか例がありません。よって、飯盒メシでの失敗は、もっぱら火力によるところが大なのです。
   例えば、芯飯ですが、これは火力不足によって起こります。強火が強火ならず、ゆっくり炊いているうちに、いつ沸騰したのかも分らず、気が付いたら重湯も消えていた時によく起こります。外身はふっくら炊けている様に見えるのですが、中は固いまま、という具合です。芯飯の状態で、かつ蒸らしが足りない場合、しかも気温が低くて蒸らしてる間に冷めて来た時などに顕著です。
   芯飯とまで行かなくても、芯がパサパサしてるご飯というのも、やはり火力不足が原因です。微妙に火力が弱かった場合、中まで熱が回らず、中途半端な煮え方になり、蒸らした結果、いまいちパサパサした出来映えになってしまいます。飯盒の上下で出来栄えが違う、という事もままあります。上の方はふっくら出来ているのに、下の方はパサ飯という具合です。
   こうした失敗を防止するのは、強火の時は徹底して強火なのだ、という事です。具体的な例を挙げると、温暖な気候の時のベランダにおいて、ガソリンストーブを使用すると、沸騰までに約3.5分、微かに焦げっぽい匂いがするまでの弱火も4.5分くらいで炊けてしまいますが、意外にも焦げ飯にならず、上から下までふっくらと炊きあがります。逆に、厳冬期のアルコールストーブでは、15分経ってようやく沸騰し始め、さらに数分火に掛けても、重湯は消え切らず芯飯でした。つまり、沸騰までに時間が掛かり過ぎ、かつ火力が弱くて炊き上げきらなかったのです。

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4合炊きの場合、2合よりも
噴きこぼれしやすいとか下の方がパサ飯になり易いなど
いろいろありますが、上手に炊ける様に練習あるのみです

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ご飯が美味しいと、粗末なオカズでも全然美味しく食べれます
これは残った冷や飯に味噌入れておかゆにしたもの
密かにマイブームです

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火に掛けてる時間が長いと、若干焦げる場合がありますが
この程度なら、全然大丈夫
問題なのは炭化した場合なので、そうならない様に感覚を磨きましょう



■炊飯に適した火器・熱源
   上の事から、飯盒で(飯盒に限った事ではないかもしれませんが)ご飯を炊く上で、重要なのは火力である事が理解出来たかと思います。しかも、単に強ければ良いというものではなく、弱火も可能でなければならないのです。
   それを踏まえた上、炊飯に適した熱源を勧めるとしたら、自分はガソリンストーブもしくはガスストーブを勧めます。炊飯する場所が少し標高の高い場所、季節が冬なら、ガソリンストーブ一択です。ガソリンストーブは、気温気圧にあまり左右されず、強力な火力を発揮し、かつ弱火も可能な物が最近はあるからです。ただし、ガソリンストーブはポンピングやプレヒートといった作業があり、タンクに燃料を入れる際に指にガソリンが付いたら臭い(特にレギュラーガソリンは)、などなど不便な事もありますが、それを差し引いても優秀です。
   ガスバーナーも、最近は寒冷地用などがありますし、無風状態や温暖な気候の時には、ガソリンストーブ同様の火力を発揮しますし、火力調整については圧倒的にガスの方が融通が効きます。しかし、冬場でちょっと標高の高い所だったりすると、いつも通りに使っていたら、思いも掛けず火力が足りなくて、半煮え飯を食うハメになった事が何度かありました。
   アルコール系のバーナーやストーブは、無風で温暖な季節には良いのですが、そうでない時は相当に不利です。また、火力が低い状態で一定ですので、上に書いた様に強い火力で炊き上げるという芸当が出来ず、ふっくらと仕上げるのが難しくて、「とりあえず食える」状態の飯になる事が多いです。単に湯を沸かすだけなら良いのですが、炊飯という特性上、化石燃料系よりは不利だと考えています。
   飯盒と言えば焚き火をイメージする訳ですが、実は焚き火で飯盒を使った経験は、あまりありません。直火がOKな場所が少ないからですが、大体はストーブで炊くからです。故にどうこう言えるだけのデータがないのですが、要は上記に述べた炊飯の要領をちゃんとやる事です。むろん、火力調整などいうのは焚き火にないのですが、薪を間引く、飯盒の位置を高くする、などなど、ストーブの時以上に高度な戦術性を要求されます。

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普段から使う道具にもっとも精通しておく必要があります
自分の場合、トランポに常備しているのは
カセットガスジュニアですので、普段からの練習が欠かせません

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アルコールストーブは、単体では使えない事がほとんどです
しっかり安定した五徳を選ぶ必要があります
なお、アルストは晴れの昼間には、炎が見えない事がしばしばです

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飯盒は外で使うもんだ、という先入観を持っている人が意外に多いです
自宅のガスコンロでも全然使えます
まずは自宅で練習しましょう

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もっとも難易度が高いのは、焚き火などでの炊爨だと思います
やる機会が少ないだけに、上達するのは大変です



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2015年06月10日

   前回、第4回飯盒オフでは、雑誌の取材であったにも関わらず、肝心の料理が美味くいかず、自分としてはとても心残りな結果となりました。飯はパサパサ、カレーの方は食材がシャリシャリ繊維質満点。自分らだけなら、これもまぁ、ご愛嬌なのですが、やはり客人に出すからには、「飯盒使って、こんなに美味しいのが出来るのか!」と感嘆して貰わねば、飯盒愛好家として成功を納めたとは言いがたい。
   しかし、文句ばっかり言っていたのではしょうがない。自分でも、当日とイコールコンディションの条件でチャレンジしてみて、何が不具合だったのかを探り出さない事には改善の余地はない、という事で、改めて「軍隊調理法」によるカレー汁を作ってみる事にしました。

20150610


■まずレシピ
   「軍隊調理法」は、書籍としては今は売られていませんが、近代デジタルライブラリーで原本が閲覧可能です。カレー汁は、第二章調理法の第二、汁物の24番目に記されています。
   まず材料ですが、一人分で、肉70g、馬鈴薯(ジャガイモのこと)100g、人参20g、タマネギ80g、小麦粉10g、カレー粉1g、食塩少々、ラード5g、となっています。小麦粉とカレー粉は、油粉捏(ゆふんでつ=ルウの事)に使うのですが、特筆すべきは、カレー粉がたったの1gだという事です。調理の項で出て来ますが、使う水は350mlもあるのに、カレー粉がたったの1gです。恐らく、カレーの王子様だって、もうちょっとカレー粉使っていると思いますが、考察は後にするとして、とりあえず、これらの食材を準備します。
   準備は、肉は細切りとし、ジャガイモは2cm角くらい、人参は木口切り(つまり輪切り)として、タマネギは4分割にする、とあります。肉とジャガイモはともかく、人参とタマネギは、当時はかなり小さめのを使ったのでしょうか。ラードは煮立てて小麦を入れてかき混ぜて、カレー粉を入れてルウを作ります。今回のキーポイントは「煮立てる」という部分です。
   調理は、鍋に肉と少量のラードを入れて少量のタマネギと一緒に炒めて、その後350mlの水を入れて、人参を入れて煮立て、次にジャガイモ、タマネギの順に入れて、塩で味を整えて、最後にルウを煮汁で柔らかくして、流し込んでかき混ぜて出来上がり、です。特徴的なのは、野菜は炒めず、煮込むところです。何にしても、水が沸騰してくれない事には勝負にならない、という事です。

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軍隊調理法には、具材の切り方まで書いてありますが
その辺りはざっくり無視
火の通りを優先した切り方にしました

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しかし、カレー粉と小麦粉の量は厳格に厳守
二人分で2gって、これっぽっちしかないんですよ

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飯盒オフと同条件で行うため、ベランダで炊事
台所と違って、ごちゃごちゃ置かざるを得ず
面倒くさい感じでした


■缶入り固形燃料の縛り
   「軍隊調理法」には、使用する熱源については触れていません。一応、冒頭に薪、石炭、ガス、電気などの熱源に触れていますが、特に野戦での熱源は書いていません。まぁ、そこらにある燃える物を使えという事でしょうが、ここは飯盒オフに準拠して、缶入り固形燃料を使う事にしました。
   缶入り固形燃料は、いわゆるアルコール系の燃料なのですが、以前の自分の調べでは、ガスやガソリンといった化石燃料と比べると、熱量は半分くらいです。それ故に火力が弱いとも言われるのですが、温暖な無風状態の室内だと、あまり不利を感じません。しかし、一歩外に出ると、天候、気温、風力、その他の事象で、一筋縄ではいきません。
   それ故に、これまでの飯盒オフでも、何度か半煮えの料理を食う羽目になった訳です。しかし、アルコールストーブが全般的に火力弱くて料理に使えない、という訳でもありません。要するに、日本軍の様式にしてから、火力不足を感じる事がままあった訳ですが、これはやり方次第、という気がします。
   今回の企画では、日本軍様式、具体的には、飯盒掛けを使用した状態で、沸騰させるのにどれだけの時間と燃料を要するのかを調べる目的で始めました。

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飯盒掛けは、3本の足の角度を変える事で
熱源と飯盒の高さを可変させ、火力を調整する事が出来ます
五徳にはない強みです


