谷崎コウの活動記録

社会人兼ゲーム実況者:谷崎コウの雑記ブログです。 資産運用・ゲーム実況・ゲームの感想に関する記事を中心に投稿しています。

カテゴリ:感想 > 本の感想(読書感想文)

お久しぶりです。谷崎コウです。
本日までに「2022」から始めて計10冊の本を読むという目標を達成するために読書を続けていたため、読んだ本の感想をまとめる作業が疎かになっていました。

前回の記事ではリーダーシップについて書かれた「採用基準」という本のまとめをすると予告していたのですが、こちらは既に友人に返却してしまったため、今回は別の本について書きます。
今回感想と学んだことをまとめるのは「世界を操るグローバリズムの洗脳を解く 日本人が知るべき「世界史の真実」」という本です。

タイトルを見ると、今までまとめていた本とは異なり、お金に関する本というよりは教養のために読む本に見えますね。
実際に歴史を学ぶために読む方も多いとは思うものの、この本からは「今までの世界を誰が支配してきたか」ということを学ぶことができ、結果として世界の大きな流れを掴むのに役立ちます。

これはビジネスを始める上でも大切なことだと思うので、いつも通り大学時代の友人に貸してもらって読み始めました。
私が日本史と世界史の知識をある程度持っていたことと、「金持ち父さん」シリーズに比べると文庫本サイズで約220ページの文量と短めであることが幸いし、2日ほどで読み終わることができました。

この本ではイングランド銀行の設立からアメリカの独立、近代以降の日本の成長、2度の世界大戦とロシア革命、東西冷戦までの近現代史が「世界を動かしていたのは誰か」ということを明確にしながら書かれています。
著者によれば、これらの裏で世界を動かしていたのはユダヤ系の国際金融資本家であり、彼らは国境をなくして世界を1つにまとめてしまうという国際主義の思想の下に活動しています。

ここで1つ基本的なことを書いておくと、「ユダヤ人」というのは白人やアメリカ人といった特定の人種や国籍を持つ人の総称ではありません。
ユダヤ人とは、キリスト教の基になった宗教であるユダヤ教を信仰する人の総称です。

この本ではユダヤ教を信仰していなくとも、ユダヤ教から生まれた思想(国際主義など)や考え方に賛同する人々は「人工的ユダヤ人」と呼び、世界を裏で動かす勢力に加えています。
このユダヤ人と人工的ユダヤ人のうち、国際的に活動しつつ莫大な資金力を背景に政治・経済・メディア等を握っている人々が国際金融資本家です。

国際金融資本家は、国家に借金をさせて通貨を発行させる現在の通貨システムの維持を強く求めており、これを破綻させるような制度を導入しようとする勢力を排除しようとします。
本の中で挙げられている例は、アメリカの中央銀行の特許更新を拒否したジャクソン大統領、銀行ではなく財務省に通貨を発行させたリンカーン大統領などです。

現代では仮想通貨に加え、実物の通貨を必要としない決済システムがいくつも生まれていますが、これらのテクノロジーの発展は国際金融資本家でも止められず、むしろ彼らはこれらの技術を利用する方向に動くのではないかと思いました。

本の内容に話を戻すと、ユダヤ人排斥主義を掲げていたロシア帝国のニコライ2世がロシア革命で暗殺され、フランス革命後にユダヤ人解放が行なわれたのは、これらの革命をユダヤ人が先導したからです。
また、国家の上に市場を置き、統一された世界市場を求める国際金融資本家が2度の世界大戦を起こし、国際連盟や国際連合などの国際的な組織の設立に関わったと書かれています。

国際金融資本家が世界大戦を起こす理由を簡単に説明すると、人々が新しい秩序を求めるのは世界が荒廃したときで、そのためには各国を戦争によって疲弊させるのが効率的だったからです。
そして国際金融資本家は大戦後に国際的な組織を設立することで各国の主権を制限しようとしました。

国家の上に市場を置くのと同じように、国家の上に国際連合などの国際的な組織を置いて各国の主権を制限すれば、国家の統一を進めやすくなると考えたわけですね。
正直、世界大戦が起きた理由は「各国を疲弊させて統合しやすくするため」だと説明されても中々受け入れにくいと思いますが、この本ではユダヤ教の源流や事件の背景などからこの結論に至ったことが説明されています。

更に、日本史での出来事にも国際金融資本家が関わっていたと筆者は主張しています。私が驚いたのは、日清戦争の講和条約である下関条約を締結する際に清国の全権大使を務めた李鴻章が、ロシア帝国と満州を売り渡す秘密協定を交わしていたことでした。
高校の日本史ではこの秘密協定については習わなかったので、このことを初めて知って非常に驚きました。

ソ連はこの秘密協定に基づいて満州を手に入れ、自国の領土の一部として共産化しようとしました。それに反発したのが軍閥の1人である張作霖であり、資本主義国で共産主義を恐れていた日本と張作霖は利害が一致していました。

しかし、満州事変が起きて張作霖は殺害されてしまいます。日本史ではこの満州事変は関東軍が起こしたものとして習いますが、実際はソ連の情報部が仕掛けたものでした。これも私にとっては初耳でした。
ソ連が張作霖を殺害した理由は、満州の共産化を進める上での障害になったこと以外に、満州がユダヤ人の国家を作る際の候補地の1つだったことも挙げられています。

ロシア革命はユダヤ人が起こした革命である以上、それによって誕生した国もユダヤ人が裏で手を引いていることになります。ユダヤ人の国家はイスラエルという形で中東に作られることになりますが、この時点ではソ連の中にユダヤ人の自治区を作ろうとする動きもあり、秘密協定によってソ連の領土になっていた満州がその候補地に選ばれていました。

私は高校時代に学習した日本史が好きですし、今でも度々日本史の本を読んだり、問題を解いたりするくらいには日本史に興味があるつもりでした。
しかし、この本を読んで自分はまだまだ日本の本当の歴史を知らないのだということが分かりましたし、世界史上の出来事が全てではないにしても、多くは国際金融資本家の手によって引き起こされていることを知りました。

この本では他にも、冷戦はアメリカの政権に入り込んだユダヤ人とユダヤ人によって作られたソ連の間で起こった自作自演だった、ソ連崩壊は用済みになった国の解体作業だった、ロシア連邦のプーチン大統領はナショナリストとして国際金融資本家達と戦っているなどの話が紹介されています。

この本はちょうどウクライナでの紛争が起きた頃に書かれた本であるため、ウクライナでどのような動きがあったのかについても筆者の推測を交えながら詳しく書かれています。
中国のAIIB(アジアインフラ投資銀行)やイスラム国のことも書かれており、世界史を国際金融資本家が動かしてきたことを理解した上で、現代の出来事と国際金融資本家がどう関係しているのかについても分かるようになっています。

世界で起こっていること全てに国際金融資本家が関わっているとするのは早計だと思いますが、この本に書かれていることが事実だとすれば、今後も国際金融資本家が世界中に強い影響力を持ち続けることは間違いありません。

このような大きな流れを理解すると、「これからは国家の時代ではなく「個」の時代である」という言葉が「個人が活躍する」という意味と「国家の役割が小さくなっていく」という意味の2つを併せ持っていることに気付きます。
国際金融資本家の力に国家がどれだけ対抗できるのか分かりませんが、少なくとも国家の役割が小さくなることを想定した上で将来を考えていく必要がありそうです。

国家ですら衰退する時代ですから、安泰と思われている大企業も決して衰退しないわけではないと思います。
日本では終身雇用制・年功序列型賃金制・企業別労働組合という3つの柱が壊れつつあり、新しい働き方が求められている(=価値観の変革が起こっている)ことを考えると、より一層大企業の衰退を想定しなければならないかもしれません。

この本は世界の歴史を誰が動かしていたかについて書かれた本ですが、そこから学べることは歴史だけではありません。
国際金融資本家の思惑とこれからの世界の流れを理解した上で、日本に住んでいる我々はどうすれば世界の流れに振り回されずに済むのかを考えるきっかけを与えてくれる本だと思います。

私はこれからも世界の動きに注目すると共に、大きな事件が起こったら「国際金融資本家がどのように関係していそうか」ということを考えて、今後の世界の流れと日本への影響、金融市場の変動を予想し、自分の利益に繋げていければいいなと思いました。

なお、現在読み終わった本には、「21世紀を生き抜く3+1の力」、「金持ち父さんの起業する前に読む本」、「漫画で分かるライフシフト」などがあり、次回はこれらの本のどれかをまとめようと思います。
最近ゲーム実況の記事を書いていないのでそちらも書きたいと思っており、書評が一段落したら書いていきます。実況作品は日々増えているのでよかったら確認してみてください。

谷崎コウです。
先日のセミナーでまた友人から本を借りてしまったため、先に借りた本の感想をまとめておきます。
今回まとめるのは、「金持ち父さん」シリーズの第8作目で、正式名称は「人助けが好きなあなたに贈る 金持ち父さんのビジネススクール」です。

この本では、著者が若くして豊かに引退するプランの中で最も価値があると考えている、ネットワークビジネスに参加して自分のビジネスを作り、そこから得られた収益を再投資するというプランがなぜおすすめなのか、ネットワークビジネスにはどのような価値があるのかについてたくさんのページが割かれています。


私が貸してもらった本は改訂版なので、巻末には著者の妻や友人がネットワークビジネスの価値について書いた章や、本文から抜粋した名言集などがありますが、これらはいずれも数ページしかないのですぐに読み終わることができます。
本編の1つ1つの章も短めなので、いくつかの章をまとめて読むこともできると思います。

この本の最初の方には、ネットワークビジネスを始める以外に金持ちになる方法がいくつか紹介されています。この中で現実的なのは「一生懸命に働く」と「投資する」くらいで、後は「これで金持ちになれるのはほんの一握りだろうな」と思うものばかりです。

一生懸命働くという選択肢も、この本を読んでいる人からすれば「会社で働きたくないからこの本を読んでいるんだ」と思うこと間違いなしなのでいい選択肢ではありません。
結局、金持ちになるにはビジネスからキャッシュフローを得るか、投資からキャッシュフローを得るか、その両方かの3つの選択肢が一番確実だということですね。

もちろん、これらの選択をした場合でも、一生懸命努力する必要があります(「働く」ではなく「努力する」と書いたのは、「会社でお金のために働く」ことと区別するためです)。
ネットワークビジネスで成功するためのいくつかのスキルや、プロの投資家になるために必要な技術を学ばなければならないという点で、これらの選択は決して楽に金持ちになれる選択ではありません。

更に言えば、ビジネスや投資には失敗が付き物です。以前感想を書いた「若くして豊かに引退する方法」では、失敗を計算に入れたプランを立てることの重要性が書かれていましたが、この本でも失敗を恐れることを克服する方法を学ぶ必要があることが強調されています。
失敗を経験することが分かっているという点でも、金持ちに至る道は平坦なものではないことが理解できます。

ネットワークビジネスではこれらの点に加えて、商品を売り込みに行って断られることへの恐怖も克服しなければなりません。
自分でゼロからビジネスを始めるよりは、始めから稼ぐためのシステムができているネットワークビジネスに参加する方が難易度は下がりますが、それでも一筋縄ではいかないということですね。

それでは内容のまとめと感想を書いていきます。この本はネットワークビジネスの価値を8つに分けて書いているので、私もそれぞれの価値について筆者の意見と私の考えを整理したいと思います(改訂版に載っている他の3つの価値は、最後にまとめて紹介します)。

価値①:機会が平等であること
この章の最初は、筆者自身も初めてネットワークビジネスの説明を聞いたときにその価値を理解できなかったという話から始まります。
その後友人が充分な富を築いているのにネットワークビジネスを始めたことに関心を持ったことがきっかけで、筆者もネットワークビジネスの素晴らしさに気付いたことが紹介されています。

筆者がネットワークビジネスの価値として第一に挙げているのは、誰でも参加できるという点です。この長所は詐欺師や悪い人もビジネスに参加できることを考えれば短所にも見えますが、それでも手持ちの資金が殆どないところからスタートできて、誰でも若くして金持ちになって引退できる可能性を秘めていることを考えれば長所と言えると思います。

投資からのキャッシュフローだけで生活していくためには、少なく見積もっても1000万円は必要です。そしてたとえ1000万円用意できたとしても、それだけで一生投資からの収益で生きていけるとは限りません。
そこで、投資家になる前の準備として、ネットワークビジネスを利用して元手を作るのがいいのかなと思いました。

