食玩日記とレビ-認知症なアーちゃんと生きる日々 : 2013年04月

2013年04月

2013年04月30日13:48

カテゴリ: tantaｎ日記

福山市　鞆の浦

４月２８日　日曜日

今日は　忙しい　忙しい・・が口癖の
主人をやっとの思いで動かして
息子のところへ行って来た

そうでもしないと　多分このまま
１年でも２年でも会わないだろうと思う

一ヶ月に１度は　このようにして
無理矢理　連れ出そうと思っている

連休にしては　山陽自動車道もスムースで渋滞はなかったが
福山西から東の区間で事故が発生　渋滞が伸びる寸前で
福山東インターを出た

折角行くのだからと　尾道観光を予定していたが
この渋滞で　一般道路でいける近場の鞆の浦に変更した

息子と合流して鞆の浦へ行く

ここは以前息子の就職先が内定した時
息子の第二の故郷となるだろう所が
どのような所か下見に来た時
一度来ているので　まるで知らない土地ではない

なので　今回は『るるぶ』を買って
入念に下調べをして来たが
肝心の『るるぶ』を神戸に忘れて来た

ここがネ　鯛飯が美味しいと評判の店、のような気がする　　多分・・・
ここからネ　復元した昔の船が出る、のような気がする　　多分・・・

穴が開く程　『るるぶ』を見て奮闘したtantan
その割には　ヌケていて頼りないけど　

息子と主人を導いて　町を巡る　お天気もよくて　春うらら
久しぶりの　家族旅行の真似ができた

ホラ！来て良かったでしょ～が！？
仕事人間など　もう捨てて　一緒に老後を
楽しもうではありませんか？　亭主ドン

写真は　対潮楼（福禅寺）座敷の
望遠鏡から見た仙酔島と復元いろは丸からの仙酔島遠景

これから　こんなふうに一ヶ月に１度くらいは来ようよ　ね？
日帰りでいいから　アイコチ　行きたいのよね　tantanは

　

仙酔島の五色岩
（太古の溶岩が地表に現れたもの）

2013年04月29日15:43

カテゴリ: アーちゃんの介護日記

アーちゃん再び診察

４月１３日

会社終業時間の間際に携帯電話がなった
アーちゃんの施設からだった

アーちゃんがベッドから落ちたようで　頭を下にして
『ちょっとグッタリしているので病院へ行かれます？』
みたく　状況のわからないtantanに打診してきた

落ちた時の様子を聞いても　介護人が巡回した時
既に落ちた後だったので良くわからないと言う
何となく　落ちたと言うより　ずり落ちた雰囲気だそうで
緊急性は無い様に思って電話しているとの事だった

そんな報告をされて【様子見して下さい】とは言えない状況
判断しかねるので　『行くっきゃないでしょ？』

『じゃ　どこの病院を希望されます？』・・・って
つい最近大腿骨の手術をした　明石市民病院に決まっている
じゃないですか・・・

連絡してもらうと　本日救急外来が混んでいるので
午後８時４０分の診察予約です　という事になった

今から電車とバスで行ったら丁度　tantanも
それくらいになるので　都合が良い

時間通り　車椅子に固定されたアーちゃんが
施設の車でやって来たが案外元気だ
これだったら来なくても良かったかな・・と思うが
先日手術したばかりの大腿骨が
もしも　ズレていたら厄介な事になるし

『痛いか？』　と聞いても
いつも『否や』と返答するアーちゃんだから
診察は受けておく事に　越した事はないのである

レントゲンと頭のCTを受けて　先生から説明を受けたが
別段　これといって今は症状がでているわけではないが
1日注意して見守っていて欲しい　という見解だった

高齢者は　突然様態が変化する
今年になってアーちゃんの施設でも
夕食を普通に食べ　いつもどおり就寝したが
翌早朝　何度目かの巡回時
既に　行き途絶えていた入所者がある