■炒める調理法
   カレー汁は、まず油粉捏(ルウ)を作り、肉を炒める所から始まります。どちらも火に鍋を掛けて、油を熱して炒める調理です。
   まずは、油粉捏ですが、軍隊調理法では、「ラードを煮立てて小麦粉を投じて撹拌しカレー粉を入れて油粉捏を造り置く」と書いてあります。何を使ってどうしろ、とは書いてないのですが、「煮立て」なければならないのは確かです。飯盒の蓋などを利用しても良いのでしょうが、飯盒掛けには五徳はないので、蓋持ったままラードを煮立てるのはかなり熱いと思います。さりとて、飯盒で油を沸かしつつ、掛子(中蓋)を飯盒にセットして、伝わってくる熱で煮立てるってのは、やってやれない事は無いでしょうが、相当に時間が掛かります。
   そこで自分は飯盒で油粉捏を作りました。これなら確実にラードは煮立てられますし、鍋が深いので粉が飛び散る心配もありません。むしろ深いだけだって、スプーンでかき回すのが難しいのですが、これは飯盒一般に言える事なので、不便承知で工夫してやりました。
   油粉捏を作ったあとは、洗う訳でなく、そのままラードを入れて肉(今回は豚肉)とタマネギ少々を炒めました。油粉捏の残りが焦げたりしないか、と思ったのですが、意外に焦げない様です。むしろ、残った油粉捏と肉が混ざり合う様に炒まりました。
   肉を炒めるのは、自宅のガスコンロに比べたら、それなりに時間が掛かる様にも感じましたが、それでも5分ほどでおおよそ炒まりました。まぁ、飯盒の中で炒めてますので、カリっという訳ではないですが、とりあえず火が通れば良しとしました。

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飯盒で炒め物出来るって、意外と知らない人が多いんですが
油さえちゃんと入れてれば、それなりに出来ます

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ラードが溶けて、熱せれたら、小麦粉を投入
スプーンでさっさとかき混ぜます
軍隊調理法ではきつね色にならなくてもいいので
混ぜれたらカレー粉を入れて混ぜて火からおろします

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出来た油粉捏
色はそれなりに着いてますが
小麦粉20gにカレー粉2gしか使ってません

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そのあと、ラードを入れて再度熱します
残ってる油粉捏が焦げる前に肉を投入します

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スプーンで肉をかき混ぜて炒めるのですが
飯盒がガタガタして、飯盒掛けが緩む事があります
地面に刺せない場合は、固定の仕方を考えねばなりません


■沸騰させる調理法
   肉が炒まったら、水を入れて沸騰させます。この時、自分は調理法を見落として、人参を入れるのを忘れて、先に水を沸かそうとしました。それ故に余計に時間が掛かりましたが、それでも沸騰するまでには、予想以上に時間が掛かりました。
   とにかく、5分そこらでは全然微動だにしません。こりゃ、蓋をしない事にはダメだ、と思ったのですが、蓋には切ったジャガイモだのタマネギだのが入っているので、仕方なく油粉捏作り置いた掛子を被せました。掛子を被せてもなかなか沸騰せず、掛子の中の油粉捏が溶けてドロドロになる感じでもありません。もしかしたら、ホントに野外でコケネンでは沸騰せんかもなー、とか思ったりしたのですが、水を投入してから約35分後、やっとこボコボコに沸いてきました。
   その後、ニンジン、ジャガイモ、玉ねぎと、順次に入れて行ったのですが、入れた直後は温度が下がって沸騰が収まるので、入れたら掛子をし、沸騰して暫くしたら次のを入れる、という具合にしました。そして、最後10分間、蓋を開けた状態で沸騰させ、煮汁で油粉捏を伸ばして飯盒に投入し、さらに5分間煮て、ようやく完成となりました。調理開始から、約80分後の事でした。

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水をドバドバ。二人分で700mlです

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掛子で蓋をして13分経ちましたが
沸く気配が全然してません

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約35分後、やっとこボコボコに
これぞ煮立ててる状態です

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約50分後、全ての具材を投入し
かつ完全に煮込みました


■出来上がり
   このあと、掛子の油粉捏に煮汁を入れて溶き、飯盒に入れてかき混ぜ、暫く煮たら出来上がりです。この辺りはそれほど難しいもんでもありません。ただ、出来映えは、自分が普段食べているカレーに比べると、バシャバシャに薄いです。それもそのはず、水350mlに対して油粉捏は良い所20gあるかないかですから、圧倒的に薄い訳です。しかもカレー粉はたったの1gです。確かに匂いはすれども、色はほとんど白です。
   具材の方は、結構な時間を掛けて煮込んだけあって、具材は完全に柔らかくなっていました。まぁ、ウチのガスコンロであれば10分くらいで完了する煮込みが、50分も掛かったのは流石に固形燃料の性能の限界というところでしょうか。逆にいえば、普段の飯盒オフでは、煮込む時間が明らかに足りなかった様に思います。時間が掛かってもしっかり煮込めば、具材的には普段のカレーと遜色ない調理になる事が分りました。
   しかし、出来映えはどうみてもカレーというより、肉じゃがっぽく見えます。全く持ってして薄いです。カレー汁と名がついてるだけに、汁っぽいのは許せるとしても、見た目が肉じゃが、豚汁、みそ汁にしか見えないはどうしたもんか。自分らが知っているカレーよりも、むしろ、味噌や砂糖醤油の代わりにカレー粉使いましたー的な雰囲気です。

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煮汁で伸ばした油粉捏を飯盒に投入
ただでさえ量が少ないので
出来るだけ油粉捏を無駄にしない様にします

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具材には完全に火が通ってました
やはり、固かったり筋っぽい状態だと
かなり不満が残ってしまいますからねぇ〜

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しかし、この薄さはどうした事でしょう
カレーだと言わなければ、絶対カレーに見えません


■要した燃料の量
   今回、水を煮立て、具材が柔らかくなるまで煮込むのに、延べで約50分掛かりました。調理時間全体では、約80分掛かりました。使用した燃料は、1個25gの宴会コケネンを6個入れた缶と、160g缶gが約半分くらいです。160g缶の説明によると、約1時間燃焼とあります。つまり、約80分の使用時間で、おおよそ230g固形燃料を消費したというのは、妥当な数字と言えます。もっとも、今回は天候の晴れて暖かく、風もそれほど吹き込みませんでした。もしも天候が悪く、風も強い時には、消費はもっと激しかったでしょうし、風防を活用するなど、防風に気を配らないとならなかったでしょう。
   また、230g使ったという事は、160gの場合は確実に2個、250g缶の場合でも予備1個いれて2個、400g缶でようやく1個でまかない切れる、という事になります。飯盒オフでは、160g缶ないし250g缶を使ってますから、2つは持っていかんとダメって事になります。値段にしたら、大体1000円くらいはする訳で、結構大きな額です。軍装の縛りがないのでしたら、迷わずガスバーナーを使った方が、万事ストレス無く出来ると思います。

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コケネン、バトンタッチww
奥のコケネンはまだ燃えてますが、燃料が底の方にしかなく
もやは火力を持っておりません


■飯盒掛けの使い勝手
   今回、ベランダで初めて飯盒掛けを使ってみたのですが、その使い勝手の良さ悪さは、料理の動作によって左右されました。
   いわゆる「炒める」動作では、飯盒を持って中身をかき混ぜなければならないのですが、飯盒掛けに飯盒を掛けた状態では非常に不安定で、飯盒掛けを倒しかねない事もしばしばありました。今回は飯盒が一つだけですので、まだ良かったのですが、これが3つフルに掛かっていた状態では、とても出来る動作ではありません。炒める動作は、熱源の上に置いてやるのがやり易いです。
   逆に、「煮込む」動作では、要は掛けてけば良いだけなので、地面にしっかり固定出来ていれば、何ら問題ありませんでした。飯盒掛けは、本来こうした使い方をするものなのだと思います。どんな道具でも万能はありません。掛けて使い勝手が悪ければ、その時は手に持つなどすれば良い訳です。
   飯盒掛けは、足の角度を変える事で飯盒の高さの位置を調整でき、つまり火力の調整が出来ます。これはいわゆるハンゴーキャッチタイプの飯盒掛けでは出来ない芸当です。今回は焚き火などでなく、固形燃料を使った訳ですが、それでも高さの調整は便利に感じました。火力調整が出来ないアルコール系の熱源には、向いているのかもしれません。もっとも、風防の対策の問題もあり、やはり万能ではありませんが。

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今のアウトドア用品で、つり下げ使う物というのは
実は少ないんじゃないでしょうか?


■軍隊カレーの考現学的考察
   「温き御飯を皿に盛りて其の上よりかくればライスカレーとなる」と書いてありますから、その通りにしてみましたが、どう見てもカレーに見えません。どっちかというと、クリームシチューです。一口食べてみましたが、どうにも水っぽく、カレーの味はこれっぽっちもしません。それでも美味ければ良いですが、全然美味くありません。これは一体どうした事でしょうか。
   今まで「軍隊調理法」を見ていくつか作って来ましたが、どれもこれも美味いものばかりでした。軍隊の飯は不味い、というのは風評であって、結構美味いもんを食っていたのです。しかし、このカレー汁だけはどうにも頂けない。カレーといえば、ラーメンとならんで、今や日本の国民食とまで言われているのですが、そのルーツは軍隊カレーにあります。が、こんなもん食わされたのでは、とてもじゃないが、満期除隊後も食いたいとは思いません。
   仕方が無いので、ソースを掛けて食べたのですが、ただのソース飯になってしまいました。つまり、薄すぎてカレー足り得ないのです。自分が思うに、「軍隊調理法」に書かれている「カレー粉 一瓦」は「一〇瓦」の誤植ではないでしょうか。それにしたって薄いと思うのですが、まだソースでリカバー出来るレベルになると思います。
   逆に、昔の人は、今の基準で考えれば、薄いカレーを食べたいたのかもしれません。自分が子供の頃には、既に市販のルウでカレー作るのが主流でしたが、それでもソースや醤油を掛けて食べる人は一定いました。無論ソース掛けなくても美味しいのですが、カレーにはソースとか掛けて自分の好みの味にする、というパターンが染み付いてた人が居たんだと思います。
   今回は、あえて「軍隊調理法」の量目の通りにやりましたが、料理というのは感性、センスです。必ずしもマニュアル通りである必要はありません。ですので、他の方がカレー粉からルウを作る時は、お好みの量でチャレンジして下さい。

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どう見ても、黄色みがかった何かです
カレーなりクリームシチューの途中経過みたいです

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お残しする訳にもいかないので、ソースかけましたが
どうもに美味いものにはなりませんでした