当然のことながら、ビジネスで成功することと投資で成功することは別なので、元手ができても投資で成功するためにはその方法を学ばなければならないことに変わりはありません。
それでもビジネスで成功してから投資家になるのは遠回りな道ではなく、多くの金持ちが通ってきた道であると書かれているので、私もそれを信じてこの道を進むことにします。

価値②:教育プランが充実している
ネットワークビジネスの価値として次に筆者が挙げているのは、システムを提供している会社が用意している教育プランです。
これはよい教育プランを用意している会社に出会えればの話ですが、筆者によればそのような会社はたくさんあるようです。日本でもそのような会社があるかもしれません。

筆者は「本当によい教育とは、頭脳的・感情的・身体的・精神的に働きかける教育だ」と主張しています。頭脳的な教育は学校で習う読み書きや計算など、感情的教育は気持ちに訴える教育(間違うことを恐れさせて失敗しないような人間に育てあげたり、反対に間違いから学び、間違いを修正できるように励ましたりすること)、身体的教育は学習したことを体を使って実践すること(つまり行動すること)です。

そして、精神的教育とは、限界を超えて私達を前進させてくれる力を与えてくれる教育だと定義されています。この教育ができる人は、人の魂に向かって語りかけることができ、その人の人生をプラスの方向に一変させることができます。
魂が実在するかどうかは分かりませんが、とにかく私達の心に響くことを教えてくれるものだということですね。

ネットワークビジネスを提供している会社が用意している教育は、これらの4種類の教育を全て内包し、教育を受けた人の人生を変えてくれる力があると筆者は主張しています。
やや大げさに書いているような気はするものの、確かに失敗や断られることを恐れる気持ちから解放されるなら、今までと世界の見え方が変わってくるようになるはずです。

また、ネットワークビジネスで成功するために必要なスキルを親身になって教えてくれたり、間違いから学び、その間違いを修正する方法を教えてくれたりするのも、教育を受ける者としては非常にありがたいですね。
失敗から1人で立ち直れないときや、どうしたらいいか分からないときにヒントをくれる存在が身近にいるととても心強く、前進する力が湧いてくると思います。

価値③:新しい友人を作れる
この章でいう「新しい友達」とは、ネットワークビジネスを新たに始めようとしている人にとって、自分と同じスタート位置に立って、一緒に金持ちへの道を進んでくれる友人のことです。
「会社を辞めてネットワークビジネスを始める」と周りの人に言ったら、多くの人は反対したり笑ったりするでしょう。私の場合は友人達は応援してくれるかもしれませんが、親は反対すると思います。

そのような周りの人の反応を乗り越え、ネットワークビジネスを始めようとする人にとって教育プラン同じくらい心強いのは、同じくゼロからネットワークビジネスを始めようとする人です。
同じ境遇で「ビジネスを作って金持ちになりたい」という価値観を共有できる友人が近くにいることは、金持ちに至る道を進んでいく上でとても大切なことだと思います。

私も友人に誘われてセミナーに行ったり本を読んだりしなければ、ビジネスを始めるという考えは浮かびませんでしたし、友人と一緒に学んでいるから今のところ楽しく勉強を続けられています。
この本では「コア・バリュー」という言葉で価値観の違いを説明していますが、そのコア・バリューが似ている友人を持てることは、不安を軽減し、前に進む力をもたらしてくれるだろうと私も感じています。

この章では「キャッシュフロー・クワドラント」で紹介されているクワドラントの図を用いて、クワドラントが違えばコア・バリューも異なることや、クワドラントを変えるために今まで信じてきたコア・バリューを変えるのには時間がかかるということが説明されています。

その中で筆者が薦めているのは、5年で成長しながらコア・バリューを変え、新しい友人を作るという「5年計画」です。ビジネスを大きくすること、今まで学んできたことのうちクワドラントを変えたら不要になるものを捨てることにこれくらいの時間がかかることを筆者は示唆しています。

私は5年でネットワークビジネスにおける成功の秘訣を学ぶことができるなら安いものだと考えています。仮にこれからの5年間で成功するために必要なスキルや経験を手に入れることができたら、私の目標である「20代での引退」は充分達成可能になりますし、その後の長い人生を自由に生きることができます。
その5年間でどんなことが起きたとしても、その後に待っている自由を考えれば時間を投資する価値は充分にあります。

ここで、本の中で紹介されていることを少し実践してみます。それは、自分の周りにいる人のクワドラントを書き、自分が将来どのクワドラントにいたいか考えるというものです。早速やってみましょう。
まず、私の両親はEクワドラント(従業員)に属しています。私の弟はバイトをしたことがない大学生なのでクワドラントは未定です。私の(脳内)妹は働く必要がないので、ここでもクワドラントは未定になります。

家族から友人に目を向けてみると、一緒にゲーム実況をしている夢見しょー♪はSクワドラント(自営業者)もしくはEクワドラント、それ以外の友人は全員Eクワドラントに属しています。私もEクワドラントの人間です。
これで私の周りにはクワドラントの左側、つまりEとSのクワドラントに属している人しかいないということが分かりましたね。

ここで問題なのは、私が将来所属したいクワドラントがB(ビジネスオーナー)とI(投資家)であるということです。
クワドラントが違えばコア・バリューも異なるので、私が大学時代の友人と一緒にクワドラントを変えることに成功した場合、他の友人達と話が合わなくなる可能性もあります。

ネットワークビジネスを通じてできた新しい友達に乗り換えるというのも1つの手ですが、私は友達の数が少ないので、私と仲良くしてくれている友人はできるだけ大切にしたいです。
そこで考えたのが、クワドラントを変えてもそれぞれのクワドラントが持つコア・バリューの特徴について覚えておくということです。

Eクワドラントに属して一生懸命働いている友人が持つコア・バリューを意識しながら会話することで、これからも良好な関係を維持していけるのではないかと思いました。
両親の反対には遭うかもしれませんが、それでも若くして豊かに引退するために、友人を大切にしながらクワドラントを変えていけたらいいですね。

価値④:経済力の加速度的上昇
これはこの記事で紹介したメトカフの法則に基づくものです。自分1人しかいないネットワークにはあまり価値はありませんが、そのネットワークに参加する人が増えれば、そのネットワークの経済力は飛躍的に向上していきます。
これは、ネットワークの経済力がそのネットワークに参加している人数の2乗に等しいからです。

この法則を利用すれば、後からネットワークに入ってきた人でも、新しくネットワークに入る人を増やしていくことで経済力を伸ばしていくことができます。
この章の例え話がマルチのようにも聞こえるのは、この法則が一般的にはあまり認知されていないからだと思います。

全人類が同じネットワークに入ったとしても、一番最後に入った人が違うネットワークを一番最初に作り出し、それを広げることができれば大きな経済力を得られるので、ネットワークビジネスとマルチは全く別物だということは伝えておきます。

価値⑤:ビジネススキルの涵養
これは教育プランの話と似ていますが、ネットワークビジネスは我々がビジネスで成功する上で最も大事なスキ
ルである「売り込み能力」を育ててくれます。
社会人は労働力を売ってお金を手に入れています。トレーダーは資産を、ビジネスオーナーはサービスを売ることでお金を得ています。

この章で金持ち父さんが言っている「何かを買いたいなら、まず何かを売らなければならない」という主張は、ビジネスをする人だけでなく、資本主義経済で生きる全ての人に当てはまることだと思います。
ネットワークビジネスでは商品を売り込む力がとても重要になってきます。私達がネットワークビジネスを始めたら、商品を売ってお金を手に入れることになるわけですね。

労働力を売ることと商品を売ることは違いますが、就職活動で自分の労働力を商品に見立て、採用されるために自分の魅力をアピールできた人なら商品の売り込み方もすぐに覚えられるはずです。
残念ながら私はエントリーシートを書くのにとても苦労した側の人間だったので、いきなり商品を売れと言われても困ってしまいます。

そこで、ネットワークビジネスに参加することで商品の売り込み方を教わることが有効な対処法になってきます。
ここでは商品を売り込んで断られるという体験もすることで、断られること、拒絶されることへの恐怖を学ぶと共に、なぜ断られてしまったのかを考えることで更に売り込み能力に磨きをかけるプロセスも含まれています。

これは簡単なことではありませんが、労働力以外のものを売ってお金を手に入れたいなら、売り込む能力は何を売るとしても必要な能力になると思うので、若くして豊かに引退するためにも頑張って勉強することにします。
このような大変な挑戦をする上で、一緒に学ぼうとしてくれる友人がいるのはとてもありがたいですね。1人では挫けてしまうような挑戦でも、友人と一緒なら頑張ってみようという気になります。

また、ネットワークビジネスのおかげで売り込む能力が充分高くなったら、今度は新しくネットワークに入ってきた人に売り込み能力を教えてあげることになります。
自分だけが能力を獲得するのではなく、他の人の能力の獲得を助けてあげるのが重要で、ここでしっかり他の人に教えてあげることができれば、自分のネットワークを大きく広げるチャンスができます。

自分が得た売り込み能力を他の人に教えてあげることで、教わった人がその売り込み能力を使って新しい人を自分のネットワークに加えてくれれば、自分は売り込んでいないのに自分のネットワークの経済力は上がります。

このことは上手くやれば、より少ない労力でよりおおくの経済力を獲得できることを示しているので、金持ち父さんのレバレッジの定義に従えば、「売り込み能力を教えること」、つまり教育はレバレッジになります。
私は人に勉強を教えるのが好きなタイプなので、他の人に売り込み能力を教えられるならぜひとも教えたいです。それで自分のネットワークも広がるならとても嬉しいことだと思います。

価値⑥:リーダーシップの獲得
こちらの記事でも、ビジネスで成功するにはリーダーシップが必要だということは書きました。ネットワークビジネスに参加することで、このリーダーシップを学ぶことができるなら、それはとてもすごいことのように思えます。
少し俯瞰して考えると、自分のネットワークは自分がリーダーシップを発揮して広げていかなくてはならないものですから、その過程でリーダーシップが養われるのだと推測することができます。

もちろん、ネットワークを広げる前にしっかりとした教育プランでリーダーシップの基礎を学んでおくことも重要になります。リーダーシップがどのようなものかが分からなければ、それを学んだり育てたりすることもできませんからね。

この本では、リーダーは私達の疑いや恐怖を乗り越え、魂に話しかけることができる人物だとされています。それと共に多くの偉人の発言が紹介されていますが、要するにリーダーとは、上に書いた4つの種類の教育が全てできる人間のことだと言えます。
特に精神的教育を行い、私達の心に響く言葉を使えるのはリーダーとしての要件であると考えられます。

勉強を教えるだけなら頭脳的教育に加えて感情的教育ができればよいですが、スポーツを教えるには身体的教育が必須ですし、他の人がネットワークを広げられるような売り込み能力を教えるには、精神的教育が欠かせないということでしょう。
私も20代で引退するつもりなら、精神的教育ができる人間になって、他の人を主導してネットワークを広げていける存在にならなければなりません。

そのような存在になるには5年計画を立ててしっかり準備しなければなりませんが、やはり若くして豊かに引退できるならやらないわけにはいきません。
まずは充実した教育プランのあるネットワークビジネスの会社を見つけることから始めようと思います。

価値⑦:富を築くために働ける
この章では、「富」についてこの本独自の定義がなされています。そして、富を築くために働くこととお金のために働くことは明確に異なると筆者は主張しています。

この本における富の定義とは、「これからの非常に多くの日々を生き延びる能力」です。この富は時間で計測される概念なので、例えばある人の富が、その人を1ヶ月の間生活させることができるくらいのものだとしたら、「その人の富は1ヶ月分だ」と表現できます。

そして、お金のために働くことは、EクワドラントやSクワドラントの中で一生懸命働くことを意味していますが、富を築くために働くことは、資産を作ってそこからの収益で長い人生を生き延びることを可能にする働き方です。
言うまでもなく、残存価値のない労働を左側のクワドラントで続けるよりも、後になって自分に大きな見返りをもたらしてくれる富のために働いた方が合理的ですね。

また、この章では知性をメンタル・インテリジェンス、エモーショナル・インテリジェンス、ファイナンシャル・インテリジェンスの3種類に分類しています。このうちメンタル・インテリジェンスは一般的にIQと言われているものと同じで、テストなどで測定することのできる知性です。

