食器

2015年12月15日

   自分は18歳で上京して以来、飯盒を使って来たのですが、たしか3代目の飯盒が自衛隊の飯盒でした。戦闘飯盒2型が採用されてから、1型と称される様になったこの飯盒ですが、当時はまだこれが制式でした。実はしばらく使っていたのですが、あまり印象に乗ってなくて、知らない間に捨てたかしてなくなっていました。しかし、自衛隊とはいえ、一応は軍用品ですし、もともと仮想軍隊なんてやってた自分が、使わなくなったからといって、捨ててしまうというのも、今から思えば変な話しです。今回、たまたま安く手に入れる事が出来ましたので、当時、どんな想いで使っていたかを振り返ってみたいと思います。

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恐らく、20年ぶりくらいで再会
まぁ、特段の感動もなかったのですがw


■まず見た目
   以前、自分が手に入れた物は、値段も安かった代わり(確か1,000円しなかったと思う)、塗装が極めて雑で、所によっては泡立った跡があったりして、どうみても手作業で、しかも適当にスプレーしたとしか思えない様な出来栄えでした。もしかしたら、再塗装品だったのかもしれませんが、とにかく雑な印象が強かったです。
   今回手に入れたものは、それに比べたら大分マシです。また、デッドストックだったのか、使用した形跡があまりなく、飯盒の中もほとんどキズらしいキズが見当たりませんでした。しかし、底がボコってました。おそらく保管時に何かの拍子に凹んだのか、あるいは払い下げで廃棄物化する為にそうしたのか(米軍の放出軍装品にはよくある)、せっかくキレイな状態なのに、残念な事です。大抵、焦げる時はこうした凹んだ所が焦げて、かつ焦げがなかなか落ちないものです。
   飯盒と蓋には、いわゆるQマークが入っていましたが、掛子には入ってませんでした。以前持っていた物は、掛子にもQマークが入ってました。もともと入ってなかったのか、適当に民需品で員数を合わせたのか、分りません。何にしても、自衛隊の1型飯盒は、塗装が薄くてチャチな印象を受けます。民需品の飯盒と比較すると、ドイツのベルリン警察の飯盒と東ドイツ軍の飯盒の差くらいの、出来の悪さを感じます。

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今回届いたのは、19961年納入品らしいです
おそらくデッドストックでしょう

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中は綺麗なのですが、底がボコってるのが残念です
出品時の写真では、ここが隠れる様な撮り方されてました

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掛子にはQマークなし
まぁ、欠品よりはマシですがw


■スライド式釣り手
   飯盒1型の特徴であるスライド式の釣り手は、元々は旧日本陸軍の将校用飯盒の新型の釣り手を参考にしたもので、スライドさせる事で釣り手を飯盒に沿わせ、かつ蓋をロックして、背嚢に収納する際に釣り手が邪魔にならない様にする工夫です。
 日本の兵用の飯盒のある意味、発展形であると思ういますし、飯盒文化華やかなりし頃には、民需品の飯盒でもこの手のスライド式の釣り手を採用したものがいくつかありました。しかし、飯盒文化の衰退とともに、スライド式釣り手も姿を消して行きました。
 ところで、かつて自分がこの飯盒を使っていた時、この釣り手をさほど便利に感じた事がありませんでした。というのも、はじめのウチはスライドしていたのですが、使っては洗いを繰り返して行くうちに、スライド部分が錆びてきてしまい、ゴジゴジになって動かなくなってしまったからです。となると、ただの釣り手な訳で、しかもスライド部分が全部錆びてる訳で、見た目にも汚らしく、だったらスライドしない普通の釣り手でも良いな、と感じていました。結局、最終的には捨ててしまったのですが、最後は釣り手が錆び切ってスライドの部分が折れてしまい、それで捨てた様な記憶があります。
 アイデアとしては、とても優れていると思うのですが、塗装が悪いのか材質が悪いのか、とにかく錆びてしまったのではスライドさせようがありません。この釣り手が錆びない材質の金属であったら、また違った評価を下せたかもしれません。

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こんな感じでスライドさせ、蓋をロックする
この機構自体は、とても優れていると思います

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しかし、動かしているウチに塗装が剥げて
鉄がむき出しになって、錆びてしまうとアウトです
錆びたら釣り手を交換してたのかも?


■兵式飯盒との比較
   飯盒1型は、旧陸軍のロ号飯盒を元にして、というか、釣り手以外はほぼコピーして作られています。同じく、ロ号飯盒のコピーである戦後の民需品の兵式飯盒とも、ほぼ同じです。伸ばした時の釣り手の長さも、民需品の兵式飯盒と同じでした。違いがあるとしたら、釣り手の太さで、飯盒1型は太さ約3mmほど、それに対して兵式飯盒は4mmほどです。飯盒1型は、スライド式という事もあって、あまり太く出来ない事情があったのでしょうが、その前に旧軍の飯盒の釣り手も、現代のものより若干細めです。それ故に、結構グニャってるのも多いのですが、その辺りを戦後、改良したのが今の兵式飯盒の様です。
   個人的な感想としては、上記の様にスライド釣り手が錆びて動かなくなるくらいであるなら、普通のスライドしない釣り手の方が、見栄えの上でも本来の目的の上でも、使い手があると感じています。恐らく、その辺りが、一応は軍用品でありながら、非常に印象の薄い記憶しかこの飯盒が残さなかった理由だと思います。

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右はキャプテンスタッグの兵式飯盒
釣り手の太さの違いに注目
自衛隊のコスプレをやってないのであれば
民需品の兵式飯盒で十分ですw

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釣り手の長さが同じなので、飯盒掛にも掛ける事が出来ます


■飯盒2型との比較
   自衛隊では飯盒はほぼ食器の役割しかない、という事で、より食器色の強い戦闘飯盒2型が採用された訳ですが、自分個人の意見としては、だったら別に空豆型してなくても良かったろう?と思います。「飯を炊く道具」として比較した場合、1型の方がより適しているのは明らかで、例えば、パックご飯や飯缶を温めるとか、インスタントラーメンを煮るとか、そうした炊事には2型は向かないと感じています。自衛隊の方で、各個炊爨はもはやあまり想定していない、という事なのでしょう。
   しかし、こうやって1型と2型を並べてみた時、改めて2型の疑問点が浮かび上がる事となりました。そのもっともたる部分が釣り手で、飯盒1型の場合、収納時に釣り手が邪魔にならない様にするのと、蓋をロックする為にスライド式にした、という理由が明確に分ります。ところが飯盒2型の場合、飯盒本体に対して釣り手が無駄に長く、スライドさせても蓋をロックする事も出来なければ、飯盒本体から釣り手が突き出て収納にも難がある。旧陸軍の将校用飯盒の様に、短めの釣り手を付けるのが正解だと思うのですが、この無駄に長い釣り手の納得いく理由を、まだ聞いた事がありません。
   ソロ用クッカーとしてか、飯盒2型はやたら人気があって、スウェーデン軍飯盒と同じく高価で売られているのですが、純粋にご飯を炊く道具としては、飯盒1型の方が優れているというのが、自分の判断です。

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飯盒2型は、明らかに収納性が悪そう
おそらく、釣り手外して収納してるんじゃないでしょうか
結構、釣り手なくす人多いみたいですし

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スライド部分の違い
1型は縮めた時にロックが掛かるのに対して
2型は伸ばした時にロックが掛かる仕組み


   そんなこんなで、20年ぶりくらいに再会した飯盒1型ですが、やはり今回も普通の飯盒でいいや、という気分になりました。昔は、この手の飯盒も売っていたのに、結局、スライドしない古いタイプの飯盒しか残らなかったのは、自分と同じ様な感想をもつ人がそれなりにいた、という事なのかもしれません。そして、改良改善を施す前に、飯盒文化が衰退してしまい、辛うじて大戦中のタイプの飯盒が生き残ってる、という事なのかもしれません。
   しかし、いくら兵式飯盒が冷蔵庫の中で納まりが良い、といっても、やはり釣り手が余るというのは確かな事なので、是非とも錆びない金属でスライド式釣り手を作って貰いたいものです。

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なんやかんやで増えて来た空豆形飯盒
かつて使っていたか、使った事ある物ばかりですが
今使っているのは、民需品の兵式飯盒だけです
(使い潰しても買い替えがきくから)



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tanisi_corp at 21:00コメント(8)

2015年10月21日

   その昔、ドイツ軍のヒストリカルゲームに参加するので揃えた装備の中に、この飯盒が入っていました。元はブルーグレーだったのを、フィールドグレーに塗り替えて使ったのですが、蓋と掛子を連結して使える便利さに、意外な思いをしたのを覚えています。しかし、その頃は、そこまで飯盒に思い入れがあった訳でなく、また飯を炊いたりオカズを入れて保存したりするには、兵式飯盒の方が使い買ってが良かった事もあって、売り飛ばしてしまいました。
   かつては中田商店にゴロゴロ売っていたこの飯盒も、あれから16年過ぎてさすがに物があまりないらしく、なかなか入手困難な様です。たまたま程度の良い出物のありましたので、懐かしさも手伝って落札いたしました。

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ベルリン警察飯盒
第二次大戦中のドイツ軍の飯盒と極めて近似で
(釣り手の耳金の形状が違う)
ドイツ軍リエナクターが代用品で重宝しました

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今から16年前のワタクシww
飯盒とたしか水筒もベルリン警察のものでした


