毎日、朝日新聞で約百年ぶりに連載の「吾輩ハ猫デアル」を楽しみに読んでいるのですが、今日は笑いました!
「苦沙弥先生」は「抜き取った鼻毛を奇観の如く眺め」ながら、細君の家計の苦情を聞いています。やがて、「主人は平気な顔で鼻毛を一本々々丁寧に原稿紙の上へ植付ける。肉がついているのでぴんと針を立てた如くに立つ。主人は思わぬ発見をして感じ入った体で、ふっと吹いてみる。粘着力が強いので決して飛ばない。『いやに頑固だな』と主人は一生懸命に吹く。」
さらに、種々の色が混じる鼻毛の中に、「鼻毛の白髪」を見つけ出し感動して、細君に突き出すのです。細君もさすがに笑いながら、家計の話題を切り上げるのでした。
猫の目を通して書かれているものの、もちろん、これは漱石自身の人間観察、自己観察の鋭さのなせる業。そこに、滑稽でいい加減な人間の風刺だけでなく、そんな人間への諦めと愛情さえ感じます。
一人で大笑いした後、人間ってこんなもん、私ももっと肩の力を抜いて楽に生きていればいいんだ、と何となく思えたのでした。
心理面接室TAO 藤坂圭子
HP: http://tao-okayama.com
「苦沙弥先生」は「抜き取った鼻毛を奇観の如く眺め」ながら、細君の家計の苦情を聞いています。やがて、「主人は平気な顔で鼻毛を一本々々丁寧に原稿紙の上へ植付ける。肉がついているのでぴんと針を立てた如くに立つ。主人は思わぬ発見をして感じ入った体で、ふっと吹いてみる。粘着力が強いので決して飛ばない。『いやに頑固だな』と主人は一生懸命に吹く。」
さらに、種々の色が混じる鼻毛の中に、「鼻毛の白髪」を見つけ出し感動して、細君に突き出すのです。細君もさすがに笑いながら、家計の話題を切り上げるのでした。
猫の目を通して書かれているものの、もちろん、これは漱石自身の人間観察、自己観察の鋭さのなせる業。そこに、滑稽でいい加減な人間の風刺だけでなく、そんな人間への諦めと愛情さえ感じます。
一人で大笑いした後、人間ってこんなもん、私ももっと肩の力を抜いて楽に生きていればいいんだ、と何となく思えたのでした。
心理面接室TAO 藤坂圭子
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