朝ドラ「カムカムエヴリバディ」が終わってしまいました。怒涛の大団円でした。
 私の朝活の時間調整上、6:30のラジオ体操と同じく、7:30のBS朝ドラは欠かせません。「カムカム」は岡山が舞台だったこともあり、特に楽しめました。TAOのすぐ近くの旭川河川敷ではロケに遭遇しました。岡山弁も違和感なく聞けました。もう少し響きががさつな方がリアリティがあったかな、とは思いますが…。
 
 3世代・100年に渡って、On the Sunny Side of the Street・あんこ・英語・ラジオ・野球・時代劇等々が縦糸として引き継がれ、ストーリー展開が巧みでぐんぐん引き込まれました。が、単なるドタバタ劇? はて、テーマは一体何なんだろう?と思いながら見ていました。
 終わりから2週目、2世代目のるいの「みんな、間違うんです」に、ああこれだったのか、と思わず膝を打ちました。「赦しと和解」?

 裏切られたと勘違いした娘は、母親を「I hate you」と斥けた。母親は自分が消えることが娘のためと、アメリカに去った。
 若旦那に横恋慕していた女中は、戻ってきた嫁とその娘を妬み、ドロドロの気持ちをぶつけてしまう。その女中に失恋した男は、家業再建のために妹と貯めたお金を持ち逃げして、姿をくらました。
 放蕩息子を許せなかった父親は、最後まで意地を張って出征を見送ってやれなかった。
 飢えた戦争孤児は、盗みを働かずにはいられない。…etc.
 思わずしでかしてしまった「間違い」、ちょっとしたボタンの掛け違いが絡み合って織りなされた人間模様でした。「全部自分が悪い」と罪悪感を抱えたまま、直接謝れないで亡くなっていく人たちがいました。
 
 「みんな、間違うんです」。
 本当に、私たちは意図せずとも、どれだけたくさんの不誠実を働いてしまうことか。人を傷つけ、損ない、溝を深め、大切な人を失くす。誰しも、罪を背負いながら生きていく。
 けれど、人間は不完全なので、間違いは避けられない。そんな互いの弱さを受け入れたとき、私たちは大いなる赦しに包まれるのでないでしょうか。
 物語の最後の母娘の和解は、間違っても決して終わりにはならない、間違ってこそ絆が深まることもある、と希望を持たせてくれるようでした。それが、「暗闇でしか見えぬもの」?
 
  3世代目のひなたは、「That's life(人生とはそういうもの)」と言いました。間違いを繰り返しつつも一生懸命な人生を、お互いにおおらかに認め合いたい。「カムカム」のように赦しと優しさにあふれ、いい「縁」が巡る「ひなた」の世の中にしていかねばと、この頃切に思います。

                          心理面接室TAO 藤坂圭子
                          HP:http://tao-okayama.com