■PPrBlnの謎
   この飯盒、16年前もベルリン警察の飯盒といわれていましたが、何を根拠にベルリン警察の物であるかは、判りませんでした。そもそも、警察が飯盒使うというのが、イメージとしてピンと来ません。そして、蓋のハンドルの付け根にある「PPrBln」の刻印。普通、この部分の刻印は、製造会社名が入ったりするのですが、それにしてもPPrBlnは何を意味するのか、判りませんでした。まぁ、革バンドで隠れてしまう部分であるので、あまり気にしてなかったというのもあります。
   今回、せっかくですから、PPrBlnが何なのか調べてみました。恐らく何かの略号である事は違いないですし、ベルリン警察という事であれば、Blnはベルリン、すなわちBerlinであろうと推測しました。ではPPrは何なのか。方々調べてみたのですが結局自力では判らず、日本飯盒協会調査部のToyofusaさんから、Polizeiprasidenten、つまり警察本部の略だ、と教えて貰いました。つまり、PPrBlnはPolizeiprasident Berlinの略、ベルリン警察の略号だった訳です。という事で、この飯盒は、まっことベルリン警察の飯盒だったのです。
   しかし、どうして警察が飯盒なのか。実は、ベルリン警察は飯盒だけでなく、水筒、雑嚢、図嚢などなど、旧ドイツ軍の野戦装備を数多く採用していた様です。まるで警察というより軍隊です。その辺りの事情もついでに少し調べてみて、推察してみました。
   ドイツの警察組織は、先の大戦の敗戦後、都市警察や地方警察に分割された様で、ベルリン警察もそうした分割された警察組織だった様です。そして、当時のベルリンは東西に分割されていました。そして、1955年に再軍備がさなれるまで、国軍は存在せず、国境警備隊といった准軍事組織しかありませんでした。そして、警察もいざ有事の際には軍事行動が取れる装備を必要としていたのでしょう(西ベルリンは東ドイツのど真ん中で、有事の際は孤立無援です)。それが警察らしからぬ装備をしていた理由ではなかったかと思います。
   ちなみに、こうした地区規模の警察は1970年代の改変で地方警察に統合されていったそうです。

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やや見にくいですが、PPrBlnの刻印が見えます


■外見と使い勝手
   能書きはこれくらいにして、ベルリン警察飯盒の特徴について。この飯盒は良く言われる様に、第二次大戦中のドイツ軍のM31飯盒にほぼ近似です。違いは、釣り手の耳金の形状で、M31飯盒はリベットが縦打ちですが、この飯盒は横打ちになっています。また、M31飯盒は掛子がないのですが(あったという説もある)、この飯盒には掛子があり、蓋とハンドルで連結する事が出来ます。
   飯盒本体は、あとで述べるドイツ連邦軍飯盒と同じ大きさです。目盛りも500mlずつ打ってあります。蓋は薄く、その分高さが低いのですが、日本の兵式飯盒を見慣れた目には、こちらの方が違和感なく見る事ができます。特徴的なのは釣り手で、釣り手の終端はただ単に丸く曲げてあるだけなのですが、日本の飯盒の様に360度回るタイプでなく、約280度にしか回りません。そのため、ポータブルストーブに置いて使う際も、釣り手が倒れてストーブの火に炙られる心配がありません。
   アルミの材質、仕上げは、日本の飯盒に及ばないものの、ソロクッカーとしてはむしろ適切なサイズで、個人的には非常に好感が持てます。

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今回とどいた物は、外見は若干塗装のハゲがあるものの
中は非常にキレイで恐らく未使用品です

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旧ドイツ軍や、それをコピーしたロシア軍の旧型飯盒などは
掛子が付属していませんが
やはり掛子はあった方が便利です

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特徴的な釣り手(というか耳金)の構造
BW飯盒も同様の構造ですが
こちらの方が単純な作りで、必要な機能を備えています


■ドイツ連邦軍(BW)飯盒との比較
   ドイツ連邦軍飯盒は、このベルリン警察飯盒の後継にあたる訳ですが、その違いを比較してみました。外見上の
大きな違いは、BW飯盒は蓋が大型化していて、縦長のデザインになっている事。飯盒本体はどちらも違いがなく、掛子の大きさも同じなのですが、BW飯盒の掛子は途中でリムが設けてあり、その分で蓋の高さを稼ぐデザインになっています。その様に変更された理由は判りませんが、容量が増えれば糧食を貰える量も増えるので、その辺りに理由があるのかもしれません。
   釣り手は戦後に設計されなおしたBW飯盒の方が太くなっています。戦前のものをそっくり引き継いだベルリン警察飯盒は、釣り手が細いままです。戦前のものには、釣り手が伸びたり曲がったりしているものが結構ありますが、そうならない様に戦後、釣り手を太くしたのでしょう。同じ様な現象は日本の飯盒にもみられ、日本陸軍のロ号飯盒では釣り手が細いのですが、戦後の民間メーカーが作った飯盒では太くなっています。
   面白いと感じたのは、蓋と掛子を連結した際に、蓋と掛子の底が面一になる様にハンドルの角度が決められている事。蓋の高さが低いベルリン警察飯盒では、ハンドルの角度がキツめになっていました。なかなか芸の細かい事です。

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外見的な違いは、背の高さ
個人的には、ベルリン警察飯盒のサイズが好きです
ただ、釣り手は太い方がいいです。

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BW飯盒が背丈を稼いでいるのは
掛子を飯盒から飛び出させる事によってです
ちなみに、この二つの飯盒は互換性がありませんでした

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掛子のサイズもほぼ同じです

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蓋と掛子の底が面一になるように、ハンドルの角度に違いがあります

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BW飯盒はハンドルの末端を飯盒の底に引っ掛ける事で
蓋をロックできる様になってましたが
ベルリン警察飯盒では、ロック機能はありません


■日本の兵式飯盒との比較
   ドイツの飯盒を範にとった日本の兵式飯盒と比較をしてみました。大きさは兵式飯盒の方が少し大きく、横長です。ベルリン警察飯盒は真四角っぽい外見をしています。大きな違いはハンドルの有無ですが、これは米を炊く時にハンドルが邪魔になるからでしょう。
   ところで、このハンドルですが、ドイツ軍の飯盒に限らず、ヨーロッパの飯盒では、ハンドルは飯盒の背の部分につく様になっています。日本のハンドル付き飯盒は、凹んだ腹の方についているのですが、その理由は背には革通しが着いているからの様です。しかし、腹の方がへこんで空豆型をしているのは、背嚢や雑嚢に付けた際に納まりが良くする様にするためで、その腹の方にハンドルがあっては、かえって納まりが悪くなります。ドイツ軍の飯盒では、革通しはハンドルに付いています。

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外見の違い。自分はどちらも好きですが
米を炊くのなら、兵式飯盒一択です

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日本の飯盒は、革通しに背嚢のストラップを通して縛着しますが
ドイツの飯盒は、ハンドルについた革通しにバンドを通して
雑嚢やAフレームに固定します

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新旧ドイツ飯盒と日本の飯盒
ソロ用としては、ベルリン警察飯盒は丁度いい大きさです


   自分は特段コレクターではなくて、道具というのは使ってなんぼと思っているのですが、希少価値の高まった飯盒はさすがに火に掛ける気が起こりません。この飯盒も、「かつて使った事のある」ノストラジックなアイテムとして、再購入しました。その意味でいうと、結局のところ、国産の兵式飯盒が一番安くて、いつでも手に入って、それだけにどんなに使い倒して、使い潰しても気兼ねない、という事で、一番活躍しています。しかし、どこの国の飯盒文化を見ても、自国の飯盒が一番入手し易く、自国の飯盒を使うのが世界に共通する飯盒マニアの姿だと思います。

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明治31年10月21日に発せられた陸達第97号を以て
アルミニューム製飯盒、所謂「兵式飯盒」の仕様が通達された
(Toyofusaさん調べ)
という事で、10月21日を日本飯盒協会は
「飯盒の日」
と定めましたww



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tanisi_corp at 20:00コメント(0)

2015年10月10日

   この飯盒を手に取ってみたのは、たしか1995年頃、神田神保町の石井スポーツでの事。「へぇ、こんな飯盒あるんだ」と思いつつも、それ以上の感情を持たなかったのは、当時はモリタの角形のノンスティッククッカーが最強と考えていたから。飯盒はあるにはあったけど、むしろ日用品として使っていたので、アウトドア用とはあまり意識してませんでした。
   なので、この飯盒が正しくは何と言う商品名で、どこのメーカーが出していて、当時いくらだったのか、という情報はまったく判りません。その後、ネットやオークションでも調べましたが、まったく情報がない状態でした。今回、たまたま譲って貰えたのは、運も運、奇跡的な幸運であったと思っています。

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便宜上、「ミニ飯盒」と称しておきます
自分が手に取ったものも、これと同じ赤い色をしていました
もしかしたら、赤しかないのかも知れません

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寺崎勉さんの『さすらいの野宿ライダーになる本』に掲載されているミニ飯盒
ソロ用の飯盒としては、当時はポピュラーだったのかも?


■本品の特徴
   ミニ飯盒の特徴は、まずその小ささです。今でこそ、ソロクッカーは丸形から角形まで様々あるのですが、自分が手に取って見たその当時にあっても、その種のクッカーは売ってました。なのに、わざわざ空豆型の兵式飯盒の形を模しています。むろん、兵式飯盒のまんまスケールダウンしたのではなくて、兵式飯盒に比べれば簡略化されている部分もあります。
   まず釣り手と耳金ですが、ミニ飯盒の釣り手は脱着式になっています。またスライドさせて蓋を押さえる事も出来ます。しかし、特段凝った造りではなく、鉄板を折り曲げて作った耳金の穴に、釣り手を通しているだけです。釣り手の先が半円に曲げてあって、吊り下げる事もスライドさせる事もでき、かつストーブの上に置いた時、釣り手が倒れない様にもなっています。非常にチャチな造りの割には、意外に考えられた構造です。
   しかし、その釣り手の構造から、飯盒の中身が軽いと少し斜めに傾いでしまう様です。まぁ、このミニ飯盒は、これを焚き火にかけて炊飯するというより、ストーブの上で使うのを一応前提としているのではないかと思います。だったら釣り手なんか要らん様なもんですが、そこは有ると無いとじゃ大違いで、あれば片手で提げて持ち運べる訳です。
   このミニ飯盒は、その容量から最大で2合炊きの様です。蓋は計量カップ代わりの様で、すり切り一杯で米1合分入りました。ところが、飯盒本体に水量線(みずはかりすぢ)が付いていません。この辺りはいささか不便です。

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非常にチャチに見える釣り手と耳金
しかし、結構考えられた造りになっています

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やや斜めるのは、釣り手の造りのせい
しかし、振り回さない限り、釣り手が取れたりしません

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蓋はすり切れ一杯1合
ミニ飯盒は2合まで炊くことが出来ます

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出来れば付けて欲しかった水量線
それとも、ご飯あまり炊かなかったのかな?