一方、エモーショナル・インテリジェンスはメンタル・インテリジェンスの25倍の力があるとされている知性で、感情や欲望のコントロールができる人が高いエモーショナル・インテリジェンスの持ち主です。
欲望のコントロールの例として言及されているのは、「充足の引き伸ばし」です。これは前の記事で解釈した「タダ働き」ができるかどうかという話と同じですね。

ファイナンシャル・インテリジェンス(ファイナンシャルIQ)はこれまでにも何回か登場した言葉で、お金に関する知性のことです。この本では、衝動買いをしたり価値のないものに執着したりすることはファイナンシャル・インテリジェンスが低いことの表れだとされています。
価値のないものは、大きな家や新しいボートのような負債となってしまう大きな財が代表として挙げられます。

これらの知性のうち、これまでの「金持ち父さん」シリーズではファイナンシャル・インテリジェンスに焦点を当てていましたが、この本ではエモーショナル・インテリジェンスが一番重要であり、ファイナンシャル・インテリジェンスを高くするために不可欠だと書いています。
そして、ネットワークビジネスは、このエモーショナル・インテリジェンスを高める手伝いをしてくれるとも書かれています。これも教育プランが充実している会社のビジネスに参加した場合に可能になります。

この章の最後では、ビジネスを成功させるプロセスが書かれています。それはビジネスを築き、そこから得られた収益をビジネスに再投資し、ビジネスが大きくなったら不動産に投資するというものです。
重要なのは収益をビジネスに再投資する部分で、これをやらない人が多いから少しの資産を贅沢品に費やしてしまい、金持ちになれる人が少ないのだそうです。

もし贅沢品を買いたいのであれば、不動産からの収益を使って買うべきだと筆者は主張しています。不動産が充分な収益をあげる前に贅沢品に手を出してしまうのは、充足を引き伸ばすことに我慢できないエモーショナル・インテリジェンスの低い行動になってしまいます。
私が今欲しいものは贅沢品といえるほど高いものではありませんが、それでも高い買い物をするのはビジネスや不動産で稼げるようになってからにしようと思います。

価値⑧:自分の夢を実現できる
筆者の中でネットワークビジネスの持つ8つ目の価値は、大きな夢を実現できることです。「大きな夢」というのがポイントで、小さな夢ではなく大きな夢であることが必要です。
この章では色々なタイプの夢追い人が出てきますが、その中で一番筆者が理想的だと考えているのは、「大きな夢を見て、その夢を達成し、より大きな夢に向かっていく人」です。

私の今の夢は、「若くして豊かに引退し、好きなことを好きなだけできる時間と健康な体を持つこと」ですが、この大きな夢を達成した後は、それだけで満足せずに新たな夢を設定し、それに向かっていくことが大切になっていくわけですね。

夢を実現する方法は金持ちになる方法と同じくらいたくさんあると思いますが、ネットワークビジネスは夢を実現するサポートをしてくれる上に、他人の夢を実現する手伝いもできるのが魅力的な点だと考えられます。
私はまだ夢の実現を助けてもらう側ですが、ネットワークビジネスで成功する過程で、自分のネットワークに参加してくれた人に何か還元できるものがあればいいなと思います。

この後の章では、家族と一緒にネットワークビジネスを始めることの重要さや、ネットワークビジネスを利用することで税制上の優遇措置を受けられるようになることが簡潔に紹介されています。
現実で結婚することも子供を持つこともない私には前者はあまり魅力的ではありませんが、税制上の優遇措置はぜひとも利用したいと考えています。

税制上の優遇措置については、他の本にも書かれているような「税引き前の収入から必要経費を控除することができる」、「税金の繰り延べや減税により支払う税金を少なくできる」といったことですが、アメリカの法律と日本の法律は違う点も多いので、これはよく調べたり専門家にアドバイスをもらったりしながら慎重に利用していきたいと思います。

それでは総括に入ります。
この本を読んで、ネットワークビジネスにどのような価値があるか、クワドラントを変える上でなぜネットワークビジネスが役に立つかを理解できました。
まだまだ読むべき本はありますが、ビジネスを始めるとしたらネットワークビジネスにしようという私の考えは変わらないと思います。

また紹介された本を読み終わったら感想記事を書く予定です。次は他の友人から借りた「採用基準」という本を読むつもりなので、こちらも友人に返す前に感想をまとめておきたいです。

谷崎コウです。
今日の夜には友人に本を返すことになっているので、急いで前編の続きを書いてしまいたいと思います。
後編では第1部の残りと第2部・第3部のまとめを書きます。

最初に前編でまとめきれなかった部分を消化しておきます。
第1部では主に頭脳のレバレッジについて書いていますが、それ以外のレバレッジについても紹介されています。
例えばOPM(他人のお金)とOPT(他人の時間)です。他人のお金とは、人々が銀行に預けているお金のことで、これは借入金という形でビジネスに利用することができます。

借入金がある方が、より少ない自己資本でより多くのことができるようになるので、借入金、つまり他人のお金はレバレッジであると言えますね。
また、他人の時間とは会社員として働いている人の勤務時間を指しますが、これは自分が立ち上げた会社で他の人を雇用することで利用できます。

優秀な人を雇用し、最終的に自分が関与しなくてもビジネスが上手くいくようになれば、より少ない労力(自分の働く時間のことです)でより多くのお金を稼げるようになるので、他人の時間もレバレッジです。
もちろん、この2つのレバレッジはマイナスの方向にも働きます。借入金が悪い借金になってしまったり、人を雇ったものの上手くいかず、人件費だけがかかってしまう状況などがマイナスの方向に働いていることに該当します。

また、この本では所得を勤労所得、ポートフォリオ所得、不労所得の3つに分けていますが、このうち最もレバレッジが効かないのは勤労所得だと書かれています。
勤労所得を増やすためには時給を上げるか長い時間働くかの2択しかなく、しかも税金の支払いを減らすことも難しいので、自分で収入をコントロールできません。

私が一番分かりやすいと思ったのは、「労働には残存価値がない」という表現です。これは来月の給料を得るために今月だけ働けばいいということはなく、基本的に給料をもらい続けるには働き続けなければならないことを示しています。
働く量が変わらなければレバレッジの定義である「より少ないもの・こと」には当てはまらず、勤労所得はレバレッジになり得ないことが分かります。

反対に一番レバレッジが効くのは不労所得で、減価償却や税金の繰り延べによって税引き前の収入から経費を差し引くことができ、信託などを上手く使えば半永久的に税金を払わなくてよくなると書かれています。
税金が少なくなるのであれば、不労所得はより少ない労力でより多くのお金を手に入れられるもとになるので、不労所得そのものがレバレッジであるとも言えますね。

その他にもレバレッジの例として、健康、時間、教育、人間関係、道具、余暇などが挙げられていますが、これらのレバレッジはマイナスの方向に働くこともあるということをよく理解した上で、若くして豊かに引退するためには自分にとって最も効果のあるレバレッジを見つけ出すことが必要になると書かれています。
更に、金持ちは新しいレバレッジを追加していくからどんどん金持ちになるとも書いてあります。

中流以下の人はレバレッジを追加することをしないから貧しくなってしまうということで、金持ちになりたいなら今のレバレッジだけで満足していてはいけないのですね。
レバレッジを追加するには、新しい種類のレバレッジを見つけることの他に、既存のレバレッジを強化していくという方法もあると思います。

今まで挙げた中で私にとって最も効果のあるレバレッジは教育ではないかと考えていますが、レバレッジを追加する場合、他のレバレッジ(例えば人間関係)について理解する以外に、新たな分野の教育を受けて教育というレバレッジを強化していくことでも、それは可能なのだと感じました。

ちなみにこの本では、教育には3種類あると定義しています。その3つとは、「学問的あるいは学術的教育」、「職業的教育」、「ファイナンシャル教育」です。
お金に焦点を当てているこの本ではファイナンシャル教育が最も重要だと位置づけられており、これが足りないから中流以下の人は金持ちになれないのだと書かれています。

一般に大学で受ける教育は学問的あるいは学術的教育、会社で受ける研修やOJTなどは職業的教育に当たると思います。
ファイナンシャル教育は学校や会社で教えてもらえるようなものではなく、自分から進んで学ぼうとしないと受けられないもので、自ら学ぼうとしない人が多いから金持ちになれる人が少ないのでしょう。

このファイナンシャル教育の1つには、リスクとリターンについて理解することも含まれています。例えば、ビジネスオーナーとして成功することは簡単ではなく、失敗することも多いですが、一度成功すれば若くして豊かに引
退できる可能性が高くなることから、成功から得られるリターンは非常に大きいです。

この事実を踏まえた上で、失敗するリスク(正確には、失敗して何かを失うリスク)と成功によるリターンを比較し、「リスクはあるが、リターンがリスクよりも遥かに大きいからやってみよう」と思えることが、ファイナンシャルIQの高い人が行う行動のようです。金持ちになりたいなら、ある選択についてリスクとリターンをしっかり考えた上で決定するという行動を取れるようにする必要がありますね。

失敗するリスクということに関連して、この本では何度も「失敗は悪いことではない」とか「失敗するのを恐れるから成功できない」といった文が出てきます。
第2部で紹介されているプランのレバレッジの中でも、「勝者のプランには失敗が計算に入っている」と書かれています。

これは99回失敗しても、次の1回で成功してそれまでの失敗を帳消しにできる以上のリターンがあれば、失敗することを恐れずに行動しなさいということですね。
若くして豊かに引退する過程で失敗しないということは考えにくいですから、これに挑戦する人は失敗から学び、成功に繋げていこうとする意欲が常に求められることになります。

思えば私の人生は、今まで大きな失敗に直面したことがありません。高校も大学も就職先も第1希望に決まりましたし、大きな怪我や病気をしたこともありません。
そのような人は多くはないと思いますが、そういう人は今まで失敗したことがないからこそ、失敗や挫折を恐れます。私も最近まで失敗したくないという気持ちは人一倍強かったように思います。

しかし、若くして豊かに引退するためには失敗を計算に入れたプランを組む必要があります。この本を読み終わったときに、「失敗してもいいから今の生活を変えるために何かやってみよう」と思えたのは、この本が失敗を恐れるべきではないことを強調していたからです。
今では若くして豊かに引退するためなら、何度失敗してもいいと考えています。若くして豊かに引退することの価値が、何度も失敗するリスクやそれにかかるコストよりも充分大きいからです。

そして、この本では興味深い記述として、「自ら進んでタダ働きをする人が金持ちになれる」というものがあります。
これは前編で説明した「気前のいい」という言葉と同じで、「タダ働き」という言葉の持つイメージが理解の妨げになります。この本の「タダ働き」は、2022のアドバイスにあるボランティア体験とは全く異なります。

この本で言及されている「タダ働き」とは、賃金が払われない労働に従事することではありません。すぐには見返りが得られないものに時間を投資するというのがより正しい意味になります。
普通の人は娯楽や労働など、すぐに見返りが得られる(あるいは正当な報酬が受け取れると事前に分かっている)ものに時間を投資します。

そうではなく、見返りが得られるようになるまでに時間がかかるものに自分の時間を使うことで金持ちになれるとこの本は言っています。
よい具体例がこの本に載っていないので、私は見返りが得られるようになるまでに時間がかかるものの例として教育を思いつきました。

ファイナンシャル教育に時間を投資することは、自分のファイナンシャルIQを伸ばすことに時間を費やすことを意味しますが、ファイナンシャルIQは短時間で充分高くなるものではありません。それにファイナンシャルIQはセミナーに出席したり本を読んだりして、自分から積極的に学ぼうとしないと身につかないものでもあります。
多くの人はこのようなものに進んで時間を投資しようとはしません。

だからこそ、見返りが得られるようになるまでに時間がかかるものに時間を投資できる人が金持ちになれるのだと思います。
短期的な効用の増加よりも、長期的に考えて金持ちになりやすい方に時間をかける人が成功しやすくなるというわけですね。

これだけでは分かりにくい場合は、もっと卑近な例として公認会計士試験を考えてみるとよいと思います。
公認会計士試験に独学で合格するのはほぼ不可能だと言われており、公認会計士になった人はほぼどこかの予備校で1年以上勉強しています。

予備校に入るためには当然数十万単位のお金がかかりますが、公認会計士になれれば年収1000万円を超えることも可能であるため、今すぐにお金が入るわけではなくても、公認会計士になりたい人は将来の見返りを求めて予備校にお金を払い、試験勉強に時間を投資します。

