「竹の春」です。竹の葉っぱが青々としてきました。
 筍の生える春、親竹は養分をすっかり筍に吸い取られ、色褪せ、やがて「竹落葉」をハラハラ散らします。
 そして、秋になると元気を取り戻し、青々と葉を茂らせ、鮮やかに浮かび上がります。
 「竹の秋」は春の季語、「竹の春」は秋の季語です。面白いです。 

 今回、こんなことを書こうと思い立ったのは、TAOでのあるセッションに感動したからです。書いてもいいとクライエントさんにご承諾いただいているので、簡単にご紹介します。

 その方に、自分を縛っていたある観念から解き放たれる時が来ました。「脱いで、踏んづける!」と腕を大きく振りほどき、足でどんどん踏みつけ、築350年の木造のTAOの床はちょっと揺れるほどでした。
 それは、まさに「竹の皮脱ぐ」といった迫力で、とても清々しかったのです。
 
 初夏の若竹の勢いと言ったら凄まじいです。次から次へと皮を脱ぎ散らし、その皮が地面に落ちようが、まだ幹にへばりついていようが全くお構いなし。脱ぎ捨てたその中からグワッと青竹が立ち上がって、ぐんぐん伸びていく様子には、毎年感動です。

 その方は、若竹のような自分の芯ができてきたからこそ脱ぐことができたのです。でも、今までは守りとしてその皮は必要だったんだ、ということも実感されました。そしたら、踏んづけたその皮がいとおしくも思えてきたのです。

 人が変わるというのは大変です。その方にも、ここまでたどり着くまで紆余曲折の歴史がありました。それでも、いつまでたっても完成はしないというのが、また人生の醍醐味かもしれません。だから、常にそのプロセスを味わっていたいものです。
 「竹の春」、「竹の秋」と繰り返し、人生も進んでいくもののようです。「竹の春」は、また次の誕生への準備期間です。
 そう言えば、今年は120年に一度という、竹の花の開花が見られました。よい兆しでありますように。

 こう書いていると、竹の皮に包まれた美味しいおにぎり弁当が食べたくなってきました。
 「食欲の秋」でもありますね。

                            心理面接室TAO 藤坂圭子
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