■早速炊いてみる
   今や手に入らない貴重品、かつとても程度の良い品物です。出来れば火に掛たくなかったのですが、それでは譲って貰った甲斐がない、という事で、早速ご飯を炊いてみる事にしました。吹き零れ等を考えたら、1合にしておいた方が良さそうですが、ここはやはり2合フルで炊いてみない事には具合が判らないでしょう。
   米の分量は蓋で量れますが、水は計量カップを使いました。米2合で360ccですから、その1.2倍は432ccです。この飯盒にもステンレスの計量カップを入れておくと良いかもしれません。あとは普通に米を研いで、水を定量入れて、30分置きます。
   ストーブは2レバー化したコールマン・フェザーストーブを使用。ずっとレギュラーガソリンで使ってますが、全然元気です。最初は強火で4分、沸騰すると蓋が持ち上がる前に吹き零れが始まりました。直ちに弱火に切り替え。ただし、とろ火まで持って行くと風で消えそうになるので、中火よりちょっと弱いくらいにしました。そのまま5分炊きましたが、最初のウチは盛大に吹き零れてました。これは兵式飯盒で4合炊いた時も同じなので、共通した現象でしょう。
   そして、重湯がなくなった時点で火を止めて15分蒸らしました。火を止める時、少し焦げた臭いがしたのですが、蓋を開けてみたら焦げてませんでした。4合マックスで炊くと、飯盒の残りの空間が残り1センチ未満で、やや張り釜傾向でしたが、問題なくふっくら美味しく炊けました。

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2合分の米と水を入れた状態
空きスペースは、兵式飯盒の4合炊きの状態と近似です

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兵式飯盒より小振りですが
ストーブの火が良い感じに全体に当たる大きさです

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釣り手は切ってある逆の方向に倒しておくと
バーナーの方に倒れて行きません
ストーブで使う場合は、外しておいても構わないでしょう

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蓋は兵式飯盒よりは薄いので、直ぐに浮きます
既に盛大に吹き零れています

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良い感じに炊きあがりました
このミニ飯盒は長い間1合炊きだと思ってたのですが
2合でも問題ありません

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底も焦げ付き無し
まぁ、いきなり焦げ付かせたくなかったのですがw


■飯盒文化後期の逸品
   このミニ飯盒、手に取って見た時は、これ単体で使う飯盒だと思ったのですが、よくよく考えてみると、どうやら兵式飯盒にセット出来る様に設計されている様です。それが証拠に、中に丁度いい感じにすっぽり入るだけでなく、釣り手を付けたままでも、その上から兵式飯盒の掛子を被せ、蓋もきっちり閉じる事が出来ます。予め、兵式飯盒の中にセットするのを前提に作られたとしか思えません。ミニ飯盒の目的は、「飯盒一つだとご飯かオカズしか作れない」という問題を解決する為のアイテムだったのではないでしょうか。これがあれば、どちらかでご飯を炊いて、もう片方でオカズを作れる、という訳です。
   先の大戦の後、我が国のアウトドアにおいて、飯盒は長らくクッカーの主力の地位に君臨し続けた訳ですが、その間に様々な「飯盒アイテム」ともいうべきアイデアや商品が作り出された様です。その多くは既に忘れさられ、物も残っていないのですが、このミニ飯盒はそうした飯盒文化の後期〜晩期に現れた商品なのでしょう。飯盒を知り尽くした人が考え出したのではないかと思います。
   飯盒それ自体は、今でもシンボリックに残っているのに、こうした便利な派生品が無いというのは、残念な事です。あまり売れないから姿を消したには違いないと思うのですが、個人的には再販を強く希望する商品の一つです。

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兵式飯盒との比較
容量、大きさともに約半分くらいです

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良い感じにすっぽり入ります
まるで「そうしてくれ」と言わんばかりですw

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右はその昔あった、3合炊きの飯盒の中鍋
これもオカズ対応の為のアイテムでした


この飯盒の詳しい情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら
是非ご連絡下さい。よろしくお願いいたします
tanisi0312@yahoo.co.jp


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なかなか壮観な眺めw



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tanisi_corp at 20:00コメント(2)

2015年08月29日

   今回のクロスカップでは、きっちり前夜祭をやるという事でしたので、自分も飯盒だけでなく、キャプテンスタッグのミルト丸型バーベキューコンロ(通称バケツコンロ)を持参しました。もっとも、このバケツコンロ、いい加減くたびれ具合は半端無くて、そろそろ退役です。まぁ、2,000円くらいで買ったので、十分元は取れたでしょう。

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キャプテンスタッグのバケツコンロ
これはこれで結構活躍してくれましたが
流石にさびさびで、そろそろお役御免です



   とりあえず、現地に着いて真っ先にやる事が、米研ぐ事です。なにせ、30分水に浸けないと行けませんので、先にやっとく必要があるのです。前回は、米を2合ずつビニール袋に入れて持って行ったところ、3合炊く事になって、現地で蓋で計量するのに面倒な思いしたので、今回は2合、1合、1合で持って行ったのですが、食べたい人が沢山いて4合炊く事になりました。(みんな、マイ飯盒持って来ようよw)

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4合の時は4回洗うのですが
暗がりの中なので、研ぎ汁は完全にキレイにしきれません
(よく見えないからw)



   一応、炭熾し用のガストーチも持って行ったのですが、これが実に使えない。いつまでたっても火がおきない困り者です。それよりも、8個300円のゲルネンの方が全然火付きが早いです。手な訳で、トーチはゲルネン着火用ですw
   今回はせっかくバケツコンロ使う訳ですから、これでメシを炊いてやろうと考えてました。如何にもバーベキューっぽくて良いかなーと。ところが、炭がまだ本調子になる前に置いたせいか(あまり待っても居られなかった)、煙でどんどん飯盒が黒くなる訳には、一向に沸騰する気配がない。蓋取って中身を見たら、水が濁ってるだけで、ブクともなってない。このままでは、超絶半煮え飯になってしまうので、バケツコンロで炊くのは諦めました。

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あとから考えたら、どう見ても火力ある様に見えません
もっとも、あまり時間もなかったのですが、、


   まぁ、こんな事もあろうかと、コールマン442も持参してました。この日はまだ8月だというのに、10月下旬くらいの涼しさでした。しかし、そんなのお構いなしに、強力な火力を発揮していました。しかし、4合も入れているので沸騰に時間が掛かったこと、弱火にしてから重湯が消えるのに時間が掛かったところをみると、やはり低温の影響は受けていた様です。

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この手のストーブって、ホント便利だなと感じました


   ぼやーっとした炊き方をしたせいか、仕上がりもぼやーっとした感じでした。やはり、米の飯は強火でガッと炊かないと、ピシっとした出来栄えになりません。

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ピントが合ってないので、ボヤーッとしてますが
実際にボヤーッとした味わいでしたw



   皆さんに試食して貰いましたが、一応に美味しいとの感想。若干飯が柔らかいかなー、と感じましたが、芯があったりゴワゴワしてるよりは食べ易いご飯でした。まぁ、温かいうちは、よほど失敗した飯でない限り、そこそこ美味しく食べられます。しかし、普段食べてるのに比べたら、今日のは60点くらいの出来栄えでした。

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自分一人で4合食べるのは無理ですが
こんだけ人数いたら楽勝ですw



   本当に美味しく炊けたご飯というのは、冷えてからもそこそこ美味しいものですが、今回は出来栄え60点というだけあって、イマイチ美味しくない。まぁ、温めるのも面倒だったので、冷えたまま味噌つけて食べました(レジスタントスターチ作戦中)

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いつまでも重湯が消えなかったのですが
底の方はいつまでも火に炙られて、焦げてました



   食後、飯盒に水浸けて、現地である程度洗って帰りました。このポリタンは水が20リットル入るのですが、米を研ぐトコから洗うトコまで、約3分の2ほど水を使った様です。まぁ、顔洗ったり歯磨いたりするのにも使ったのですが、意外と水を使うもんだなー、と改めて感じました。

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トランポで大量に水を持って行ける場合は良いですが
そうでない場合は、やはり節水などの工夫が要りますね



   今回の教訓。炭や木などで飯を炊く場合は、やはりガンガン燃やしたくらいでないと、短い時間で沸騰させる事は難しい。火力が弱いと、それらの熱源であっても、アルコールストーブ同様、場合によってはそれより弱い火力となって、ロクな飯が炊けない。といった所ですが、まぁ、まだまだ経験が足りませんよねぇ。



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tanisi_corp at 22:00コメント(0)

2015年08月04日

   ネットで飯盒関係の記事を探していると、ご飯を炊く時に一緒に掛子でオカズを作ってしまおう、という人がチラホラいるのを見かけます。まぁ、掛子、即ち、中蓋の存在意義がイマイチ分らんって人も多いでしょうし(計量器&皿としての役割があります)、どっちみちメシ炊くんだから、オカズも出来たらいいのに、と考えるのは、ごくごく普通の事なのかもしれません。
   しかし、メスティンから炊飯可能な飯盒を開発した日本陸軍自体は、そうした使い方について、以下の様に考えていた様です。
   戦地(野外)に於ける個人炊事は飯盒を使用するものなり、依つて左に其使用法を述ぶべし。
   飯盒炊事にありては、副食物は調理を要せず其儘食用し得るか、又は長く煮る必要なきものを選ぶを便とすと雖、温食給養、現地に於ける生物の利用等の必要ある場合に於ては、合同炊事と同様複雑なる副食調理を実施せざるべからず、之が為飯盒の使用法には左の二法あり。
(1)一個の飯盒にて主食副食(掛盒使用)を同時に炊くもの。
(2)数個の飯盒を以て組を作り、一部の飯盒にて主食を他の飯盒にて副食を別々に炊くもの。
   右二法の内前者は飯盒其ものの構造上、総ての副食調理に対し完全に行ふことを得ず。蓋し飯盒の本盒と掛盒とは、其受くる火力に相違あるのみならず、假りに之れを同一とするも、飯の出来上る時間以内に煮へる副食物に非ざれば調理不可能にして、従つて掛盒を以て煮たる副食物殊に生菜、生肉等は假令完全に煮へたいとするも、調味品の浸み込み悪しく「水ッポイ」出来栄へとなるを免れざるものとす。
(糧友会『軍隊調理法』1937年10月)
   ところが、同時代の軍国少年向けの読本には、こんな光景が出て来ます。この時代の登山やキャンプでは、あまり飯盒は使わなかったそうですが、それだけに皇軍兵士の卵たる軍国少年に、普段から飯盒の使い方に親しむよう促す内容でもあります。
   藤木君は星野君から受け取つた飯盒のカケゴに焼売をつめ込んだ。

