先週末、3か月ぶりに東京に行ってきました。ここのところやることが多くて疲れていましたが、すっかりリフレッシュした気分で今週を過ごしています。
 
 富士見ユキオ先生・岸原千雅子先生主宰のインスティチュート・オブ・プロフェッショナル・サイコセラピー(IPP)の、解離についてのセミナーでした。大きなトラウマによる解離性同一性障害(多重人格)などよりむしろ、不適切な養育など小さなトラウマの連続から解離性障害やパーソナリティ障害を負ってしまった方々への心理療法について、微に入り細に入り検討し、例によってディープなセミナーでした。 
 セミナーが終わると、いつも頭はパンパン、体もクタクタです。でも、気分はスッキリ。どうしてだろう?

 TAOに来てくださっている方々がよくなってために私はどうすればいいのか、大切な示唆をいただけること。久しぶりに仲間(私のような地方からの参加者もいっぱいです)と会えて、いろいろな情報交換ができること…。
 いやいや、これらは二の次だ。やっぱり何より、家事からの解放です!
 食事の準備や片付けをしなくていい「上げ膳据え膳生活」。日ごろからずっと気になっている、あの片付いていないところとか、たまっている洗濯物とかも、ホテルにいる今はやりようがないのだから、ほっとくほっとく。こまごまとした雑事のことも、気づいたら忘れてしまっています。この時ばかりは無罪放免。
 それに、私は根っから子どもっぽいところがあって、飛行機が好きです。地上のしがらみから解放される気分です。いつも上野に宿を取ります。大きな蓮池のいい匂いの風に吹かれると、おおらかな心持ちになります。

 兼好法師が「徒然草」の中で、「いづくにもあれ、しばし旅立ちたるこそ目覚むる心地すれ」(第十五段)と言っていますが、本当にその通り。どこへでも、ちょっとの時間でも、非日常の「旅」の世界に身を置くと、いろんなことが新鮮に感じられ、気分が入れ替わり、「明日からまた頑張るぞ」モードに入れます。
 こういう時間を意識して自分に与えないと、忙しい現代人は早晩つぶれてしまいます。

 そんな余裕は全くない、あったとしても全く楽しめない方もいます。何かに閉じ込められた気分で、欝々と日々を過ごすしかないこともあります。
 そういう時は、思い切って自分の内界を「旅」するしかありません。うずくまっている洞窟内の探索です。よく目を凝らし、そこにある小石を拾い上げて味わい、丹念に出口を探すのです。その過程で、宝物も見つかるかもしれません。
 兼好法師はこの段の最後で、「寺・社などに、忍びてこもりたるもをかし」とも言っています
 
 でも、苦しい時は、ややもすると宝物に気づかずに取り散らかしたり、さらにうずたかく積み上げて出口を塞いだり、地面を深く掘ってもぐりこんでしまったりします。つまり、ますます自分をいじめてグチャグチャにしてしまいがちです。
 「内界への旅」は一人では難しいのです。関係による傷つきは、関係によってしか癒されないということを、今回のセミナーでも教わりました。同行二人の旅の同行者となれるよう、さらに研鑽を積んでいきたいです。  


                           心理面接室TAO 藤坂圭子
                           HP:http://tao-okayama.com