『Diagnostic Strategies for common medical problems』

KEY POINTS
Pretest probabilities
側頭動脈炎(TA)は、50歳以上での発症が普通であり、罹患率は約0.15%である。
Jaw claudicationはもっとも特異性のある所見で、陽性尤度比は9である。
新しいパターンの頭痛、jaw claudication、動脈の異常はの3徴候はTAに非常に特異的(約99%)である。
Diagnostic Stategies
ESRの測定、側頭動脈生検はTAの診断として確立された検査である。
ESRの感度は高いが、特異度は低い。TAの除外のためには有用である。TAの検査前確率が高いのにESRが陰性なときは側頭動脈生検を行うべきである。
側頭動脈生検の特異度は高いが、感度は約80%にすぎない。側頭動脈生検が陽性であれば、検査後確率は高くなる。
プレドニンによる治療のリスクを考えれば、検査前確率が高くても、側頭動脈生検は有用な情報をもたらすと考えられる。

ESTIMATING PRETEST PROBABILITY
各症状の頻度
頭痛 65-80%、発熱 45-67%、動脈の異常 37-57%、眼症状 22-41%、
体重減少/食欲不振/倦怠感 20-79%、PMR 20-52%、Scalp tenderness 20-40%、
うつ症状 12-25%、jaw claudication 11-38%
約40%の症例で、頭痛やPMRの症状がなく、発熱、倦怠感、体重減少といった非特異的な症状しか有さない。そういった場合、不明熱として検査を受けたり、悪性疾患の合併が疑われたりするだろう。頭痛は特異性が低いが、今までにないパターンの頭痛が新たに出現した場合は診断に重要である。
特異的な所見がなければ、多くの場合、検査前確率は50%以下である。Jaw claudicationは生検陽性と強い相関を示すことが報告されており、陽性尤度比は9と報告されている。新たな頭痛の出現、jaw claudication、動脈の異常の3徴がそろった場合、感度は34%だが、特異度は99%以上であり、陽性尤度比は47と報告されている。動脈の異常とcotton wool spotの両方を認めた場合特異度は高いが、感度は40%以下である。

DIAGNOSTIC TEST
ESR
ESR>30mm/H 感度 99%、特異度 50-70%、陽性尤度比 2.5、陰性尤度比 0.02
ESRは100mm/H以上のことも多い。
Temporal Artery Biopsy
単球の動脈壁への浸潤、内弾性板の断裂はTAに特徴的な所見である。
感度 80%、特異度 95%、陽性尤度比 16、陰性尤度比 0.21
さらに巨細胞の出現を認めた場合、特異度は99%にあがるが、すべての所見を認めることはまれである。
生検の感度には限界があり、報告により、50−91%と幅がある。
病理所見は連続的に動脈壁のどこにでも見られるわけではなく、”skip lesion”を示すこともある。そのため、検体をどのように採取するかで感度は変わってくる。
対側の生検まで行えば、感度は90%に上昇すると考えられる。
Color Duplex Ultrasonography
最近ドップラーエコーをTAの診断にもちいる報告がされている。
ある報告では、動脈の狭窄、閉塞、halo signの同定によって、感度は93%としている。動脈壁の浮腫を示すdark haloはもっとも特異性がある。

DIAGNOSTIC STRATEGIES
特異的な所見が得られないときは、問診、診察後の検査前確率は50%以下となってしまう。
側頭動脈生検は、主治医、患者が確信をもって治療を受けるのに貢献すると考えられる。検査前確率が高く、ESRも亢進している場合、生検は必要ないかもしれない。TAが疑われ、ESRも亢進している50歳以上の症例には生検をすべきであろう。TAが強く疑われるときはESRが亢進していなくても生検をすべきであろう。
片側の生検が陰性でも、対側の生検で陽性となることが、5-10%にみられる。診断前確率が80%でありESRも亢進している場合、生検が陰性であってもまだ検査後確率は高い(〜68%)。