2020年06月

 2020年も早や半分が過ぎようとしています。あまり実感がわかない、変な年です。
 例年より一月以上遅れの「五月病」に、梅雨のじめったさも加わり、心身ともに調子を崩されている方も多いのではないでしょうか。みなさま、どうぞご自愛ください。
 7月の開室について、お知らせします。以下の日時は、ご注意ください。申し訳ありませんが、平日の午後はスクールカウンセリング等で外に出ますので、午後がお取りしにくいです。月・木・金の18時からは可能です。学校が夏休みに入ると、午後もお取りできます。お問い合わせください。
  7/23(木・祝日) 9:00~16:00 〇 (最終は15:00~)
  7/24(金・祝日)  ✕
  7/25(土)    12:00~ ✕
  7/27(月)  9:00~15:00 ✕  15:00~19:00 〇(最終は18:00~)
  *日曜日は閉室です。

【新型コロナウイルス感染対策について】
 少しずつ落ち着いてきたとはいえ、まだ予断を許さない状況です。
 TAOでは以前にお伝えしましたように、以下の対策の上、クライエントさんをお迎えしています。
 ・お話しする距離をいつもより大きくとっています(2メートル弱)。
 ・マスク着用でお話しします。できればご持参ください。
 ・窓は常時開けています。
 ・空気清浄機は常時稼働しています。
 ・アルコール入りハンドジェルを用意しています。
 ・アルコール除菌シートで、ドアノブ等拭いています。
 ・塩素系除菌スプレーを散布しています。  
 
 来談をお控えになりたい方は、どうぞオンラインか電話をご利用ください。オンライン面接はパソコン・タブレット・スマホをお持ちであれば、簡単にできます。事前のインストールなどは不要です。ご希望の方は、事前にメールでお知らせください。使い方をお伝えします。

【初めての方へ】
 TAOでは2回目以降は電話でのカウンセリングも可能としていましたが、現在はコロナの事情に鑑み、初回からオンライン・電話でもお受けしています。
 お申込みはこれまで通り、HPの予約フォーム、またはお電話でお願いします。(電話は面接中などでつながらないことが多いので、できれば予約フォームをご利用ください)
 予約フォームにオンライン・電話希望の入力欄はありませんが、お申し込み後のこちらからの返信メールに対して、その旨をお伝えくだされば、対応いたします。

                           心理面接室TAO 藤坂圭子
                           HP:http://tao-okayama.com

 最初にベルリンに行ったのは、1998年でした。ベルリンの壁崩壊からすでに10年が経ち、あの劇的なニュースもすっかり過去のことのように思っていました。そもそも、私は若いころは自分のことで精一杯で、国際情勢などあまり関心も持たない甘ったれだったので、もうドイツは一つになったのよね、くらいの軽い気持ちで訪れたのでした。

 しかし、東西の格差は見た目にも歴然で、衝撃でした。地図がなくても東か西か分かる。本当に、「色」が違う。
 旧西側は日本や他の大都市と同じく賑わしく、ちょうどクリスマスの時期でもあったので、家々の窓にはツリーがキラキラしていて、壁をよじ登るサンタさんもいっぱいいました。
 が、旧東側は、クリスマスの飾りもひそやかで、灰色の印象でした。
 それだけではなく、町中が工事中で、水抜きパイプが空中を縦横に走り、これは戦後の復興?と見紛うほどでした。旧東ドイツの建築基準は甘く、既存のビルは使い物にならず建て直し中で、それに伴って地下水を抜いているのだという説明を受けました。旧東ドイツの政府機関のビルが、いくつも廃墟となっていました。

 ベルリンの壁は何ヶ所か保存されていました。強固なイメージがありますが、実は1961年、突然の分断命令によって数日で完成されたもので、造りはとてもチャチなのです。高さも4メートルほどで、工夫すれば越えられる程度のものです。
 なのになぜ30年近くも残ったかと言うと、東側の壁の手前は広場になっていて、そこに監視塔があって常に銃を構えられていたからです。その塔もいくつか残っていて、まさに灰色の風景でした。
 一方、西側は自由に壁に近づけるので、ポップな落書きの色彩に溢れていました。
 わずか十数センチの壁を隔てて、まるで別世界でした。

 壁崩壊の象徴的な場面としてよく報道されるブランデンブルク門の周辺も、東西で賑わいが全然違いました。
 門の傍らには、壁を越えようとして殺害された人々の名前と日付の碑があって、あと1ヶ月遅かったら…という方もいらっしゃいました。
 当時の検問所の近くに立つ「ベルリンの壁博物館」には、脱出用のトンネルや改造車などが展示されていて、これも壮絶でした。でも、壁の崩壊直後、銃口に一輪の花を挿して、人々の自由な行き来を見守る兵士の映像には、とても心打たれました。

 東西ドイツ統合後、旧西ドイツの人たちからは月4万円?ほどの税金を徴収し(記憶が不確か…)、最初に東西を結ぶ高速道路を整備し、急ピッチで東側の復興を図っていたのこと。日本人ガイドさんの、「こちらの政治家は本物の政治家ですよ」という言葉が印象的でした。
 それでも、10年経ってもまだこんな様子だとは…。

 次にベルリンを訪れたのは、2014年でした。やはり音楽鑑賞がメインの旅行でしたが、あのドイツがどうなっているのか、非常に関心がありました。
 さすがに、東西すっかり等しく明るいベルリンになっていて、とても安堵しました。
 旧東の都市ドレスデンの、大戦で破壊された聖母教会も美しく復元されていて、感動しました。1998年に行ったときは、うず高い瓦礫の山があるだけで、「世界最大のジグソーパズル」と言われていたのです。

 しかし、統合20周年の昨年、まだまだ格差や感情のしこりは根深いと伝えられました。むしろ、時代を逆行して、ポピュリズムや保護主義の波が襲っています。ひとたび分断されると、再統合にはものすごい時間がかかります。その間に失ったものはどんなに大きいことか。物心両面において。
 このコロナ禍で、ドイツはどちらに振れるのだろう。私はドイツの賢明さに期待したいと思うのですが。
 そして、日本は、アメリカは、ブラジルは、香港は…、世界全体はどうなっていくのだろう。

 政治って難しい。人の心も一筋縄ではいかない。私自身、日々何を大切に生きたらいいのだろう、とますます考えさせられる今日この頃です。一人ひとりの心や命の重さを考えると、軽々しくきれいごとは言えません。
 ただ今は、「何をするか」ではなく、「いかにあるか」を追求しています。何もはっきりしたことは言えず、すみません。まとまったらまたいつか書きたいと思います。 
 
                          心理面接室TAO 藤坂圭子
                          HP: http://tao-okayama.com 

 

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