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tanisi_corp at 20:00コメント(0)

2015年06月09日

   一昔前は、キャンプといえば飯盒でしたし、また飯盒くらいしかご飯炊けるアウトドア用の鍋もなかったのですが、今では専用のライスクッカーなどもありますし、飯盒はあまり使われなくなっている様です。しかし、その割には廃れてる事なく飯盒が売られているのは、根強い人気があるのではなく、キャンプ=飯盒といったステレオタイプなイメージの強さからではないか、と思います。
   しかし、その飯盒はキャンプでしか使えないものなのか、といえば、決してそんな事はなく、自分などは好き好んで飯盒を日用品として愛用しています。むしろ、キャンプ用、非常用と固定観念で捉えず、日常的に使う事で、それらの状況でも上手に使えるんじゃないか、と思う次第です。(→飯盒の考察

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手元に残る飯盒使用の最古の写真
4合炊きの兵式飯盒でなく、3合炊きの物を使っている
1990年代半ば頃まで、様々な飯盒が売られてました


■飯盒という言葉の意味
   飯盒という言葉を辞書で調べると、大抵の場合は「底が深くてふたのある、携帯用の炊飯具。主にアルミニウム製。軍隊用に作られたが、現在、登山・キャンプ などに使用」といった事が書いてあります。大半の人の認識もその様なもので、飯盒=ご飯炊く=キャンプ、という図式で認識しています。しかし、飯盒という 言葉自体に炊具としての意味はありません。飯はともかく、盒という字はあまり聞き慣れない文字ですが、意味は「蓋つきの容器」です。飯盒以外に、香を入れる「香盒」といった言葉に使われています。つまり、飯盒とは、「ご飯を入れる蓋つきの容器」という意味です。
   飯盒の元になったのは、ヨーロッパの軍隊で使われていたMess tinですが、messはもとは古期フランス語で「食卓に(乱雑に)置かれた食べ物」、tinはブリキ製の缶、つまり「食べ物を入れる缶」という意味です。 ヨーロッパの軍隊においても、メスティンで炊事をするという発想がなかったのです。
   日本で炊爨可能な飯盒が開発されたのは、明治31年の事だそうですが、それ以前の飯盒は炊爨不可のものでした。それじゃ不便だったのか、飯も炊けた方が便利なのにと思ったのか、ともかくメスティン=飯盒で飯を炊くという発想で今様の飯盒を開発したのは、日本の発案だった様です。その後、昭和14年にロ号飯盒にモデルチェンジして、それが今の兵式飯盒となって残りました。
   この項のまとめとしては、飯盒は元々は食器であった事、それを炊爨可能にしたのは日本陸軍であった事、それでもたまにしか飯盒炊爨はやらなかったらしいのだけど、先の大戦でやたら使う機会が増えて、そのまま戦後、日本のアウトドア界に常識的ステレオタイプ的に定着した、という事です。

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日本の飯盒の装備のされ方
最近、ベルト通しの金具が省略されてるタイプがありますが
それがないと、こんな感じで背嚢に付けられません


■非常時が常時に
   飯盒は軍隊が開発したものであるから、兵隊は自分で飯盒で飯を炊いた、という認識をしていたのですが、よくよく資料を調べてみると、平時にあっては聯隊の炊事から飯上げして食器に食事を盛ってましたし、日常的な演習時には飯盒に飯とオカズを詰めて弁当とする、という具合で、普段から飯盒炊爨していた訳では 無い様です。一応は炊爨の教育や演習はやった様ですが、それは大きな演習に限られていた様です。
   では戦時においてはどうだったかというと、可能な限り大隊単位で合同炊飯を行って前線へ温熱給食し、いよいよ会戦となると各自で飯盒炊爨したようです。 そして、ドンパチ始まったら、もう飯どころでなくなったー、みたいな感じの様でした。つまり、飯盒を使って飯を作るというのは、戦時の極めて限られたシーンだけだった、という訳です。もっとも、これは記録に残る範囲の話しで、日常的には様々な活用をしていた事は想像に難くありません。
   そんな限られた用法の飯盒が、戦後日本のキャンプ用品の定番となったのは、先の大戦で兵站がメチャクチャになって、イヤでも飯盒使って銘々炊事をせねばならなかった事や、戦後の物不足で戦地から持ち帰った飯盒が炊事用具で活躍した、みたいな背景があったからではないかと思います。つまり、必要に迫られて、 止むに止まらず、使うハメになった結果、飯盒の使い勝手に慣れて、生活に、そしてアウトドアに普及していった、という様な感じです。
   自分にしてからが、最初から生活用品として飯盒を使ってましたし、しかもそれはまさに「必要に迫れて」感が強かったのです。極論すれば、蓋つきの鍋であれば、大抵のものは飯を炊けるのですが(例えば土鍋とか)、それでも敢えて飯盒だったのは、親父がキャンプで飯盒使ってた事、別に薪でなくても使える事、そうした事を覚えていて、むしろ飯盒以外の選択肢の方を知らなかったくらいだったからです。
   してみると、家庭は言うに及ばず、アウトドアでも飯盒が使われる事が少なくなった今、自分みたいに親から飯盒使う事を伝えられなかった世代にとっては、飯盒は過去の遺物、風変わりな物、非常時の物に、またイメージを変えて行ったのでしょう。

20040320_031800
とあるキャンプ光景
各自1個ずつ飯盒持って来てます

20030321_193402
飯盒は食器だ、という事ですが
明らかに炊事道具として認識してる光景
出来たご飯やオカズは、別の食器に移して食べてます


■飯盒を何で使ってるのか
   自分の中に残る飯盒の一番古い記憶は、小学校低学年の頃、家族で琵琶湖にキャンプに行った時、親父が缶入りの固形燃料と薪を使って飯盒で飯を炊いていた、 というものです。天気の時は薪で炊き、雨の時は固形燃料で炊いていました(一体何泊したのか記憶にないのですが。。)。つまり、この時、「飯盒はご飯を炊くものだ」「固形燃料でもご飯は炊けるのだ」という認識をしたのだと思います。これは画期的な記憶として自分の中に残りました。
   その後、長い間飯盒を使う機会は無かったのですが(林間学校などで使ったかもしれませんが、記憶がありません)、その次に飯盒が登場するのが、18歳で上京してからです。とにかく炊飯器も冷蔵庫もない生活で、さりとて外食では金掛かって仕方ないので、飯盒で飯を炊いてました。その飯盒は、こっちで手に入れ たのか、実家から送った荷物に入ってたのか、記憶が定かではありません。ともかく、クソ真面目に毎回4合米を入れて、小さい台所のガスコンロで飯を炊いていました。
   もちろん、炊き方などは分りませんし、ネットもない時代ですから、目見当です。飯盒の蓋を使った米の計り方も知らなかったので、計量カップを使っていたと 思います。火加減などもよく分らないので、強火で炊いて、吹き零れてガスコンロはベタベタになるわ、底が焦げて後始末が大変だわ、いくら若いからといって 4合も一気に食えないわ、飯炊いてる間は台所から離れられないわで、とにかく飯を炊くのは大変、というイメージが先行してました。なので、まかない付きの バイトに移ってからは、まったく見向きもしなくなりました。
   その後、サバイバルゲームの仲間とキャンプに行く様になり、またまた飯盒を使う機会が出来たのですが、それでも使うのはキャンプの時だけでした。もっと も、上手に炊きたい、吹き零れや焦げを作らない様に炊きたい、キャンプ用のバーナーはストーブを使いたい、といった理由で、練習かねがね自宅で飯盒を「楽しんで」使う機会が増えました。
   そしてある時テレビで、ニューギニアで遺骨収集をしている元日本兵の人が、飯盒で炊事をしながら「これは熱伝導が良くて料理に便利なんだ」と言っているの を見て、飯盒というのがアウトドア用ではなく、普段から使ってる人がいるんだ、という認識を改めて持ったのでした。
   以来、飯盒は非常に身近なものになりました。これまでに自宅では使っていたのですが、それは炊飯器がない貧乏の為とか、キャンプの予行演習とか、いわば緊急時の方便として使っていたものが、日用品として使う様になったのです。これが自分が飯盒を使っている理由と経緯です。

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実は、こういった使い方はあまりしてません
焚き火でご飯を炊くのは、相当高度な技術なんですよ

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ほとんどは、こんな感じでウチで使ってます
この飯盒の分量くらいが
ちょうど飽きる前に食べ切れて良いんですよねぇ


■飯盒を使うスキル、便利と不便
   自分が飯盒でご飯を炊く上で神経を使うのは、「吹き零れを少なくする事」「飯盒の底を焦がさない事」「炊飯器なみの出来映え」この3つです。吹き零れが多いと、ガスコンロがベタベタに汚れて後始末が大変である事。飯盒の底を焦がして炭化させると、後始末が大変なだけでなく、飯盒自体を傷つけて長持ちさせられない事。そして美味い飯が食いたいからです。
   炊飯器なら、この辺りは全部機械がいい感じにやってくれるのですが、飯盒みたいなアナログかつクラシックな道具では、自分のスキルを磨くより他ありません。実のところ、吹き零れや底の炭化は、炊く量を2合にすればおおよそ解決出来ました。むしろ、1人で4合も食えない訳でして、2合で使っても良いんだと知った時は、目からウロコが落ちる思いでした。
   不便なのは、飯盒で料理する時、取っ手が飯盒掛ける釣り手しかないので、持つ時に不便である事。もちろん、軍手は必須です。あと、底が深いので煮物には良いのですが、中身をかき混ぜねばならない炒め物は、かき混ぜるのが結構大変です。
   飯盒は食器だった、という事を述べたのですが、食器としては兵式飯盒は底が深すぎて、非常に食べにくい。特に箸でご飯を食べるのは結構手間で、かつあまり行儀良い食べ方にならない。そんな訳で、昔の兵隊さんも箸以外にスプーンやフォークも持ってたみたいですが、まぁ、こうした不便は知恵なり工夫なり辛抱なりでカバーするよりありません。
   飯盒は飯を炊く以外にも使えるのですが、その中でもインスタントラーメン煮るのに非常に利便性を感じます。普通の鍋なら麺を横に寝かせる格好になるのです が、飯盒の場合、立てた状態で入れる事になります。しかし、底が深いので麺が鍋から飛び出す事もなく、いい感じに煮れます。同様の理由で、レトルト食品を 温めるにも非常に適しています。いや、むしろ一般的な鍋でやるより飯盒の方が向いているんじゃないでしょうか。立てたまま入れるんで、出す時もレトルトの 端っこ持って出せるんで、便利です。