〜略〜

「もういいだらう。」
   やがて星野君は飯盒の蓋をあけた。焼売がうまさうにふやけているカケゴをとると、ご飯がホケを立てている。
「さ、僕が御飯をよそふから。」
   さういつて藤木が大匙で御飯をアルマイトのお椀に三等分している間に、星野君は別の三百瓦と水を飯盒に入れて、大急ぎでカマドに掛けた。
「さ、たべよう。醤油とそれから、カラシも持つてきたよ。」
   藤木はさういつて、割箸で食べはじめた。僕も、焼売をお菜に、炊き立ての御飯を頬張つた。
「こりやウマイ!」
   僕は一口御飯を食べて見ていつた。家で食べる御飯とはくらべ物にならないほどおいしいのだ。
「特別に上等のお米なのかしら、これは?」
   僕は、星野君にきいて見た。すると星野君は笑つて、
「お米は普通の一等米あ、だが飯盒で炊くととてもおいしくなるんだよ。」
「どうしてだらう?」
「それはね、焚火の焔が飯盒を万遍なく包んでしまふので、よくお米が煮えるからさー。」
「それもあるけど、僕の持つてきたおかずがおいしいからだよ。」
   と、焼売が側からいつた。
「かうして青天井の下で食べるのも、おいしく感じる訳だね。」
(福永恭助『国の護り』1939年)

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級友二人に飯盒について講釈を垂れる星野君
飯盒掛を使って炊爨してるのに注目
   この時代に、シュウマイが普段から食べられていた様なのが少し驚きでしたが、シュウマイを掛子で蒸すというやり方を紹介しています。要するに、メシを炊くついでの火力で作れる物なら可、という応用編を示したものなのでしょう。
   その様な訳で、自分もハナから出来ぬと決めつけず、とりあえず星野君に倣って、炊飯しつつシュウマイを蒸してみる事にしました。

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掛子にぎっしりのシュウマイ
蒸しも好きですが、揚げも好きですw


■3合の場合
   4合からスタートしても良かったのですが、たまたま3合炊く用事があったのと、さすがに4合では量が多くて吹き零れが凄いかなーと考え、3合からのスタートとなりました。使用したのは、プリムスのP-153、見たいテレビがあったので、室内で炊きました。
   いつもの様に強火からスタート。大体3分くらいで沸騰してきたのですが、掛子が抑えてるのか、いつもの様に蓋が持ち上がる前に、吹き零れがドバドバ出て来ました。それこそ、滝の様に出て来て、ストーブの火力調整ダイヤルが触ろうにも、吹き零れで指がアッチッチになる始末。しかもテンヤワンヤしてる間に、火まで消えてしまいました。
   どうにかこうにか弱火にしたのですが、それでも暫く盛大に吹き零れてました。それがようやく収まったものの、今度は重湯がどれだけ消えたか分らない。結局、蓋とって、掛子外して、中身を点検する事に。結果としては、若干焦げが出来たものの、ご飯もシュウマイも美味しく出来ました。

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沸騰して蓋がやっとこ持ち上がるの図
その前に吹き零れがドドーッと来てます

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底もあまり焦げず、美味しく出来ました
吹き零れさえ気にしなれば、ちゃんとやれる調理法です


■2合の場合
   3合で盛大に吹き零れたのは、やはり掛子の分だけ沸騰時のクリアランスが少なく、あるいは圧が掛かり過ぎたからで、2合ないし1合なら、米や水の量が少ない分、吹き零れが上に上がって来にくいのでは?という風に考えました。そこでまず2合からチャレンジしました。
   使用したストーブはP-153、クーラー聞いた室内で行いました。前回と同じ条件です。例によって強火スタートですが、沸騰時の反応は3合の時よりもソフトで、吹き零れもそれほど多くなく、ふわーっと蓋が持ち上がる様な感じ。余裕もって弱火に変えましたが、湯気はそこそこ出るものの、吹き零れはほとんど出ませんでした。
   それでも、飯盒の中身は蓋をあけ、掛子を取らないことには分りません。良い感じに重湯が無くなったタイミングで火を消しましたが、ホンのウッすら焦げが出来てました。でも、ご飯もシュウマイもバッチリです。

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ぐば〜〜っと持ち上がる蓋
吹き零れは3合の時よりは少なかったです

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今回も上手に出来ました
そこの焦げも洗って落ちる程度でした


■1合の場合
   2合では、吹き零れが大分少なくなりましたから、さらに少ない1合では、もはや吹き零れはないんじゃないか、というのが当初の予想でした。ただし、1合炊きの場合は、2〜4合の時より相対的に火力が強くなるので、少し水を多めに入れました。
   条件は同じ、P-153で室内。ガンガン強火で行きます。が、劇的な変化は沸騰時に起こりました。湯気が出始めたかなー、と思ったら、ぼたぼたぼたーーーっと吹き零れが一気に出て来ました。蓋が持ち上がる前にです。それを辛抱して、蓋が持ち上がってから弱火にしましたが、それでもガンガン吹き零れが出ます。3合の時の比ではありませんでした。ようやく噴かなくなってからも、なかなか重湯が引かなかった様で、いつもより長い時間弱火に掛てました。
   結果としては、ご飯もシュウマイも美味く出来たのですが、吹き零れの量が半端なくて、1合炊きは敬遠したい感じでした。

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1合炊きの場合、水は若干多めにした方が
固いご飯にならずに済みます

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ソロ用のストーブは
最大火力でも一点に火が当たる格好になります

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吹き零れは、もっとも多く、始末に困りました
これがバーナーヘッドの大きなストーブなら
大惨事になっていたと思われます


■考察
   やってみて感じたのは、掛子が入っていると、沸騰の時に蓋が持ち上がって来にくいし、多少の差はあれど吹き零れするし、重湯の状態をみるのも大変だし、あまり良いやり方ではないな、という事でした。やってやれない事はない、けど、ほとんど頓知のテクニックであって、常用したいという感じではありませんでした。
   また、掛子に入れて炊飯と同時に調理出来る物が他にあるか、スーパーで探してみたのですが、案外なくて、シュウマイくらいしか見つけられませんでした。というのも、自分は弱火時に重湯の状態を見るために蓋を開ける派なので、掛子を持ち上げた時に溢れる様な液状のものでは困ります。固形物でかつ掛子に収まる物となると、小型のシュウマイくらいしかなかった、という訳です。
   自分の場合、予めシュウマイ蒸す予定があるのなら、飯盒蒸し器を持って行くでしょうし、それで先にご飯を炊いてから、ご飯を他の容器(キャンティーンカップなど)に移してから、蒸し器でシュウマイを蒸すと思います。その方が大きめのシュウマイも蒸せて、より便利な気がします。
   自分が掛子併用で炊飯するのを苦手とするのは、出来れば吹き零れさせたくないからで、吹き零れさせたくない理由は、その下にストーブがあってこれを汚したくないからです。その点に目をつぶれば、掛子併用で炊飯は可能である事は確かです。ちなみに、高山など沸点が低い場所では、あえて掛子を入れて圧を高める工夫もするそうです。その意味で、このやり方は絶賛出来ないものの、やれん事はないやり方だと思います。

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まぁ、ともあれ美味しく作れる事だけは間違いないです

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掛子が入っていれば、その分空間は減る訳で
またその分、圧も多めに掛かる事から
吹き零れは発生しやすいのだと思います







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tanisi_corp at 20:00コメント(2)

2015年07月30日

   飯盒云々の以前に、自分が普段台所で使っている調理器具というのは、次の様なものです。炊飯器=ご飯炊く道具、フライパン=オカズ作る道具、片手鍋=レトルト茹でたりラーメン煮たりする道具、この3点です。アウトドアで使うクッカーの類いも、おおよそこれに準拠したものになると考えています。アウトドア用の、特にソロ用のクッカーはその辺りがよく考えられていて、クッカーにセットできるフライパンがあったりします。しかし、飯盒ではどうするのか、というのがこの記事のテーマです。

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2015年7月現在の調理用具
ヤカンはお茶沸かすのに使ってますが
普段は地面に置いてますw


■フライパンの代わりに蓋
   飯盒とフライパンの関係を考える前に、ときたまの飯盒炊爨でフライパンを使う様な事があるのか、装備として必要なのかを考えました。ソロ用のフライパンを使うとなると、玉子やソーセージなどを焼いたり炒めたりする、ホットケーキを焼いたりする、といった様な細々した料理になる訳ですが、わざわざそんなもん食わなくても、という気がしないでもありません。しかし、食えたらオカズの幅が増える事は言うまでもありません。出来ないより出来た方が良い、という訳です。
   飯盒にはセット出来る様なシステマチックなフライパンはありません。そこで着目するのが、飯盒の蓋です。蓋はもちろん炊飯時の蓋としての大事な仕事があるのですが、その一方でヨーロッパのメスティンには蓋にハンドルが付いていて、フライパンの代わりとしても使ったりします。むしろ欧米では飯を炊いたりする訳ではないので、蓋はフライパンやスープ皿としての役割がメインの様です。そうしたハンドル付きの蓋を真似た兵式飯盒も売られています。
   では、飯盒の蓋はフライパンの様に使えるのか、何度か試した事がありますが、結論としては、限定的ながら使えます。ただし、サラダ油やラードといった油を使わない事には、焦げ付きが破滅的で、食える物に仕上げるのが大変なだけでなく、後始末が大変です。油のない状況では、決してお勧め出来ません。(過去例→ホットケーキソーセージエッグ

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飯盒の蓋で焼き物が出来ないか、というのは
結構前から関心のあった事です
エスビットくらいの熱なら、蓋がベコる事はありません