ある日の日曜日　元気に昼食を取っていた人を見かけたが
その後　肺炎で入院　1度は施設に帰って来れたが
再度の入院で他界された入居者

これも今年になってからの事である

そんなこんなで　用心に越した事はない
何も異常なくて良かったネ　アーちゃん
アーちゃんを乗せた介護車は　静かに病院を去って行った

時刻は午後１０時を　とうに回っていた
バスがあるかどうかもわからないので
明石駅まで歩いた　ここまでくれば
後は帰宅するのは楽勝だが

食事を取るの・・・忘れていたわ

2013年04月27日15:40

カテゴリ: tantaｎ日記

最後の晩餐は『焼肉定食』

3月２７日

とうとう　この日がやって来た
今日は息子を主人の車で福山へ送っていく日である

朝からお天気が悪かったが
備前のサービスエリアでは大雨になり
tantanの心も　より一層重たくなった

父親と息子は　至って呑気なもので
サービスエリアのテントで出店していた
アウトレットジーンズを物色している
まるで物見遊山な　その姿に
『人の気持ちも知らないで』
と腹を立てていると　主人は
雨の中で試着して　1着のジーンズを買った

男親ってこんなものだろうなぁ・・・

昔　友人の結婚式で　結婚して直ぐに
遠くへ行ってしまう花嫁の母親が
泣き崩れるように　大泣きしているのを見て
『なんでなん？』　と思ったが
理解できますワ　今なら充分に

今回　主人は息子の３ＤＫハイツを初めて見たのだが
テレビのＢＳ設定をしてやりながら　キョロキョロ
部屋を見回して　『ここエエトコやなぁ・・』
などと　言っている

何から何まで新品の息子のハイツは
可愛い小さな食器棚もあって
新婚家庭のようである

パイプハンガーの組み立てなど　生活基盤を整えて夕刻
『最後の晩餐』　は近くのお店の焼肉定食

息子をハイツまで送り　いよいよ帰る時となった
『ほんじゃ・・・また来るわ』　心がザワザワ騒いで
これ以上の　別れの言葉は言えなかった

昔　親戚のおっちゃんやおばちゃんや従姉妹たちが
遠路訪ね来ての別れ際　寂しくてワンワン泣いた

子供の頃のように　心から大泣きできたら
どれだけ気持ちが楽になるだろう

そう思いながら　大海に息子を送り出す
余裕のある母親の態度を　最後まで装いながら
夕暮れの彼方に沈む　息子のハイツを
いつまでもバックミラーで追っていた

2013年04月25日18:47

カテゴリ: tantaｎ日記

息子が去る日

２月２８日

アーちゃんの退院がバタバタ決まり
息子の住居もバタバタ決まり
後は【春を待つ】のみとなった

次は　息子の家具や電化製品を買わなければいけない
今　神戸で使用の物品を引越センターに頼むと
ほんの少しの荷物なのに　最低でも１０万円掛かる
という見積りだった　なら新しく電化製品を買った方が安い

最近　大型電気店は全国規模になっているから
送料も全国無料である物が多いのである

tantanが勝手に　一揃買い物リストを作ったら
息子はその中から　掃除機を除外した
ハナから掃除する気がない息子は
『ひとりやから汚れヘン！』　と抜かした

どうにか　洗濯はする気らしく
電気洗濯機は　辛うじてリストに残った

これらを３月１０日に入れてもらう段取りを組んだ
衣服だけは神戸から荷作りして送るが　これが意外と多い

３月１０日に　息子と二人で行って
ライフラインの開栓や雑貨小物を揃える事にした

最終は３月２７日に車で行く
この日は　家から持ち出す唯一の家具である
テレビを積んで　主人と息子の３人で行くのだが
その日の夕方　息子をおいて帰神してくる予定

今から別れの日の事を思うと　寂しさで胸がつまりそうで
閉所恐怖症と同じ発作が起きそうになる

こんなんで　ホンマにtantan　大丈夫なんかいな！！
それって自分でも　大袈裟やろ～が！　と思うが
その日から息子がいない・・と思うと
どうしようもない感覚に襲われる

