社労士の勉強会、「過労死・過労自殺研究会」で、判例を調べて発表しました。
A46ページの大作です!
今回取り上げた事件は、「小樽労基署長事件」。
(詳しくは、札幌地裁 労働判例968、札幌高裁 労働判例212)
事件名に「労基署長」とつくのは、労災の申請を 労基署が不支給と判断し
それに対して(労基署長)に対して、不支給取り消しの裁判をおこすからです。
さて、今回調べたのは、
小樽自動車学校の指導員が、喘息を起こして死亡した事件。
ポイントは、3つ・・・(だと思う)
(1)基礎疾患の喘息が悪化した原因に、業務が関係するか?
(2)自動車学校の教務には、空き時間があるが この時間をどう判断するか?
(3)喘息の治療を継続的に受けていなかったことが、労災申請にどう影響するか。
争点1、業務起因性の判断基準
「業務起因性は、業務と傷病等の間に、経験法則上相当な関係が必要」
つまり、業務が死亡原因の相当部分をしめていないと労災と認められないってことね。
では、誰と比較して 業務が相当原因となるかは、
地裁では、
「労働者と同程度の年齢、経験を有し、日常業務を支障なく遂行できる状態」を基準
高裁では
「労働者と同程度の年齢、経験を有する健康な状態にある者の他、
基礎疾患を有する者の、日常業務を支障なく遂行できる労働者にとって過重な労務」としています。
つまり、労働者の状態に応じて、業務を負担に感じるかどうかを判断するってことですね。
争点2、障害および死亡の業務起因性
教務の間の空き時間については、労働時間として認められたようです。
それは、「仮眠が認められていた」・・・として、仮眠できる状態でなかったこと。
自由な状態であった・・・といっても、それが証明できなかった・・・からなのだと思います。
そして、喘息の治療をサボっていた(?)ことについては、
「治療態度の過失」は、業務起因性判断に考慮するのは、法の趣旨を逸脱。
もし、治療態度に問題があれば、給付制限の事由として考慮
つい、労災が起きてしまうと、本人の態度・・・を考えてしまいがちだけど、
この、「業務起因性判断」に考慮しない!ということは
しっかり理解しておかないといけないですね。
A46ページの大作です!
今回取り上げた事件は、「小樽労基署長事件」。
(詳しくは、札幌地裁 労働判例968、札幌高裁 労働判例212)
事件名に「労基署長」とつくのは、労災の申請を 労基署が不支給と判断し
それに対して(労基署長)に対して、不支給取り消しの裁判をおこすからです。
さて、今回調べたのは、
小樽自動車学校の指導員が、喘息を起こして死亡した事件。
ポイントは、3つ・・・(だと思う)
(1)基礎疾患の喘息が悪化した原因に、業務が関係するか?
(2)自動車学校の教務には、空き時間があるが この時間をどう判断するか?
(3)喘息の治療を継続的に受けていなかったことが、労災申請にどう影響するか。
争点1、業務起因性の判断基準
「業務起因性は、業務と傷病等の間に、経験法則上相当な関係が必要」
つまり、業務が死亡原因の相当部分をしめていないと労災と認められないってことね。
では、誰と比較して 業務が相当原因となるかは、
地裁では、
「労働者と同程度の年齢、経験を有し、日常業務を支障なく遂行できる状態」を基準
高裁では
「労働者と同程度の年齢、経験を有する健康な状態にある者の他、
基礎疾患を有する者の、日常業務を支障なく遂行できる労働者にとって過重な労務」としています。
つまり、労働者の状態に応じて、業務を負担に感じるかどうかを判断するってことですね。
争点2、障害および死亡の業務起因性
教務の間の空き時間については、労働時間として認められたようです。
それは、「仮眠が認められていた」・・・として、仮眠できる状態でなかったこと。
自由な状態であった・・・といっても、それが証明できなかった・・・からなのだと思います。
そして、喘息の治療をサボっていた(?)ことについては、
「治療態度の過失」は、業務起因性判断に考慮するのは、法の趣旨を逸脱。
もし、治療態度に問題があれば、給付制限の事由として考慮
つい、労災が起きてしまうと、本人の態度・・・を考えてしまいがちだけど、
この、「業務起因性判断」に考慮しない!ということは
しっかり理解しておかないといけないですね。
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