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炒め物も出来ますwww
ただし、かき回すのがちょっと大変ですが
飯盒半分くらいの量がベターです

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飯盒でラーメン作れるんですか!っていう人がいますけど
普通に作れますよwww
ただ、このままだと少し食べ難いですけどね〜

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蓋は把っ手がないので、料理するにはチト難しい
アウトドア用の鍋つかみは必須です
あと、油ひかないと焦げてこびり付きます
(油ひいても蓋は焦げる事があります)


■日用品としての飯盒
   自分が飯盒を日用品として使う様になった頃には、もう炊飯器も冷蔵庫もありましたし、フライパンなどの鍋釜類もそれなりにあったのですが、それでも飯盒が 潜り込む余地があったのは、その使い勝手でした。飯盒というのは、ご存知の通り、他の鍋に比べると底面積が狭くて背が高い造りになっています。いわゆる寸胴の小さい版だと思えばよろしい。これは汁物を作るのに適していたのです。
   また、兵式飯盒の形は、冷蔵庫にしまう時にあまり場所を取らない、という利点もあります。一般家庭の鍋だと、横に広い形をしているので、冷蔵庫では場所を取ってしまう事が多いのです。その点では、飯盒はスペースを有効活用出来ます。自分は一人暮らしなので、冷蔵庫もそれほど大きいものではないのですが、それだけに省スペースが出来る飯盒は重宝でした。
   また、飯盒はそのまま火に掛けれます。まぁ、もとより炊爨可能なのですから当たり前なのですが、作り置いたオカズを入れて冷蔵庫で保存して、そのままガスコンロに置いて温めれるのは、これは結構便利です。自分はオカズを一気に大量に作って、それを連食するのですが、大抵の場合は大きなフライパンで料理して、そのあと飯盒に移し替えて保存します。つまり、フードコンテナとして活用する事が多いのです。
   こうしてみると、自分は飯盒をご飯炊いたり料理したりといった用途よりも、保存容器として活用する方が多いです。まぁ、普段は炊飯器もありますし、どう あっても飯盒でなければご飯炊けないって訳でもないからです。しかし、飯盒にオカズ入れてる時でも飯盒でご飯炊きたくなる時もあるので、一時期、飯盒2個運用していた事もありました。
   飯盒というと、今の人はキャンプ用品という認識な訳ですが、こんな具合で日用品としても使えますし、他のアウトドア用品、特にソロキャンプ用の用品に比べたら、日用品としての利用価値は大いにあります。もし、キャンプ用に飯盒をお持ちでしたら、押し入れにしまいっぱなしにしないで、是非普段から使ってみて欲しいものです。

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ご覧の通り、冷蔵庫の中でとても納まりが良いです
普通の鍋1つのスペースで、飯盒が2個置けます

20150609_110115
ウチの家ではありふれた光景です
この飯盒、かれこれ10年使っているんですよねぇ



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tanisi_corp at 20:00コメント(0)

2015年06月07日

   次回の企画は、そろそろ巻脚絆オフで天覧山に登りますかねー、みたいな話しがあったのですが、天気が良くなかったり人が集まらんって事で順延。そのまま、特段企画立てる事なく日が過ぎていたのですが、ある日、フィールダーというアウトドア雑誌から、飯盒について取材させて欲しいというメールが届きました。迷惑メールにしては堂に入っているので折り返し問い合わせしたら、真面目なアウトドア雑誌でびっくり仰天。しかもその事をみんな(大半がバイク系の友達)に話ししたら、「ぜひ日本兵の格好で」と声を揃えて言われてしまい、「日本兵の格好でしたら良いですよ」と編集部にメールしたら、「こちらのコンセプトにはバッチリフィットいたします」と返事がきて、断る理由がなくなってしまいました。しかし、一人だけ日本兵の格好でいるのも恥ずかしいので、急遽、飯盒オフを開催して、そこに取材に来てもらう格好にしました。

20150606_012432
普段使っているのは、兵式飯盒と将校用飯盒だけです
なので、急遽押し入れからコレクションwを引っ張り出しました

20150606_024418
飯盒紹介するのに、別に日本兵の格好でなくても良いのですが
あえてこちらから希望したからには、ちゃんとキメます
が、相変わらず巻脚絆が怪しいです
明らかに紐が足りないですよねぇ

20150606_145048
鉄兜の背嚢への縛着の仕方も全然分りません
誰か知ってる人いませんかね?
もっとも、鉄兜も円匙もただの飾りなんですがww


■飯盒コレクション
   フィールダー編集部から要望されたのは、まず「たにし様の飯盒のコレクションをご持参いただいて撮影」という事でした。コレクションもなにも、飯盒使っているウチにあれこれ増えただけのものなので、実際には兵式飯盒しか使ってないのですが、まぁ、あるものかき集めても、兵式飯盒将校用飯盒自衛隊の戦闘飯盒2型イタリア軍飯盒トランギアのメスティン、飯盒ではないけど米軍のキャンティーンカップくらいしかない。ロゴスの柄付き飯盒は使い勝手が悪いので売り飛ばしてしまったのだけど、こんな事なら残しておくべきだったと後悔しました。
   さすがにこれじゃ、コレクションとしてはちょっと見劣りするし、おそらく飯盒が取材されるのはこれが最初で最後でしょうから、自分らが持ってるブツを全力出撃させるって事で、急遽、岡谷曹長殿に連絡を入れ、旧日本陸軍の実物のロ号飯盒と将校用飯盒、旧ドイツ軍飯盒、スウェーデン軍飯盒、英軍のメスティンを貸し出してもらい、携帯天幕の上に陳列しました。取材に来た人(可愛い女性)は、目をキラキラさせながら写真撮ってましたが、どうみても骨董市にしか見えませんでしたwww
   撮影してもらうだけでなく、一通り、一個ずつ飯盒の解説をしたのですが、ここからずっと、飯盒についてだけ喋りまくる一日が始まりました。

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飯盒コレクションwは自分のだけじゃ足りないので
前日に岡谷曹長殿から借り受けました
で、3往復して一人で装備運びました(汗)

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アウトドア雑誌という事で、なんとなく体育会系の
ごっつい人が来るイメージをしてたのですが
可愛い女の子が来て、一気に緊張してしまいました(汗)


■飯盒ランキング
   フィールダー編集部から要望されたその2は、「たにし様が選ぶ飯盒ランキングなどをお聞かせいただけると幸いでございます」というものでした。ランキングもなにも、普段使っているのは兵式飯盒だけで、あとはイタリア軍飯盒がたまに。将校用飯盒はオカズ入れ。その他はほとんど使ってなくて、今回わざわざ押し入れから出してきた訳です。しかしまぁ、要望には答えねばなりません。
   ランキング1位は、申すまでもなく兵式飯盒。飯炊くのにもいいし、オカズ作るのにもいいし、冷蔵庫の中でも納まりいいし、普段から一番良く使ってるだけだって、文句なしに1位です。ランキング2位は、イタリア軍飯盒。兵式飯盒より小振りだけで、それが売り。中子や掛子の食器としての機能が秀逸。ランキング3位は、自衛隊2型飯盒。かなりコンパクトで、食器としての機能が優先されていて、お一人様向き。ランキング4位は、スウェーデン軍飯盒。風防、アルコールストーブ付きで、今や新品で9000円もする。最後にランキング5位は、将校用飯盒。これを売っていた金物屋のおっさんが、女の子がランチボックスで買ってったという、いわくの伝説付き。確かに、角形なので鞄の中での納まりはいい。
   実のところ、1位と2位以下は、同率5位だったんですが、解説してるウチにこっちも興に乗ってしまい、それなりにランキングんなりました。選ぶにあたっては、今でも辛うじて買えるものの中から選びましたが、将校用飯盒はもはや製造されてはおらず、流通在庫がたまにオークションに出る程度ですので、ネオクラッシックでオシャレにキメたい女子は、見つけ次第ぜひとも買って欲しいものです。

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あーだこーだと能書きを垂れるワタクシ
もし、取材に来たのが家庭誌や婦人誌だったら
兵隊の格好じゃなくて、ウチに来てもらってたでしょうw

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旧陸軍のカレーの作り方を解説する岡谷曹長殿
なのに、油粉捏(ルウ)作る小麦粉忘れて
カレー汁を作る羽目にwww


■周辺機器
   フィールダー編集部3つめのお願いは、「たにし様がお持ちの飯盒の周辺グッズ(飯盒掛けなど)をご持参いただいて撮影」でした。飯盒掛けは、4つ目のお願いでお目見えさせるとして、スウェーデン軍飯盒を参考にしたオイル缶風防蒸し器を紹介しました。これらの装備は、自分以外にも作ってる人は何人か居ますし、自分が参考にした人もあったのですが、まぁ、早いもの勝ちという事で、右代表で自分が紹介する役を勤めました。
   しかし、これら周辺機器は、実は自分があれこれ研究した結果、ソロキャンプでも困らない飯盒セットの一部なのです。具体的には、風防、飯盒本体、中鍋、鍋掴み、蒸し器、ストラップ、この組み合わせです。取材の方にも説明したのですが、要するに飯盒1個だと、飯を炊いたらオカズを作る事が出来ません。まぁ、飯を掛子や中子に移して飯盒で作るという芸当も可能ですが、もう1個鍋があったら、飯を極力冷やさずオカズが作れる訳です。その為に自分は、昔持っていた3合炊きの飯盒の中鍋で大事にとっているのですが、その中鍋は今は売ってないので、米軍のキャンティーンカップでも代用できるよ、という話しをしていました。
   実際問題としては、ソロキャンプで飯盒というのは、オーバースペック気味ではあるのですが、自分みたいに自動車で車中泊って人もいるでしょうから、こうしたセットを考えるのは無駄ではないと思います。まぁ、家族でオートキャンプって人は、むしろ飯盒が2個くらいは要るでしょうから、こうした心配は無用な訳です。