■蓋でスパムを焼いてみる
   スパムというのは、そのままでも食べれん事はないが、やっぱり焼いて食べた方が美味しい。昔読んだ戦記で、米軍の飛行場に斥候にいった日本兵が、米兵がフライパンで暢気にステーキを焼いてるのを見て、その美味そうな匂いに悶絶した(補給が途絶えてロクなもん食べてないから)という記述がありましたが、フライパンというのは米軍のメスパンの事で、ステーキというのは実はスパムだったんじゃないかなー、と思います。スパムばっか食わされてた米兵には不評だったらしいけど、自分はスパム焼く匂い、好きです。ちなみに、日本軍が鹵獲した連合軍の給与には、相当数のコンビーフが入ってますが、スパム、つまりランチョンミートは全然出て来ません。恐らく、どっちも一緒くたにして、コンビーフと呼んでたのかもしれません。
   ともあれ、スパムを飯盒の蓋で焼くのは、実は今回が初めてです。厚みは大体8mmくらい、それ以上薄いと、うっかり蓋に引っ付いた時、剥がれるより千切れる可能性の方が高いと思いました。一度にやっつけれるのは、2枚が限度です。熱源は、いつも飯炊きに使っているコールマン442を使いました。しかもあえて強火で使う事にしました。これは焦げ付き具合を見るためです。しかし、本当に焦げ付かれても困るので、予め蓋にはサラダ油を落としておきました。

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コールマン442もジェネレーター交換で2レバー化し
弱火が作れるのですが
今回はあえてマックス強火でww

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火力が強い為、直ぐに油が熱せられて油煙を上げ始めます

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ハンドルのない蓋ですので、トランギアのアルミハンドルを使います
が、軍手を忘れると、結構熱い思いをします

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焼いてる最中はストーブに置き
ひっくり返す時だけ、ハンドルで蓋を掴む様にしました
火力が強いので、あっという間に焼けました
確かに、良い匂いしてますww


■使った後の後始末
   飯盒で油を使わずに玉子を焼こうとした事がありましたが、立ちどころにへばりついて、ヒックリ返すどころかスクランブルエッグにするのが精一杯で、後は蓋一面にこびり付いたカチカチの玉子の焦げで、キレイにするのが大変でした。油を引いていても、まったく焦げない訳ではなく、若干焦げたりするのですが、まったく油がない時よりは被害は軽微です。
   ご飯の焦げは、とりあえず水に浸けるのですが、油の焦げは水に浸けてても落ちません。洗剤使って落とすしかありません。焦げも、スコッチブライトなどを使って、優しく落とします。あまり派手にやると、アルマイトの表面に傷が入ってしまうので要注意です。
   飯盒の蓋は、飯盒本体に比べると、どうも薄いようで、強い火力で使うと蓋が若干ベコってしまいました。まぁ、3合が3.5合くらい入るほどに膨らんだ訳ではないですが、気にする人は蓋をフライパン代わりに使わないか、弱い火力で焼く様にすると良いと思います。

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油を引いていても、焦げない訳ではありません
しかし、このくらいなら、直ぐ落ちます


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所々残っているのは、この10年に色々やった跡ですw
(マタタビの枝まで燃やした事ある)
多少ベコりましたが、計量に影響は小です



■飯盒にインする
   以前にも紹介したのですが、飯盒には、ユニフレームの角形のフライパンを納める事が出来ます。ただし、掛子を外してフライパンと並べる様にして飯盒に納めねばなりません。良い感じに収まるのですが、実はこのやり方は余りしてません。というのは、フライパンを納めるよりは、キャンティーンカップを納めた方が使いでがあるからです。フライパンでカップの代わりをするのは難しいですが、カップなら汁物やラーメンなどを作れるので便利、という訳です。また、カップの場合の方が、まだ中に余裕があるので、米なども入れれたりします。
   その様な訳で、蓋ではやり切れない時は、別個にフライパンを持つのが定番となっています。

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思いもかけずキッチリ収まるのですが
これ以外は一切入りません



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tanisi_corp at 20:00コメント(0)

2015年07月28日

   兵式飯盒は、2合、3合、4合の炊飯が可能なのですが、食べ盛りの18歳の頃でさえ、1食で2合は食べ切れず、残して冷や飯を作る、という感じでした。その後、1合炊きに挑戦するのですが、何度やっても芯飯になってしまい、結果として、「兵式飯盒で1合炊きは不可能。2合炊いて、残り半分の冷や飯をどうするか考える」という線に落ち着きました。同じ様に感じる人も他にいる様で、それが常識となってました。
   しかし、昔の戦記を読んでいると、敗走中など、ロクに補給が無かった時は、2〜4合丸々炊くなんて事はなかった様ですし、何らか方法があるのではないか、と前から思っていました。

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兵式飯盒で米1合というと、かなり少ない感じに見えます


■炊き方の問題
   以前、飯盒で1合炊きに挑戦してた頃の飯の炊き方は、いわゆる弱火式で、とにかく、焦げない様に、噴かない様に、弱火で、もし噴きそうなら蓋開けて防止する、というやり方でした。最初に読んだ野宿ライダーの人の本に書いてあった事を、さらに自分なりに解釈を加えて、20年近く墨守してきたのですが、このやり方では、条件が悪ければ立ちどころに芯飯、半煮え飯、パサ飯になる事が、最近わかりました。
   火力が弱いと、半煮え飯系になってしまうのは、火力が弱いため、米の芯まで熱が回り切る前に水がなくなってしまい、見た目には炊けた様に見えても、実は米の中は炊けてない状態になるからです。この傾向は、アルコール系の熱源を使った場合に顕著で、特に気温の低い季節の屋外では、芯飯確定になります。飯盒で1合炊きした時は、芯飯なだけでなく、固い飯になってしまい、どうにも処置無しでした。2合なら食える飯になるのに、1合なら食えない飯。大いなる謎でした。
   最近になって、この弱火式の炊き方が間違いである事に気が付きました。「強火→沸騰→弱火→重湯無→消火→蒸らし」この手順の強火式なら、まずまず間違いない事。ストーブによって沸騰や重湯無までの時間は異なるものの、大体3〜5分の間で勝負すれば、美味しいご飯が炊ける事が分って来ました。そこで今回、この強火式で兵式飯盒の1合炊きに挑戦したのです。

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水は2合の水量線の半分くらいです
硬めに仕上がるので、若干多くても可です


■予想外に早い炊き上がり
   米研ぎと浸水はいつも通りに行います。むしろ浸水をしっかりしておかないと、芯飯の確率がより高くなります。浸水が終わったあと、おもむろに強火のストーブに掛けます。そのまま沸騰するまで放置します。どんな場合でもそうですが、どんな強火に掛けていても、沸騰するまでは焦げ付いたりはしないものです。
   ところが、予想に反して、えらく早く沸騰しました。沸騰したら、直ちに弱火に変えます。しかし、弱火にしてもまだ強いのか、盛んに蓋を持ち上げ、湯気を盛大に噴き出します。水分が豊富に残っている時は、湯気も吹き零れもあるので、暫く様子を見てました、それらが収まって直ぐに焦げた匂いがして来ましたので、蓋を取って重湯が消えているのを確認して、火から下ろしました。
   きっちり15分蒸らしてから、中身を確かめてみると、カニの穴も出来て美味そうに炊けています。表面を食べてみると、芯など全然なくフックラ炊けていてます。底の方も焦げもなく、美味く炊けていました。どうやら、芯飯になるのは弱火式の間違った炊き方が原因だった様です。

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強火でガンガン
あっという間に沸騰します

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弱火に切り替えてからも、暫くは蓋が持ち上がります

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蓋が持ち上がらなくなっても、湯気が盛大です
重湯がなくなるタイミングを見逃すと焦げます

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予想に反して、美味しく炊けました
ただし、ちょっと硬めかな


■1合炊きを実測
   あまりにも炊きあがりが早いので、ストップウォッチでタイムを計ったところ、意外な結果が分りました。強火で沸騰するまでが、約2分、弱火で重湯が無くなるまでが約3.5分強。これは2合炊きの時の3分の2くらいの時間です。恐らくこれは、米と水の分量が少ないのに火力は2合炊き4合炊きと同じ火力で炊くので、早く沸騰して早く水分が消えるからだと思います。その分、湯気の噴く量が多い訳です。しかし、分量が少ない分、背の高い飯盒を越えて煮汁が溢れ出す事はありません。
   気になる焦げ付きも、弱火にするタイミング、火から下ろすタイミングを間違えなければ、焦げ付く事はなさそうです。ただし、上記に挙げた理由から、2合炊きの時より火力が強くなる傾向にあるので、いつまでも火に掛け続けず、重湯が消えたらさっと火から下ろす事が肝心です。また、水の量は1合分よりやや多めのでないと、固い仕上がりになるので注意が必要です。
   上記の点を注意すれば、兵式飯盒で1合炊きは可能という事が分りました。ただし、1合だけたくのはコスト的にはやや無駄が多いですし、また食味も2合以上炊いた方が美味しいので、その辺りは必要に応じて行うのが可と思います。

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異様に早いタイムを示しています
素早い火加減が要求されます
(ボケッとしてたら焦げます)

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盛大に噴いてくるので、箸で蓋を押さえています

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底に焦げも出来ず、予想外にグッドですw



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tanisi_corp at 20:00コメント(0)

2015年07月18日

   今回から、泊まり掛けのイベントを中心に、ご飯炊いてる時間のある時は、外で飯盒でご飯を炊く事にしました。その記念すべき第1回は、長野県大町市の爺ヶ岳スキー場です。WEX第4戦の前夜祭(ってほどでもなかったけどw)でご飯炊きました。

20150717_221308
左がフェザーストーブを入れた軍用ピーク1のスタッフバッグ
フェザーストーブにはスタッフバッグがないので
550B用のを流用しています
飯盒の中には、米等が装備されているので
ストラップで蓋を押さえています



   今回用意した装備は、飯盒と米2合×2、味噌、味噌汁の具。ストーブは若干高地である事を考慮して、コールマンのフェザーストーブにしました。一応、トランポにはイワタニのカセットガスジュニアバーナーを常備しているのですが、まぁ、普段はガソリンストーブでベランダ炊飯してますので、他の場所でもぜひ使うべきでしょう。
   日中はパドックの確保や部隊の集結、下見やバイクの準備などなどで忙しく、それらが終わってからは速攻で温泉に行ったので、飯盒の準備は帰って来てから、という事になりました。今回は他にもご飯食べたいって人が居ましたので、3合炊きました。実は、2合ずつビニール袋に入れて持って行ったのですが、3合計る為に、蓋に盛り直さねばならず、ちょっと面倒でした。2合以上は1合ずつに分けた方が楽だと思います。
   米を研いで、おおよそ30分ほど水に浸したと思った頃合いを見計らって炊飯開始。テーブルの端っこを借りて炊いたのですが、フェザーストーブは場所を取らないので便利でした。これが分離型のストーブだと、もれなく暗闇の中で身体を屈めて炊くところでした。
   いつもの様に、強火で沸騰してから弱火に切り替え、良い頃合いで蓋を取って中身を確認し、重湯が消えたところで火から下ろして、15分と思しき時間蒸らしました。結果は上々、他の人にも試食して貰いましたが、美味しいと言って頂けました。