tantanはもともと一人で行動するのが大好きだった
何をするにも　何処へ行くにもひとりが良かったのに
今のこの変わりようと言ったら・・・信じられヘン！

『亭主がいるやろ！　これからは夫婦の時代やデ』
とは友人の言葉だが　『主人は主人　息子は違うネン』
とtantanは思っている

2013年04月24日14:21

カテゴリ: tantaｎ日記

息子と福山へ

新幹線で西明石から福山へ出かける
地元不動産屋の営業マンが駅前で待っていてくれた

1週間ほど前　予め　目をつけていた物件が
あっさり別人で決まってしまった事に恐れをなした息子は
tantanに早い広島行きを強く希望した

なら自分ひとりで決めてきたらエエ！と思うが

生まれて初めての独居　まるで不慣れで
何をどういうふうに決めたらいいのか
自分ひとりではオロがくる　と言う事で
今回もtantanが借り出された

福塩線の上戸出駅近くに息子の行く会社がある
会社から歩ける所に住まいたい　という息子の要望は

その上に【安くて　広くて　便利】でが付くので
余計に面倒である

３物件を見るが　やはり最後に見た２階建ハイツ
2階の端部屋３ＤＫに決定した　古い物件だが
会社から徒歩１５分以内で　スーパーやホームセンター
量販店薬局や外食店舗すべてが１０分の徒歩圏内
そのわりにはとても静かな所だった

エアコン・給湯付で家賃は４．３万円である
家賃　立地条件　環境　・・・
息子にとってはこれ以上に無い申し分なき物件
に見えたらしい

設備や外観は申し分のない
最新の１ＤＫを選ばなかった息子
家賃は　決めたハイツと同じ４・３万円なのであるが
会社へはバス利用となる

３ＤＫ・・・マァ　これで良かったのではないかい？

tantanの居場所がここにもありそうで・・・
そう思ったが　息子には言わなかった

契約を済ませた不動産屋担当営業マンが
福山駅まで車で送ってくれたが
余裕で時間があったので　駅周辺のデパートや
ショッピングモールに行った

息子は面接や内定式で何度も来ていて
福山市内を熟知していて　既に友人もできていた

そんな息子は一刻も早く　福山へ赴任したいように言うが
そのたびに　複雑な心境のtantanだった

2013年04月24日13:29

カテゴリ: アーちゃんの介護日記

アーちゃんの退院　あっさり決定

平成２５年2月10日

tantanの申し知れで　今日
外来にて　アーちゃんの退院について
地域医療科の部長さんと施設のケアマネとtantanで
担当医に話を聞く事になっていた

目的は　カラ回りする話の筋道を通す事にあった

時間が来て診察室へ入ると　担当の先生からtantanに
一言　『やっぱり　アカンかったな　リハビリ』

少しでも歩けるようにしてやりたいと思っていたけど・・・
というような意外な言葉が出た
初めからそういう事になってたのと違うの？

話の筋が見えたような気がする

先生は勘違いしていたのだ
入院当初から歩けないアーちゃんを
術後リハビリに回したのである

リハビリ科はそれによって
スケジュールを組んでいた
コレに基づいて地域医療科が動く
施設に伝える　『退院許可は出ていません』と

この時　地域医療科は担当医に
『間違っていませんか？』と言う事を
単刀直入に言えなかったのである

だから　『家族さんが希望している』
などと言い訳しなければならなくなった

希望も何もtantanはない　アーちゃんの回復を望み
毎日少しでも時間を割いて　来院しているのであるが
tantanの年齢で　フルタイムの仕事を抱えているなど
周囲の誰もが　思っていなかった様子

悠々自適に病室へ通い　楽しげに
アーちゃんと向かい合っているのだろう・・・
と周囲は思っていたみたいで
　　　　
『ご家族さんは　決して退院を希望されていません・・・』
と言うような声が上がった感じ