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今回の周辺機器の目玉は、この飯盒掛け
今日は地面がしっかりしてたので、グラつく事無く使えました


■野戦炊事実演
   フィールダー編集部最後のお願いが、「ご飯を炊く、煮物など、ご自宅でされている調理を屋外で実演していただき撮影」というものです。自分はご飯以外にも、飯盒使って色々料理してるのですが、飯盒オフで料理担当は今んとこ、岡谷曹長殿です。事前の打合せで「たまにはカレー以外のにします?」って聞いてみたのですが、「いや、カレーで」という事だったので、3回連続でカレー決定です。
   飯盒周辺機器のうち、今回の売りは飯盒掛けです。大正期に開発されて歴史の闇に埋もれた飯盒掛けが、なんと21世紀になってメジャーなアウトドア雑誌に紹介される訳です。開発した陸軍一等計手・森悦五郎氏も、さぞかし天国で膝にウサギ抱っこしながら喜ばれる事だと思います。とはいえ、自分個人としては、いささか使い勝手が悪いと感じる飯盒掛けですが、今回は晴れてて地面も締まっていた事もあり、しっかり地面に立てる事が出来ました。
   食材の皮むきを手伝ったあとは、自分の分担である米の準備。米は2合ずつビニール袋にいれ、軍足に入れてあるので、1袋開けるだけです。昔は軍足に直接米を入れたのでしょうが、心悪いのでビニールに入れてるんだって説明しておきました。そのあと、水を2合の線までいれて米を浸水させます。自分の準備はこれで完了。
   問題なのは、熱源がコケネンだけという事。旧軍のレシピがどうとか言う前に、コケネンだけでは汁物を作る際に沸騰とまではいかず、なかなか具材が煮えてくれません。そこで今回は飯はかなり後で火にかけましたが、それでも先に飯の方が出来てしまい、カレーの方がなかなか出来ない。しかも、油粉捏をつくる小麦粉を忘れたって事で、カレー汁しか出来ない事態に。まぁ、それでも取材的にはそれなりに絵になる光景が撮れた様です。

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皆さん、美味しい美味しいって言ってましたけど
自分は大不満!!!
日本軍の縛りがあろうとなかろうと
美味いもの作れて初めて、飯盒の素晴らしさをアピールできるもんです


■猛省を促す
   そんなこんなで、まぁ出来たって事で喫食タイム。もちろん取材の人にも食べて頂いだきました。結果としては、自分としては、決して満足いく出来映えではありませんでした。まぁ、火力の弱いコケネンで、具材を煮るだけのカレーは、食材の歯ごたえ満点の出来映えになってしまうのは仕方ないとして(しかも小麦粉忘れてカレー汁だし)、肝心の飯が、芯飯が煮えた様なパサつく食感で、しかも米を研いでないものだから米臭く、全然美味くない。他のみんなは口揃えて美味い美味いと言ってましたが、岡谷曹長殿以外はリップサービスだった思います。それくらい、出来映えが良くなかったのです。
   自宅では炊飯器なみの出来映えでも、一旦外にでれば、同じ様に出来ないのはこれまでの経験からもよくある事でした。今までは自分らが好き好んでやってただけだったので、それでもまぁ良かったのですが、やっぱり雑誌に載るからには、人前に出して恥ずかしくないものが作れないと。その意味では、自分はまだまだ熟達の域には達してないなぁ、と感じました。
   今回、取材を受けるにあって、あえてインパクトを強くするために、日本兵の格好で臨みましたが、大事な事は、飯盒を如何に上手に使っているか、飯盒が意外にも便利なものであるか、その事を雑誌を通じてアピールする事だと思います。それこそが、飯盒フリークとしての使命だったと思います。そしてそれは、美味い飯を食わせてこそ、初めて説得力を持つもんだと思います。その意味では、今回は上首尾に行かなかったと、あとで猛省しました。
   とはいえ、外で美味く炊くには、やはり経験を積むよりほかありません。料理は万事、センスがものを言います。その感性を磨くのは、経験以外にない訳です。今後の課題としては、屋外で飯を炊く機会を増やして、センスを磨く事だなぁ、と感じました。

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今日の秋ヶ瀬公園は、家族連れのデイキャンパーで一杯
こうやってみると、異様さより地味さが目立ちますね〜〜



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tanisi_corp at 20:00コメント(0)

2015年06月03日

   そーいえば、このところ、ウエルシアの半額になったモヤシばっか食べていたので、たまには違うもんが食べたくなりました。まぁ、普通にフライパン使って料理してもいいんですが(いつもはそうしてますし)、たまには飯盒使って旧陸軍のオカズでも作るべー、という事で、いつもの様にこちらさんを参考に、簡単に出来そうな茄子油炒めを選びました。
   茄子といえば、秋が旬なんですが、今はいつでもスーパーに売ってます。いい感じに1袋142円のがありましたので、2袋買って帰りました。


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   今回使用するのは、茄子、ごま油、味噌、砂糖、鰹節、生姜です。茄子油炒めという事になっていますが、作り方を見て見ると、味噌和えに近い感じがします。茄子を油で炒めると、茄子が油を全部吸ってしまう様な感じなるイメージがあるのですが、今回は味噌和えっぽい出来映えになりそうです。


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   まず茄子を切ります。軍隊調理法の通りに、小口切りにしましたが、あとで考えたら、狭い飯盒の中でかき回さねばならないので、もう少し細かめに切っても良かったかもしれません。切る道具は、当時の兵隊さんが大抵持ってたっぽい肥後守を使いました。これ、スイスアーミーナイフなんかに比べたら、全然切れ味いいんですよね。


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   茄子が切れたら、飯盒を火にかけてごま油を熱します。一応、ごま油10gという事になってますが、がっつり無視ww 飯盒が焦げない様に、底一面に掛かる様にたっぷり目に入れました。ちなみに、今回もアルコールストーブを使いましたが、無風状態であれば、充分炒め物出来る火力を持っています。


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   油が熱した頃合いを見計らって茄子を投入。茄子は一人分350g使いましたが、飯盒でやるならこのくらいの分量がマックスだと思います。これ以上いれてもかき回せませんしね。


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   今回の作業で一番難しかったのは、飯盒の中で茄子を炒める作業。底面積が狭く深鍋なので、なかなか万遍なく茄子を炒めるのが難しかったです。しかも、アルストとはいえ結構な火力ですし、飯盒を掴めるのは吊り金の部分しかありません。炒め物は少々やりにくいのですが、まぁ、根気よく炒めました。


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   いい感じで茄子が炒まったところで、鰹節と調味料を一斉に投入。この頃には火力は相当なもんで、調味料入れてる間も、茄子がジュージュー言ってました。もっとも、それで飯盒が焦げるって事はなく、むしろいい感じに茄子が炒まって、しんなりしました。


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   あとは、怒濤のラストスパート。これでもかとかき混ぜて、いい感じに和えました。いい感じに和えれたら、火から下ろします。


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   これが出来上がり。一口食べてみたのですが、いい感じの甘味噌具合とゴマ風味で、めっちゃ美味い! 多少味付けが濃い感じですが、これはもう、ご飯が進みます。いやもう、美味くて美味くて、びっくりしました。このオカズ、野戦の料理でなく、兵営での食事で出されてたものなのですが、平和な時代の軍隊は、美味いもん食ってたんだなー、と改めて実感しました。



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tanisi_corp at 23:30コメント(0)

2015年05月30日

   飯盒といえば、空豆形のいわゆる兵式飯盒(日本陸軍のロ号飯盒)をイメージするのですが、あれは兵式というだけあって、下士官兵に支給されていた飯盒で、将校さんは違う形のを使ってました(ちなみに将校は被服から装備にいたるまで、全部自前です)。まぁ、どこの国の軍隊も、兵隊さんと将校は装備が違ってたり、グレードが違ってたりするもんですが、飯盒もその例に漏れなかった、という訳です。

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これは旧型の将校用飯盒。飯盒というより弁当箱です
将校自ら炊爨する事はまずなかったのでしょうが
どうせなら飯が炊ける様にって事で
吊り金がついたのが、今回紹介するタイプです


■概要
   飯盒というのは、もともとは食器からスタートしてまして、それこそ下士官兵用の飯盒も当初はただの弁当箱からスタートしたのですが、将校用ともなるとその度合いはもっとで、形からして弁当箱そのものです。実はその昔、近所の商店街の金物屋で売れ残ってた将校用飯盒を買った時、そこの店主が「こないだ、女の子が弁当箱として買ってった」と言っていたのですが(ほんとかな?)、まぁ、この形をみて飯盒と思えと思う方がちと無理があります。
   上記の写真の様に、旧型の将校用飯盒は、弁当箱そのものだったのですが、今回紹介する新型では、一応は火に掛けて炊爨できる様に改良されたタイプです。まぁ、やるやらんは別にして、出来んより出来た方が良いに違いない、という発想だと思います。
   基本的な構成は兵式飯盒と同じで、掛子(蓋)と中子(中蓋)と本体で構成されています。本体に飯、中子にオカズ、という風に使う為でしょう。兵式飯盒との決定的な違いは、その形もさる事ながら、容量です。兵式飯盒は最大で4合炊けましたが、この将校用飯盒は2合です。主食の分量は、将校も下士官兵も同じ1食2合だったと思うのですが、兵隊さんは2人一組で飯と汁を作る組炊爨が基本だったのに対して、将校さんはそんな縛りがなかったという事でしょう。
   この飯盒のユニークな点は、吊り金が蓋のロックの代わりをしてるという事です。まぁ、火に掛ける時は吊り金を伸ばさなければならいので、炊飯中に蓋を押さえるためでなくて、持ち運び中に蓋が外れたりしない様にするためと、吊り金が邪魔にならない様にする為でしょう。兵式飯盒は背嚢の背中に縛着するので吊り金は別にどうでも良かったのでしょうが、この飯盒は背嚢などのバッグ類にいれて運んだのではないでしょうか。となれば、吊り金だの把っ手だのは、邪魔にならない様になってるに越した事ありません。