このようにして時間とお金をかけて集中的に試験勉強に取り組んだ人が試験に合格し、公認会計士になって高い給料をもらうことができます。
これも見返りが得られるようになるまでに時間がかかるものに時間を投資する例として考えられるのではないでしょうか。

これらの例で言いたかったことは、「タダ働き」という言葉がマイナスに捉えられがちなせいで本来著者が言いたかったことが分かりづらくなっているということです。
金持ちになりたかったら始めたばかりは見返りが0で、プラスのリターンが入るまでに時間がかかるものに進んで時間を投資しましょうというのが筆者の言いたかったことだと思います。

さて、ようやく第1部でまとめきれなかった部分が残り1つとなりました。前編では頭脳のレバレッジを高める方法を実践しながらまとめを書いていたのでここまでまとめきれていない部分が出てしまいました。
最後の1つは、この本で非常によく出てくる概念:「コンテンツ」と「コンテクスト」についてです。
コンテンツはカタカナ語としてよく使われるので、「内容」という意味だということは多くの人が分かると思います。

一方、「コンテクスト」は現代文のうち評論文を読んだことがないとピンとこないかもしれません。高校時代に「コンテクストとは文脈という意味だ」と習ってからずっとそのように解釈してきましたが、この本では「コンテクスト」とは「人々の頭の中にある現実(1単語でいうと入れ物)」を指しています。

この他に金持ち父さんが使う言葉として「キャパシティ」もありますが、これは能力や容量という意味です。
いずれにしても、この本ではコンテクスト(現実)を広げ、その中にコンテンツを入れる必要があることが説かれています。
イメージとしては、小さいグラスから大きいグラスに入れ物(現実)を変え、その中に液体(コンテンツ)を入れていく感じです。

多くの人はコンテンツを大事にして、知識や中身を増やすことに重点を置きますが、それだけではダメで、コンテンツを増やす前にそのコンテンツが入るだけの大きさがあるコンテクストを作る必要があると書かれています。
例えば、ある人が客観的に見て1億円稼げるアイディアを持っていたとしても、その人がそのアイディアを使ってお金を稼ごうと思わなければ、お金は入ってきません。

金持ちになるためには、アイディアだけではなく、「この方法を使えばお金を稼ぐことが可能である」とその人が考えられる必要があります。
アイディアがどんなに素晴らしくても、「これではお金は稼げない」とか「上手くいかずに失敗するだろう」と思っているならば、そのアイディアをもとにお金を作り出すことはできないということですね。

この本を読んでいるときにも同じことが当てはまります。つまり、読み終わって知識がついただけでは意味がなく、「この本に書いてあることを実践すれば若くして豊かに引退できる」という現実を持って行動しなければ成功しません。
そのことを覚えておくためにも、今私はこの本の内容とそこから考えたことを言語化するのに時間を投資しています。

②プランのレバレッジ
ようやく第2部に移ることができます。この本で最も重要なのは第1部なので長々とまとめを書きましたが、第2部はこれよりも少ない分量でまとめていきたいです。
第2部では若くして豊かに引退するために充分レバレッジの効いたプランを立てることについて書かれています。

第2部の最初には、投資に関して重要なことが書いてあります。それは「投資をする前に出口戦略を持つこと」です。
出口戦略というと中央銀行の金融政策のようですが、要するにゴールを決めてから投資しましょうという話です。株なら株価がいくらになったら売る、不動産なら価格がいくらになったら売り手を探すなどと決めておくことが大事になります。

プロの投資家はゴールを決めてからスタートを切ります。ゴールに到達した時点でいくら持っていたいかを決め、それから投資を始めます。プランを立てるときも同じで、何歳でどれくらいのお金を持って引退したいかを決めてから、そうなるにはどうしたらよいかを考え、プランを組み立てていきます。
投資に関しては第3部で詳しく話すとして、次にプランのゴールについてまとめます。

本の中には人の富の基準として年収が使われており、貧乏な人は年収25000ドル以下、中流の人は年収25000ドル以上10万ドル以下、裕福な人は年収10万ドル以上100万ドル以下となっています。1ドル=100円としてざっくり計算すると、裕福な人は年収1000万~1億ということになります。
プランのゴールとしてこの裕福な人になって引退することを挙げてもいいかもしれませんが、この基準には続きがあります。

それは金持ちと大金持ちで、金持ちは年収100万ドル以上、大金持ちは月収100万ドル以上です。年に1億以上稼げる人が金持ちだとこの本では定義しています。
私もどうせならこれくらいを目指したいので、引退するときに年間で1億の収益をあげることのできる資産を持つことを目標にしたいと思います。

引退する年齢は30代に設定しています。30歳になるまで後10年もないので無謀と思われるかもしれませんが、これくらいのプランでないと本気でファーストトラックに乗ろうと思えないため、あえて目標は高めに設定しています。

目標を設定した後にすることは、自分の才能と独自の学習方法を知ることです。これは自分の現実を広げ、ビジネスチャンスを掴むことに繋がります。
また、常に新しい変化を見逃さないように、流行を追っていくことも重要だと書かれています。流行に身を任せる必要はなくても、流行を知った上でビジネスに活かす(これから起こることに投資をする)ことはできますからね。

筆者はチャンスは常に転がっているわけではなく、窓のように開いたり閉まったりするものだと考えています。よって、チャンスの窓が開いたときにしっかりそのチャンスを掴めるように、チャンスの窓が開く前に充分な準備をしておくことが大切だと主張しています。
この準備に当たるのが、自分の現実を広げたりファイナンシャル教育を受けたりすることなのだと思います。

また、筆者は未来に起こることに投資をすべきだ(過去の投資対象に投資をすべきではない)とも主張しています。未来を予想するためには歴史から学ぶことが大事で、歴史は繰り返すとも書いています。この辺りは2022に通じる考え方ですね。
過去から未来の傾向を予測することができれば、未来の不確実性が減り、ちょっと考えればしない程度のミスをする可能性が低くなります。

ここでプランの話に戻ると、プランの出口を決め、目標を設定したら「今やっていることのうち、未来にはやっていたくないと思うこと」をやめることが第1段階になります。
私の場合は働くことと早起きすることをやめなければならないようです。そこまで極端なことをしなくても、ポートフォリオ所得と不労所得を得るためにどうすればよいかを考える必要はあります。

私の場合はまず現実を広げ、広がったコンテクストの中にコンテンツを入れることが必要なので、本を読んだりセミナーに出席したり、キャッシュフロー・ゲームで遊んだりすることがやるべきことの第1歩になります。
未来を頭で見ることができれば金持ちになれるという筆者の考えを借りれば、お金のことを頭で理解するためにこれらの行動を通じてファイナンシャルIQを高めていくことが、私が金持ちになるために必要なことです。

そして、前編で少し紹介した「速い言葉」の意味を理解して自分の現実の一部にし、日常で使っていくことも金持ちになるための大切な習慣になります。
この本で使われている「速い言葉」としては、キャッシュフロー、お金を作り出す、減価、(リスクを)コントロールする力を持つ、レギュレーションDルール506、卸で買う、株式を売る、セミナーに通うなどがありますが、この中で分かりづらいのは、減価、レギュレーションDルール506、卸で買う、株式を売るの4つでしょうか。

減価とはその名の通り価格が下がることです。為替の世界でよく使われる言葉ですね。「円が減価した」といった場合、これは円の価値が下がったこと、つまり円安を意味します。
この本ではこの言葉を減価償却と共に紹介しています。「利益は売るときではなく、買うときに生まれる」という金持ち父さんの言葉通り、買った時点でキャッシュフローを生むような資産を買うことが速く金持ちになるために役に立ちます。

次にレギュレーションDルール506ですが、これはアメリカの証券取引委員会がIPO(新規公開株)などについて定めたルールのことです。
これについて深く知るよりも、この言葉が速い言葉であるとされている理由の方が大事です。この言葉は投資信託と比較され、投資信託よりもレギュレーションDルール506に基づいて投資した方が速く金持ちになれると書かれています。

それは投資信託が既に市場に出ている株などに投資するものであるのに対し、後者は公募する前の株式を買うものだからです。
例えば、去年上場したメルカリの株を上場前に持っておき、適切なタイミングで売ればかなり儲かったと思います。このように上場する前の株を買えれば、売却益で大儲けすることも可能になります。

これに関連して、「卸で買う」と「株式を売る」が速い言葉である理由も説明できます。株を卸値で買うことは、上場前に株を買うこととほぼ同じ意味になります。
そして卸値で買った株を小売価格(上場後の価格)で売れれば大儲けできます。つまり、株を卸値で買って小売値で売ると速く金持ちになれるから、これらのことばは速い言葉なのです。

ここで注意すべきなのは、誰でも株を卸値で買えるわけではないということです。その株を発行している会社の従業員ならストックオプションで購入することも可能ですが、そうでない場合は会社の創業者になるか、創業者の友人である必要があります。

したがって、この方法を使うには自分で株式会社を作るか、人間関係のレバレッジを働かせて有望な会社の創業者と知り合いになり、株を売ってもらう必要があります。
後者は金持ちが更に金持ちになっていく理由の1つを説明していますね。金持ちの友達の多くは金持ちでしょうから、友人が立てた会社の株を卸値で買って小売値で売ることができるわけです。

これらの速い言葉を理解して現実の一部とし、実際に使うことができるようになれば金持ちになる道は開かれます。
私はまだ言葉の意味を理解するだけで精一杯ですが、必ずこれらの言葉を自分の現実の中に取り入れられるようにします。

速い言葉を金持ちになるためのプランに入れたら、少し自分に質問してみます。それは自分が今従っているプランが速いプランなのか遅いプランなのかを確認するためです。
以下に質問と私の答えを載せます。

(1)今、私は誰のどんなプランに従っているか?
→残念ながら両親が歩んできた道と同じ、遅いプランに従っている。
(2)私の人生の出口戦略は何か?
→30代、できれば20代の間に少なくとも金持ちレベルに到達し、若くして豊かに引退することだ。

(3)私の言葉や考え方は速いか?
→現時点では遅い言葉と遅い考え方をしている部分がある。しかし、速い言葉や速い考え方を理解し始めている。総じて、速い部分もあれば遅い部分もあると言える。

(4)今私はファーストトラックにいるか?将来はどうか?
→今の私はラットレースから抜け出せないでいる。将来はファーストトラックに行きたい。
(5)今の私はどんな所得のために働いているか?明日はどんな所得のために働きたいか?
→今は勤労所得を得るために働いている。明日はポートフォリオ所得と不労所得のために働きたい。

(6)安全を求めた場合、長期的に支払わなければならない代価は何か?
→自由な時間(余暇)だ。会社で働き続けることは安全かもしれないが、残存価値がない労働を長時間にわたって続けなければならない。

この答えを確認した上で次に私がやるべきことは、言葉と行動に一貫性を持たせることです。
速く金持ちになりたいと考えていても、何も行動しなければ意味がありません。同じように、速い言葉を正しく身に付けることができなければ、行動しても金持ちになるのは難しいと言えます。
したがって、私は速い言葉を正しく身につけると共に、金持ちになるための行動を起こしていく必要があります。

金持ち父さんが使っていた指標の1つとして、本では裕福度が紹介されています。これはポートフォリオ所得と不労所得の合計を総支出で割ることで算出できます。
この指標が1を超えれば、経済的自由を手にしたと言っても過言ではありません。この裕福度を定期的に測ることで、私が言葉と行動に一貫性を持たせられているかを確かめることができます。

ここまでプランとそれに関連する話をしてきたので、そろそろプランのレバレッジのまとめにも入ります。
第2部の後半では、ネットワークに関するメトカフの法則について紹介されています。それは「1つのビジネスの経済力は、ネットワーク内の数値の2乗に等しい」というもので、経済力の指数関数的増加を説明するために用いられています。

ここで利用するのがネットワーク内の数値であることがポイントで、この法則に従うと、ネットワークビジネスはネットワークに入る人の数を増やすことができれば、その経済力は飛躍的に上がっていくことになります。
筆者はネットワークビジネスに参加し、そのビジネスシステムを学ぶことを推奨しており、その理由はこの法則が妥当である限り、ネットワークに入ればその恩恵を自らの経済力として得ることができるからだと分かります。

つまり、ネットワークは経済力のレバレッジ比を飛躍的に高めてくれます。1人の人の労働力と経済力の比が1:1であっても、ネットワークに入ればそれが1:4にも1:9にも上がる可能性があります。これはより少ない労力でより多くの経済力を得られることを意味するので、ネットワークは強力なレバレッジであると言えます。