何はともあれ　先生の勘違い　退院は即日決定
２月１２日に退院することに　あっさり決まった

2013年04月22日08:56

カテゴリ: アーちゃんの介護日記

アーちゃん　なすがまま

１月２４日

病院からアーちゃんの靴を持ってきて欲しい
という要望の電話があった
『病院のスリッパをはいていただいていますので・・・』
という言葉だったが　意味が解からない

意味は分からないが　とりあえず言われるとおり
夕刻　新しい靴を買って持っていった
リハビリはしない事になっていたはずだったが・・・変だなぁ？？
行くとベッドサイドに車椅子と病院のスリッパが置いてあった

これについて　担当医やりハビリ科からは
何の話もtantanにはなかった

平成２５年　２月５日

手術後14日を経て抜糸が終わり　入院から1ヶ月近くが過ぎ
アーちゃんの体調も順調に回復していた

tantanはもうすぐ息子の部屋を決めるのに
広島へいかねばならないので
病院側に　退院の予定を聞いてみた

主治医からの退院の指示はない言うことだったので
できたら2月中には退院できれば
これにこしたことはないという旨を
病室担当の看護士さんに打診したら

『それまでには入院許可が下りると思いますが
１度先生に聞いてみます』　という看護士さんの言葉だった

３月に入っても入院が長引くなら　tantanは息子の用意で
しばしば広島へでむかねばならない　そうなると
アーちゃんの洗濯物や食事の介護に
やってくることができなくなるのだ

施設は1月中には帰ってくるものと思って
その準備をしていたらしいが
２月に入っても　何の退院連絡もないので
アーちゃんの　部屋をショートスティに提供しているらしい

施設側は病院の地域医療科という部署と連絡を取って
対処しているらしいが　tantanはそんなことまるで知らなかった

地域診療課は　『家族さん（つまりtantan）は早期の退院をされていません』
と言う事を言っているらしいがtantanは　それも知らない

施設側は『退院の支持なし』　を聞いて
tantanが入院を伸ばしているように思っている

段取りが狂ったのか
施設のケアマネージャーの機嫌が頗る悪い

tantanのまるで知らないところで
話は空回りしているようだった

病院側地域医療部長・施設の担当者
それに家族側のtantanの三者で
アーちゃん担当医の意見を一斉に聞きいてほしい
という申し入れをした

各部署の立場や考えがある事はわかるが
それぞれの思惑を他人のせいにしては
いけないでしょうが！・・・
tantanはそれぞれの本音を聞きたかったのである

当事者である肝心のアーちゃんは
されるがままの別次元にいた

2013年04月20日10:57

カテゴリ: アーちゃんの介護日記

入院って費用がかかるんだ

１月２５日

病院では完全看護といいながら　実態はそうでもない
『完全看護』という言葉に甘える事ができれば
それでOKなのではあるが　気持的には
そうもいかないのが現状であるし