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将校用飯盒の複製品
ロ号飯盒と同様、この角形飯盒も
戦後長らく市販品が売られていました

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構成は、本体、中子、掛子の3点セット
飯盒というよりは、やはり弁当箱です

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製造メーカーの刻印
昔買った物もこの刻印でした

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吊り金が蓋のロックを兼ねています
この方式は、戦後、自衛隊の飯盒で採用されます


■ご飯の炊き方
   先ほど、この飯盒の飯の炊ける量は2合と言った訳ですが、ではその2合をどうやって測るのか。兵式飯盒では中子に擦り切り一杯が2合で掛子だと3合だったのですが、将校飯盒で試してみたら、中子すり切り一杯は約290ml、2合には少々足りません。そこで掛子で試してみると、丁度2合でした。蓋類が計量カップの代わりになっているとは思ったのですが、中子はオカズ入れとしての役割しかないようです(あるいは、ダイエットモード用の分量か?)
   この飯盒には水量線が一つだけありますが、一つしかないのは、2合炊きのみの前提であって、1合炊きは想定してない、という事だろうと思います。まぁ、やってやれない事はないでしょうが、浅く広くになるのでやり難そうです。その意味では、同じ2合でも兵式飯盒の方が全然炊き易いイメージです。飯を炊くにあたっては、水入れて米を研ぐ訳ですが、底が浅いだけにそろそろと洗わねばならず、ちょっと面倒くさかったです。

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1つだけついている水量線
炊具として考慮されてる証拠ですw

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掛子にすり切り一杯で2合です

20150528_225209
米を研ぐ時は、あまりガシャガシャやると
米が外に飛び出してしまいます

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水を入れて暫く浸けておくの、他の飯盒と同じです


■使い勝手
   さて、早速飯を炊いてみたのですが、火力自在なガスバーナーであれば、上手に炊けます。ただし、火力の強いガソリンストーブや、火力が一定のアルコールストーブだと、鍋の高さが低く吃水も浅いので吹きこぼれが凄いかもしれません。ガスだとその点は上手い具合に調整できます。
   何にしても、ポータブルストーブを使う分には良いと思ったのですが、もしもこれが焚き火などの直火だと、少々やり難いのではないか、と思いました。というのは、吊り金が短く、必然的につり下げる道具なり機具も低くせざるを得ず、かつ横長の箱ですので、兵式飯盒に比べると見るからに炊き難そうです。その点は、今の自衛隊の戦闘飯盒II型に相通ずるものがあります(戦闘飯盒II型も食器としての用途がメインです)
   食器としての使い勝手は、そもそもそれがメインの作りですから、使い易いです。それこそ、箸でご飯食べるのも苦になりません。実は角形だけに冷蔵庫の中でも納まりがよく、日常的には飯炊く用ではなく、おかず入れとく用に使う事が多いです。
   この将校用飯盒も、結構長い間、兵式飯盒同様に登山具店などで売られてた様ですが、今では完全に廃れてしまいました。思うに、兵式飯盒はライスクッカーとして極めて巧妙かつ精巧に作ってありますが、将校用飯盒は「やれば出来る」程度の炊飯能力ですし、食器兼クッカーとしてなら最近はもっと使い勝手が良い物が沢山ありますので、廃れるのも仕方ないと思います。

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兵式飯盒との比較
大きさは2/3ほどですが、吊り金を伸ばした時の長さがかなり短いです
直火での炊爨がやり難そうです

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ポータブルストーブなら問題ありませんが
横に長いので、熱伝導上、若干不利です

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とはいえ、そこそこしっかり炊けます

20150528_233936
底が浅いだけに、食器としては使い勝手がいいです
もっとも、2合も飯食えませんww



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tanisi_corp at 12:00コメント(0)

2015年02月11日

   去年の第2回飯盒オフのあと、toyofusa曹長殿も自分も成人病で倒れてしまって、アウトドアなイベントは手控えてました。まぁ、自分はバイク乗ったりしてたんですが、さすがに一人で軍装してどっか行くのは寂しいので、時期が来るのを待ってた感じです。で、toyofusa曹長殿もリハビリが上手いこと行ってる様なので、そろそろ飯盒オフでもやりましょか、という事になりました。開催日が2月11日の建国記念日、戦前でいうとこの紀元節ですが、別に日本軍の格好だから縁起を担いだ訳でも何でもなくて、たまたまですw

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お道具勢揃い
鉄帽や小円匙は用事ないので置いて行こうかと思いましたが
せっかくなので持って行きましたw


■冬の装い
   さて、季節は一年でもっとも寒い2月なのですが、もっている被服は、防暑の襦袢と袴下、夏衣袴。そして、サイズが一回り小さいけど「痩せるかもしれん」という事で買った冬の襦袢、以上です。ウールの冬衣袴はHIKI SHOPの方でも品切れみたいで買えないので、夏用の被服で行くしかありません。まぁ、本当に風邪引きそうな寒さなら、早々にファミレスに退避という事になるでしょう(日本軍の格好でw)
   取りあえず着てみたのですが、下は防暑襦袢履いた上に夏の軍袴を履くのは、多少ゴワゴワするものの大丈夫でした。上は、冬用の襦袢は首と胸がキツくて無理(決して腹がキツかった訳でない)。仕方ないので、防暑襦袢の上から軍衣を着る事にしました。
   問題は軍衣の首のホック。これは買った時から首周りがキツくて、しかも襟布(三角巾で作ったカラー)も付けなきゃならないので、余計キツくなっています。息を履いて止めて、気合い入れて留めれば何とかなりますが、それでも顔が鬱血気味になるほどキツいです。ともかく、鏡見ないでも付けたり外したりが出来るまで練習しましたが、ホックつけたまま飯を食うのは、かなり無理ゲーっぽい感じでした。
   装備に関しては、背嚢に1日分の携帯口糧(米6合、乾パン600g、缶詰1個)、下着とか軍手軍足の替えを入れ、それでも余裕があるので、本来は外に付ける地下足袋も入れて、パンパンにしました。外側には、毛布、携帯天幕、飯盒をつけ、さらに小円匙、鉄帽までくくり付けました。

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きっちきちの首周り
もっとも、結論的にはワンサイズ小さいのが原因っぽいです


■巻脚絆の問題
   集合時間は1100時という事だったので、0900時に起きたら間に合うだろう、と思ってたのですが、いざ起きてみたら前日のトレーニングの筋肉痛が出始めててなかなか起きれず、やっとこ起きて着替えて、脚絆巻いて、えっちらと荷物を駐車場まで運びました。
   ところが、道行く人から、なんか変な視線を受けてる様な気がします。まぁ、防暑襦袢の時よりもガチ日本兵の格好ですし、そりゃ目立つのかなーと思ってたのですが、いざ駐車場に着いて自分の足を見たら、キッチリ巻いてたはずの巻脚絆が緩んで全部足首のとこに落ちて、ルーズソックスみたいになってました。そりゃ珍妙な格好に見えたと思います。
   この巻脚絆、実は紐の部分が短くて、教本通りに脚絆の終端部分で紐をくくれないのですが、そういう問題以前にやはり巻き方が悪い様です。ものの8分ほどで全滅では話しになりません。ともかく、遅刻確定で時間が圧していたので、グチャグチャに巻脚絆をほどき、急ぎ出発しました。
   で、遅れて現地に着いてから、慌てて巻き直した訳ですが、そもそも慌ててる上に、脚絆もグチャグチャな状態で巻いたので、ちょっと歩いただけで緩んでくる始末。ところが、前回結構ラフな巻き方してたtoyofusa曹長殿は、今回hキッチリ巻いてて、しかも最後まで緩まなかったので、やはり巻き方一つで全然違うんだなー、と感じました。

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ウチからたった8分でデロデロになってしまいました
道理でふくらはぎがフリーなはずです

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巻脚絆を気にしながら、ササミを焼いてます
多少蓋に焦げ付きましたが、水に付けてスコッチブライトで擦ったら
キレイに焦げが取れました


■寒い時期の野戦炊事の特徴
   さて、さっそく野戦炊事に取り掛かります。今回も飯担当が自分で、汁担当がtoyofusa曹長殿です。まぁ、飯の方がシビアそうに感じるから自分が飯担当やってる様なところがあるのですが、実は米入れて水入れて火に掛けてるだけです。今回は雑談してるウチに出来てしまい、気になって蓋とったら炊けてました。
   ところが、少し味見してみたところ、なんとなくビニールっぽい臭いがしました。米は2合分をビニール袋に入れて、それを3つ軍足にいれて保管しているのですが、どうもビニールの臭いが米に移った様です。かつ、水筒の水しかないので米を研がないので、余計臭いが残った様です。まぁ、野戦という状況を考えれば、食えるだけマシという事でもあるのですが、やっぱり臭い飯は嫌なので、保管方法を考える必要がありそうです。ちなみに、昔は作戦発起の前に米が支給されたのですが、それを軍足にダイレクトに入れて持ち運んだ様です。
   さて、飯は炊けてしまったのですが、カレー汁の方はなかなか時間が掛かりました。というのも、前回に比べて気温が低く、コケネンレベルでは湯を沸騰させるほどの火力がないためで、いつまで経っても野菜が煮えない。まぁ、コケネンの縛りがある以上、これは仕方ない事です。
   今回は肉入れましょー、という事で、ヘルシーなササミを持って来たのですが、ただ単にカレー汁に入れたのでは面白くないので、飯盒の蓋で焼いてみる事にしました。肥後守でササミを切ったのですが、これがまた良く切れる。ナイフとしては、スイス・アーミーナイフなど目じゃありません。切ったあと、少しだけラードを貰って飯盒で焼いたのですが、やはりコケネンの火力では中まで火が通るという感じにはなりませんでした。恐らく、薄切りにしたら大丈夫だと思います。取りあえず表面だけ焼いて、カレー汁にぶち込みました。
   いつまで経っても沸騰しなさそうですし、飯はどんどん冷めて行くので、適当なところで切り上げて喫食。飯は規定量の半分の1合ですが、カレー汁は規定通りなので約350mlくらいあります。猛烈な量です。しかも、今回は野菜がシャリシャリしてて食感抜群ですから、咀嚼回数が多くて余計に腹ふくれるのが早いです。なので、全部食べるのは前回以上に難儀しました。が、飲んで食べ切りましたww

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肥後守で食材切りまくり
この手のポケットナイフとしては
破格の使い易さと切れ味です

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今回も投入の飯盒掛
今んとこ、日本軍関係でこれ使ってるの
自分らだけですw

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油粉捏を投入
匂いはスンゲー良かったです
味も悪くなかったです
食材の歯ごたえがかなり有りました!