ただ、ネットワークビジネスに限らず、ビジネスはすぐに成功するわけではありません。ここで気前のよさとタダ働きの話が関連してきます。
ビジネスで成功するためには、ビジネスパートナーと協力し、相手の得になるようなことをすることが鍵になると書いてあり、それは金持ちが気前のいい理由の1つを説明しています。

そして、すぐに成功して見返りがもらえるわけではないビジネスに時間を投資し、タダ働きを進んでしようと思えるかどうかも重要です。このビジネスは他人のビジネスではなく自分のものですから、そこに時間を投資することは後で必ず自分に恩恵をもたらしてくれます。

ビジネスについては、お金を払う順番も大切になります。金持ち父さんによれば、ビジネスからの収益は資産(ビジネスやその他の投資)→従業員→専門家(会計士やコンサルタント)→投資家(株主など)→自分の順番で分配しなければならず、ここで自分を一番先に持ってくると破産してしまうということでした。
ビジネスオーナーは一番後に収益をもらえるからこそ、他の人よりも多くのお金を手にできるのですね。

③行動のレバレッジ
まとめも第3部に入りました。ここでは頭脳のレバレッジについて理解し、若くして豊かに引退するための速いプランを立てた人に向けて、実践すべきことが書かれています。
最初の章では、今からでもできる習慣を6つ紹介しており、以下にそれらを箇条書きにして並べておきます。

・会計係を雇う
・勝てるチームを作る
・常にコンテクストを広げる
・成長し続ける
・新たな失敗をすることを恐れない
・自分の声に耳を傾ける

このうち最初の2つ以外はお金をかけずにできます。会計係を雇う理由は自分の財務諸表を作ることです。
財務諸表を作ることで自分の資産状況について整理し、客観的に見直すことができると共に、自分の経済状態について真剣に考えることができます。
大切なのは財務諸表は1回作って終わりにするのではなく、定期的に作り直す必要があるということです。

普通の会社は1年に1度、大企業なら四半期に1度は財務諸表を作って公開します。それと同じように、定期的に財務諸表を作って資産状況を確認することが将来の経済状態の改善・向上に繋がります。
この場合の財務諸表というのは、貸借対照表と損益計算書、場合によってはキャッシュ・フロー計算書の3つになると思います。この3つないし2つの書類から自分の将来を見つめ直すことが最初の習慣です。

次の勝てるチームを作るとは、1人でビジネスの経営を行うのではなく、専門家に任せられることは優秀な専門家に任せて、チームでビジネスを経営しようということです。
お金の問題はみんなで相談した方が速く解決する場合もありますし、ビジネスを始める前でも自分の財務諸表を複数の専門家に見てもらうことはできます。

同時に、専門家からコンテンツやコンテクストを増やしたり広げたりするのに有用なものを受け取ることができるときもあります。新しい専門知識や考え方はお金に換えられない価値があるので、優秀なチームを作って集団でビジネスを運営するのが得策と言えるでしょう。

コンテクストを広げる重要性については今までに書いてきた通りで、コンテクストを広げるために本を読んだりセミナーに出席したりすることが有効になります。
成長し続けるというのは、コンテクストを広げることと似ています。本の中では、今までとは違った方法で物事をやることだと書かれています。

具体的な例を挙げるなら、お金を稼ぐために働き続けるのが今までのやり方だとすると、働く傍らで副業としてビジネスを始めたり、投資をしたりして他の種類の所得を得ようとするのが成長することの例になるのではないかと思います。

ビジネスを起こす上では、紹介された習慣の1つである「新たな失敗を恐れない」というのがとても重要になります。金持ち父さんは「失敗は成功の1部」だと言っていたそうです。
ビジネスを始める前でも、「時代が変わったことで今まで正解だった考えが間違ったものになっていることに気付かない」ことが原因で失敗した場合、自らの考えを改める契機になります。

金持ち父さんによると、「失敗することで多くのことを学ぶことができるなら、失敗してもいいからやってみよう」という気持ちになれれば、世の中の仕組みは私達が失敗しないように働くようです。
そこまで極端ではなくても、何回かの失敗の末に今までの失敗を大きく上回るだけの成功を得ることのできる挑戦には、積極的に挑んでみようというのがこの習慣の意味することです。

最後の習慣は自分の中にあるコンテクストを引き出すためのもので、考え方を変えたり冷静になったりするために3つのプロセスを踏むとよいと書かれています。
そのプロセスとは、

(1)自分が望んでいない考えに注目し、自分が望んでいることを考えるようにする。
(2)自分が望んでいない気持ちに注目し、自分が望んでいる気持ちになるように気持ちの持ち方を変える。
(3)行動を起こす。望んでいるものを手に入れるまでこのプロセスを続ける。
という感じです。

実に単純なプロセスですが、望んでいないものを望んでいるものに変えるには時間がかかることがあります。そういう場合でも望んでいるものが出てくるまで静かに待ち、それまで行動せずにいることがいいと書いてあります。
重要な決断を不安を抱えたまま行うのはよくないということですね。筆者は恐怖心に勝ち、自信をもって選択することが成功に繋がると考えているようです。

これらの習慣を全てではなくても、いくつか覚えておいて日常に取り入れることで、金持ちになるスピードは速くなります。それはこれらが金持ちの習慣だからです。
金持ちが使う速い言葉を使うようにしたときと同じように、金持ちの習慣を理解して取り入れていくことが、金持ちになるための近道であると言えます。

これ以降の章では、より実践的なこと、即ちリスクを少なくしてリターンを増やすことについて筆者の経験談を基に書かれています。
その中でまず大事なのは、投資家とトレーダーの違いを理解することです。

投資家は持ち続けるために購入し、トレーダーは売るために購入するという違いがあります。不動産で言えば、安定したキャッシュフローを生み出す不動産をキャッシュフロー目当てで購入するのは(売却することを考えていないため)投資家がすることで、将来の値上がりを見越して投資用不動産を購入するのは(しっかりとした出口戦略とスタートが決まっていれば)トレーダーということになります。

これはどちらが優れているという話ではなく、自分の方針に合わせてどちらも使い分ける必要があるということを伝えるための例です。
プロの投資家は場合に応じて投資家にもトレーダーにもなり、安定した収益をあげ続けます。私達も投資で成功したいと思うなら、この2つのタイプを使い分けることができなければなりません。

また、不動産投資に関してはサンプルサイズが重要になります。これは要するに、1件の不動産を買うために100件の不動産を見て、よく考えてから買うべだということです。
不動産は一般に流動性が低く、頻繁に買い手や売り手が現れるようなものではありません。だからこそ、収益をあげるためには色々な物件を見て、様々な条件を吟味した上で何を買うか決める必要があります。

更に、不動産投資にはビジネスと同じく、借入金を利用できるためレバレッジが効きやすいという利点があります。借入金を利用するため売買や賃貸にはより慎重にならなければなりませんが、レバレッジがプラスに働けば金持ちになる道のりは短くなります。
買った時点でプラスのキャッシュフローを生む不動産を購入できれば、かなりの不労所得が期待できます。

なお、この本にはポートフォリオ所得を稼いでくれる紙の資産に関するレバレッジも紹介されています。私はこの本の中でこの章(第17章:紙の資産のレバレッジ)が一番面白かったです。
この章は車を運転するときにはみんな自動車保険に入ることが普通だと思っているのに、多くの人が株に投資するときには何も保険をかけずに投資するのはなぜなんだ?という問いから始まります。

不動産に対する保険には火災保険や地震保険などがありますが、実は株式投資にも保険はあります。この本で紹介されている手段は逆指値注文とオプションです。
逆指値注文は「この価格になったら売る」という注文のことで、株が予想以上に下がったときの保険になります。

株価が1万円から5000円に急落した場合でも、9000円で逆指値注文をかけておけば損は5000円ではなく1000円で済みます。
ただ、市場の変動が急激に起こった際には価格が指値を飛び越えてしまうことがあり、これに備えてオプションをかける方法も用いられます。

オプションにはコールオプションとプットオプションがあり、それぞれ買付選択権と売付選択権と訳されます。コールオプションは株をある価格で購入する権利のことで、この権利の有効期間内であればいつでも購入時に指定した価格で買うことができます。
プットオプションはその逆で、有効期間内に指定した価格で株を売ることのできる権利のことです。

今度は株価が5000円から10000円に急騰した場合を考えてみましょう。株を6000円で買うことのできるコールオプションを1000円で購入したとすると、株価がいくらになってもオプションの有効期間内では6000円で買えるので、オプションを行使して株を買って売れば利益は10000円から購入時価格の6000円とオプションの価格である1000円を引いた3000円になります。

プットオプションでも同様のことができます。ここで重要なのは、オプションを売ることもできるということです。自分がオプションの対象になっている株を持っていなくても、オプションを売ることは可能です。このことを上手く使えば、何も無いところからお金を作り出すこともできます。
オプションが行使されずに期限切れになる可能性は約85%なので、オプションを売ることで儲かる可能性はそこそこ高いと言えます。

これらの保険の他にも、株式投資をする人が知っていなくてはならない単語についてこの本は紹介してくれています。その単語とは、トレンド・移動平均・ストラドル・空売りなどです。
トレンドとは市場の傾向のことで、上昇・下降・横ばいの3つがあります。普通の人は上昇相場でのみ利益を出せますが、プロの投資家はどのトレンドでも利益を出せます。

この違いは、それぞれのトレンドに対応した戦略があるかどうかです。普通の人は上昇相場での戦略しか持っていませんが、プロの投資家は3つのトレンドに対応した戦略をそれぞれ持っています。
そして、プロの投資家は単なる平均ではなくチャートが示す移動平均に注目します。チャートが市場のトレンドの変わり目を教えてくれることで戦略の切り替えタイミングが分かり、市場の変動に適応できます。

プロの投資家が下降相場で採用する戦略の1つが空売りです。空売りとは他の人から株を借りてそれを売り、後で買い戻してその株を返すことです。下降相場でこれをやると、高く売って安く買い戻せるので多くの利益を生む可能性があります。

最後に残ったストラドルとは、1つの価格を基準にしてコールオプションとプットオプションの両方を設定することです。これは上昇相場でも下降相場でも使うことのできる戦略で、チャンスの獲得とリスクの回避を同時に行うことができます。

これらの仕組みはやや複雑ですが、しっかり理解して使えば危険ではなくなるどころか、自分の資産に保険をかけることのできる重要なものをあります。
私はこの章を読んで、株式投資を始める前にテクニックや財務諸表の読み方についてもっとトレーニングしようと思いました。

大切なのは、「これなら自分にもできそう」とか、「ちゃんと勉強すれば投資は危険ではない」と分かることです。どの資産に投資するかは人それぞれですが、投資を始める前にしっかりとした教育を受け、始める場合は小額から始めて経験を積むことは誰にとっても重要です。

この本では、所得だけでなく資産も3種類に分けています。不動産・紙の資産・ビジネスの3つです。労働力が資産に含まれていないのは、労働が残存価値のないものだからでしょう。
この中で一番難しいのは、ビジネスを資産にすることです。それはビジネスを成功させるためには、他の人と上手くやっていく必要があるからです。

ビジネスを成功させる上では、従業員・専門家・ビジネスパートナー・投資家という4タイプの人と上手く付き合わなければなりません。これがビジネスで一番難しいと著者が主張する理由です。
これは私にも分かる気がします。2022でもリーダーシップの重要性がしきりに説かれていましたが、起業家は4つのタイプの人と上手に仕事をしながらビジネスを運営していく必要があります。

自分と同じタイプの人と上手く付き合える人は多くても、違うタイプ、違う現実やコンテクストを持った人と上手く付き合える人は少ないと思います。ビジネスで成功できる人が少ないのは、このような柔軟性を持ち、最後に支払いを受けることになることに耐えられるだけの精神を持った人が少ないからだと考えられます。

幸い、この本でもリーダーシップは努力によって身に付けることができるとされている能力です。リーダーシップを高めるには他の人達が逃げ出すような問題を引き受けて挑戦するだけでいいと書かれていますが、これを実践できる人が少ないからリーダーシップが育たないのでは・・・と思ってしまいます。
確かに筆者のように戦場に行くよりはリスクが低いやり方なので、戦場を知っている人は喜んでこちらを選択するでしょう。

ビジネスについて書かれた章の後半では、ビジネスは大きな使命に従うリーダーと、リーダーに従うチームや小さな使命で構成されていることが書かれています。これによれば、リーダーはチームを形作る個人が自らを後回しにしてでも取り組みたいと思える使命を掲げ、リーダー自身もまたその使命のために全力を尽くすことが求められています。