実際　書類やなんやかんやと用事ができるし
世話の出来るアーちゃんの身内は
tantanひとりであるからして
とうとう　毎日来院することになっていた

アーちゃんは手術後も順調に回復していった
昨日始めて風呂に入れてもらったようで
洗濯物がたくさん出ていた

病院では　衣服のレンタルがあって便利だが
アーちゃんは看護士さんの指示で　個人的に
特別なツナギを持ち込んでいたので
洗濯当番は　tantanである

しかし冬場の上に　ここのところお天気が悪い
しかもこのツナギ破ったりできないように非常に
丈夫に仕立ててあるので実に乾きにくいのだ

そこのところへ以って　tantanっちには
乾燥機という文明の利器が無い
ひたすらお日様の機嫌を伺って　天日干しをしている

３枚用意したが　せめてもう1枚
合計４枚あれば　気も楽なのだが
このツナギ　結構高価で1枚５０００円

施設の好意で業者価格で分けてもらって
この値段だった

アーちゃんが退院した後は使い道が無い
施設に寄付するつもりだが
施設は拘束服を絶対に使用しない

今回のような入院という突発事故時
入所者の誰彼なく使ってもらう予定である

アーちゃんは寝たきりなので　他に洗物は
タオルくらいなのだが　紙オムツと尿パッド
お尻拭きなどの消耗品がハンパなくいる

病院の売店でも売っているが定価で高い
病院の前にホームセンターやスーパーがあり
来院のたびに買いに出る事ができるので　
バスや電車に嵩張った大きな荷物を持って
乗らないでもよかった事が幸いである

しかし　この消耗品購入もばかにできない
3～４日に一度くらい　３０００円以上の出費である

大腿骨の人工骨交換手術は整形外科へ約１ヵ月　
その後リハビリ病棟へ移転して　長くて３ヶ月
その間　ずっと　この消耗品費が掛かってくるわけだ

普段は忘れて暮らしているが　病気・怪我・手術・入院すると
改めてお金がいるのだという事を再認識した

tantanの老後も　その為の貯金がいるのかぁ・・・
まったく希望が無いな

若者のように　旅行の費用を貯めるのとは
まるで　わけが違う

2013年04月18日14:12

カテゴリ: アーちゃんの介護日記

アーちゃんの手術日

平成25年1月17日

今日の午後2時からアーちゃんの手術が始まる・・・が
昨日からtantan の体調が頗る悪い　熱があるのだ
午前中に内科にいき点滴を受けたが回復しない

手術の立会いは2時間前に来てほしいという事で
午後12時には病室に行った　意識が朦朧としていて
もう全てどうでもよくなるほど　気分が優れない
仕方が無いので　この時ばかりは主人を呼んだ

手術前の先生からの説明だけでも聞いてほしかった
そんな５分程の短時間でも　tantanは耐えられそうに
無かったのである

待合室の長イスで手術中は　ほとんど
眠っているかどうか　よくわからないような
浅い眠りに襲われて　横になったままの状態だった

２時間程で終わると聞いていた手術が終了したのは
午後６時近くになってからだった

問題なく人工骨に交換完了したと言う事だったが
とうとう　術後説明も主人に聞いてもらう始末だった

肝心な時　頓挫するtantan 役立たない自分が情けない

病室へ帰ってきたアーちゃんは　薄目を開けて
時々辺りを見回すが　全身麻酔から覚めやらない

マスクをしてベッドサイドに辛うじて身を預けていると
看護士さんが　『もう　こちらでしますからお帰り下さい』
と言われたのを幸いに　引き上げ得る事にした

術後４時間くらいで水を飲ませるために付き添うのだが
今の状態では　こちらが介護される側にまわりそうなので
これを潮に引き上げることにした

翌日　今度は息子が高熱を出す
この子は検査の結果　インフルエンザで
リレンザの点滴を受けたが　怖いくらいに
回復し点滴後体内には　一つのインフルエンザウィルスも
存在しないと言う事が　検査でわかったらしく
やけにハイになって　病院から帰ってきた

イライラして落ち着かない態度の息子は
薬の副作用なのか　ちょっとした事にも
ひっかかるような言葉使いにtantanは
息を殺すように　注意して見守っていたら
自分の体調の悪さを忘れていた

2013年04月16日15:07

カテゴリ: アーちゃんの介護日記

病院ではツナギ使用

1月12日土曜日

昼からアーちゃんの病室を訪ねる
看護士さんから　ツナギ（拘束服）を持ってきて欲しい
といわれて　施設のケアマネに頼んでおいた物が
病室に届けられていた

施設では拘束服は勿論　独特の介護理念から
拘束とみなされる行為は一切行なわないと説明を受けている

例えば　病院のベッドの防護柵は２つで
そこそこの高さがある　(といってもせいぜい５０ｃｍくらい)