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皆さんにもつまんで頂きました
感想を伺う事で、成果や改善点が見出せます

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他にもオカズがあったのですが
まずは味噌でいただきますw


   特筆すべきは翌日で、レース中は炎熱でご飯が腐らないよう、トランポの奥の風通しのよい日陰に置いておいたのですが、お陰で腐りもせず食べる事が出来ました。ただ、レースのあとで身体がヘロヘロに疲れていて、ストーブに火を熾すのが億劫で、当初予定してたお粥は出来ませんでした。冷や飯のまま、味噌だけで食べたのですが、これがとても美味しい。腹減ってるからってのもあるかもしれませんが、ご飯に臭みやクセがなく、味噌だけで十分美味しく食べれました。
   やはり、上手に炊けたご飯は、冷えても美味い。外で炊いても、それは同じという事が分りました。

20150719_121855
実に質素ですが、本人は大満足です
めしうま〜〜ww


   今回は3合炊いたという事で、弱火にしてから若干の噴きこぼれがありました。しかし、後日、ベランダで4合炊いた時は噴きこぼれがありませんでしたので、もしかしたら標高や気温が関係しているかもしれません。
   フェザーストーブはご覧の通り、場所も取りませんし、プレヒートもないので、他迷惑にならず助かります。火力は強く、2レバー化したので弱火も出来ますし、レギュラーガソリン使っているのに煤も出ないので(今んところ)、大変重宝します。

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かつて、ダメダメな評価しかなかった442
今やエース級の活躍を始めましたww



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tanisi_corp at 22:00コメント(0)

2015年06月22日

   これまでにも何度かご飯の炊き方について書いたのですが、今回は真面目に兵式飯盒使ってご飯炊く方法について語ります。飯盒といえば、ご飯を炊く道具として認識されている訳ですが(この際、もともとは食器という由来は置いておきましょう)、だとしたら、上手にご飯を炊けてなんぼというもんです。

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炊飯器と違って、飯盒は全手動です
感覚とセンスと経験が物を言う世界です


■ざっくり、ご飯の炊き方とは?
   ご飯の炊き方というのは、ネットで調べれば色々出てくるのですが、ざっくり書けば、この要領だと思います。
  1. 米を洗って研ぐ
  2. 米を水に浸ける(夏場なら約30分、冬なら約1時間)
  3. 強火で沸騰させる(3〜5分)
  4. 噴いて来たら弱火で炊く(3〜5分)
  5. プチプチ音が聞こえたら、火を止めて蒸らす(約15分)
   水の量は、飯盒の側面の水量線(みずはかりすぢ)に合わせて、米と一緒に水を入れれば、まずまず間違いがありません。しかしながら、慣れないウチは失敗も多いもので、芯飯になる事はあまりないのですが、ふっくらと炊きあがらず飯粒の中がモサモサパサパサしたものになったり、上はフックラしてるのに下はパサパサとか、ともかく食味の悪いのが出来上がったりします。
   これらの失敗の原因は、多くは火力に由来するもので、火力が弱く煮飯になった場合によく起こります。逆に、火力が強いままボケッとしてると、あっという間に水分が飛んでしまい、飯盒の底が焦げて後始末が大変になったり、下手したら飯盒が再起不能になります。

20150609_085358
米の研ぎ方は上記の通りですが
この様に飯盒から研ぎ汁や濯ぎ水を捨てると
どうしても底の方に残ってしまいがちです
自分は自宅の場合は、ザルに米をあける様にしています

20150609_085448
兵式飯盒には、2合と4合の水量線がついています
それに合わせて水をいれ、米に吸水させます

20150621_184435
吸水が済んだら、ストーブに飯盒を掛けます
まずは強火で、沸騰させます

20150621_184801
湯気が出て蓋が持ち上がる様になったら、弱火に切り替えます
そして、プチプチ音がしてきたり、焦げっぽい匂いがするまで弱火に掛けます
ラストの方でもし不安であれば、蓋を開けて中身を見ます
重湯が消えていたら、火から下ろします

20150621_185505
約15分間蒸らします。この時は決して蓋を取りません
逆さにするのが定番ですが、上向きでも構いません
ちなみに、飯盒の底は凹むほどどつかない事
飯盒が傷むだけで、何の意味もありません

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底の方までふっくら炊けて、かつ焦げ無しです


動画編
下までふっくら炊けました


■上手に炊く秘訣
   ご飯を上手に炊くコツは、上記の3と4を上手にやる、という事に尽きます。しっかり沸騰させて、しっかり弱火で炊く。これが出来れば、まぁ失敗はありません。そして、これが上手に出来る熱源は、ガスを使うコンロやバーナー、火力調整が自在な灯油やガソリンストーブです。強い火力を発揮ししつつ、弱火もOKという事で、まさに飯盒メシを炊くには適している訳です。
   ポイントは、レシピに書いてある時間をアテにするのでなく、「状況」によって判断する、という事です。具体的には、飯盒が噴いて来たら弱火に切り替える、プチプチ音が聞こえたりちょっと焦げた匂いがしたら火から下ろす。そうした手順をタイムでなく「状況」によって判断する事です。
   というのは、時間というのは、使用する熱源によってまちまちだからです。例えば、ガスならば大体5〜7分くらいで噴いてきますし、アルコールだと10分くらい掛かったりします。ところがガソリンだと3分くらいで噴いて来たりして、あまりの早さにビックリします。しかし、早かろうが遅かろうが、噴いて来たら弱火に変える事に違いはないのです。そこをクソ真面目に5分とかやってると、そこが焦げたり半煮え飯になったりする訳です。
   そうは言っても、その「状況」そのものが最初のウチは分らないと思います。なので、まずは自宅のガスコンロなどで炊く練習をしましょう。自宅では、風も吹き込まず、気温も一定していて、屋外とは段違いに条件が整っているので、成功率が高いです。練習で、メシが炊ける過程の諸現象、上手に炊けた時のやり方などを覚えて、飯盒でメシを炊く感性を磨くのが良いと思います。

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ガスストーブを使った炊飯
一発着火、火力自在で便利です
室内では、強火といっても案外絞り気味です

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アルコールストーブによる炊飯
同じアルコール系でも加圧式なので、固形燃料より火力が強いです

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缶入り固形燃料による炊飯
気温が高く無風状態であれば、アルコール系でもそこそこ炊けます


■外では格段に難しくなる
   いくら自宅で上手に炊けても、一旦外に出ると美味く炊けないのが飯盒での炊飯です。自分もこれまで、大抵は芯が残ってたり、残った芯が半煮えだったり、その芯が蒸れた状態でパサパサだったりしたもんです。ウチで炊いてるのと同じ様にやっているのに、美味く行かないのはおかしい訳ですが、その原因は屋外ならではです。
   屋外では、天候、気温、風力、場合によっては標高も、これらの条件に大きく左右されます。一番影響を受けるのは風、気温です。風が吹けばバーナーの炎は風に煽られて、それだけで火力が落ちます。気温が低ければ、飯盒が沸騰するのに時間が掛かります。総じて、火力が落ちて沸騰までの時間が掛かり、しっかりとメシが炊けず半煮えになるのです。
   その他にも、風がキツいと沸騰した湯気が飛ばされて出てるか分らない、騒音があるとプチプチ音を聞き逃す、日光が明るいとアルコールストーブの炎が見えない、などなどの要素もあります。それらを踏まえた上で、出来栄えの良いご飯を炊かねばならぬところに、経験と戦術性を求められるのです。
   具体的にはどうしたら良いのか、というと、基本に忠実にやる事です。強火のところは強火で、弱火のところは弱火で。ただし、風や気温、天候によって、同じ捻り方でも火力は変化しますから、風が強い寒いと感じた時は、いつもよりも火力を強くする、という感覚的な対処が必要なのです。そして、早過ぎず遅過ぎず、必要な時間を掛けて炊き上げる訳です。
   風がきつい場合は、風避けの対策は必須になります。固形燃料やアルコールストーブの場合、風に煽られるというのは、単に火力が落ちるだけでなく、燃料の消費を増大さえ、まだ半煮えなのに燃料がなくなってしまう、という事態を招きかねません。ガスやガソリンといったバーナーでも、無風時よりは強めの火力にせねばなりませんし、弱火にしたら風で消えた、といった事も起こります。風がある場合は、天ぷらガードなどで風除けを作る、テントの前室で炊飯する、換気に十分注意してテント内で炊飯する、等の工夫が必要です。
   厳冬期など気温が低い時は、温暖な季節と同じ火力で炊飯すると、沸騰までに時間が掛かり、いわゆる弱い火力で炊いたのと同じ様な、煮飯状態が発生します。つまり、フックラ炊けず、芯が残ったり、芯が蒸れたパサ飯状態になります。ガスやガソリンの場合は、いつも以上に火力を強くする必要がありますが、ガスは低温の場合、ガスが気化されにくくなっていて火力が低くなる傾向にあります。アルコールに至っては、火力調整などありませんから、強くしようがありません。ガスカートリッジを手で温める、狭めの風防を用意して輻射熱を逃がさない様にする、等の工夫が必要になります。(その点、ガソリンは寒さに強いです)
   屋外での炊飯は、気候と熱源の特徴を理解した上で、如何に基本に忠実、近い炊き方が出来るかがポイントだと思います。しかし、これは直ぐにマスターできる様なものではなく、普段から飯盒使って外でご飯を炊くなどして、経験積んでセンスを磨くしか、上達する方法がありません。

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野外における炊爨
使ってる熱源は、軍装に合わせて缶入り固形燃料
気温は温暖で風もあまりありませんでした