ようやく本の終わりが見えてきました。この本の終盤では、ファイナンシャルIQを高めるための方法についてのヒントが書かれています。そのヒントを列挙すると以下のようになります。
・ビル・ゲイツは薄給だ
・様々なタイプの収入を知ろう
・自分の将来について嘘をつく

・決心しよう
・あなたと一緒にこの旅に出たいという友人や愛する人を見つけよう
・専門家の助言を求め、お金と法律に関してあなた自身のアドバイザーチームを作り始めよう
・引退する日を決めよう

・早期引退の日が決まったらプランを紙に書こう
・早期引退を祝うパーティーを計画しよう
・1日に1件、投資先を探そう
・市場は全て3つの大きなトレンドに従って動くことを覚えておこう

・金持ち父さんのウェブサイトを定期的にチェックしよう
・言葉はタダだということをいつも覚えておこう
・お金について話そう
・ゼロから始めて100万ドル作り出そう

ここまできて、セミナーに向けて出発する時間が来てしまいました。本に書いてあることの多くはまとめられたのでよかったです。
残りの章では、著者がなぜホームレスの状態から諦めずに成功まで辿り着けたかを、「鏡の国のアリス」で鏡を通り抜けることになぞらえて書いていたり、自由の素晴らしさについてバカンスに行った経験を基に記述していたりします。

最後に総括をしておくきます。この本は約440ページの分量に相応しく、様々な学びを得られる本でした。
中でも現実を変え続けることは大切な習慣の1つとして特に意識し、これからも色々な本を読んで自分の現実を広げていきたいと思います。
「キャッシュフロー・クワドラント」の感想記事も大容量になると思いますが、時間を見つけて書いていきます。

谷崎コウです。
本日はタイトルにある「金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法」の感想を書きたいと思います。
前に書いた「2022」の感想と同じく、内容のまとめとそこから学んだことを書いていきます。

この本も大学時代の友人と一緒に出席したセミナーで薦められたもので、2022を読み終わったことを話したら次に読むべき本として貸してもらいました。
2022の後に「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」も読んだため、著者の文体や意見は概ね分かった上で読み進めることができました。

この本は2022とは異なり、ハードカバーで約440ページあります。そのため読書の習慣がない人には読み終わるのが大変な本かもしれません。
ただ、1章当たりのページ数は20~40ページほどなので、1日1章ずつ読んでいけば3週間ほどで最後まで読めます。

私はこの本に書いてある「若くして豊かに引退したいなら、自分の現実を変え続けることだ」という一節を見て、「じゃあ、セミナーでおすすめされた本を1週間に1冊読むことから始めよう」と決めました。
そこで、この本を仕事から帰ってきてからずっと読み続け、有休をとった水曜以外は平均約100ページ読んで1週間で読みきりました。

本当は「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント」の感想から先に書くべきだと思いますが、この本はあと少しで友人に返さなければならないので、こちらの感想を先に書きます。
じっくり読んだつもりではあるものの、吸収し切れていない部分を少なくするためにもしっかりまとめておきます。

まず、この本の紹介からしておきます。この本は日本語版「金持ち父さん」シリーズの第6弾に当たる本で、タイトルの通り若くして豊かに引退する方法、つまり定年よりずっと早く資産を築き、そこからの収益で一生働かずに済むような生活を送るためにはどうしたらよいかが書かれています。
他の「金持ち父さん」シリーズを読んでいなくても、この本に書かれていることは理解できます。

この本で主に書かれていることは、若くして豊かに引退するために活用すべき手段:レバレッジについてです。
レバレッジと聞くとFXなどを連想する方も多いと思います(私もそうです)が、この本におけるレバレッジとは「より少ないもの・ことでより多くのことをできるようにしてくれるもの・こと」というような意味です。
少し複雑なので、本の中の例を取り上げて詳しく見てみましょう。

本の中には様々なレバレッジが登場しますが、その中の1つに「速い言葉と遅い言葉」というものがあります。
「速い言葉」は金持ちが使う言葉で、「遅い言葉」は貧乏な人・中流以下の人が使う言葉だと書いてありますが、簡単に言えば「速い言葉」の意味を理解して自分のものにし、それを日常の中で使っていれば速く金持ちになれるということです。

この場合、「速い言葉」は「遅い言葉」よりも短期間で自分を金持ちにしてくれることになります。したがって、より少ない時間でより多くのお金を稼ぐことを可能にしてくれるということになり、前述の定義から「速い言葉」はレバレッジであると言うことができます。
このように考えていくと、レバレッジは私達の身の回りにたくさんあることが分かります。

この本におけるレバレッジの定義を更に明確にしておくために、今度は身近なもので例を挙げると、車は私達が目的地により短時間で到達することを可能にしてくれます。
この場合車と比較するのは徒歩でも自転車でも構いませんが、それらの交通手段と比べて、車はより少ない時間・より少ない労力(徒歩や自転車だと何時間も歩き続けたり漕ぎ続けるのは大変ですよね)で、より速く目的地に到達することを可能にしてくれる(言い換えれば「より多くの時間を私達に残してくれる」)のでレバレッジです。

この本ではこのようなレバレッジを活用していくことで若くして豊かに引退できると書いてあります。
そして、紹介されているレバレッジには大きく分けて3種類あり、それぞれが第1部~第3部で詳しく取り上げられています。
そのレバレッジとは、頭脳のレバレッジ・プランのレバレッジ・行動のレバレッジの3種類です。
以下、前編ではこの3種類のレバレッジのうち頭脳のレバレッジについてまとめておきます。

①頭脳のレバレッジ
この本の最初の方に、「世界で一番強力なレバレッジは人間の頭脳だ」と書かれています。確かに「速い言葉」を使っているだけで速く金持ちになれるなら、言葉を作り出した人間の頭脳は最強のレバレッジであると言えます。

問題は、頭脳のレバレッジに限らず、レバレッジは全てマイナスの方向にも働くことがあるという点です。FXで借金をしてレバレッジを高くした結果、ロスカットにより損が確定して借金地獄に陥る・・・というのは、まさにレバレッジをマイナスの方向に使ってしまった例の1つです。

頭脳のレバレッジもマイナスの方向に使う(というより、無意識に使っている)ことができてしまいます。
この本の中で幾度となく出てくる例は、「投資は危険だ」、「自分は絶対に金持ちにはなれない」などと言い聞かせることです。
これは言葉の持つ力(思っていることを現実にする)により実現し、このように言う人にとって投資は危険なものとなり、この人が金持ちになることはありません。

逆にレバレッジをプラスの方向に働かせたいなら、これと反対のことをすればいいわけですが、その前に本には「自分がなぜ金持ちになりたいかを考え、その理由が見つかれば金持ちになる方法は簡単に見つかる」と書いてあるので、まずは私がなぜ金持ちになりたいか真剣に考えてみることにします。

私が金持ちになりたい理由は大きく分けて2つあります。
1つは早起きしたくないからです。私は満員電車に揺られて毎日通勤している人よりは快適に通勤できていますが、それでも朝早く起きるのはとても苦手です。
有休をとった日はあまり遅く起きると損した気分になるのでいつもより少し遅く起きて1人実況を撮っています。

金持ちになれば、目覚まし時計やアラームをかけて早起きする必要はなくなります。なぜなら自分が何もしなくても生活するのに十分なお金が手元に来るからです。
何もしなくてもお金が手に入るのであれば、会社で働いて給料をもらう必要はありません。つまり朝早く起きて出勤する必要もなくなるわけです。

大学4年の頃は、単位をほぼ取り終えていたのでこれに近い生活ができました。その頃の生活をまだ私の体は覚えていて、「早くこの生活に戻りたい」と言っています。
私もその考え方に同感です。会社員ではお金はあるかもしれませんが自由に使える時間が限られています。私は自由に使える時間をもっと増やし、睡眠時間を増やしたいと考えています。

私が金持ちになりたい理由のもう1つは、時間を気にせずゲームをしたり、家でのんびり過ごしたりしたいからです。
今でも毎週末は友人の夢見しょー♪と遊んで楽しい時間を過ごしていますが、帰る時間になると「明日から仕事をしないといけない」と憂鬱な気分になってしまいます。

大学時代は時間があったので「また明日遊べるからいいや」と思っていましたが、今はそうではありません。
ところが金持ちになると、大学時代よりも更に遊べる時間が増えます。働かなくても生活費が十分賄えるわけですから、24時間を全て好きなことに費やすことができます。

1日中ゲームをしていても、抱き枕の本体を何個か購入して抱き枕カバーの着せ替えごっこを日が暮れるまでしていても何も問題ありません。
後者は1人暮らしに近い状態でないと実現は難しいですが、そうでなくてもゲームはできます。金持ちになれば好きなことを好きなだけできる「自由」が手に入るわけですね。

これらの理由は私にとって非常に大きな意味を持っています。この理由のためなら若いときの時間を何年か投資してでも、何度失敗してでも金持ちになるために頑張れると思っています。
ただ何となく「金持ちになりたい」と思うのではなく、「真剣に金持ちになりたいからそのための方法を学ぼう」と考えているのは、それだけ私の本気度が高いからです。

金持ちになりたい理由を明確にできたところで、本のまとめに戻ります。
本には著者とその妻が金持ちになるために、ビジネス・お金の管理・投資の3つに関する技術(スキル)を高めるのに注力したと書かれています。
これらの3つは学校で教えてくれることではないので、セミナーや本などで自ら学ぶ必要があります。

特にビジネスに関しては知識を学べる機会が少なく、実際にビジネスを経営しながら学ぶのが最善である気がします。
お金の管理については著者が開発したキャッシュフロー・ゲームで、投資についてはジャンルごとのセミナーや本で学ぶことができますが、ビジネスについて学ぶのはこの中では一番想像がしづらいですね。

この本の後半には資産としてのビジネスについて書かれた部分があり、私はその部分も参考にしながら学習していくことになるのだと思います。
さて、頭脳のレバレッジをプラスの方向に働かせる方法ですが、この本の第1部に収められている各章の終わりには、この方法がいくつか書かれています。それを箇条書きにすると以下のようになります。

・大好きなものと大嫌いなものを比較した表を作り、好きなものがなぜ好きか、それを持てないことがとても嫌なのはなぜかを考える(そして、それらの理由を一緒にする)
・1ヶ月に1時間以上、自分の人生を振り返る
・自分がしている借金を「いい借金」と「悪い借金」に分類してみる

・「どうすれば、今自分がやっていることをより多くの人に、より少ない労力・より安い価格で提供できるか?」という質問に対する答えを見つける
・自分の現実を変えるために、自分が達成したいと思っている目標を既に達成した人の伝記を読んだり、動画を見たりする

・自分にとって何が危険で、何が賢いやり方かを自覚する(自分が育った家庭における現実と自身の現実を比べる)
・勤労所得・ポートフォリオ所得(株式や債券などの紙の資産から得られる所得)・不労所得(不動産から得られる所得)をそれぞれつきにどれくらい得ているか整理する


以上の7つのうち、分かりにくいのは6つ目でしょうか。本では仕事による安全・ビジネスを起こす・大きな家・賃貸アパート・お金を貯める・お金を投資するという6つのものやことに対して、それぞれ危険なのか賢いのか判断し、最後に金持ちは欲張りなのか気前がいいのか判断する、というやり方で自覚を促しています。

私の場合では、ビジネスを起こす・賃貸アパート(ただし投資用不動産としての価値があるものに限る)・お金を投資するの3つが賢いやり方で、残りの3つが危険なやり方になります。そして、金持ちは気前がいいという結論になります。

なぜそうなるのか考えてみましょう。まずは危険だと思う方からです。
仕事による安全は絶対的なものではありません。公務員でさえ最近は人事評価制度の導入によって、「正式に採用されれば余程の事が無い限りクビにはならない」という前提が崩れ始めており、終身雇用制が有名無実となった民間企業では尚更です。

このような状況でまだ定職に就いて安定した社会的地位や収入のみを求めることは、それが保障されない可能性があるので危険であると言えます。
続いて大きな家ですが、これは自分で住むために買った場合は負債になってしまいます。

どういうことかというと、大きな家は価格が高く、多くの場合現金による一括購入ではなく、頭金を払って残りはローンで返済することになります。
すると、ローンを完済するまでの間、何もしていないのに毎月お金がローンに取られていくことになります。
ローンを完済したとしても、固定資産税や維持費が取られ続けることに変わりはありません。