施設では例え　ベッドから転倒しそうでも
ベッドの一方を壁に寄せて　もう一方を
高い防護柵で囲むと　この行為事態が拘束した事になるらしく
防護柵は30センチくらいの物を１つだけ使用している

これではベッドの半分を電動で起こしていたら
多分体が安定しないアーちゃんなど
ずり落ちる危険があると思うが
施設では理念に基づいた規則だから・・・
と変更の予定はないという

兎に角　ここは病院であるからして
入院の間は　病院側の規則に従って
拘束服を３着用意した

この拘束服と呼ばれるツナギは
ファスナーの頭が取れて鍵になっているもので
自分で脱ぐ事ができない服であるが
大きさもタップリしていて　決して
窮屈だというような代物ではない
・・・ように思うが　施設では使用していない

アーちゃんのように服をバリバリ引き裂くような場合
使用してくれたほうがいいように思うのだけれど・・・
アーちゃんは　紙おむつのポリマーを
ボロボロに引きちぎっている事もある
その時　汚物が爪の間に溜まり
ブラシでないと綺麗に除去できないらしく
不潔な状態でいる事もこれまでにあった

でも　これもやりたいようにさせる事が
自然体であり　人権尊重であるという施設側理念だ

若年性アルツハイマーの７０歳の女性が同室に
やはり骨折で入院していたが
この人はベッドに拘束するベルトをしていた
これなどは　見るだに苦しそうで
【拘束】と呼べる類の物である

アーちゃんが動こうとすれば　事故に繋がると思うが
施設側はガンとして融通が利かない
完全にオムツをしていても　時間的にトイレに連れて行く

寝たきりを防止する為と自分でトイレに行く
という人間的プライドを持続させる為だと聞いたが
もしtantanがこれを否定すれば
【退所願】を提出する以外にはないのである

2013年04月16日09:41

カテゴリ: アーちゃんの介護日記

整形外科に入院・手術

１月７日

tantanが病院へ駆けつけた時　アーちゃんは
既に診察や検査を終えていて　入院の手続きをする段になっていた

入院書類に判子を押して　入院・手術に同意し
医師や看護士さんから　今後の注意事項の説明を受ける

アーちゃんは貧血が酷くて　このまままでは
手術ができないので輸血をする事になった

以前から貧血がひどくて　年に１ヵ月間は
真っ黒な静脈注射を打ち　ヘモグロビン値を計っていたが
今回は到底　大腿骨を人工骨に変える手術には
耐えられる血液の状態ではないとの事だった

４人部屋である　施設から『アーちゃんは夜中に大声を出す事がある』
と聞いていたので　個室の空きを訪ねたが　あいにく満室だった

周りの入院患者に事情を話して　承諾を得るが
全員が大腿骨を人工骨にする為に入院した高齢者だった

８０歳を越えていてもスイスイと自転車を乗りこなしていたところ
ある日よろけて溝へ転落した人

冬場の為　太陽の方角へ洗濯物を干しなおそうとして
犬走りを踏み外して転倒した人　この人は９１歳
矍鑠と政治の話をする人で　不動産屋のtantanに
土地権利関係について　詳細に質問してきた

全員足を天秤のような錘で吊るされているが
口や手は自由自在に動くのである

アーちゃんの手術は　１週間後という事になった
とても手術する人が多くて　順番待ちが長いのである

昔は整形外科といえば　若い子達が多かったように思うが
今は病室のほとんどが高齢者である

『コケたらオシマイやから』という声を良く聞くが
今はそんな事はない　人工骨に入れ替えて
歩行することは無論　また自転車に乗れるようにも
なるのである　相当期間のリハビリを頑張る事が
条件に付くのだけれど

病院の前にある　ホームセンターで
オムツ・尿パッドや衣料・雑貨を揃えて病室に届けると　
アーちゃんの輸血が開始されていた

完全看護とはいえ、毎日病院へ来ている家族が多い
tantanは仕事があるけど　どうなるのかな・・・戸惑う

食事の介護が必要なアーちゃんだから
毎日　昼食か　または夕食に１日１回は
来なければいけないだろうな・・・と思っていたら
手術の日は１日中付き添ってほしいという
看護士さんの言葉である