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見た目、炊けてる様に見えますが
実は、下のかなりの部分がパサ飯でした

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飯はパサ飯、オカズは野菜の食感満点
明らかに火力不足の結果でした

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アルコール系の場合、風防を工夫する事で
ある程度の火力不足を補えます
写真は、キャンティーンカップスタンドゲルネンの組み合わせ



■蓋は取るのか取らないのか
   ご飯を炊く際にしてはならない事の最たるものが、蓋を取って中身を見ることだと言われています。大抵のレシピやマニュアルには、そう書かれています。炊飯途中で蓋を開ける事を良しとしない理由は、蓋を開ける事で内圧や熱が逃げて、ふっくら炊き上げるのに難が生じるからです。
   しかし、蓋をしたままでは、飯盒の中がどうなっているのか、分らないのも確かです。特に分らないのは、弱火で炊く段階で、どの程度の水気が残っているか、です。ボケっとしていると、底を焦がしたりする事もある訳で、非常に悩ましい事になります。
   そこで、上記の炊き方に対応させて、その時、飯盒の中でどうなっているかを解説すると、下記の様になります。
  1. 強火で沸騰させる
     水が熱せられる段階。最初はやんわりと水が対流しているが、沸騰すると激しく対流し、それに合わせて米も対流する。沸騰すると、いわゆる、ボコボコ噴いた状態になっている。
  2. 噴いて来たら弱火で炊く
     弱火にする事で対流が弱まる。水が一定に熱せられた状態で、米が水を吸収し初め膨張する。米が膨張するに従って、水分は減って行く。
  3. プチプチ音が聞こえたら、火を止める
     最終的に水分はほぼ米に吸収される。水分がなくなり、米が飯盒の底に接触する事で、火に当たっている部分の飯がはぜる音がプチプチ音。
  4. 蒸らす(約15分)
     飯盒の中に残った熱によって、炊けた飯が蒸される状態。ここでは絶対蓋を取らない。
   こういう感じになっています。外見的には、沸騰し始めれば湯気が出ますし、強力な火力であれば蓋が持ち上がったり、重湯がこぼれ出たりします。そうすれば弱火に移る訳です。そして、プチプチ音が聞こえて来たら火を止める。若干焦げた臭いがした時は、焦げが始まってる様相なので、ただちに火から下ろさねば焦げ付きます。
   しかし、気温が低かったり、騒音があったりすると、なかなか沸騰してる風に見えなかったり、プチプチ音が聞こえない、といった事が起こります。気が付いたら、沸騰を予感させる前に水気がなくなっていた、などという事もあります。逆にプチプチ音が聞こえてるのに、まだ水分が残っていた、という事もあります。こうした怪しい時に、あえて蓋を開けて中身を確認するのは有りだ、と自分は考えています。
   ただし、蓋を開ける時は、さっと確認して素早く蓋をする、あと頻繁に蓋を開けない。そうしないと、圧も熱も掛からず、ロクな飯が仕上がりません。やはり、基本は蓋はなるべく取らず、飯盒の様相、蒸気の出方、炊け始めた米の臭い、プチプチ音、焦げの臭い、といった作用や反応で、炊き具合を見定めるのが大事です。

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不安があるなら、蓋を開けて中身を見るのも可です
ただし、さっと蓋して、極力熱を逃がさない事
写真はまだ重湯が残っているので、さらに加熱を要す状態です

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外見的な「状況」で仕上がり具合を確かめる能力が重要です

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プチプチ音が聞こえたり、焦げっぽい匂いがしても
(これらがしない場合もある)
重湯が残っている場合もあります
無くなったら火から降ろします


■出来栄えの良いご飯とは
   自分がよく例えに出すのは、「炊飯器並みの出来映え」という表現です。炊飯器で炊いたご飯というのは、その炊飯器が壊れてない限り、芯飯になったり、パサついた飯になったり、あるいはベタベタの飯になったりしないものです。いわゆる「出来栄えの良いご飯」を作る様に出来ています。しかし、これは機械から出来る芸当であって、飯盒ではそうは行かない事は上に述べた通りです。
   飯盒は、他のクッカーと違って、水量線(みずはかりすぢ)が付いていますので、水の分量で失敗する事はあまりありません。水が足りなくて底を黒焦げにしてしまう、というのは、よほど火力が強いか、いつまでも火に掛けていたか、そのくらいしか例がありません。よって、飯盒メシでの失敗は、もっぱら火力によるところが大なのです。
   例えば、芯飯ですが、これは火力不足によって起こります。強火が強火ならず、ゆっくり炊いているうちに、いつ沸騰したのかも分らず、気が付いたら重湯も消えていた時によく起こります。外身はふっくら炊けている様に見えるのですが、中は固いまま、という具合です。芯飯の状態で、かつ蒸らしが足りない場合、しかも気温が低くて蒸らしてる間に冷めて来た時などに顕著です。
   芯飯とまで行かなくても、芯がパサパサしてるご飯というのも、やはり火力不足が原因です。微妙に火力が弱かった場合、中まで熱が回らず、中途半端な煮え方になり、蒸らした結果、いまいちパサパサした出来映えになってしまいます。飯盒の上下で出来栄えが違う、という事もままあります。上の方はふっくら出来ているのに、下の方はパサ飯という具合です。
   こうした失敗を防止するのは、強火の時は徹底して強火なのだ、という事です。具体的な例を挙げると、温暖な気候の時のベランダにおいて、ガソリンストーブを使用すると、沸騰までに約3.5分、微かに焦げっぽい匂いがするまでの弱火も4.5分くらいで炊けてしまいますが、意外にも焦げ飯にならず、上から下までふっくらと炊きあがります。逆に、厳冬期のアルコールストーブでは、15分経ってようやく沸騰し始め、さらに数分火に掛けても、重湯は消え切らず芯飯でした。つまり、沸騰までに時間が掛かり過ぎ、かつ火力が弱くて炊き上げきらなかったのです。

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4合炊きの場合、2合よりも
噴きこぼれしやすいとか下の方がパサ飯になり易いなど
いろいろありますが、上手に炊ける様に練習あるのみです

20150611_192915
ご飯が美味しいと、粗末なオカズでも全然美味しく食べれます
これは残った冷や飯に味噌入れておかゆにしたもの
密かにマイブームです

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火に掛けてる時間が長いと、若干焦げる場合がありますが
この程度なら、全然大丈夫
問題なのは炭化した場合なので、そうならない様に感覚を磨きましょう



■炊飯に適した火器・熱源
   上の事から、飯盒で(飯盒に限った事ではないかもしれませんが)ご飯を炊く上で、重要なのは火力である事が理解出来たかと思います。しかも、単に強ければ良いというものではなく、弱火も可能でなければならないのです。
   それを踏まえた上、炊飯に適した熱源を勧めるとしたら、自分はガソリンストーブもしくはガスストーブを勧めます。炊飯する場所が少し標高の高い場所、季節が冬なら、ガソリンストーブ一択です。ガソリンストーブは、気温気圧にあまり左右されず、強力な火力を発揮し、かつ弱火も可能な物が最近はあるからです。ただし、ガソリンストーブはポンピングやプレヒートといった作業があり、タンクに燃料を入れる際に指にガソリンが付いたら臭い(特にレギュラーガソリンは)、などなど不便な事もありますが、それを差し引いても優秀です。
   ガスバーナーも、最近は寒冷地用などがありますし、無風状態や温暖な気候の時には、ガソリンストーブ同様の火力を発揮しますし、火力調整については圧倒的にガスの方が融通が効きます。しかし、冬場でちょっと標高の高い所だったりすると、いつも通りに使っていたら、思いも掛けず火力が足りなくて、半煮え飯を食うハメになった事が何度かありました。
   アルコール系のバーナーやストーブは、無風で温暖な季節には良いのですが、そうでない時は相当に不利です。また、火力が低い状態で一定ですので、上に書いた様に強い火力で炊き上げるという芸当が出来ず、ふっくらと仕上げるのが難しくて、「とりあえず食える」状態の飯になる事が多いです。単に湯を沸かすだけなら良いのですが、炊飯という特性上、化石燃料系よりは不利だと考えています。
   飯盒と言えば焚き火をイメージする訳ですが、実は焚き火で飯盒を使った経験は、あまりありません。直火がOKな場所が少ないからですが、大体はストーブで炊くからです。故にどうこう言えるだけのデータがないのですが、要は上記に述べた炊飯の要領をちゃんとやる事です。むろん、火力調整などいうのは焚き火にないのですが、薪を間引く、飯盒の位置を高くする、などなど、ストーブの時以上に高度な戦術性を要求されます。

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普段から使う道具にもっとも精通しておく必要があります
自分の場合、トランポに常備しているのは
カセットガスジュニアですので、普段からの練習が欠かせません

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アルコールストーブは、単体では使えない事がほとんどです
しっかり安定した五徳を選ぶ必要があります
なお、アルストは晴れの昼間には、炎が見えない事がしばしばです

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飯盒は外で使うもんだ、という先入観を持っている人が意外に多いです
自宅のガスコンロでも全然使えます
まずは自宅で練習しましょう

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もっとも難易度が高いのは、焚き火などでの炊爨だと思います
やる機会が少ないだけに、上達するのは大変です



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tanisi_corp at 03:00コメント(0)

2015年06月13日

   自分は18歳で東京に出て来て以来、時々の空白はあるものの、常に兵式飯盒を日用品として使ってきました。数え上げると、初代はメーカー不明の兵式飯盒、2代目は確かニュートップの3合炊き飯盒、3代目が自衛隊の旧型飯盒、4代目が谷口金属製、そして現在も現役の6代目がキャプテンスタッグ製、以上です。兵式飯盒以外の飯盒も使った事がありますが、おおよそ日常品として使って来たのは、初代〜5代目までの兵式飯盒だったのです。
   日用品だけに、飯盒自体をどうこうレポートする気はなかったのですが、今回、谷口金属製の飯盒を改めて手に入れて、キャプテンスタッグ製と結構違うところがあったので、比較記事を載せておきます。

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左が谷口金属製、右がキャプテンスタッグ製
パッと見た目にはどちらも同じです

20150612
意外と知られてない、飯盒の各部名称
(「被服手入保存法」から抜粋)