「金持ち父さん」シリーズでは、自分の財布からお金を取っていくものは負債とみなされます。この定義に従えば、大きな家はたとえローンを完済していても毎月(あるいは毎年)お金を取っていくので負債となり、資産にはなりません。
それに私の場合は1人で離れたところに大きな家を買っても持て余すだけです。不必要なほど大きい家は、毎月お金を取っていく危険なものであると言えます。

最後に、お金を貯めることは、日本に集中投資をしていることと同じです。外貨預金の場合は異なりますが、その場合は利回りが低すぎるという別の問題が発生します。
2022では明るい未来が示されていましたが、日本の未来が明るくても、日本円自体が安全とは限りません。
1946年の金融緊急措置令のように、預金封鎖と共に新しい貨幣が供給される可能性もないとは言えません。

ここまで急激な変化が起こらなくても、日本円の価値が大きく変動する可能性はあります。それなら殆ど利子がつかない銀行口座にお金を預けておくよりも、お金を投資に回した方が賢いやり方だと思います。
次に賢いやり方だと思う方を説明します。最初はビジネスを起こすことについてです。
会社法によれば、株式会社は資本金が1円でも作ることができます。

ベンチャー企業向けの株式市場やベンチャー企業に投資する企業もあり、実際に起業した人からの意見を聞くことも今までより簡単になってきています。
アメリカでスタートアップと呼ばれる新興企業が目標にしていることは、儲かるかもしれないビジネスを作ってグーグルなどの大企業に買収されることだそうです。

このように、現在では起業に対するハードルが低くなってきており、しかも起業したらずっと会社を経営し続けなければならないわけではなく、ある程度のところまで成長させたら大企業に事業売却を持ちかけて自分は引退することもできます。
勿論起業がそう簡単に上手くいく手段ではないことは自明ですが、それでも今までより危険でなくなっていることは確かで、起業して一財産築くのは賢いやり方だと思います。

そして賃貸用アパートは、最も大事な所得である不労所得を生み出してくれる可能性があります投資用不動産として賃貸用アパートを購入し、家賃から管理費などの支出を差し引いた残りがプラスであれば、それはキャッシュフローとして自分の財布に入ります。
不動産の管理や修繕を委託し、委託料を払ってもまだ収支がプラスなら、それは完全に不労所得になります。

当然アパートを購入する前には入念な物件選びや不動産投資の専門用語を学習することが不可欠ですが、それらに時間をかけてでも不労所得を得るために賃貸用アパートを購入することは賢いやり方だと思います。
ちなみに上の箇条書きで紹介した勤労所得・ポートフォリオ所得・不労所得にはそれぞれ金持ち父さんが付けた別名があります。それは50%マネー・20%マネー・0%マネーです。

勤労所得は最大で稼いだ分の55%が所得税として徴収されます。アメリカの法律ではこれが50%なのでこのような呼び方になっています。要するに、たくさん稼いでもある一定以上の額になると半分以上は政府に取られてしまうことになりますね。
しかも、会社員は所得税が源泉徴収なので税額を減らすことは殆どできません。

一方、ポートフォリオ所得は株式の売却益などがメインで、こちらは20%の分離課税方式になっています。どれだけ稼いでも取られるのは20%なので、こちらの方が勤労所得よりも自分の取り分が大きいですね。
ただし、売却益を得るためには市場の動向を注意深く観察し、適切なタイミングで売買を行う必要があります。厳密に言えば何もしないでお金を稼げるわけではないため、不労所得とは区別されます。

不労所得とは不動産から得られる収益のことですが、こちらは不動産の売却益を次の不動産を買うための購入資金に充てたり、減価償却を行って見かけ上のキャッシュフローをコントロールしたりすることで、税金の繰り延べができます。よって、儲かっているのに税金を支払う必要がなくなる場合があります。

前述の通り、不動産から得られるキャッシュフローは家賃がもとになっていますので、大元は賃借人が住んでいるだけで手に入るものです。このまま支出面(維持管理など)で自分が直接働かなければ、残った家賃はそのまま自分のものになり、しかも税金を払わなくて済むという素晴らしい状態が出来上がります。
所得を税金という視点から見ると、金持ち父さんが重視したのが不労所得である理由がよく分かりますね。

そして、結論として「金持ちは気前がいい」と言えるのは、金持ち父さんの方法で成功して金持ちになった人は、「どうすれば財やサービスをより多くの人に、より少ない労力・より安い価格で提供できるか」を考え抜いた人だと思うからです。
ビジネスで成功するためにはこのことを考え続ける必要があり、素晴らしい財やサービスを低コストで多くの人に届けようと思う人は、気前がいい人になりますね。

ここで注意したいのは、「気前がいい」という言葉の持つイメージです。英語にするとgenerousだと思いますが、「気前がいい」というと「羽振りがいい」とか「お金を多く払ってくれる」というイメージが浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
私も最初はそう考え、「金持ちは金をばら撒いてもっと金持ちになるってことか?」と考えましたが、実際は違いました。

この本において「気前がいい」というのは、お金関係のことに限らず、他人のことを思いやっていることを指します。高品質な財やサービスを低コストで多くの人に届けようと思うのは、たとえビジネスがそうやって儲かるとしても、財を買ったりサービスを受けたりする人から見れば、思いやりのある行為だと言えます。

金持ちが気前良くなるためには、お金をばら撒く必要はなく、ただ会社の使命である「高品質な財やサービスを低コストで多くの人に届ける」を果たし続ければよいというのがこの本で言いたかったことの1つなのだと思います。

ちなみに、私の所得の内訳は、勤労所得が月18万ほど、ポートフォリオ所得が月1000円ほど(仮想通貨の自動売買で毎月これくらい稼げていると思います)で、不労所得は0円です。
前置きが長くなってしまいましたが、ここで先ほどの箇条書きにした部分の残りを実践してみることにします。
まずは好きなものと嫌いなものの比較ですね。

好きなもの・こと
・自由に使える時間が豊富にあること
・2次元の美少女を好きでいられること
・欲しいものを値段を気にせずに買えること
・やりたくないことを他人がしてくれること

嫌いなもの・こと
・自由に使える時間が殆どないこと
・2次元に興味が持てなくなること
・欲しいものが買えないこと
・やりたくないことをやること、マニュアルに書いていないことで注意されること


ざっくりですが表にするとこんな感じです。次に好きなものについてなぜ好きか、それを持てないことがとても嫌なのはなぜかを考えることにします。
自由に使える時間が豊富にあることがなぜ好きかといえば、それはゲームを好きなだけプレイでき、家で好きなだけのんびりできるからです。

これは金持ちになりたい理由と重複していますね。自由な時間の大切さをひしひしと感じているので、あえてもう1度書きました。
そしてなぜ自由な時間がないと嫌なのか、その答えはリラックスする時間、締切に追われないで済む時間が少なくなってしまうからです。

自由な時間でストレス解消ができなければずっと機嫌が悪いままになってしまいますし、常に何かに追われた状態だと余裕を持って考えることができなくなります。それによって趣味を楽しむことができなくなるのが嫌だから、自由な時間がこれほど重要な価値を帯びているわけです。

これに関連して、2次元の美少女を好きでいられることがなぜ好きか、好きでいられないことがなぜ嫌なのかも考えることができます。
2次元の美少女は私が成功するのを助けてくれます。高校・大学受験のときも、就職活動をしているときも、2次元の美少女のために頑張っていたらいつの間にか望んだ結果が手に入っていました。

2次元の美少女は私が努力する理由とも言えます。彼女達の可愛い姿や素敵な笑顔を見るために私は努力します。自分のためではなく、2次元の美少女のために努力することで、私は実力以上の力を出すことができるように感じられます。
もし2次元の美少女を好きでいられなくなったら、私は成功することができなくなるかもしれません。

もっと深刻になると、何かを成し遂げようと努力することも難しくなる可能性があります。それくらい2次元の美少女は重要な存在です。現実の人間がそれに取って代わることは永遠にありません。
それに、2次元の美少女を好きでいられなくなるのが嫌なのは、私の数少ない趣味であるアニメ鑑賞と美少女ゲームに魅力を感じられなくなってしまうからというのも大きいです。

ただでさえ趣味が少ないのが更に少なくなってしまったら、私は何のために金持ちになるのでしょうか。金持ちになったら新しい趣味が見つかるかもしれませんが、私は今の趣味はそのままにして金持ちになりたいと考えています。

金持ちになって自由な時間を使い、たくさんの2次元の美少女に出会いたい。彼女達が幸せになっている姿を見て嬉しくなりたい。
そう思う気持ちが私の原動力になっているので、これがなくなると私は金持ちになる理由の大部分を失います。これが2次元の美少女を好きでいられなくなるのが嫌な理由です。

欲しいものを値段を気にせずに買えることも前述のことと関連していますが、お金がないからという理由だけで欲しいものを諦めてしまうのは、とてももったいないことだと思います。
欲しいものを値段を気にせずに買えることが好きな理由は、2次元の美少女との出会いを逃すことがないからです。

私の欲しいものといえば、今のところゲームや抱き枕カバーくらいですが、私が未だに買えずにいるゲームの中には、まだ見ぬ美少女がたくさんいるはずです。
お迎えできていない抱き枕カバーも同じです。ゲームよりもこちらの方が価格が高くなりやすいので、価格を気にしているといつまで経ってもお迎えできない娘が出てきてしまいます。

そんな時、欲しいものを値段を気にせずに買えることができれば、欲しいものを見つけた瞬間にそれを買うことができます。どれだけプレミアがついていても、値段を気にしないのですから関係ありません。
見つけたその場で買わなければ、次にいつ出会えるか、いくらになっているか分からないこともあり、欲しいものを値段を気にせずに買えることは私の趣味が続いていくために大切だと言えます。

最後にやりたくないことを他人がしてくれることが好きな理由ですが、それは単純に私が面倒なことをやらなくてよくなり、好きなことをすることに時間を割けるからです。
私がやりたくないことは家事や仕事を初めとしていくつかあります。そのうち仕事は他の人やAIにやってもらうことができ、家事はロボット技術の発達でいつかはロボットにやってもらうことができるようになるはずです。

もしそうなれば、私は家事をしてくれるロボットを購入して彼らに家事を任せます。そして私は家事をすることなく、ゲームに熱中できるようになります。
反対に、やりたくないことを自分でやらなければならないのが嫌なのは、自由な時間が減ってしまうからです。
ロボットの例で見たように、私はお金をある程度使ってでも貴重な時間をやりたくないことに費やしたくないと思っています。

これくらいで充分な理由になったでしょうか。
改めて自分の好きなことに理由付けをしてみると、より「金持ちになってやりたいことをやるぞ」という気持ちが出てきますね。
この記事を見返すことでモチベーションの維持がしやすくなるかもしれません。

では3つ目に、借金の分類をしてみましょう(人生の振り返りはその都度頭の中ですることにします)。
現在、私が抱えている借金は恐らくありません。
家のローンは親が払っており、奨学金も借りていませんから毎月の給料で支払う必要のあるものはあまり多くありません。

毎月必ず支払うものといえばスマートフォンの通信料金くらいですが、これは借金というよりはサービスを利用した対価ですので、いいとも悪いとも言えないと思います。
ここまで見ると借金がないことはいいことのようにも思えますし、実際いいことなのでしょうが、この状態では速く金持ちになることは難しいことになります。

なぜなら、借金をしない場合、投資やビジネスは自分の持っている自己資本の範囲内だけで行うことなり、小規模になりがちだからです。
もちろん悪い借金を抱え込むのよりはマシですが、いい借金をたくさん保有して大規模なビジネスや投資を行い、ファーストトラック(高速車線のこと)に乗る人に比べると、金持ちになる速度は劣ります。

借金をするときは丁重に扱うべきだと本にも書いてありましたが、借金をしたことのない私が借金をする際には、よく考えて決めると共に、事実上他の人が代わりに借金を払ってくれるようなシステムを構築してからにしたいと思います。

残りの箇条書き部分は2つですね。「どうすれば、今自分がやっていることをより多くの人に、より少ない労力・より安い価格で提供できるか?」という質問に対する答えを見つけることは難しかったですが、私が思い付いたのは以下のような方法です。

・人件費の削減:AIの導入により、機械が得意なことは機械に任せる。対人によるコミュニケーション等が必要な部分に必要な人材を残す。
・紙ベースの業務の一新:書類を紙ではなくデータでやり取りし、固定費を削減したり、無駄な手間を省いたりする。