いくら自分の会社とはいえ　随分勝手をしなければ
いけない事になるが　アーちゃんと仕事
どっちが大事やネン・・・と言われているようで
肩身が狭い

2013年04月13日15:06

カテゴリ: アーちゃんの介護日記

アーちゃんの大怪我

平成２５年１月７日

まだ松の内である７日　会社へ
アーちゃんの施設から電話が入った

母がトイレで転倒して　頭を切ったので
明石市民病院で３針縫った・・・という報告の電話だった

『直ぐ行きます！』というと　もう縫った後で
『このまま施設に帰り様子見します』　との事だった

家で介護していた時の事が　思い出される
アーちゃんは　良く転倒した。今のように動けなくなる前
曲りなりにも　まだ自分で動く事ができた頃
転んで顔面にアザを作ったり、コタツの角で頭を打ち
救急で頭を縫ったこともある

久しぶりに蘇える光景だ　ショートステイ先の
施設でも転倒して更に　歩行困難と認知症が進んだ

今の特別養護老人ホームへ入所してからは
大きな事故はなかった　初めの頃車椅子から転倒して
頭を打った・・・と言う報告が１度あり　その時は
何事もなく過ぎた　いよいよアーちゃんの
日常生活も　これで安定したのだ・・・と
と思っていた矢先に　この事故が起こった

トイレでは　少しの間アーちゃんはひとりで立っていたのか？
便座に座って転倒したのか・・・その辺りの説明が施設からはない

ケアマネからの電話では　今　頭部CTを取ったが打撲以外に
問題はないと言う事で　顔色も良く別段　熱もないと言う事だったので
様子見に賛成する返事をしたのだが　翌日の朝　再度電話が掛かって来た

昨夜から熱が出てきたし　足のあたりを触ると
しきりに痛がる・・・というので
『昨日の明石市民病院外科外来に来ました』　という電話

アーちゃんはこのところ益々　何を言っているのか
理解できなくなっていたし、自分でも喋る事が
億劫になっていて　まともに会話ができない為
具体的に『ここが痛い』　という意思表示もできない

大丈夫か？と聞くと無意識に鸚鵡返しな返答で
『うん』　としか言わない

それが災いして　再度の診察になった
アーちゃんは左足大腿骨骨折の大怪我をしていたのである
即日入院の措置となり　tantanは会社から病院へ駆けた

2013年04月11日14:22

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ブログ再開その後②

平成２５年４月１１日

息子とあちこち訪ね歩き、思い出作りのような休日
特に電車・バスを使って出かけるので
その時々の情景ゆっくりと過ぎ
今も鮮明に蘇ってきます

思い出がないと　人は生きていく事が難しいと
聞いた事がありますが　思い出にも２種類あって
『あの時はこんな事があったね　又行ければいいなぁ』
と楽しく回想できるのが　プラス思考な思い出

『あの時こんな事があったけど　もう二度と行けない』
と悲壮感がともなう回想が　マイナス思考
閉所恐怖症で　電車のスピードが落ちて来た時
『このまま電車が止まる!?　閉じ込められる?!』　と考えて
焦燥感で心が固まるのと似ています
　
『歳をとるってひとりで不安な日々をおくる事』って
元気な頃のアーちゃんが言っていました

あの頃　スープのさめない距離にいながら
お金にも不自由するわけでもなく
『何でそんな事を言うのだろう？』　と思っていましたが
今はその気持ちが痛い程　理解できます