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飯の盛りが悪いってケンカになるのは普通ですが
盛りが多いと押し付け合いになるのが、自分らの特徴ですw


■今後の課題
   今回はリハビリも兼ねて、前回と同様の事をやったのですが、次に機会があるとしたら、野戦での行軍間での食事にチャレンジしてみたいものです。実際、どういった風に食事を摂っていたのか調べる必要がありますが、また飯盒の出番があったのかどうかも判りませんが、とりあえず調べる価値はありそうです。
   また、毎回巻脚絆が緩んでくる訳ですが、緩まずきっちり巻ける様にもなりたいものです。低山をハイキングしながら、野戦での食事とか、場合によっては野営とか、そういうのを組み合わせると面白いかもしれません。もっとも、面白い前に、やはり70年も前の装備ですので、今風のとは違って、担いでるだけでしんどかったりするのですが、昔の兵隊さんがどんだけしんどい思いをしてたのか、追体験する良い機会になるかもしれません。
   ところで、今回は初めて「見た目で日本軍らしい」格好をしたせいか、オフの最中にインドだかパキスタンだかの女の子(と連れの日本人の女性)から声を掛けられ、写メまでプリーズされました。それは良いとして、問題は軍衣が実はワンサイズ小さい事に気が付きました。自分のはXXXL(日本陸軍風に書けば特々々々大?)なのですが、装具を身に着けると、袖から裾からみんな上に上がってしまって、チンチクリンになってしまいます。試しにtoyofusa曹長殿のXXXXLを着てみたら良い感じでした。
   XXXXLなんて、普通じゃないサイズっぽく感じますが、恐らく昔のサイズを基準に、大号がLに相当してると思いますので、大柄になった現代人の中でも、比較的大柄な自分らなると、Xが4つも付くのじゃないとダメっぽいです。次回までに買い替えて、身の丈にあった格好で写メに納まりたいものです。

20150211_171229
本日はこんな感じ
この直後、写メプリーズされましたww

20150211_144233
今回の出で立ち
やたらケツが目立つのは、軍衣が小さくてずり上がってるからです
まぁ、服に身体を合わせた感じですねぇ



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tanisi_corp at 20:00コメント(8)

2014年10月23日

   自分が飯盒オフで旧日本陸軍の格好をしてるのは、「兵式飯盒を使ってるのに、格好が今様では却っておかしい」という指摘にシンパシーを感じたからで(ここにシンパシーを感じるのがおかしい、というツッコミは禁止w)、今さらサバイバルゲームやリエナクトゲームをやりたいとか、コスプレイベントに参加したいとか、そういうのではありません(全くない、とは言い切りませんがw)。
   なので、戦闘に関する装備は、基本的に必要ないのですが、この種のヘルメットはどうにも欲しくて、結局買ってしまいましたw

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お隣の大陸から届いた九〇式鉄帽
偽装網と鉄帽覆のセットで1万円くらいでした


■買うからには目的
   さて、九〇式鉄帽を取り寄せる事にしたのですが、買うからにはそれなりの理由が要るのが自分の流儀です。単純に欲しかった、だけでは、1万円近いお金を出せないのです。まぁ、欲しかっただけなんですがw
   自分がこの鉄帽に惹かれた理由、というかエピソードなのですが、インパール作戦が失敗して敗走する日本兵が、次々と兵器や装備を捨てていく中で、銃剣と飯盒、そしてこの鉄帽だけは残した、という話しがあります。他の戦線では、鉄帽など真っ先に捨てられてたみたいですが(防弾性能がないので、戦闘間でも被らんかった兵隊も居たみたいです)、ビルマ戦線では持ってた。その訳は、支給されり村々から徴発した籾を、鉄帽の中で搗いて精米する為だったそうです。しかし、その光景は、とても侘しいものだったとか。ともかく、鉄帽がその様な使われ方をするのは、日本軍だけだったと思います。他の軍隊では、鍋釜の代わりに使われたかもしれませんが、日本軍のはその様な使われ方をしませんでした(理由は後述)。
   色々理由を考えたのですが、購入する前は、これくらいしか理由が思い当たりませんでした(爆)。まぁ、いずれどこからか、ビルマ米の籾を手に入れて、搗いてみたいと思いますw

20141018_205656
マックで貰ったマグネットを付けてみたら、見事に吸着しました
綺麗に塗装されてますが、うっかりすると水筒の時みたいに
傷だらけになりそうな予感がします


■まず見た目
   今回もいつもの店に通販したのですが、大体12日くらいで到着しました。箱を受け取った時、まず感じたのは「あれ、それなりに重い?」という事でした。レプリカという事で、なんとなくプラスチック製をイメージしてたのですが、明らかに金属製の重さです。旧日本軍の九〇式鉄帽は、クロムモブリデン鋼製でしたが、まさかそんなもんを使ってると思えないので、鉄製じゃかろうかと思います。
   内装はしっかり革製です。この辺り、日本製だと樹脂製ので誤摩化されてそうですが、中国では樹脂使うよりも、鉄や革使った方が安上がりなのかもしれません。今様の装備よりも、昔の装備のレプリカだと有り難い事です。サイズは大号しかなかったのですが、どうやら仕様書通りに作られている様です。もっとも自分が被ると、顔がデカイせいなのか、カリメロみたいなってしまうのが残念です。
   アゴ紐は、背嚢のタコ足に使われている物と同じものでした。実物の紐がどんな物か判らないので比較のしようがないのですが、個人的にはアゴ紐としては柔らかい材質で、アゴに優しいのでこの紐は好きです。もっとも、後述する兜結びをやる時は、フニャフニャ過ぎて蝶結びがしにくい、という難点があります。

20141018_205959
ピンぼけで恐縮ですが
ライナー部分に「大」とパンチングされています

20141018_205936
サイズはご覧の通り
大体、全幅236mm、全長280mmで作ってありました

20141018_215640
ライナーの裏には、ちゃんとクッション材の麻袋が付いてました
なかなか芸の細かい事ですw


■擬装網と鉄帽覆
   この鉄帽は、鉄帽だけでも売っているのですが、日本軍の鉄帽と言えば、擬装網と鉄帽覆ですので、それもセットで買いました。まぁ、バラで買うよりセットで買った方がお買い得だったからです(バラで買うと121.5USDがセットだと99USD)。
   さて、この擬装網と鉄帽覆ですが、当時の写真を見ても、部隊で揃えて使っている、というのが余り無かった様です。つまり、何にもなし、擬装網だけ、鉄帽覆だけ、擬装網も鉄帽覆もどっちも着けてる、という感じで、各人バラバラの様でした。どういう風に使うかは、各々の判断に任されていた様です。となれば、セットで持っておけば、その時々の気分によって、着けたり外したりできる訳で、その意味からもセットで持っていた方が良いと思いました。もっとも、サバイバルゲームで使う人は、鉄帽を傷つけない為に鉄帽覆を被せて使う人が多い様です。
   ところで、鉄帽覆、すなわちヘルメットカバーは、現在では迷彩柄が入っていたりして、擬装効果や消音効果を求められている物が大半ですが(その代わり、擬装網がほぼ消滅した)、日本軍の鉄帽覆はなんと炎熱で鉄帽が暑くならない用だった様です。となると、寒い季節やジャングルとかでは、鉄帽覆は使わなかったのかもしれません。
   鉄帽覆は使わなくても、擬装網を着けるケースは結構あった様です。無論、葉っぱ付けたりして擬装する為のものですが、この網自体も結構擬装になったらしくて、敵前での軽作業の時など、略帽の上に着けてたりします。ところがこの擬装網、鉄帽に着けるのには、若干難儀しました。というのも、鉄帽に網を引っ掛ける所がないので、後端の紐を引いたら、鉄帽の淵に掛かってた網が外れたりで、なかなか上手く着けれません。慣れだと思うのですが、慣れるまでに練習が必要です。その点、鉄帽覆を着けた状態だと、鉄帽覆に若干網が引っかかってくれるので、着けるのが楽でした。

20141018_210436
擬装網の色なんですが
鉄帽覆を着けた時には良い感じですが
鉄帽多い無しだと、鉄帽の色の方が濃くて、網が目立ちます
まぁ、使っている内に汚れて良い感じになりそうですが