・社内の情報共有の円滑化:Slackなどの社内SNSを活用し、時間の無駄遣い(課長を探しに他の課に行ったが見つからなかったなど)を減らす。
・業務のマニュアル化の徹底:少ない人員で必要な作業を完結させることができるように、テクニックが必要な業務や定型的な業務を中心にマニュアルの作成を徹底させる。

誰にでも思いつきそうなことですが、とりあえず低コストに抑えることを目的とした案を4つ出してみました。
自分がビジネスを経営する側になったら、この質問への答えは常に探しておく必要があるので、定期的に答えを見つけてトレーニングしておくことが大切だと思いました。

最後の箇条書き部分は、「自分の現実を変えるために、自分が達成したいと思っている目標を既に達成した人の伝記を読んだり、動画を見たりする」というものですね。
私の場合はエジソンや著者も読んだというビル・ゲイツの本が該当するでしょうか。
アイディアを生み出し、それをビジネスにする力が私には必要だと思うので、これらの人物に関する本や動画には目を通しておきたいです。

ここまでかなり長く書きましたが、実はまだ第1部の大まかな内容しかまとめられていません。
第2部と第3部の内容は後編で描きたいと思います。

谷崎コウです。
今回は前の記事の続きで、本で紹介されている理論と著者の考え、この本を読んで考えたことをまとめておこうと思います。

理論③:プロダクト・ライフサイクル
これは製品が人間のライフサイクルのように、導入期・成長期・成熟期・衰退期(本では衰退期は紹介されていませんが、一般的なプロダクト・ライフサイクル理論では衰退期までが1セットなので紹介します)を辿るというもので、生き物の繁殖過程で見られる成長カーブにも似たような傾向があります。

導入期は製品が発売されたばかりの時期で、知名度が低く売り上げが伸びにくいです。それが成長期になると知名度の高まりと共に市場に他社が参入してくるため、製品の売り上げが急激に伸び、成長カーブの傾きも急になります。

成熟期では製品の寿命が近付き、売り上げがピークを迎えると共に、同じ製品でも機種の変更などのマイナーチェンジが頻繁に起こるようになります。本の中では、この時期に新たな成長期を迎えられるような製品を生み出すことができれば、新たな成長カーブを描けるので製品のライフサイクルが再び始まるとしています。
ちなみに衰退期はその名の通り、製品が市場から姿を消す時期です。製品の寿命が尽きる時期ですね。

本ではこの理論をまずiPhoneに適用し、iPhoneの後続機種が発売される時期の予測を行っています。
面白いのはその後で、「会社」という概念にもこの理論を適用しています。
製品の寿命を会社の寿命に置き換え、寿命が1970年には約50年ほどだったのが1997年には12.5年になっていることから、現在の会社は成熟期に入っているのではないかと予想しています。

この予想が正しいとすれば、会社という概念の寿命は2024年頃に尽き、衰退期に入ることになります。
それまでに会社という概念を刷新できるような新しい概念が生まれれば、そちらに人が動いていき、会社が新たな概念に取って代わられる結果になるかもしれません。

この本では次に、会社に代わる組織としてNPOを挙げ、2015年以降にNPOの時代が来る(2020年にはNPOによる産業化が始まる)と予想しています。
そしてこの未来予想を基に、今高校生の方がやっておくべきこととして海外留学・英語・中国語・ボランティア体験と、優秀な人が集まる場所に居合わせることを挙げています。

このアドバイスは高校生に限らず、若い人には有効なのではないかと思います。
留学に行けるのは学生の特権とも言えますが、外国語の学習は若いうちにやっておいて損はないのは間違いありません。
個人的には他人のためにやるボランティアが大嫌いなのでボランティアはやりたくないですが、優秀な人が集まる場所に行く体験は積みたいですね。

理論④:マネージャーの3タイプ
これはアメリカの企業で働いている管理職の職員に行った調査の結果から導き出されたもので、これによれば管理職の考え方はソーシャライズド・マインド、セルフ・オーサリング・マインド、セルフ・トランスフォーミング・マインドの3種類に分けられます。

ソーシャライズド・マインドは周りからの見られ方で判断や行動が決まる考え方で、上司から明確な指示があることを好みます。日本の管理職にはこのタイプが多いようなイメージがありますね。
一方セルフ・オーサリング・マインドは自分自身の信念・計画に基づいて仕事をしているタイプで、管理職として過去の成功体験からやるべきことや必要な情報を理解しています。

こちらのタイプは過去と同じ状況が続く、つまり将来の方向性が見えている段階では高い能力を発揮するものの、会社を取り巻く環境が一変すると過去に囚われた考え方から抜け出せず、業績悪化の原因になってしまいます。
アメリカの企業ではこのタイプの管理職が一番多いという調査結果でした。

最後のセルフ・トランスフォーミング・マインドは、過去の成功体験を持ちつつ、新しいことができるタイプのことです。「自己変容型」と訳すことのできるこのタイプの管理職は、アメリカにも1%未満しかいません。
前編で紹介した70年周期説によれば、日本には近いうちに大きな変革を必要とする時代が訪れる(1945年の太平洋戦争終結から70年進めると2015年になり、筆者はこの辺りで大きな転換点があると予想しています)わけですがら、当然このタイプの管理職がたくさんいなければなりません。

しかし、日本でこのタイプの考え方ができる人は(アメリカにも1%しかいないので)とても少ないと考えられます。
そこで、筆者はNPOなどの小規模な組織を運営する経験を積んだリーダーがセルフ・トランスフォーミング・マインドを修得し、社会に革新を起こすことのできる組織を作ることが必要だとしています。

ここで活躍が想定されるのは30代~40代の大企業で働いたことのある人だとされていますが、セルフ・トランスフォーミング・マインドを身に付けるためのトレーニングは誰もがしておくべきことであると思います。
そのトレーニングの鍵となるのが「エクス・フォメーション」という言葉です。情報を表す「インフォメーション」の対になる言葉で、自分の認識を外部へ発信することを意味しています。

エクス・フォメーションの例として挙げられているのがプレゼンテーションです。
プレゼンで自分が発表する側になったら、正確な情報を発信するために資料を調べ、分かりやすく説明するために論理的な発表にしようとしますよね。

その過程で正しい知識が蓄積されると共に、聴衆からのリアクションで新たな気付きを得られることが自分の成長に繋がります。
その他にもエクス・フォメーションの例として読書会などが挙げられていますが、今私が書いているこのブログも、自分の考えや作品(私の場合は実況動画)を世界に向けて発信しているという意味で、エクス・フォメーションの一例に数えられるかもしれません。

理論⑤:人生7年節目説
最後の理論は、この本の最後の章で登場します。これは人生には7年ごとに異なる役割が与えられ、それぞれの7年間でやるべきことがあるという説です。
例えば、22歳から28歳までの間は「世話役」と呼ばれ、会社で様々な経験を積むことがその後の実力に大きく関わってきます。

この「経験」にはマイナスのものも含まれており、大企業で理不尽な体験をすること、役に立つのか分からない仕事をすることもこれから来る変革の時代を生きる上で大切になってくると筆者は主張しています。
次の29歳から35歳の時期は「探求者」で、「世話役」のときに得た経験などから自分の得意な分野を見つけ、専門性を高めていくべきだとされています。

ただ、ここで高めた専門性は次の「破壊者」の時期に1度変革を起こす必要があります。人生全体で見れば「破壊者」の時期は折り返し地点に相当することになるので、後半の人生に必要な価値観だけを前半から引き継ぎ、残りの人生を生きていくための新たなスタートを切ることになるわけですね。

ここまでで理論の紹介は終わりです。次に筆者の考えをまとめます。
筆者の考え方を一言でまとめると、「もう少しで大きな変化が訪れるから、それに備えて自分を変革させる準備をしよう」ということだと思います。

70年周期説を基に2015年頃に明治維新や太平王戦争終結に匹敵する大きな変化が起こる、人口ピラミッドから日本は2020年頃から衰退が始まるもののアジア全体は成長を続ける、プロダクト・ライフサイクル理論を適用して2024年頃に会社という概念が衰退期に入ると予言し、これから新たな時代に残すべき価値観と、古い時代に置いておく価値観を選別する対話が始まるとしているのは、全て変化を予期して自分を変えましょうという根本の主張に繋がっています。

なお、本の後半の章で最初に20代~40代の人とのインタビューが挟まりますが、この本ではこれらの各層に応じたアドバイスや変革の方法を伝授しています。
40代の人を例に取ると、リストラされるなら再就職先を探す前に起業を選択肢に入れ、自分の経験をビジネスチャンスに変えられる分野がないか考えてみることを薦めています。

20代の人に与えられたのは、「世話役」として大企業の中で修行しろというアドバイスでした。時代遅れのようにも感じられますが、大事なのは大企業で働くことではなく、様々な経験を積むこと、優秀な人のいる場に居合わせることによって自分の成長が促進されるということだと思います。
私は大企業で働いているわけではありませんが、それでも会社にいる間に経験することは大事にしたいですね。

また、全ての人に共通するアドバイスもいくつかなされています。こちらは大きく分けると「海外に目を向ける(もしくは海外で働く)」、「自分の考えを発信する」、「リーダーシップを育てる」の3つになります。
確かにこれからの時代は海外との距離がもっと縮まっていき、自分の考えを世界に発信するのがますます簡単になるでしょうから、これらのアドバイスは有効だと考えられます。

このような筆者の考えを理解した上で、以下では私が感じたことをなるべく正直に書いていきます。
読了後に私が感じたのは、「それでも早く楽ができるようになりたい!」ということでした。
この本を読んだ後に「金持ち父さん」シリーズを読んでいるので更にそう感じてしまいます。

ですが、本で度々言及されている大きな変化は2019年になった今でも起きているのか定かではないものの、近いうちに起こるとすれば、それに備えておくことは必須といえます。
そしてその備えの1つとして、「会社から距離を置いて、大きな変化にも耐え得るビジネスを始めてみる」という選択肢が私に生まれたのはこの本を読んでよかったことの1つです。

私の勤務先では残念ながら副業が禁止されているので、働きながらあまり大きなビジネスはできませんし、そもそも会社員をしながらビジネスを経営するのがとても大変だということは想像できます。
そこで、ビジネスを始めるなら会社を辞めるしかない!というところまで飛躍していきました。

会社を辞めるまでにもいくつか越える必要のあるハードルはありますが、私にとって一番問題なのは、会社を辞めて早起きをする必要性が薄れた後、私は本当に真剣にビジネスをできるのだろうかということです。
自分の中で「ビジネスをやって生きていこう」という気持ちと、「今は自分を縛るものが何も無いから、少しくらい遊んでもいい。生活費が足らなくなったらバイトでもすればいいし」という気持ちが戦って、果たして前者が勝てるのか、私には分かりません。

それでも「ここで働くよりも自分でビジネスを始めた方が未来がある」と感じたら、私はそのようにするでしょう。
その時までに前述した気持ちの戦いが起こっても誘惑に負けず、十分な収益を出せるビジネスシステムを作るまで試行錯誤を続けられるような強い意志を持つ必要があります。

段々収拾がつかなくなってきたので、そろそろ総括に移ります。
この本は2012年に出版されており、そこまで新しい本というわけではありませんが、それでも本で紹介されている理論はこれからの未来をイメージする上で役に立つものばかりです。

そして理論を基に筆者が強調している考えも、2022年の日本で活躍することを考えれば的外れなものではありません。特に社会人ではない若い方にはアドバイスに従う価値が大いにあります。
問題は多くの人がこのアドバイスをそのまま受け取れないという点で、自分なりにアドバイスを解釈したり、できる範囲で試してみたりするアレンジが大切なのかなと思います。

この本に書かれている事実は日本の未来を悲観的に見ていますが、筆者はそこから独自の視点を持って解釈を広げ、未来は明るいと断言しています。
2022年以降に明るい未来がやって来るのかはその時まで分かりません。しかし、未来の前にやってくるであろう大きな変化に直面するのはほぼ確実だといえます。

その変化に適応し、時代の波に乗れた人だけが明るい未来を感じられるのかもしれません。そうであるなら、今からでも変化に適応できる力をつけるべきです。
この本はそのような「変化に対応する力」を身に付けるモチベーションをくれる本でした。このモチベーションを維持して、今後の成長に繋げていきたいと思いました。

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