2020年08月

 TAOでも、3月くらいからカウンセリング中は、お互いにずっとマスクです。
 だから、そのころ初めて来られた方とは、ずっと顔の上半分だけでお話ししていて、飲み物を飲まれるとか鼻をかまれるとかで、ふとマスクを外されたとき、ああ、こんなお顔だったんですね、となります。そこで私もちょっとマスクを外して、実は私はこんな顔です、とスッピンを披露して、改めてご挨拶。照れくさい変な感じです。
 早くマスクなしで、清々しく対面できるときがくればいいなあ。

 よくマスクで表情が分からないと言われますが、じっくり向かい合ってお話ししているとそうでもなくて、マスクのせいでカウンセリングが進まないと感じることはないです。ほとんど言葉が出なくて、ほぼ首の振りだけで意思表示をされる方も、「目」には気持ちが表れます。「目は口程に物を言う」です。 
 自然な笑顔はまず口元からで、その次に「目が笑う」のだそうです。と言うことは、マスクを掛けていると、ちょっと時間差の笑顔になるわけですね。でも、確かに「目」は笑っています。
 「作り笑顔」というのは、口が笑っていても目が笑わない不自然な顔。口の表情は意識的に操作できても、「目」って簡単に作れないみたいです。「目」と感情って、直結しているのでしょうか?

 コロナの流行以前から、マスク着用を習慣にしていた人もいました。風邪予防の方が大部分だと思いますが、中には、対人不安があって、自分をさらさないためにマスクが手放せない人もいます。「目は口程に物を言う」ので、自分を隠すためには、マスクよりも黒いサングラスの方が有効でしょう。けれど、なかなかそうもいきませんから。
 前髪などで顔を覆って、できるだけ顔を隠したい人もいます。中学や高校の「服装検査」で、校則違反だから髪を切れなどと無神経に強いるのは、そういう子たちにとって、どんなに辛いことでしょう。
 同様にマスクも、ウイルスのみならず、様々なものからの私たちを守ってくれるようです。

 ある人は職場でイライラするとき、マスクの内側で、「うるさい!」とつぶやくとスッキリする、と言われました。なるほど! マスクの内側は自由なので、人知れず悪態も付けます。「くそったれ!」とか、「ほっといてくれ」とか。「いい人」になろうとせずに、こんな風に自分の気持ちに忠実でいる方が、心の健康のためにはいいです。ただし、「目」にホンネが出ていないか、要注意ですね。
 そう言えば私も、買い物などをしていても、ブツブツ独り言が多くなったような気もします。「いい色のトマトだこと」、「今日はアユの塩焼きにしよう」…etc.。何か気分が軽いです。
  
 しかし、マスクとの付き合いが、こんなに長くなるとは思いませんでした。暑い、蒸れる、鬱陶しい!
 いい加減うんざりしてきたので、気分転換にいろんな色や柄のマスクで遊ぶことにしました。いっそう暑い。でも、ピッタリの気分のものを身に着けると、心も軽くなります。
 どうせならマスク生活を楽しもう。その方が「目」は笑えるかも。それに、ほうれい線や口角のしわが隠せるので、きっと若く見えるはず。
 コロナ禍は考えようによっては、日常的に仮面カーニバル気分を味わえる、特殊な時期かもしれません。マスクで守ったり、主張したり。この機にちょっとでも自分を開放できたらいいですね。「目」は涼やかでいたいです。 

 「目は口程に物を言う」から、話は流れてしまいました。とりとめもない、マスクの雑感でした。

                            心理面接室TAO 藤坂圭子
                            HP:http://tao-okayama.com 

しんどい時は息を吐こう!
 「プラザ岡山」8月号に、上の記事を載せていただきました。
 みなさまの心身の健康のために、少しでもお役に立てば幸いです。

 たかが「呼吸」、されど「呼吸」。一番手軽で、しかもタダでできる健康法です。TVや書籍でいろんなやり方が紹介されています。
 とは言っても、しんどくて余裕がない時は、呼吸法を知っていても、たった1分でも、なかなか実践できないものです。なので、本当にごくごく簡単な、ただ「息を吐く」、ということを紹介させていただきました。
 お腹に手を当てて、息を吐くだけです。
 お腹に手を当てることは必ずしも必要ではないのですが、その方が吐き出す体感が得られやすいし、自分を大切にしている感覚になれると思います。
 「吸う」より「吐く」。モヤモヤは体の外に出してしまいましょう。そう思うと、「ため息」だって、結構愛しいものです。

 応用として、「10秒呼吸」を取り入れてもいいでしょう。頭の中で数を数えながら行います。
 まず吐き切って、「1・2・3」で「吸う」、「4」で止める、「5・6・7・8・9・10」で「吐く」。
 数を数えることで、より集中できます。「10秒」とらわれず、自分のペースで。慣れてくると、1呼吸が10秒よりうんと長くなります。

 姿勢は、できるだけ体に負担がかからない、リラックスできる体勢で行いましょう。もちろん寝転んでやってもいいです。
 より深く心身を整えるなら、座禅のように背筋首筋をまっすぐにして行うのがいいでしょう。

 私は、7つの「チャクラ」を意識しながら行うこともあります。尾てい骨、丹田(おへその下)、みぞおち、胸、のど、額、頭頂部の7ヶ所です。
 しっかり吐いた後、吸うときには、下のチャクラから順々にエネルギーを吸い上げて、頭頂から天に抜けていくようなイメージで。そしてまたゆっくり吐いて、気を丹田に収めます。
 これは我流ですが、背筋がすっきりして、何か大いなるものと繋がっているような安心感が得られます。

 みなさまも、自分に合った呼吸法を取り入れて、心身の充実にお役立てください。

                          心理面接室TAO 藤坂圭子
                          HP:http://tao-okayama.com

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