■被り方と兜結び
   さて、この鉄帽の被り方ですが、まず略帽の上から被る事、とされています。略帽無しでも被れますが、ライナーが頭に当たってちょっと痛かったりもします。上から瓦礫や砲弾の破片とか落ちて来た時、出来るだけ頭が痛くならない様に、略帽をクッション代わりに被った様です。兵隊さんの中には、畳んだ手ぬぐいや寄せ書きの日章旗を入れたりする人もあった様ですから、切実な問題だったのでしょう。ちなみに、略帽は前後ろ逆にして被りますが、帽垂れが付いてる時は前向きに被った様です。
   次にアゴ紐の締め方ですが、ベルト式でもバックル式でもなく、いわゆる兜結びにします。具体的な結び方は、こちらを参考にしました。当節ではまずあまりやらないやり方です。ちなみに、五月人形の兜の紐を外したら、元通りに出来なくなったという質問がネットにも良く上がってますので、最初は難しいかもしれません。
   しかし、それ以上に難しかったのが、紐の結び方です。長さの関係で、右アゴの横で紐を蝶結びにするのですが、これが意外にも出来ない。むろん、靴ヒモとかはちゃんと結べるのですが、目が届かず自分向きに結ぶというのは、これが意外に難しいかったのです。そこで、靴ヒモをゆっくり結びながら、蝶結びの手順を確認し、鏡の前で何度もゆっくり練習しました。そうこうしているウチに、どうにか結べる様になってきました。もっと練習すれば、真っ暗闇の中でもアゴ紐を締めれる様になるかもしれません。

20141018_215749
紐はこんな風になってます
ちなみに、紐を胸の前で縛って、背中に下げたりも出来ます

20141016_113527
略帽の上から鉄帽を被ります
その方が頭が痛くなりませんww
この写真を撮った段階では、紐はまだ結べてません

20141023_113610
すったもんだでようやく結べる様になってきましたが
まだまだカチっとした結び方が出来ません



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tanisi_corp at 20:00コメント(0)

2014年10月13日

   自分の足は、中学上がった頃から急激にデカくなって、以来、靴のサイズは悩みの種です。もっとも、普段履く靴に関しては、大きいサイズの靴を扱う店が増えたお陰で、それほど困らなくなりました。それでも趣味系となると、なかなか大きいサイズはなくて、足の入る靴があるかどうかが、その趣味をやれるかどうかの條件になるほどです。
   取りあえず、編上靴の方は、いい加減なものとは言え、レプリカをしつらえたのですが、今回は日本軍が使ったという地下足袋に取り組みました。

20140927_133009
今回取り寄せた、3枚コハゼの地下足袋
コハゼの数が少ないので、履いたり脱いだりが楽です
また、編上靴と同じ様に巻脚絆が巻けます


■軍手と軍足
   地下足袋の話しの前に、まず軍手と軍足の話しです。軍手と軍足は、軍がついている通り、軍隊で使った手袋と靴下の事で、それは戦後も脈々と使われ続けています。しかし、実際、軍隊で使っていた軍手や軍足は、現在ワークショップやホームセンターで売っているものとは、タイプが違う事が分りました。
   何がどう違うのかというと、まず軍手ですが、手首のところの縁取りが色付きでなく、今の物より長めで折り返して縫ってある事。軍足の方は、つま先や踵が黒くなく、そもそも足の形に作られてなく、踵もないただの筒型である、という事でした。そして、このタイプの軍手軍足はホムセンやワークショップには売ってません。軍足に関しては、辛うじてネットで販売している所をみつけましたが、軍手に関しては、作ってはいるかもしれませんが、売ってるところを見つける事が出来ませんでした。結果、ミリタリーショーなどで買った方が手っ取り早かったです(それなりの値段しますが)
   さて、入手した軍手軍足ですが、まぁ、軍手は手首のところが違うだけで、今のと使い勝手や使い心地は全然変わりません。しかし、軍足の方は足の形になっている訳でないので、慣れない内は若干、違和感を感じるうかもしれません。でも、踵がないのがそれほど不便という感じでもありませんでした。
   さて、この軍足は、足に履くだけでなく、他にも用途があります。まず、巻脚絆を巻く時に軍袴の裾を軍足の中にたくし込んでバタつかない様にするのに使います。また、軍足に缶詰や米を入れて持ち運ぶのにも使います(似た様な事を米軍もやってます)。
   この軍足は、足の形になってないだけに、長距離の行軍などでは足の中でずれて、そこから靴擦れやマメが出来た、という話しを良く聞きます(酷いときは、土踏まず以外の足裏全部がマメになったとか)。まぁ、自分らがそこまで歩く事はないと思うのですが、一応、そういう性質を持ってる靴下だという事は覚えておきましょう。

20140123_101850
取り寄せた陸軍仕様の軍手と軍足
レプリカとして作ってる物ではなさそうですが
ちまたでは見かけた事がありません

20140123_102116
軍手の着け心地は、世間様並です
軍足の方は、甲側にシワが寄ってます
履き心地は、それなりに良いです

20140124_220826
米なら6合、牛肉の大和煮缶なら4つ入ります
口を縛って運搬します


■3枚コハゼの地下足袋
   さて、いよいよ地下足袋の話しです。地下足袋は今でも鳶職の人などが使っている訳ですが、当時の日本陸軍でも、上陸戦や湿地帯突破など、足下の怪しい時は編上靴から地下足袋に履き替えて使っていた様です。ついで言うと、上陸戦に使う発動艇を操船する船舶工兵でも地下足袋だったそうですが、それは濡れた甲板では、鋲を打った編上靴では滑って危なかったからの様です。
   では、陸軍ではどんな地下足袋を使っていたかというと、これがコハゼが3枚の足首までしかない物でした。普通、地下足袋というと、底がゴム底でフクラハギの下辺りまである長いのをイメージするのですが、世間一般で使われている物よりも、随分と短い訳です。その代わり、足袋の底は、サイドの部分からゴムがコーティングされて、防水性に高そうに見えます。
   問題は、この陸軍仕様?の地下足袋が、そこらのホムセンやワークショップには売ってないという事。そしてサイズが28cmまでしかない、という事でした。そこで、取りあえずワークショップに言って、丈の長い地下足袋の28cmを履いてみました。すると、布で出来てるせいか、とりあえず足は入る事が分りました。というのも、自分の足は全長は27.5cmしかなくて、甲回りが29cmあります。なのでいつも買う靴は29cmなのですが、足の長さ的には28cmあれば、甲の部分が伸びさえすれば入る訳です。
   では、3枚コハゼの地下足袋が有りさえすれば、どうやら履けそうです。そこで色々探してみたのですが、力王(足袋で有名)と荘快堂(初めて知った)の2社から、旧陸軍のと同じタイプが出てる事が分りました。どちらでも良かったのですが、たまたま28cmの物は荘快堂にしかありませんでしたので、そちらを取り寄せる事にしました。

20140222_111913
手前が陸軍仕様の3枚コハゼの地下足袋
奥のはスパイクタイプのゴムピン地下足袋です

20140222_111606
ゴムピン地下足袋は4枚コハゼでした
サバゲーで使うのなら、ゴムピンタイプの方が良さそうです

20140222_111535
ソールの形状
ゴムピン地下足袋は如何にも今風です
3枚コハゼの方は、陸軍で使っていた物と同じパターンです


■履いてみた感じ
   届いてみた地下足袋を早速履いてみました。足そのものを入れるのは、ワークショップで試着した時と変わらず履く事が出来ました。しかし、問題はコハゼを留める事で、一番下と二番目までは余裕で停まるのですが、一番上がキツくて留らない事があります。毎回留らない訳でなく、日によって足が浮腫んだり細かったりで、留ったり留らなかったりします。留らない時は仕方ないので、外したままにしてます。
   履いてみた感じは、思っていた以上に履き心地の良い物でした。何と言いますか、スゴく足にフィットします。ブーツの様な守られてる感はあまりありませんが、地面に食いつく感じ、ダイレクトに足に路面の状態が伝わる感じが、とても良いです。なるほど、上陸戦や湿地帯突破などで使いたくなるのも分ります。
   試しに外も歩いてみましたが、とても歩き易いです。地下足袋で登山とか沢登りをやる人がいるそうですが、滑りにくい事、足にフィットする事、路面の状態が分り易い事、などなどを踏まえて考えれば、戦争や工事以外にも使い道があるのはうなずけます。

20140217_234213
取りあえず、歩いてみました
思いの外、履き心地が良かったです
片足、思いっきり雪にハマってますがw


■軍足の謎
   ところで、この地下足袋を履く時に、軍足は履くのかどうなのか。色々調べてみたのですが、それについて言及してるサイトを見つける事が出来ませんでした。足袋というのは、言って見れば和装の靴下な訳ですから、靴下履く前に靴下履くのも変な話しです。また、個人的には軍足履いたら、その分足が太くなってコハゼが留めにくくなるので、出来れば素足で履きたい所です。
   そんな折り、夏の帰省の時に、親父と爺様(元工兵曹長だか准尉)の話しになりました。爺様は復員後、工兵の腕前を活かして大工になった人ですが、戦後間もなくの間は、仕事の時に巻脚絆や地下足袋を使ってたそうで、軍足も今風の物でなく、踵のない寸胴のものを使っていたとの事。そして、地下足袋を履く前に、軍足の先に親指の股を作ってから履いていた、との事でした。実際に戦争に行ってた人の仕草を間近で見てた人の弁ですから、信じて良かろうと思います。
   その軍足の履き方ですが、つま先までパッツンパッツンに履いてしまったのでは、指の股が作りにくいですし、無理に作っても地下足袋を履く時に伸びてしまって、指が入らなくなってしまいます。むしろ、軍足の先は余裕を持たせておいて、地下足袋履いた時に勝手に指が割れる様にしておいた方が履き易かったです。

20140927_132606
つま先に余裕を持たせて、股を作っておいて
いい感じに履くのが正解の様です

20140317_224750
地下足袋は背嚢のサイドに括り付けます
しかし、円匙との重量バランスが悪そうです
恐らく、精神力でカバーしたんでしょうねぇ、、



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tanisi_corp at 20:00コメント(0)
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