■谷口金属のハンゴー兵式
   自分が谷口金属のハンゴー兵式と巡り会ったのは、上野のOD BOXという店で、自衛隊の飯盒を処分してしばらく経ってからの事でした。まぁ、飯盒ですから金物屋が作っているのですが、にしても谷口金属という、誰かの名前みたいな会社名にかなり心が惹かれました。しかし、値段は2,500円。それなりのお値段です。買うか買うまいか、結構悩んだのですが、やっぱり飯盒ないと不便という事で買いました。
   その後、設営隊活動はもちろんの事、自宅でもよく使っていたのですが、買ってから3年ほどして、出勤前に味噌汁作って、帰って来てみたら味噌汁の量が目減りしてるって事がよく起こり始めました。そして、とうとう帰って来たら半分くらい無くなっていて、ガスコンロがベシャベシャに濡れてるという事態になり、こりゃおかしいという事で良く見てみたら、底に鉛筆の先ほどの穴が開いていて、そこから漏れている事が分りました。
   初代からこれまでの飯盒は、大抵は汚らしくなったから捨てた、という最後が多かったのですが、今回初めて、底に穴が開くほど使い、使えなくなって捨てる事になりました。3年でアウトというのは、短いのか長いのか。でもまぁ、十分2,500円の元は取れたのではないか、と思ってました。

20150612_210943
今回、オークションで手に入れた中古品
箱に書いてある「中子」は「掛子」の間違いです


■キャプテンスタッグの兵式ハンゴー4合炊き
   谷口金属の飯盒がなくなって、こりゃ困ったな、という事で買い直したのが、キャプテンスタッグの飯盒でした。たしか、オリンピック白山店で997円でした。前の飯盒が2,500円もした事を思うと、997円というのは格安です。まぁ、これくらいの値段でないと、わざわざ飯盒買おうって気にはならないかな。もっとも、定価は3,300円もします。その後、長い間、オリンピック各店では997円で売られていましたが、最近、ロゴスの物に変わりました。オリンピックでは一体、どういう価格設定だったんでしょうね。
   それはともかく、初めてキャプスタの飯盒を見た時の印象は、値段相応のチャチさでした。本体の縁はちょっとガタった感じですし、革通しの金具もペラペラでやたら隙間が大きく、塗装はテッカテカでつや消しでもない。まぁ、値段が値段だけに、あまり文句言っちゃダメかなぁ〜、という感じです。まぁ、大事な事はちゃんと飯が炊けて料理が作れる事ですから、その辺りで問題なければ目をつぶる事にしました。むしろ、その安さ故に、誰にでも勧めれる気安さがありました。
   しかし、この安物の飯盒が、かれこれ10年経っても今だに現役です。穴があく訳でもなく、釣手が極度に錆びる事もなく(ガスコンロの火に炙られて、結構錆び錆びになる場合が多い)、10年も使えてるのは、たまたま良い物に当たったのかどうかわかりませんが、にしても997円で10年使えるのはスゴい事だと思います。まぁ、10年も飯盒をウチで使ってるってのも、どうなんだって話しもあるんですが、、、、

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キャプテンスタッグの飯盒、ほぼ新品時
当時はテカテカした塗装が嫌でした

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塗装がボロちくなって来たので、塗り直し
水筒に比べると、日本軍らしい再現がまだまだです


■両者の比較
   今回、オークションに谷口金属の飯盒が出品されていて、ノストラジーに駆られて落札したのですが、届いた物をキャプテンスタッグの飯盒と比べて、いろいろ驚いたり感じ入ったところがあったので、両者を比較してみます。

*仕上がり
   兵式飯盒ですから、基本的な形についてはほぼ同じなのですが、細かいところで差異があったり無かったりしました。全般的に自分の頭のイメージでは、谷口金属は仕上がりが良く、キャプテンスタッグは値段相応の出来映え、というイメージを持っていたのですが、案外そうでもなかった様です。(無論、ロットによって違いもあるとは思います)
   まず、本体の縁ですが、キャプテンスタッグの物は買った時から、ちょっとガタった感じになってるなー、と思ったのですが、谷口金属の方もキャプスタほどではないものの、ガタっている所があって、谷口金属だからデキがいい、というのは、自分の思い込みであった様です。
   飯盒の中のリベットの処理は、谷口金属の方は鋲の頭が平たくなっていますが、キャプスタの方は丸っこくなっています。飯を炊く上では特段支障がありませんが、やはり見栄えは沈頭鋲の方が良いです。
   耳の形は、谷口金属の方は平べったく、キャプスタの方は丸っこい形をしています。この辺りは、メーカーによって結構バラバラで、昔のロ号飯盒(兵式飯盒の元になった日本陸軍の飯盒)でもバラつきがあります。好みもあろうかと思いますが、自分はどっちでもいい感じです。
   飯盒を背嚢に縛着するための、ストラップ通し、正しくは「革通し」というのですが、その部分は両者で異なっています。谷口金属は厚めの鉄板を使い、隙間が狭いです。キャプスタは鉄板がペラく、隙間が大きいです。キャプスタの飯盒を買った時に、一番チャチく感じたのはこの部分でした。実際に、見た目は谷口金属の方がしっかりしてる様に見えます。

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飯盒の縁の出来映えは、まぁ、両者どっこどっこいでした
リベットが枕頭鋲なのはスマートに見えます

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耳の違い、左が谷口金属、右がキャプテンスタッグ
スマートなのは谷口金属です

20150612_211337
革通しの違い、左が谷口、右がキャプスタです
やはり、スマートに見えるのは谷口です
昔の飯盒は、革通しの所にメーカーのロゴが入ってるのが多いです


*掛子と水量線の違い
   ところで、飯盒なんてのは、一応制式図がありますし、当然パプリックドメインになってるでしょうから、おおよその所はどこが作っても変わらない、と思っていたのですが、ここで驚愕の事実が発覚しました。
   というのは、掛子の大きさの違い。見比べて見ると、谷口金属の方がキャプテンスタッグの掛子よりも厚みがあるのです。しかし、これは結構問題です。というのは、掛子と蓋は米の計量器の代わりにもなっていて、掛子すり切り一杯で米2合、蓋は3合なのです。ところが、厚みに違うがある、という事は、この計量に違いあるという事です。
   そこで、両者の掛子の違いを実際に米を入れて確かめてみたのですが、キャプテンスタッグの方は確かにすり切り一杯で2合でしたが、谷口金属の方は2合だと足りない感じでした。飯盒本体の水量線は、米と水を合算した分量の所に付けられているのですが、掛子の容量が違うとなると、そちらも違っている様に思いました。案の定、キャプテンスタッグと同じ量を谷口金属の方に入れたら、水量線より下までしか届きませんでした。
   この違いは、意図的なものなのか、制式図をちゃんと見なかった結果なのか、どちらか分りませんが、2合なら2合できっちり計れるに越した事はありません。となると、これまで上等に思っていた谷口金属は案外いい加減で、安物に感じてたキャプテンスタッグの方が、実用上、しっかり作っていた事になります。意外な結果でした。

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見た目で違いが歴然としています
しかし、タダの皿でなく、計量器なのですから
この違いは大きいです

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蓋の方の大きさの違いは、それほどでもありませんが
形状に若干の違いがありますので、その分、容量が違うと思います

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キャプテンスタッグの方は
きっちりすり切り1杯が2合でした

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谷口金属の方は、2合では足りない感じです

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キャプテンスタッグの方が正しく計量できるという事で
2合の線に合わせて水を入れました

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同じ量を谷口金属の飯盒に入れると
水量線の下に水面が来ます
つまり、水量線は米の分量が多めで設定されてるっぽいです


*革通しの違い
   さきほど、谷口金属の方が革通しがしっかり作ってあって、スマートだという風に書いたのですが、ここは本来、背嚢のストラップを通して、背嚢に縛着する為の器具です。つまり、ストラップが通らない事には意味がいないのですが、なんと谷口金属の革通しは、九九式背嚢のストラップが通りませんでした。それ以前の、革のストラップだったらどうか分りませんが、革だから薄いとは限らない訳で、谷口金属の飯盒では背嚢に縛着できない事が分りました。
   その点、キャプテンスタッグの革通しは隙間が広いので、余裕をもってストラップを通す事が出来ます。実のところ、旧軍のロ号飯盒の革通しもその辺りを考慮したせいか、キャプテンスタッグの革通しに近い形状をしていました。もしかすると、キャプテンスタッグはその辺りも忠実に再現しようとしていて、その他の革通しにメーカーのロゴを刻印しようとしたメーカーは、ストラップを通す事をあまり考えず形だけ真似たのかもしれません。
   時に、最近、この革通しを省略したタイプの飯盒を良く見かける様になりました、「林間」とか付いてる飯盒に多いのですが、こんな出来損ないの飯盒は自分は認めていません。確かに林間学校では、飯盒を持ち運んだりする事はないでしょうから、革通しは要らんという事なのでしょうが、自分はどういう形であれ持ち運びを前提としておりますし、日本軍の背嚢でなくても、ナイロンのストラップを通して蓋が開かない様にしたりもします。何なら、その状態でズボンのベルトに縛着しても良いのです。こういった芸当は、革通しがあって初めて出来る事です。数百円ケチって、せっかくの機能を損なう事無いと考えています。

20140809_115210
革通しは、本来はこうやって背嚢に飯盒を縛着する為のものです

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谷口金属製は革通しが狭くて、ストラップが通りません

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キャプテンスタッグは余裕で通ります

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奥の飯盒が旧軍のロ号飯盒、手前がキャプテンスタッグです
革通しの形状、隙間は、近い形をしています

hango_04.jpg
ナイロン製のストラップなら
多少隙間が狭くても通す事が出来ます



■まとめ
   飯盒なんて、あまり他のメーカーのもとと比較する事などないので、今回の比較はいろいろ発見があって面白かったです。確実に言える事は、飯盒は実用品であり、また日用品としても使えます。その意味で、掛子の量目が2合とされているのですから、確実に2合計れる物が良いに決まっています。長持ちするかは、そのメーカーの作り、材質、当たり外れ、使い方や手入れなどによって左右されますが、安いからといって安かろう悪かろうではない、という事も覚えておくと良いかも知れません。ともかく、使い倒してなんぼのものですから、普段から使いまくりましょう。



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