アーちゃんは私たちと
同じ空気を吸っていなかったのです

みんな一緒にテレビを見て
他愛なく笑いあいたかっただろうし
『寝るわ』といって自室に引き上げた後も
リビングで　家族の話し声が聞こえる
周りに誰かがいつもいる

朝　全員出かけ行っても
夕刻になれば　誰かが帰ってくる生活
アーちゃんはそんな平安な同居生活を望んでいたのです

将来の不安や人生の重荷を抱えている時
『ジ～』という耳鳴りの音しか
聞こえない誰もいない空間で
過ごす事は本当に辛いものです　

辛くても確実にやってくる、その時
しかもアーちゃんよりも
tantanのほうが若くして
その日を迎えなければいけなくなりました

そんな思いを抱えながらも
息子の赴任をしたためた年賀状を書き
２０１３年　新しい年が明けました

３月下旬　桜が咲く頃　息子は赴任していきます

『年年歳歳花相似　　歳歳年年人不同』

気持ちはそうでも　所作はまるで違いました
息子の荷物をまとめ　新しい電化製品や家具を揃える事に
奔走しているtantanの姿は　傍目には息子の
就職を過剰に期待する陽気な親バカに見えたでしょう

そんな頃　アーちゃんが施設で大怪我をしました　（・・・続く）

2013年04月10日14:36

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ブログ再開・・・その後

平成２５年４月１０日

皆様　ご無沙汰致しました。昨年９月から更新も一切なく一体
tantanはどうなってしまったのだろう・・・って
思われているのではないだろうか・・・なんて思いながらも
気持ち的に更新できない日々が続きました。

息子の就職が内定して　一人暮らしが始まるその予感に
tantanは怯えていたのです

今のご時世　息子が内定を貰ったということは
本当に喜ばしい事なのですが
神戸ではなく　広島県福山市から福塩線で
３５分くらいのところにある小さな町へ
就職が決定したのです

いつかは独立するのだ・・・と心では分かっている
つもりでいましたが

実はこの息子・・・アーちゃん(彼にとっては祖母)の
介護を実によく手伝ってくれた子で
tantanにとっては掛替えのない息子でした。

tantanの夫様は家庭の方向を向いていなくて
仕事に追われるのを口実に
ほとんど家に帰ってこないので
この一人息子だけをtanatnは頼りにしていました

息子の大学入試後半でアーちゃんは
恐ろしげな妄想を伴う認知症を発症
時を置かずに脳幹出血を引き起こして
介護が必要となりました。

この時　tantanの支えになってくれたのが
この一人息子だったのです。

オムツなどの買出しや病院への付き添いなど
当事　車を持たないtantanは
何処へいくのも徒歩やバスを利用していましたが
必ず学校のないときや夜半など
この息子が付いて来てくれました。

一緒に来なくてもいいと言えば
『行きたいから行くだけ』
『自分も買いたい物があるので一緒に行くだけ』
とボソッというだけで　tantanの負担にならないように
唐突と答えているのは一目瞭然でした

施設へ　アーちゃんを預けてからも
息子はよく一緒に訪問してくれました

tantanがいうと　マザコン！！！
いつまでも子離れできない親馬鹿！！！

という傍目の声が聞こえますが

tantan自身も頭で解かっていても
心が付いていかないという
やり場の無い気持ちでした

そんな日々を送っているうちに
いつかtantanの気持ちの中に
この大学生の息子が大きな位置を
占めるようになっていたのです

それが・・・昨今の就職難で
服飾関係の企画など　殆んど無い時
福山の会社に採用が決まったというわけです

彼を祝福する気持ちのどこかで
とてつもない暗雲が立ち込め
近い将来　神戸を出て行く息子の事を思うと
喉の詰る思いが　だんだん顕著になり
閉所恐怖症が助長したかのような
閉塞感を常に感じるようになっていました

晴天の霹靂のようなアーちゃんの発病
考えてもいなかった息子との別れなど

主人の会社でこの歳になって尚
重責を負うtantanには
将来の夢や希望を失ったように感じて
心が砕けるような辛い出来事でした

心に不安を抱えて生きるって　本当に辛い　　（・・・・続く）